JP-2026077891-A - ガラスヤーン、ガラスクロス及びガラスヤーンの製造方法
Abstract
【課題】 複数のガラスフィラメントが集束されてなるガラスヤーンであって、ガラスフィラメントを構成するガラス材料が、SiO2を40~60質量%、B2O3を15~35質量%含み、ガラスフィラメントの平均繊維径が3~6μmであるガラスヤーンにおいて、ガラスクロスとするときの毛羽の発生を抑制することができる、ガラスヤーンの提供。 【解決手段】 複数のガラスフィラメントが集束されてなるガラスヤーンであって、前記ガラスフィラメントを構成するガラス材料が、SiO 2 を40~60質量%、B 2 O 3 を15~35質量%含み、前記ガラスフィラメントの本数が30~120本であり、前記ガラスフィラメントの平均繊維径が3~6μmであり、前記ガラスヤーンの番手が0.3~6texであり、前記ガラスヤーンのウースター斑が0.5~2.0%である、ガラスヤーン。 【選択図】 図6
Inventors
- 澤井 陸
- 池田 知弘
- 宮崎 崇治
Assignees
- ユニチカ株式会社
- ユニチカグラスファイバー株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260304
- Priority Date
- 20201222
Claims (4)
- 複数のガラスフィラメントが集束されてなるガラスヤーンであって、 前記ガラスフィラメントを構成するガラス材料が、SiO 2 を40~60質量%、B 2 O 3 を15~35質量%含み、 前記ガラスフィラメントの本数が30~120本であり、 前記ガラスフィラメントの平均繊維径が3~6μmであり、 前記ガラスヤーンの番手が0.3~6texであり、 前記ガラスヤーンのウースター斑が0.5~2.0%である、ガラスヤーン。
- 前記ガラスヤーンの撚り数が0.3~1.2回/25mmである、請求項1に記載のガラスヤーン。
- 請求項1又は2に記載のガラスヤーンを経糸及び/又は緯糸として製織されてなるガラスクロス。
- 投入されたガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融部と、 前記溶融部の下部に設けられるノズルプレートと、 前記溶融部及び前記ノズルプレートを加熱する加熱手段と、を備えるブッシングを用いて、 ガラスフィラメントを製造する工程を含む、請求項1又は2に記載のガラスヤーンの製造方法であって、 前記溶融部が、前記ガラス原料が完全に溶融されず、固形のまま存在する領域と、ガラス原料が完全に溶融され、固形のガラス原料が存在しない領域とを含み、 前記ガラス原料が完全に溶融されず、固形のまま存在する領域の温度T in と前記ノズルプレート付近の温度T out の差(T out -T in )を10~200℃としてガラスフィラメントを製造する、請求項1又は2に記載のガラスヤーンの製造方法。
Description
本発明は、ガラスヤーン、該ガラスヤーンを経糸及び/又は緯糸として製織したガラスクロス、該ガラスヤーンの製造方法に関する。 ガラスヤーンは、多数のガラス単繊維(フィラメント)を集束して糸状にしたものである。ガラスヤーンは、電気絶縁性、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性及び引張強度等の特性に優れることから、ガラスクロス、ガラステープ、ガラススリーブ、ゴム補強用コード等の原料糸として使用されている。 ガラスクロスの用途の一つとしてプリント配線板が挙げられ、ガラスクロスはプリント配線板の品質に大きく影響を与える。プリント配線板用ガラスクロスは薄型化が進み、それに伴い、原料糸であるガラスヤーンも低番手化(例えば0.3~6tex程度)されている。また、大容量のデータを高速で伝送処理する要求が急激に高まっている等の理由から、プリント配線板に使用するガラスヤーンには低誘電率化が求められている。低誘電率のガラス材料から構成されるガラス繊維として、例えば、特許文献1~5に開示されている。 特開昭62-226839号公報特表2010-508226号公報特開2009-286686号公報国際公開第2017/187471パンフレット国際公開第2018/216637パンフレット 本発明のガラスヤーンとするガラスストランド(ガラスフィラメント束)を製造するガラスフィラメント束製造装置の一例を示す模式的側面図である。図1のガラスフィラメント束製造装置の上面図である。仕切り部材を上面視した平面模式図である。ノズルプレートの平面図である。ノズルの断面図である。ブッシングの側面図である。 本発明のガラスヤーンは、複数のガラスフィラメントが集束されてなるガラスヤーンであって、前記ガラスフィラメントを構成するガラス材料が、SiO2を40~60質量%、B2O3を15~35質量%含み、前記ガラスフィラメントの本数が30~120本であり、前記ガラスフィラメントの平均繊維径が3~6μmであり、前記ガラスヤーンの番手が0.3~6texであり、前記ガラスヤーンのウースター斑が0.5~2.0%である。以下、本発明のガラスヤーンについて詳述する。 <ガラス材料> 本発明のガラスヤーンは、複数のガラスフィラメントが集束されてなり、該ガラスフィラメントはSiO2を40~60質量%、B2O3を15~35質量%含むガラス材料から構成される。 (SiO2) ガラスフィラメントを構成するガラス材料において、SiO2は、ガラスの網目構造を形成する必須成分である。SiO2は誘電率を低くする作用を有し、SiO2の含有率が40%以上とすることにより低誘電率のガラスヤーンとすることができる。一方、当該含有率を60%以下とすることにより、溶融ガラスの粘性を適度なものとすることができ、ガラスフィラメントを紡糸する際に均質なガラス組成物としやすくなる。これらの観点から、SiO2の含有率は、45~55質量%が好ましく、45~53質量%がより好ましく、45~49質量%がさらに好ましい。 (B2O3) B2O3は、ガラスの網目構造を形成する必須成分である。B2O3は誘電率を下げる作用を有するとともに、溶融ガラスの粘性を下げ、脱泡性(泡抜け性)を向上させ、形成したガラスフィラメントにおける気泡の混入を抑制する作用を有する。B2O3の含有率が15%以上とすることにより、低誘電率のガラスヤーンとすることができ、また、ガラス溶融時の溶融ガラスの粘性を低くして、平均繊維径が3~6μmのガラスフィラメントを得ることが可能となる。一方、当該含有率を35質量%以下とすることにより、ガラスフィラメントを紡糸する際に均質なガラス組成物としやすくなる。これらの観点から、B2O3の含有率は、15~30質量%が好ましく、20~30質量%がより好ましく、25~30質量%がさらに好ましい。 (SiO2/B2O3) ガラスヤーンの誘電率を低くすることと、ガラスフィラメントにおける気泡の混入と、ガラスフィラメントにおけるガラス組成物の均質性と、をより並立させる観点から、SiO2とB2O3との比(SiO2/B2O3)は、1.5~1.9が好ましく、1.7~1.8がより好ましい。 SiO2及びB2O3以外のガラス組成の量としては、5~40質量%が挙げられ、10~32質量%が好ましく挙げられ、16~30質量%がさらに好ましく挙げられる。 (Al2O3) Al2O3は、ガラスの網目構造を形成する成分である。Al2O3は、ガラス組成物の化学的耐久性を高める作用を有する。一方で、Al2O3は、紡糸時におけるガラス組成物の失透を起こりやすくする。Al2O3の含有率は、5~18質量%が好ましく、8~18質量%がより好ましく、12~16質量%がさらに好ましい。 SiO2、B2O3及びAl2O3以外のガラス組成の量としては、例えば0~32質量%が挙げられ、0~10質量%が好ましく、5~10質量%がより好ましい。 (MgO) MgOは、溶融時におけるガラス組成物の粘性を下げてガラス繊維への泡の混入を抑制し、ガラス組成物としての均質性を向上させる任意成分である。MgOの含有率は0~10質量%、好ましくは1~8質量%、さらに好ましくは1~6質量%である。 (CaO) CaOは、ガラス原料の溶解性を向上させ、溶融時におけるガラス組成物の粘性を下げる任意成分であるがガラス組成物の誘電率を増加させてしまう効果が大きい。よって、CaOの含有率は0~10質量%、好ましくは3~8質量%、特に4~7質量%がさらに好ましい。 (Li2O) Li2Oは、少量の添加であっても溶融時におけるガラス組成物の粘性を下げてガラス繊維への泡の混入を抑制する作用を有し、さらには失透を抑制する作用も有する任意成分である。Li2Oは、他のアルカリ金属酸化物よりもその作用は相対的に弱いものの、ガラス組成物の誘電率を上昇させる。Li2Oの含有率は、1.5%質量以下、1%質量以下、0.5質量%以下が好ましい。 (Fe2O3) Fe2O3は、その熱線吸収作用によってガラス原料の溶解性を向上させると共に、溶融時におけるガラス組成物の均質性を向上させる任意成分である。Fe2O3による均質性向上の効果により、形成するガラス繊維の繊維径が小さい場合においても、紡糸時におけるガラス繊維の糸切れの発生が抑制され、紡糸操業性が向上する。Fe2O3の含有率は、0.01~0.50質量%、特に好ましくは0.05~0.30質量%である。 また、ガラスフィラメントは、SiO2及びB2O3以外のガラス組成として、上記成分以外のガラス組成を含有していてもよい。例えば、ガラス組成物が含みうる上記以外の成分としては、Na2O、P2O5、K2O、SrO、BaO、PbO、TiO2、ZrO2、La2O3、Y2O3、MoO3、WO3、Nb2O5、Cr2O3、SnO2、CeO2、As2O3、Sb2O3、SO3を例示できる。ガラス組成物が含みうる別の成分は、例えばPt、Rh、Os、Ir等の貴金属元素であり、また例えばF、Cl等のハロゲン元素である。 (ガラスヤーン) 本発明のガラスヤーンは、前述したガラス材料から構成されるガラスフィラメントが集束されてなる。 本発明のガラスヤーンは、ガラスフィラメントの本数が30~120本である。このような範囲とすることにより、薄型化したガラスクロスとしつつ、毛羽の発生を抑制しやすくなる。より薄型化したガラスクロスを得やすくするという観点から30~60本が好ましい。 本発明のガラスヤーンは、ガラスフィラメントの平均繊維径が3~6μmである。このような範囲とすることにより、薄型化したガラスクロスとしつつ、毛羽の発生を抑制しやすくなる。なお、上記平均繊維径は、ガラスヤーンをその断面が観察可能なようにエポキシ樹脂(丸本ストルアス株式会社製商品名3091)に包埋して硬化させ、観察可能となるように研磨し、SEM(日本電子株式会社製商品名JSM-6390A)を用い、倍率1000倍で観察し、ガラスヤーンを構成する全ガラスフィラメントの直径(最も大きい部分)を測定して平均値を算出し、当該平均値をガラスフィラメントの平均繊維径とする。 本発明のガラスヤーンは、番手が0.3~6texである。このような範囲とすることにより、薄型化したガラスクロスとしつつ、毛羽の発生を抑制しやすくなる。なお、ガラスヤーンの番手は、JIS R 3420 2013の「ガラス繊維一般試験方法」の「7.1 番手」に規定されている方法に準じて、測定する。 本発明のガラスヤーンは、ウースター斑が0.5~2.0%である。前述のように、本発明者等の検討によれば、毛羽の発生は、ガラスヤーンの長さ方向の質量変動と大きく関係していることが判明した。具体的に、長さ方向の質量変動が大きいガラスヤーンは、ガラスフィラメントの長さ方向においてフィラメント直径が細い部分と太い部分とが存在していることが判明した。そして、ガラスクロス製造時における整経工程での部材との摩擦やエアージェット織機を用いた製織によって、当該フィラメント直径が細い部分が破断しやすく、また、SiO2を40~60質量%、B2O3を15~35質量%含むガラス材料から構成されるガラスフィラメントはEガラスからなるガラスフィラメント等と比較して機械的強度に劣ることも相俟って、毛羽が発生しやすくなることを知得した。 そして、本発明者等が鋭意検討したところ、間接法によるガラスフィラメント紡糸時において、後述する、ブッシングの固形ガラス原料存在領域の温度(Tin)とガラスフィラメントが紡出されるノズルプレート付近の温度(Tout)との差((Tout)-(Tin))を特定の温度範囲となるように制御して紡糸することにより、SiO2を40~60質量%、B2O3を15~35質量含む低誘電率のガラス材料から構成される、平均繊維径が3~6μm程度の細繊維径のガラスヤーンとしたときの長手方向質量変動の指標であるウースター斑を特定範囲とすることができ、当該ウースター斑を特定範囲としたガラスヤーンは、ガラスクロスとするときの毛羽の発生を抑制することができることを突きとめたのである。 本発明のガラスヤーンのウースター斑は、紡糸操業性を向上させることと、毛羽の発生をより抑制することとをより両立させるという観点から、0.5~1.4%が好ましく、0.8~1.2%がより好ましい。 本発明において、ガラスヤーンのウースター斑は、ツェルベガーウースター社製ウースターテスター型番4-CX-R1.7を用い、下記の測定条件にて測定されるウースター斑(U%)である。 (測定条件) 測定モード:ノーマル 給糸速度:200m/分 測定糸長:500m ツイスター:Z撚 12000ターン/分 ディスクテンション強さ:10% 本発明のガラスヤーンは、当該ガラスヤーンを構成する複数のガラスフィラメントのホローファイバーが、複数のガラスフィラメント10000か所あたり1個以下が好ましく、0個がより好ましい。上記ホローファイバーの個数は、1か所につきガラスフィラメント長さ1cmを測定するものとし、これを任意の10000か所について測定する。例えば、フィラメント本数が50本であるガラスヤーンのホローファイバーの個数を測定する場合は、ガラスヤーンから、任意に200か所、1cmが測定可能なように測定サンプルをカットして切り出し、当該200か所の、ガラスフィラメントの1cm間のホローファイバーの個数を観察することで、50×200=10000か所の1cmあたりのホローファイバーの個数を観察することができる。なお、ホローファイバーの観察は、観察するガラスヤーンを1cm程度にカットしたものをガラスフィラメントの屈折率と近似する液体(例えばベンジルアルコール等)に浸し、ガラスヤーン中のガラスフィラメントを1本1本が観察可能となるように横並びとなるようにほぐし