JP-2026077893-A - 医薬製剤
Abstract
【課題】安定性の高濃度の二重特異性抗体コンストラクト製剤であって、様々な時点に貯蔵条件下で製剤中の二重特異性抗体コンストラクトの2%未満の高分子量種を有する製剤を提供すること。 【解決手段】本開示は、高濃度(即ち、10mg/mL超)の二重特異性抗体コンストラクト(例えば、BiTE(登録商標)分子)を含む安定性の製剤であって、製剤中のおよそ3%未満の二重特異性抗体コンストラクトが高分子量(HMW)種として存在する安定性の製剤を提供する。高濃度の抗体を含む製剤は、所望ではあるものの、貯蔵条件下で安定化させるのは概して困難である。驚くべきことに、予想されるより高濃度で二重特異性抗体コンストラクトを含む本開示による製剤は、保存剤若しくは安定剤の存在を必要とせずに、安定性であることが見出された。 【選択図】なし
Inventors
- トゥインクル アール. クリスティアン
- バラドワジ ジャガナサン
Assignees
- アムジェン インコーポレイテッド
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260304
- Priority Date
- 20200429
Claims (1)
- 本明細書に記載の発明。
Description
本開示は、安定性の高濃度の二重特異性抗体コンストラクト製剤の分野に含まれる。 参照による組み込み 参照によりその全体が組み込まれるのは、本明細書と同時に提出され、下記の:2021年4月28日に作製され、サイズが345,249バイトの「54911_Seqlisting.txt」と命名された、ASCII(テキスト)ファイルと同定された、コンピュータにより読み込み可能なヌクレオチド/アミノ酸の配列表である。 商業規模での精製プロセスの進歩により、現在では、組み換えタンパク質等のタンパク質系医薬品は、最初の製造時には高い純度で得ることができる。しかしながら、タンパク質は、辛うじて安定であるにすぎず、化学的にも物理的にも非常に劣化しやすい。化学的劣化とは、脱アミド、酸化、開裂、クリッピング/断片化、新たなジスルフィド架橋の形成、加水分解、異性化、又は脱グリコシル化等の共有結合を伴う修飾を指す。物理的劣化には、タンパク質のアンフォールディング、表面への望ましくない吸着、及び凝集が含まれる。これらの物理的及び化学的な不安定性への対処は、タンパク質医薬品の開発において最も難しい課題の1つである(Chi et al.,Pharm Res,Vol.20,No.9,Sept 2003,pp.1325-1336、Roberts,Trends Biotechnol.2014 Jul;32(7):372-80)。 例えばFc分子等の半減期延長形式を含む二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))等の半減期延長性抗体コンストラクトは、タンパク質凝集及び/又は他の劣化現象から保護されるべきである。BiTE(登録商標)分子のタンパク質凝集が問題となるのは、それが治療用タンパク質の生物学的活性を弱めることがあるためである。更に、BiTE(登録商標)分子の凝集は、最終生成物から凝集体を除去するために必要とされる綿密な精製工程により生成物収率を低下させる可能性がある。より最近では、凝集したタンパク質(ヒト化タンパク質又は完全なヒトタンパク質であっても)の存在により、患者は、活性タンパク質モノマーに対する免疫反応を起こすことになり、その結果、中和抗体及び薬物耐性の形成又は他の有害な副作用がもたらされるというリスクが顕著に増大する可能性があるといった懸念及びエビデンスも増加してきた(Mahler J Pharm Sci.2009 Sep;98(9):2909-34)。 [0005] 凝集は、高濃度の製剤において観察される主要なタイプの物理的不安定性である。凝集は、最初は天然の折り畳まれたタンパク質から高分子量種(HMW)への集合である。現時点では、タンパク質凝集体は、主に下流処理のポリッシング工程において不純物として除去される。しかしながら、高レベルのHMW種の場合には、顕著な量のHMW除去により、かなりの収率損失が生じるだけでなく、堅牢な下流プロセスの設計が困難なものとなる(Chi et al.,Pharm Res,Vol.20,No.9,Sept 2003,pp.1325-1336)。 Chi et al.,Pharm Res,Vol.20,No.9,Sept 2003,pp.1325-1336Roberts,Trends Biotechnol.2014 Jul;32(7):372-80 0、1カ月後及び3カ月後の時点tに、4℃での貯蔵条件下で、サイズ排除超高性能液体クロマトグラフィー(SE-UHPLC)によって評価した場合に、10mMのグルタミン酸塩、9(w/V)%のスクロース、0.01(w/V)%のポリソルベート80、pH4.2を含む凍結乾燥製剤中でそれぞれが20mg/mLのBiTE(登録商標)-I、BiTE(登録商標)-C、及びBiTE(登録商標)-Gの高分子量(HMW)種のパーセントを示しているグラフである。0、1カ月後及び3カ月後の時点tに、4℃での貯蔵条件下で、サイズ排除超高性能液体クロマトグラフィー(SE-UHPLC)によって評価した場合に、10mMのグルタミン酸塩、9(w/v)%のスクロース、0.01(w/v)%のポリソルベート80、pH4.2を含む液体製剤中でそれぞれが20mg/mLでBiTE(登録商標)-I、BiTE(登録商標)-C、及びBiTE(登録商標)-Gの高分子量(HMW)種のパーセントを示しているグラフである。 現在の治療用バイオテクノロジー製品は、高品質であり、且つ組み換えヒトタンパク質及び抗体は、内在性のヒトタンパク質に類似しているものの、タンパク質の不安定性は、依然として重要な懸念事項である。当技術分野では、治療用タンパク質における安定性の増大且つ凝集の低減が極めて必要とされており、最適化された医薬製剤がこれを行うのに役立ち得る。 通常、本明細書に記載した抗体コンストラクトは、凍結乾燥製剤中に約1mg/ml(国際公開第2018/204907号パンフレット)又は多くとも8mg/mL(国際公開第2018/141910号パンフレット)の濃度で貯蔵及び/又は使用される。より高濃度では、一般に凝集の傾向が観察される。国際公開第2018/204907号パンフレットに記載された製剤には、二重特異性抗体コンストラクトの安定化に寄与した、0.5mg/mL~20mg/mLの抗体濃度を有する保存料(例えばクロロブタノール若しくはメチルパラベン、又はベンジルアルコール)が含まれる。幾つかの例では、安定性は、製剤のpHを低下させること等の他の手段によって達成される。例えば、国際公開第2018/141910号パンフレットは、二重特異性抗体コンストラクト(5mg/mL)を含み、低pH(即ち、pH4.0)を有する製剤が、より塩基性pH(例えば、pH6以上)で同一抗体濃度を有する製剤より安定性であることを開示している。したがって、低pHは製剤の安定性に寄与した。しかしながら、本明細書で説明するように、高濃度(例えば、20mg/mL)の二重特異性抗体コンストラクト製剤(液体及び凍結乾燥の両方)は、より酸性のpHを有する保存料又は他の安定剤の添加を必要とすることなく、様々な時点に4℃及び40℃の両方で、予想外に安定性(例えば、高分子量(HMW)種のパーセントが低かった)であった。本明細書に開示した安定性の高濃度の製剤は、例えば保存料又は安定剤として作用する他の成分等の医薬製剤中の非必須成分を排除するのが有益であるため、当技術分野における公知の製剤に比して好ましい。 本開示は、高濃度の二重特異性抗体コンストラクト(例えば、BiTE(登録商標)分子)を含む安定性の製剤であって、二重特異性抗体コンストラクトのおよそ2%未満が製剤中の高分子量(HMW)種として存在する安定性の製剤を提供する。 本開示の範囲内で、用語「安定性」又は「安定化」は、医薬製剤全体の安定性に関し、また特に活性成分(例えば、二重特異性単鎖抗体コンストラクト)自体の、具体的には製剤、充填、輸送、貯蔵及び投与中の安定性に関する。「安定性製剤」は、その中の二重特異性抗体コンストラクトが本質的にその物理的及び/又は化学的完全性並びに貯蔵後及びプロセス(例えば、凍結/解凍、機械的混合及び凍結乾燥等)中の生物学的活性を維持する製剤である。タンパク質の安定性は、高分子量(HMW)種の形成、酵素活性の消失、ペプチド断片の生成及び電荷プロファイルのシフトによって測定することができる。 本明細書で使用する用語「凝集」は、例えば、ファンデルワールス力又は化学結合を介する分子間の直接的な相互引力を指す。特に、凝集は、蓄積し、塊になっているタンパク質であると理解されている。凝集体は、非晶質凝集体及びオリゴマーを含む可能性があり、典型的には高分子量(HMW)種、即ち、非凝集分子である生成物分子よりも高分子量を有する分子と呼ばれる。 本明細書で使用する用語「(タンパク質)凝集体」は、通常、所望の既定の種(例えば、モノマー)ではなく、「オリゴマー」又は「マルチマー」等の高分子量のタンパク質種を包含する。この用語は、本明細書において用語「高分子量」種及び「HMW」と互換的に使用される。タンパク質凝集体は、通常、サイズ(小型(二量体)から大型の集合体(サブビジブル粒子又は更に目に見える粒子)の範囲であり、且つナノメートル~マイクロメートルの直径範囲)、形態(ほぼ球状~線維状)、タンパク質構造(天然対非天然/変性)、分子間結合の種類(共有結合対非共有結合)、可逆性及び可溶性の点で異なり得る。可溶性凝集体は、およそ1~100nmのサイズ範囲を占め、タンパク質微粒子は、顕微鏡下でないと見えない(約0.1~100.m)及び目に見える(>100.m)範囲を占める。前述の種類のタンパク質凝集体の全ては、通常、この用語に包含される。したがって、用語「(タンパク質)凝集体」は、2つ以上のタンパク質モノマーの物理的に会合した又は化学的に結合したあらゆる種類の非天然種を指す。 本明細書で使用する用語「低分子量(LMW)」種は、二重特異性抗体コンストラクトの断片を指す。 本明細書で使用する用語「医薬組成物」は、それを必要とする対象への投与に好適な組成物に関する。用語「対象」又は「個体」又は「動物」又は「患者」は、本明細書では互換的に使用され、そのために本発明の医薬組成物の投与が望ましい任意の対象、特に哺乳動物対象を指す。哺乳動物対象としては、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、乳牛等が挙げられるが、好ましいのはヒトである。本開示の医薬製剤は、安定しており、且つ薬学的に許容されており、即ち、この医薬製剤が投与される対象において有意な望ましくない局所的作用又は全身的作用も引き起こすことなく所望の治療効果を発揮し得る。本発明の薬学的に許容される製剤は、無菌であり得る。具体的には、用語「薬学的に許容される」は、動物(より具体的にはヒト)での使用に関して規制当局又は他の一般に認識されている薬局方により承認されており、規制当局によって承認されているものには限定されないことを意味し得る。 幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも10mg/mLの量で、ヒトT細胞上のCD3に結合する二重特異性抗体コンストラクト、緩衝剤、糖類、及び界面活性剤を含み、製剤が4~6の範囲のpHを有する製剤について記載する。幾つかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、CD3並びにヒトCDH19、ヒトMSLN、ヒトDLL3、ヒトFLT3、ヒトEGFRvlll、ヒトBCMA、ヒトPSMA、ヒトCD33、ヒトCD19、ヒトCD70、ヒトCLDN18.2若しくはMUC17の1つに、悪性細胞をT細胞と一過性で連結して、それにより結合した悪性細胞のT細胞媒介性殺滅を誘導するような方法で、コエンゲージする。 この製剤の様々な態様について、下記で説明する。本明細書の節の見出しの使用は、単に読解の便宜のためであり、それ自体を限定することは意図されていない。本明細書全体は、統一された開示として見なされることが意図されており、本明細書で説明されている特徴の全ての組み合わせが企図されることを理解すべきである。 抗原結合タンパク質 「抗原結合タンパク質」は、特異的な標的抗原(CD3及び/若しくはCDH19、MSLN、DLL3、FLT3、EGFRvlll、BCMA、PSMA、CD33、CD19、CD70、CLDN18.2又はMUC17等)に結合するドメインを含むタンパク質である。抗原結合タンパク質は、抗原結合ドメインが、抗原結合タンパク質の抗原への結合を促進する立体構造をとることを可能にする骨格又はフレームワーク部分を含む。例示的な態様では、抗原結合タンパク質は、抗体若しくは免疫グロブリン、又は抗原結合抗体断片である。 用語「抗体」は、インタクトな抗原結合免疫グロブリンを指す。「抗体」は、1つ