JP-2026077897-A - 加熱発泡シートおよび接着方法
Abstract
【課題】被着体間の隙間を適切に接着することが可能な加熱発泡シートの提供を目的とする。また、その加熱発泡シートを利用した接着方法の提供を目的とする。 【解決手段】加熱発泡シートは、シート状基材と、このシート状基材の片面または両面に設けられた発泡性接着層とを含む。さらに、発泡性接着層が、加熱発泡シートの少なくとも一方の最外層であり、エポキシ樹脂、硬化剤、熱可塑性樹脂および発泡剤を含み、発泡性接着層の最外表面における算術平均粗さRaが、0.4μm以上である。 【選択図】図1
Inventors
- 白岩 寛之
Assignees
- ニッカン工業株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260304
Claims (16)
- シート状基材と、該シート状基材の片面または両面に設けられた発泡性接着層とを含む加熱発泡シートであって、 前記発泡性接着層が、前記加熱発泡シートの少なくとも一方の最外層であり、 前記発泡性接着層が、エポキシ樹脂、硬化剤、熱可塑性樹脂および発泡剤を含み、 前記発泡性接着層の最外表面における算術平均粗さRaが、0.4μm以上である、加熱発泡シート。
- 前記シート状基材の表面における算術平均粗さRaが、0.4μm以上である、請求項1に記載の加熱発泡シート。
- 前記シート状基材が、フィルム基材と、該フィルム基材の片面または両面に接着剤層を介して設けられた不織布層とを含む、請求項1または2に記載の加熱発泡シート。
- 前記発泡性接着層の最外表面における静摩擦係数が、0.5以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 前記硬化剤が、アミド系硬化剤を含み、 前記エポキシ樹脂の当量に対する前記硬化剤の当量の当量比が、0.8~1.2である、請求項1~4のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 前記熱可塑性樹脂が、エラストマーを含み、 前記エラストマーの含有量が、前記発泡性接着層を構成する樹脂組成物の全質量に対し3~30質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 前記熱可塑性樹脂が、Tgが100~120℃の範囲にある高軟化点エラストマーを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 前記発泡剤が、有機系または無機系である、請求項1~7のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 前記発泡剤が、熱膨張性マイクロカプセルを含み、 前記熱膨張性マイクロカプセルが、エポキシ樹脂、硬化剤および熱可塑性樹脂の中に分散している、請求項1~8のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 前記熱膨張性マイクロカプセルの含有量が、前記発泡性接着層を構成する樹脂組成物の全質量に対し3~19質量%である、請求項9に記載の加熱発泡シート。
- 前記発泡性接着層の発泡開始温度が、前記発泡性接着層の硬化反応における硬化活性温度以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 前記発泡性接着層の硬化過程において、前記発泡性接着層の発泡開始温度から前記発泡性接着層の硬化挙動における硬化活性温度までの温度範囲に、前記エポキシ樹脂の粘度が最低となる最低粘度温度がある、請求項1~11のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 絶縁シート用である、請求項1~12のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 第1の被着体および第2の被着体の間に配置され、両被着体の隙間を発泡によって充填することにより、前記第1の被着体および第2の被着体を接着するために使用される、請求項1~13のいずれか1項に記載の加熱発泡シート。
- 第1の被着体および第2の被着体の間に請求項1~13のいずれか1項に記載の加熱発泡シートを配置し、 両被着体の隙間を発泡によって充填することにより、前記第1の被着体および第2の被着体を接着する接着方法。
- 第1の被着体が、第2の被着体を収容する構造を有する、請求項15に記載の接着方法。
Description
本発明は、加熱発泡シートに関する。また、本発明は、この加熱発泡シートを利用した接着方法に関する。 従来、接着剤は、複数の被着体の間で硬化してそれらの被着体を接着することができ、種々の箇所に使用されている。 被着体には、歪みを持つ物、表面が平滑でなく深い凹凸を有している物および多孔質な物が存在するが、液状の接着剤を使用することで、被着体間を充填して接着することが可能である。接着箇所によっては、接着剤を充填する隙間が非常に狭く、接着剤が入りにくいため、その隙間を接着剤で完全に充填することが困難な場合がある。このような場合、例えば、本来の必要量よりも大量の接着剤を使用して隙間を充填することができるが、不必要に使用した接着剤を取り除く作業が必要となり作業負荷が増える他、被着体や周辺の作業場を汚染するおそれがある。また、液状の接着剤が硬化前に流動してしまい、接着部分以外に流れ出てしまったりはみ出してしまったりする等の不具合もある。 このように、液状の接着剤においては、塗布量および塗布箇所の正確な制御が困難であることにより、隙間への充填が不十分になりやすく、その結果、接着面積が減少し接着強度が低下する等、使用時の作業性に問題が多い。 上述の問題を解決するため、常温において固体であるシート状接着剤を使用することが知られている(特許文献1~4)。シート状接着剤であれば、被着体の規定箇所へ規定量の接着剤を貼付することが可能であり、被着体や周辺の作業場の汚染をなくすこともできる。シート状接着剤では凹凸を有する物や歪みを持つ物への追従性が低いという問題があるが、プレス等で圧力をかけることで追従性を付与し確保することができる。この場合、加熱により溶融する接着剤を用いて追従性を高めることが知られている。熱硬化系樹脂を使用する場合、特にエポキシ接着剤が、加熱による溶融粘度の低下が大きくかつ耐熱性が高い点で優れており、一般に広く使用されている。 特許第5695937号公報特許第6067967号公報特許第6220100号公報特開2019-203062号公報 本発明の加熱発泡シートの構成を示す概略断面図である。所定の発泡性接着層について、発泡開始温度、最低粘度温度および硬化活性温度の関係を示すグラフである。 <加熱発泡シート> 図1は、本発明の加熱発泡シート1の構成を示す概略断面図である。本発明の加熱発泡シート1は、シート状基材10と、この基材の片面または両面に設けられた発泡性接着層20とを含む。さらに、発泡性接着層20は、加熱発泡シートの少なくとも一方の最外層であり、エポキシ樹脂、硬化剤、熱可塑性樹脂および発泡剤を含み、発泡性接着層20の最外表面における算術平均粗さRa(以下、単に「表面粗さ」とも称する。)は、0.4μm以上である。 本発明は、上記構成を有することにより、被着体間の隙間を適切に接着することが可能となる。 本発明の加熱発泡シートは、加熱によって膨張(発泡)する発泡性接着層20を有するため、初期設計において被着体間の隙間よりも発泡性接着層の厚さを薄くすることが可能である。また、本発明の加熱発泡シートは、最外表面の表面粗さRaが0.4μm以上であることにより、当該表面と物体との接触が点接触となり、摩擦抵抗が減少する。したがって、加熱発泡シートが被着体間の隙間に挿入される等、加熱発泡シートを用いた接着作業中に加熱発泡シートが被着体表面に沿って滑り移動を伴う場合に、加熱発泡シートが被着体と接触する機会が減少し、かつ接触が生じても加熱発泡シートが受ける外力(摩擦抵抗)が減少するため、加熱発泡シート(特に、発泡性接着層)のシワやバラツキの発生を抑制することができ、作業性が向上する。そして、被着体の接着時には、加熱による膨張により、被着体間の隙間を充填する。このとき、発泡の開始とともに接着層の嵩体積が増加するが、発泡がピークを越えると、その嵩体積は減少に転じてしまい、充分な接着力が得られない場合がある。本発明では、硬化剤を使用して、発泡後、嵩体積が増大した適切なタイミングで樹脂を硬化させることにより、高い充填性を確保している。 例えば、大小の2本のパイプを嵌合によって接続する場合には、大きい方のパイプの内表面あるいは小さい方のパイプの外表面に本発明の加熱発泡シートを貼り付け、これらのパイプを嵌合し、加熱して発泡性接着層を発泡させてパイプ間の隙間を充填するといった接着方法が可能である。本明細書において、「嵌合」は、一方の被着体が他方の被着体に収容されて接続される形態を広く含む。 さらに、本発明の加熱発泡シートは、熱可塑性樹脂を含むことにより、柔軟性に富み、発泡性と相まって、プレス等で圧力をかけることができない場所にある表面や複雑な形状を有する表面に対しても、高い充填性を確保することが可能となる。また、エポキシ樹脂を使用しているため、耐熱性にも優れており、高温下でも接着力が低下しにくい。 このように、本発明の加熱発泡シートは、作業性、充填性、速硬化性、柔軟性、耐熱性をバランスよく調整することで、発泡と接着強度の相反する課題を克服し、充分な接着強度と充填性を両立することができる。これにより、被着体間の接着信頼性および固定支持の安定性の高い接着が可能となり、熱伝導性や振動応力等の諸現象にも優れる接着シートを提供することが可能となる。 例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂フィルムと不織布を組み合わせた構成の積層体が耐熱性・電気特性に優れた絶縁材であること、および、表面処理を施したフィルム/不織布間を熱ラミネートすることで上記積層体を製造する方法が記載されている(段落0012)。しかしながら、積層フィルムや積層体を部材として使用する際に、フィルム/フィルム界面やフィルム/不織布界面で剥離が生じたり、積層する際の加工に伴う熱によって積層フィルムや積層体の耐熱性が損なわれたりといった課題がある。また、積層フィルムの構成体には絶縁機能しかなく、他被着体との接着機能はない。 特許文献2では、接着性や作業性の向上を主な目的としており、結晶性樹脂を使用することで、加熱時の流動性を高めることができ(溶融粘度を下げる事ができ)、熱膨張に有利になることが記載されている(段落0029)。また低タック性を保持する為に結晶性エポキシを使用する必要があるが、非粘着性(低タック性)を付与する場合、樹脂内での結晶エポキシの体積を増やさねばならないため柔軟性の点では欠点がある。さらに、耐熱性・反応性へのアプローチの自由度が低くなりやすい。 特許文献3には、基材の表面に熱膨張性の接着剤層を形成し、接着剤層の上にさらに、離型剤層を形成した接着シートが記載されている(請求項1等)。当該接着シートは、タックフリーであり、かつ作業性の高い熱膨張性の接着シートであり、使用時に接着シートを所定位置に配置し、加熱することで離型剤層が破壊されて接着剤内に取り込まれ、接着剤が表面に出現するようになっている。しかしながら、離型剤分散により接着力が低下しやすいという問題がある。また、離型層塗布工程を経る必要があり、費用面で不利となる。 特許文献4にも、タックフリーであり、かつ作業性の高い熱膨張性の接着シートが記載されている(要約)。外層に、接着剤透過層が設けられ、この接着剤透過層のガラス転移温度は、接着剤層を構成する接着剤の硬化開始温度よりも高く設定されており、接着剤透過層は好ましくは不織布であるとされている。ただし、速硬化性や耐熱性(高温下での接着強度の低下抑制)については検討されていない。また、不織布を使用している為、透過する膨張接着剤量を調整する事が困難であり、接着安定性の面で不利である。 以下、本発明の加熱発泡シートの構成について詳細に説明する。 <<シート状基材>> シート状基材10は、加熱発泡シート1の骨格となる部材である。シート状基材10の層構造は、単層構造であっても、積層構造であってもよい。シート状基材10全体の厚さは、例えば1~300μmであり、5~200μmであることが好ましく、25~120μmであることがより好ましい。 シート状基材の材質は、特に限定されないが、無機材料でも有機材料でもよい。例えば、加熱発泡シートに電気伝導性が求められる場合に金属フィルムを使用することができ、加熱発泡シートに電気絶縁性が求められる場合に樹脂フィルムを使用することができる。 金属フィルムとしては、特に限定されないが、例えば銅箔およびアルミ箔を使用できる。金属フィルムの厚さは、例えば1~100μmであり、10~70μmであることが好ましく、15~50μmであることがより好ましい。 樹脂フィルムは、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、芳香族ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリウレタン;ポリアミド、ポリエーテルアミド等のポリアミド系樹脂;ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテルケトン系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);変性ポリフェニレンオキシドを含むことができる。樹脂フィルムは、これらの単独の樹脂からなってもよく、或いは2種以上の混合樹脂からなってもよい。樹脂フィルムは、耐熱性および電気絶縁性等の観点から、PENフィルム、PETフィルムまたはPIフィルムであることが好ましく、PENフィルムおよびPETフィルムであることがより好ましく、PENフィルムであることがさらに好ましい。樹脂フィルムの厚さは、例えば1~100μmであり、10~70μmであることが好ましく、15~50μmであることがより好ましい。 シート状基材において、外表面の表面粗さRaは0.4μm以上であることが好ましい。シート状基材が上記表面粗さRaを有することにより、液状の接着剤組成物を塗工してシート状基材上に形成した発泡性接着層が同程度の表面粗さを有するようになる。シート状基材における表面粗さRaは、1.0μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることがさらに好ましく、1.8μm以上であることが特に好ましい。また、シート状基材における表面粗さRaは、50μm以下であることが好ましい。一般に、一度に塗工できる接着層の厚さが50μm程度である為、シート状基材上の粗さがその厚さより厚くなる事は好ましくない。さらに、シート状基材における表面粗さRaは、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。 特に、図1に示すように、シート状基材10は、フィルム基材11と、このフィルム基材11の片面または両面に接着剤層12を介して設けられた不織布層13とを含むことが好ましい。図1では、フィルム基材11の両面に、接着剤層12および不織布層13が形成されているが、接着剤層12および不織布層13は、フィルム基材11の片面のみに形成されていてもよい。不織布層を使用することにより、表面粗さRaが大きい表面を作製しやすくなる。 フィルム基材11は、上述した金属フィルムあるいは樹脂フィルムから構成されることが好ましい。各フィルムの好ましい材料は、上述の材料と同様である。 不織布層13は、例えば、セルロース繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、液晶ポリマー繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等の繊維を含む不織布から形成される。また、不織布層は、2種以上の繊維を含んでもよい。これらの中でも、不織布層は、アラミド繊維不織布、ガラス繊維不織布、ポリフェニレンスルフィド繊維不織布、耐熱ナイロン繊維不織布、耐熱ポリエステル繊維不織布を含むことが好ましい。不織布層の厚さは、例