JP-2026077911-A - 単結晶製造方法および単結晶製造装置
Abstract
【課題】溶液内に発生する雑晶を低減する。 【解決手段】断熱部材の開口部13aを介して、断熱部材の内部に、先端部に種結晶30が取り付けられた結晶保持軸15を配置し、結晶保持軸15を下方向に移動させることにより、種結晶の下面を坩堝12に収容された炭素と珪素とを含む溶液20に接触させ、結晶保持軸15に取り付けられた種結晶30の下面に炭化珪素からなる単結晶を成長させる、単結晶製造方法であり、結晶保持軸15には、開口部13aよりも外径が大きい放熱抑制部材16Aが設けられ、種結晶を溶液に接触させる工程において、放熱抑制部材16Aは、断熱部材13と放熱抑制部材16Aとの間または断熱部材13と結晶保持軸15との間に隙間を確保しつつ、開口部13aを覆う、単結晶製造装置100を用いる単結晶製造方法。 【選択図】図1
Inventors
- 古川 大希
- 田中 謙弥
- 高尾 健太
Assignees
- 株式会社プロテリアル
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260305
Claims (11)
- (a)断熱部材の開口部を介して種結晶を通過させ、結晶保持軸の先端部に取り付けられた前記種結晶を、前記断熱部材の内部に配置する工程と、 (b)前記結晶保持軸を下方向に移動させることにより、前記種結晶の下面を坩堝に収容された炭素と珪素とを含む溶液に接触させる工程と、 (c)前記結晶保持軸を上または下方向に移動させながら、あるいは接触させた位置を維持したまま、前記種結晶の下面に炭化珪素からなる単結晶を成長させる工程と、 を備える、単結晶製造方法であって、 前記結晶保持軸に、前記開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を設け、 前記結晶保持軸の内部は、中空構造であり、 前記(b)工程において、前記放熱抑制部材は、前記結晶保持軸に保持された状態で、前記断熱部材と前記放熱抑制部材との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆う、単結晶製造方法。
- 請求項1に記載の単結晶製造方法において、 前記結晶保持軸の前記先端部の温度と坩堝底面の温度との差が、20℃以下である、単結晶製造方法。
- 請求項1に記載の単結晶製造方法において、 前記結晶保持軸の径は、温度計の測定径より大きく、前記種結晶の径よりも小さい、単結晶製造方法。
- 請求項1に記載の単結晶製造方法において、 前記放熱抑制部材の前記外径は、前記開口部の前記径の1.5倍以上であり、かつ、2倍以下である、単結晶製造方法。
- 炭素と珪素を含む溶液を収容する坩堝を内部に載置可能であり、種結晶の通過が可能な開口部を有する断熱部材と、 前記開口部を介して、前記断熱部材の内部を上下動可能に配置され、先端部に前記種結晶を取り付け可能な結晶保持軸と、 を備える、単結晶製造装置であって、 前記開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を有し、 前記結晶保持軸の内部は、中空構造であり、 前記放熱抑制部材は、前記結晶保持軸に保持され、かつ、前記結晶保持軸の先端部に取り付けられた前記種結晶の下面を、前記坩堝内の前記溶液と接触させたとき、前記断熱部材と前記放熱抑制部材との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆うことができる、単結晶製造装置。
- 請求項5に記載の単結晶製造装置において、 前記結晶保持軸の前記先端部の温度と坩堝底面の温度との差が、20℃以下である、単結晶製造装置。
- 請求項5に記載の単結晶製造装置において、 前記結晶保持軸の径は、温度計の測定径より大きく、前記種結晶の径よりも小さい、単結晶製造装置。
- 請求項5に記載の単結晶製造装置において、 前記放熱抑制部材の前記外径は、前記開口部の前記径の1.5倍以上であり、かつ、2倍以下である、単結晶製造装置。
- (a)断熱部材の開口部を介して種結晶を通過させ、結晶保持軸の先端部に取り付けられた前記種結晶を、前記断熱部材の内部に配置する工程と、 (b)前記結晶保持軸を下方向に移動させることにより、前記種結晶の下面を坩堝に収容された炭素と珪素とを含む溶液に接触させる工程と、 (c)前記結晶保持軸を上または下方向に移動させながら、あるいは接触させた位置を維持したまま、前記種結晶の下面に炭化珪素からなる単結晶を成長させる工程と、 を備える、単結晶製造方法であって、 前記結晶保持軸に、前記開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を設け、 前記結晶保持軸の内部は、中空構造であり、 前記(b)工程において、前記放熱抑制部材は、前記断熱部材の上面に載置された状態で、前記放熱抑制部材と前記結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆う、単結晶製造方法。
- 炭素と珪素を含む溶液を収容する坩堝を内部に載置可能であり、種結晶の通過が可能な開口部を有する断熱部材と、 前記開口部を介して、前記断熱部材の内部を上下動可能に配置され、先端部に種結晶を取り付け可能な結晶保持軸と、 を備える、単結晶製造装置であって、 前記開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を有し、 前記結晶保持軸の内部は、中空構造であり、 前記放熱抑制部材は、前記断熱部材の上面に載置された状態で、かつ、前記結晶保持軸の先端部に取り付けられた前記種結晶の下面を、前記坩堝内の前記溶液と接触させたとき、前記放熱抑制部材と前記結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆うことができる、単結晶製造装置。
- 請求項10に記載の単結晶製造装置において、 前記結晶保持軸は、前記放熱抑制部材を保持する水平方向に延びるフィン構造体を有し、 前記フィン構造体は、前記放熱抑制部材の中心の空洞部分へ挿入可能な凸部を有する、単結晶製造装置。
Description
本発明は、炭化珪素からなる単結晶の製造技術および単結晶製造装置に関し、例えば、溶液法による単結晶の製造技術に適用して有効な技術に関する。 例えば、自動車や家電製品などに含まれるモータを制御する回路として、インバータ回路が使用される。このインバータ回路には、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に代表されるパワー半導体素子が使用される。 このようなパワー半導体素子には、例えば、高耐圧の他に低オン抵抗や低スイッチング損失であることが要求される。ここで、パワー半導体素子の現在の主流は、シリコンを主成分とする半導体基板に形成された電界効果トランジスタであるが、このパワー半導体素子は、理論的な性能限界に近づいている。 この点に関し、シリコンよりもバンドギャップの大きな半導体材料を主成分とする半導体基板に形成された電界効果トランジスタを含む半導体素子(以下では、ワイドバンドギャップパワー半導体素子と呼ぶ)が注目されている。 なぜなら、バンドギャップが大きいということは、高い絶縁破壊強度を有していることを意味するから高耐圧を実現しやすくなるからである。 そして、半導体材料自体が高い絶縁破壊強度を有していると、耐圧を保持するドリフト層を薄くしても耐圧を確保できることから、例えば、ドリフト層を薄くするとともに、不純物濃度を高くすることにより、パワー半導体素子のオン抵抗を低減することができる。 すなわち、ワイドバンドギャップパワー半導体素子は、互いにトレードオフの関係にある耐圧の向上とオン抵抗の低減とを両立できる点で優れている。したがって、ワイドバンドギャップパワー半導体素子は、高性能を実現できる半導体素子として期待されている。 シリコンよりもバンドギャップの大きな半導体材料とは、例えば、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)またはダイヤモンドなどを挙げることができる。以下では、炭化珪素に着目して説明する。 炭化珪素からなる単結晶(以下、炭化珪素単結晶と呼ぶ)は、例えば、溶液法を使用することにより製造される。溶液法とは、結晶保持軸の先端部に取り付けた種結晶を坩堝に収容されている炭素と珪素とを含む溶液に接触させることにより、種結晶に炭化珪素単結晶を成長させながら、結晶保持軸を引き上げて、炭化珪素単結晶を製造する方法である(特許文献1、特許文献2)。 特開2018-184324号公報特開2013-75771号公報 一実施の形態における単結晶製造装置の概略構成を示す図である。図1の放熱抑制部材を平面視して、関連部材との関係を示す図である。図1の単結晶製造装置の、単結晶製造の準備状態を説明する図である。図1の単結晶製造装置において、単結晶を成長させた図である。他の実施の形態における単結晶製造装置の概略構成を示す図である。図5の単結晶製造装置の動作を説明する図である。図5の放熱抑制部材とフィン構造体との関係を示した側断面図である。図5の放熱抑制部材を平面視して、関連部材との関係を示す図である。図5の単結晶製造装置において、単結晶を成長させた図である。 実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために、平面図であってもハッチングを付す場合や、断面図であってもハッチングを省略する場合がある。 <改善の検討> 炭化珪素単結晶を溶液法で成長させる場合、結晶を析出させるために、溶液に過飽和状態を作り出す必要がある。したがって、炭化珪素単結晶を成長させる溶液法では、過飽和状態を作り出すために、溶液に温度勾配を形成することが行われている。この場合、溶液には、高温領域と低温領域とが形成され、低温領域において過飽和状態が実現される。このことから、種結晶と接する溶液の領域を過飽和状態が実現される低温領域とするように、溶液に温度勾配を形成することにより、種結晶に結晶を成長させることができる。 種結晶の表面に種結晶と同一構造および同一方位を有する結晶が成長すると、種結晶を起点として望ましい炭化珪素単結晶が成長することになる。これに対し、種結晶の表面における結晶成長であっても、成長した結晶の構造または方位が種結晶の構造または方位と異なる結晶は雑晶と呼ばれ、この雑晶が種結晶の表面に成長すると、炭化珪素単結晶の成長が阻害される。したがって、溶液法においては、種結晶に炭化珪素単結晶を成長させる観点から、溶液内に発生する雑晶を低減する工夫が望まれている。 上記低温領域の過飽和状態は、主として、炭素と珪素を含む溶液の表面において形成され、この溶液表面に種結晶を接触させ、上記のように炭化珪素単結晶を成長させることができる。この炭化珪素の単結晶製造は、溶液を収容した坩堝を取り囲むように配置された断熱部材(断熱容器)の内部で行われ、この断熱部材内の温度を単結晶製造に適した温度に維持するようにしている。 ところで、断熱部材には、上記した先端部に種結晶が取り付けられた結晶保持軸を上方から下方向に移動させて、断熱部材の内部に導入するのが一般的である。この種結晶は、製造される炭化珪素からなる結晶の大きさを決定するものでもあり、その大きさは直径が4インチや6インチのものが製造され、さらに大きい直径のものも検討されている。断熱部材には、その種結晶を通過させるための開口部が設けられている。 そのため、単結晶の製造にあたって、断熱部材内部に収容した坩堝を高温に加熱するが、この開口部から、その輻射熱が拡散してしまい、断熱部材内部の温度が求める温度よりも低くなることがあり、その影響で溶液表面の温度も低下してしまうことがあった。この場合、溶液内の温度分布が大きくなってしまうこととなり、温度分布が大きくなると、結晶への雑晶付着が生じやすくなるため、目的としている炭化珪素単結晶の成長が阻害されてしまう。 本発明者らは、この開口部からの放熱を抑制するために、結晶保持軸が保持する種結晶の下面が溶液と接触したときに、断熱部材の開口部内部に配置され、開口部の隙間を小さくするように、水平方向に延びるフィン構造体(開口部の径よりも外径が小さいフィン構造体)を結晶保持軸に設け、ある程度放熱を抑制できることを確認しているが、その効果はまだ満足できるものではなかった。 そこで、本実施の形態では、溶液内に生成される雑晶を低減するために、断熱部材の開口部から外部への放熱を抑制し、断熱部材内部の温度を維持することで、溶液の温度分布を好ましい範囲のものとするための工夫を施している。 以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想について説明する。 <実施の形態における基本思想> 上述したように、炭化珪素単結晶を溶液法で成長させる技術では、結晶を析出させるために、溶液に過飽和状態を作り出す必要があり、この過飽和状態を作り出すために、溶液に温度勾配を形成することが行われている。したがって、坩堝に収容されている溶液には、高温領域と低温領域とが混在し、低温領域において結晶が析出する一方、高温領域では、結晶が析出しない。この温度勾配を炭化珪素結晶に好ましい範囲とするために、断熱部材内の温度を所定の温度に維持することが求められ、特に、断熱部材の開口部からの放熱を抑制することが効果的であると考えられる(知見)。 本発明者は、この知見に着目することにより、断熱部材の内部温度の放熱による低下を効果的に抑制し、溶液内に生成される雑晶を低減できることを見出したので、以下に、この技術思想を詳細に説明する。 本実施の形態における基本思想は、坩堝に収容されている断熱部材の内部の温度を所定の範囲に維持するために、断熱部材の開口部からの放熱を抑制する放熱抑制部材を設けるという思想である。この基本思想によれば、断熱部材の開口部からの放熱を抑制することができ、その結果、断熱部材の内部の温度を維持できるため、雑晶の低減を図ることができる。 具体的には、この思想は、先端部に種結晶が取り付けられた結晶保持軸に、断熱部材の開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を設け、種結晶の下面を坩堝に収容された炭素と珪素とを含む溶液に接触させる際に、その放熱抑制部材は、断熱部材と放熱抑制部材との間または放熱抑制部材と結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、開口部を覆う思想ということができる。 この基本思想によれば、炭化珪素からなる単結晶の製造を開始するタイミングで、断熱部材の開口部を放熱抑制部材で覆うようにしている。また、この放熱抑制部材は結晶保持軸に備えられており、この結晶保持軸の上下動により、所定の位置に配置されるようになっている。この結果、従来の単結晶製造の動作を変更することなく、断熱部材の内部からの放熱を抑制し、温度を維持することができ、これにより、雑晶の低減を図ることができる。なお、放熱抑制部材は開口部を密閉するように覆うのではなく、隙間を確保しながら覆う点も特徴である。以下では、この基本思想を具現化した単結晶製造技術について説明する。 〔第1の実施の形態〕 <単結晶製造装置の構成> 図1は、本実施の形態における単結晶製造装置100の構成を示すとともに、単結晶製造方法を説明するための図である。 図1において、単結晶製造装置100は、容器10と、台座11と、坩堝12と、断熱部材13と、コイル14と、種結晶30を取り付け可能な結晶保持軸15と、放熱抑制部材16Aと、坩堝保持軸17と、を有して構成されている。 容器10は、単結晶製造装置の筐体であり、その内部空間には、単結晶製造を行うために、例えば、アルゴンガス等の不活性ガスが充填できるようになっている。容器10は、例えば、SUSなどの鉄系材料から構成される。 この容器10の内部には、断熱部材13と、その断熱部材13の側面外周に、加熱用のコイル14が設けられている。また、この断熱部材13で囲まれた内側には水平方向に回転可能な台座11が配置されている。 なお、アルゴンガスの充填構造としては、例えば、断熱部材13とコイル14との間に石英管を通し、石英管の上下端をフランジで密閉することにより、アルゴンガスを充填する構造を採用することもできる。 次に、台座11上には、坩堝12が配置されている。この坩堝12は、例えば、黒鉛(グラファイト)から構成されており、結晶成長を行う際には、内部に珪素(Si)を含む高温の溶液20が収容される。 台座11は、台座11を保持する坩堝保持軸17と接続されている。この坩堝保持軸17は、上下方向に移動可能に構成されている。さらに、時計回り、あるいは、反時計回りのいずれにも回転することができるように構成されていてもよい。これにより、坩堝保持軸17に取り付けられた台座11および台座11上に配置される坩堝12は、坩堝保持軸17によって上下方向に移動させることができる。なお、坩堝保持軸17は、内部が中空構造となっており、熱電対を挿入したり、または、放射温度計の測定光を通すための経路として用いたりして、坩堝底部(坩堝近傍)の温度測定が可能なように構成されている。図1には、このとき測定する温度(坩堝底部の温度)の測定位置P1を例示している。 断熱部材13は、その内部に坩堝12を載置可能であり、単結晶を製造するための場となる部材である。この断熱部材13は、坩堝12を取り囲むように、容器状の形状となっており、その内部を所定の高温状態(ホットゾーン)に維持できるようになっている。なお、この断熱部材には、後述する先端部に種結晶を取り付けることができる結晶保持軸を、その内部に配置できるように開口部13aが設けられている。この開口部13aは、種結晶を取り付ける先端部が通過できる大きさに形成されている。 そして、断熱部材13の外