JP-2026077918-A - 半導体レーザ素子
Abstract
【課題】吸収損失を低減することができ、効率の向上が可能な半導体レーザ素子を提供する。 【解決手段】それぞれが窒化物半導体からなるn側半導体層と、活性層と、p側半導体層と、を上方に向かって順に有し、p側半導体層に上方に突出したリッジが設けられた半導体レーザ素子である。p側半導体層は、活性層の上面に接して配置され、1以上の半導体層を有し、アンドープである第1部分と、第1部分の上面に接して配置され、第1部分よりもバンドギャップエネルギーが大きく、p型不純物を含有する電子障壁層と、電子障壁層の上面に接して配置され、p型不純物を含有するp型半導体層を1以上有する第2部分と、を有する。第1部分は、上方に向かうにつれてバンドギャップエネルギーが大きくなっており、アンドープであるp側組成傾斜層と、p側組成傾斜層の上方に配置され、アンドープである、p側中間層と、を有し、リッジの下端は、p側中間層に位置している。 【選択図】図2A
Inventors
- 中津 嘉隆
Assignees
- 日亜化学工業株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260305
- Priority Date
- 20190117
Claims (15)
- それぞれが窒化物半導体からなるn側半導体層と、活性層と、p側半導体層と、を上方に向かって順に有し、前記p側半導体層に上方に突出したリッジが設けられた半導体レーザ素子であって、 前記p側半導体層は、 前記活性層の上面に接して配置され、1以上の半導体層を有し、アンドープである第1部分と、 前記第1部分の上面に接して配置され、前記第1部分よりもバンドギャップエネルギーが大きく、p型不純物を含有する電子障壁層と、 前記電子障壁層の上面に接して配置され、p型不純物を含有するp型半導体層を1以上有する第2部分と、を有し、 前記第1部分は、 上方に向かうにつれてバンドギャップエネルギーが大きくなっており、アンドープであるp側組成傾斜層と、 前記p側組成傾斜層の上方に配置され、アンドープである、p側中間層と、を有し、 前記リッジの下端は、前記p側中間層に位置している、半導体レーザ素子。
- 前記第2部分は、 前記リッジの上面を構成する上側p型半導体層と、 前記上側p型半導体層と前記電子障壁層の間に配置され、前記上側p型半導体層より大きいバンドギャップエネルギーを有する下側p型半導体層と、を有する、請求項1に記載の半導体レーザ素子。
- 前記第1部分は、前記p側中間層として、 前記p側組成傾斜層の平均バンドギャップエネルギーより大きく且つ前記電子障壁層のバンドギャップエネルギーより小さいバンドギャップエネルギーを有し、アンドープである、第1層と、 前記第1層のバンドギャップエネルギーより大きく且つ前記電子障壁層のバンドギャップエネルギーより小さいバンドギャップエネルギーを有し、アンドープである、第2層と、を有する、請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子。
- 前記第1層及び前記第2層はそれぞれ単一組成の層であり、前記リッジの下端は前記第1層又は前記第2層に位置している、請求項3に記載の半導体レーザ素子。
- 前記第1層はGaN層である、請求項3又は4に記載の半導体レーザ素子。
- 前記第2層はAlGaN層である、請求項3~5のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
- 前記p側組成傾斜層は、互いに組成の異なる複数のサブ層からなり、 前記p側組成傾斜層の最も下側のサブ層は、In a Ga 1-a N(0<a<1)からなり、 前記p側組成傾斜層の最も上側のサブ層は、In z Ga 1-z N(0≦z<a)からなる請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
- それぞれが窒化物半導体からなるn側半導体層と、活性層と、p側半導体層と、を上方に向かって順に有し、前記p側半導体層に上方に突出したリッジが設けられた半導体レーザ素子であって、 前記p側半導体層は、 前記活性層の上面に接して配置され、1以上の半導体層を有し、アンドープである第1部分と、 前記第1部分の上面に接して配置され、前記第1部分よりもバンドギャップエネルギーが大きく、p型不純物を含有する電子障壁層と、 前記電子障壁層の上面に接して配置され、p型不純物を含有するp型半導体層を1以上有する第2部分と、を有し、 前記第2部分の厚みは、前記第1部分の厚みよりも薄く、 前記リッジの下端は、前記第1部分に位置している、半導体レーザ素子。
- 前記第1部分の厚みは、400nm以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
- 前記リッジの底面から前記電子障壁層までの最短距離は、前記リッジの上面から前記電子障壁層までの最短距離よりも大きい、請求項1~9のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
- 前記リッジの上面に設けられたp電極を有し、 前記p電極は、前記第2部分の屈折率よりも小さい屈折率を有する透明導電膜である、請求項1~10のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
- 前記半導体レーザ素子は波長530nm以上のレーザ光を発振可能である請求項1~11のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
- 前記第1部分は、前記電子障壁層の下面に接する最上層を有し、 前記第2部分は、前記電子障壁層の上面に接する最下層を有し、 前記最下層のバンドギャップエネルギーは、前記最上層のバンドギャップエネルギーよりも小さい、請求項1~12のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
- 基板の上に、n側半導体層を形成する工程と、 前記n側半導体層の上に、活性層を形成する工程と、 前記活性層の上面に、1以上の半導体層を有する第1部分をアンドープで形成する工程と、 前記第1部分の上面に、前記第1部分のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有する電子障壁層を、p型不純物をドープして形成する工程と、 前記電子障壁層の上面に、p型不純物をドープして形成するp型半導体層を1以上有する第2部分を形成する工程と、 前記第1部分と前記電子障壁層と前記第2部分とを含むp側半導体層の一部を除去することにより、上方に突出したリッジを形成する工程と、を有し、 前記第1部分をアンドープで形成する工程は、 上方に向かうにつれてバンドギャップエネルギーが大きくなるp側組成傾斜層をアンドープで形成する工程と、 前記p側組成傾斜層の上方に、p側中間層をアンドープで形成する工程と、を含み、 前記リッジを形成する工程において、前記リッジの下端が前記p側中間層に位置するように前記p側半導体層の一部を除去する、半導体レーザ素子の製造方法。
- 基板の上に、n側半導体層を形成する工程と、 前記n側半導体層の上に、活性層を形成する工程と、 前記活性層の上面に、1以上の半導体層を有する第1部分をアンドープで形成する工程と、 前記第1部分の上面に、前記第1部分のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有する電子障壁層を、p型不純物をドープして形成する工程と、 前記電子障壁層の上面に、p型不純物をドープして形成するp型半導体層を1以上有する第2部分を形成する工程と、 前記第1部分と前記電子障壁層と前記第2部分とを含むp側半導体層の一部を除去することにより、上方に突出したリッジを形成する工程と、を有し、 前記第2部分を形成する工程において、前記第1部分の厚みよりも薄い厚みを有する前記第2部分を形成し、 前記リッジを形成する工程において、前記リッジの下端が前記第1部分に位置するように前記p側半導体層の一部を除去する、半導体レーザ素子の製造方法。
Description
本発明は、半導体レーザ素子に関する。 今日、窒化物半導体を有する半導体レーザ素子(以下、「窒化物半導体レーザ素子」ともいう。)は、紫外域から緑色に至るまでの光を発振することが可能となり、光ディスクの光源のみならず多岐にわたり利用されている。このような半導体レーザ素子としては、基板の上に、n側クラッド層、n側光ガイド層、活性層、p側光ガイド層、p側クラッド層をこの順に有する構造が知られている(例えば特許文献1、2、3)。 特開2003-273473号公報特開2014-131019号公報国際公開第2017/017928号公報 図1は、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ素子の模式的な断面図である。図2Aは、図1の半導体レーザ素子のp側半導体層の層構造の例を模式的に示す図である。図2Bは、図1の半導体レーザ素子のp側半導体層の層構造の別の例を模式的に示す図である。図2Cは、図1の半導体レーザ素子のp側半導体層の層構造の別の例を模式的に示す図である。図2Dは、図1の半導体レーザ素子のp側半導体層の層構造の別の例を模式的に示す図である。図3Aは、第1部分の最上層と電子障壁層と第2部分の最下層とのバンドギャップエネルギーの関係の一例を模式的に示す図である。図3Bは、第1部分の最上層と電子障壁層と第2部分の最下層とのバンドギャップエネルギーの関係の別の例を模式的に示す図である。図3Cは、第1部分の最上層と電子障壁層と第2部分の最下層とのバンドギャップエネルギーの関係の別の例を模式的に示す図である。図4は、図1の半導体レーザ素子のn側半導体層の層構造の例を模式的に示す図である。図5は、図1の半導体レーザ素子のp側組成傾斜層及びその付近の一部拡大図である。図6Aは、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を示すフローチャートである。図6Bは、工程S103の一例を示すフローチャートである。図7は、計算例1乃至5の第1部分の厚みと第2部分への漏れ光の割合との関係を示すグラフである。図8は、比較例1乃至4の半導体レーザ素子のI-L特性を示すグラフである。図9Aは、実施例1乃至3の半導体レーザ素子のI-L特性を示すグラフである。図9Bは、実施例1乃至3の半導体レーザ素子のI-V特性を示すグラフである。図10Aは、実施例3乃至5の半導体レーザ素子のI-L特性を示すグラフである。図10Bは、実施例3乃至5の半導体レーザ素子のI-V特性を示すグラフである。図11Aは、実施例3及び6の半導体レーザ素子のI-L特性を示すグラフである。図11Bは、実施例3及び6の半導体レーザ素子のI-V特性を示すグラフである。 以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための方法を例示するものであって、本発明を以下の実施形態に特定するものではない。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。 図1は、本実施形態に係る半導体レーザ素子100の模式的な断面図であり、半導体レーザ素子100の共振器方向と垂直な方向における断面を示す。図2Aと図2Bと図2Cと図2Dは、いずれもp側半導体層4の層構造の例を模式的に示す図であり、それぞれ別の例を示す。また図2A乃至図2Dは、半導体レーザ素子100の活性層3の一部及びp側半導体層4の各層のバンドギャップエネルギーの大小関係を模式的に示す図である。図2A乃至図2Dにおいて、リッジ4aの底面の位置を一点鎖線で示す。リッジ4aの底面とは、リッジ4aの両側面の最下辺同士を繋ぐ面を指す。図4は、n側半導体層2の層構造の例を模式的に示す図である。 図1に示すように、半導体レーザ素子100は、それぞれが窒化物半導体からなるn側半導体層2と、活性層3と、p側半導体層4と、を上方に向かってこの順に有する。p側半導体層4には、上方に突出したリッジ4aが設けられている。なお、本明細書において、n側半導体層2からp側半導体層4に向かう方向を上または上方といい、その逆方向を下または下方という。 p側半導体層4は、第1部分41と、電子障壁層42と、第2部分43を有する。第1部分41は、活性層3の上面に接して配置されており、1以上の半導体層を有する。第1部分41はアンドープである。電子障壁層42は、第1部分41の上面に接して配置される。電子障壁層42は、第1部分41よりもバンドギャップエネルギーが大きく、p型不純物を含有する。第2部分43は、電子障壁層の上面に接して配置される。第2部分43は、p型不純物を含有するp型半導体層を1以上有する。リッジ4aの下端は、第1部分41に位置している。すなわち、リッジ4aは、第1部分41の一部と、電子障壁層42と、第2部分43で構成されている。なお、本明細書において、アンドープとは意図的にドープしないことをいう。二次イオン質量分析法(SIMS)等の分析結果において検出限界を越えない濃度をアンドープといってよい。あるいは、不純物濃度が1×1017/cm3未満である状態をアンドープとしてもよい。例えば、p型不純物及びn型不純物の濃度が検出限界以下であることをもって第1部分41がアンドープであるといってよい。 ただし、第1部分41は、p型不純物濃度の高い電子障壁層42と接しているため、p型不純物を意図的にドープせずに形成しても、分析結果においてp型不純物が検出される場合がある。この場合に検出されるp型不純物の濃度は1×1018/cm3未満であることが好ましい。また、第1部分41等をアンドープで形成した場合に、HやCなどの意図しない不純物が含有される場合があるが、この場合もアンドープと呼ぶことができる。また、本明細書において、ある層または部分の膜厚または厚みとは、その層または部分の最下面から最上面までの最短の距離を指す。最下面及び/又は最上面がVピット等の部分的な凹部及び/又は凸部を有する場合は、最下面及び/又は最上面のうちそのような凹部及び/又は凸部がない平坦な部分同士の最短の距離を、その層または部分の膜厚または厚みとしてよい。 半導体レーザ素子100は、以下の(1)~(3)の構造を有する。(1)第1部分41は、上方に向かうにつれてバンドギャップエネルギーが大きくなっておりアンドープであるp側組成傾斜層411と、p側組成傾斜層411の上方に配置されアンドープであるp側中間層412と、を有する。リッジの下端はp側中間層412に位置している。(2)第2部分43の厚みは第1部分41の厚みよりも薄く、リッジ4aの下端は第1部分41に位置している。(3)第1部分41の厚みは400nm以上であり、リッジ4aの下端は第1部分41に位置している。半導体レーザ素子100は、これら(1)~(3)の構造のいずれか1つのみを有していてもよく、2以上を同時に満たしていてもよい。 まず、(1)について述べる。図2Aに示すように、p側組成傾斜層411は、上方に向かうにつれてバンドギャップエネルギーが大きくなっている層である。このような構成を有することにより、活性層3への光閉じ込めを強化することができる。p側中間層412は、p側組成傾斜層411とは異なる層である。p側組成傾斜層411のみでなくp側中間層412も設けることで、第1部分41を比較的厚膜とすることができる。これにより、光強度のピークを電子障壁層42及び第2部分43というp型不純物を含有する部分から遠ざけることができる。これらの構成を有することで、第2部分43における光の強度を低下することができ、光の吸収損失を低減することができる。したがって、半導体レーザ素子100の効率を向上させることができる。半導体レーザ素子100の効率としては、閾値電流以上の電流値における電流及び光出力の特性グラフにおける傾きであるスロープ効率が挙げられる。 そして、リッジ4aの下端は、電子障壁層42よりも深く、p側中間層412に位置している。これにより、比較的厚膜の第1部分41を設けても、リッジ4aの下端と活性層3との距離を短くすることができる。したがって、第1部分41よりも上にリッジ4aの下端を配置する場合よりも横方向の光閉じ込めを強めることができる。横方向の光閉じ込めが弱い場合、半導体レーザ素子100の水平横モードが不安定になり、電流と光出力との関係を示すI-L特性においてキンクが発生することがある。リッジ4aをその下端がp側中間層412に位置するように形成することで、横方向の光閉じ込めを強めることでき、水平横モードを安定化することができるため、I-L特性におけるキンクの発生確率を低減することができる。また一方で、リッジ4aの下端にはリッジ4a形成時のエッチングダメージ等による電気的なリークが発生する可能性があるため、リッジ4aの下端は活性層3と接近しすぎないことが好ましい。このことから、リッジ4aの下端はp側組成傾斜層411ではなくp側中間層412に配置することが好ましい。 次に、(2)について述べる。第1部分41が比較的厚膜であることにより、(1)と同様に、光強度のピークをp型不純物含有層から遠ざけることができ、p型不純物含有層における自由キャリア吸収による損失を低減することができる。したがって、半導体レーザ素子100のスロープ効率などの効率を向上させることができる。加えて、第2部分43が薄いことにより、半導体レーザ素子100の駆動電圧を低減することができ、効率を向上することができる。p型不純物を含有する部分の膜厚を薄くすることで電圧が低下する理由は、窒化物半導体において、Mgのようなp型不純物はSiのようなn型不純物よりも活性化率が低く、p型不純物含有層は比較的高抵抗であるためである。第1部分41はアンドープであるが電子障壁層42と活性層3の間に位置するため、電子がオーバーフローする等の要因により完全な絶縁性というよりはn型導電性を示す傾向がある。これらのことから、比較的高抵抗であるp型不純物を含有する第2部分43の厚みを薄くすることにより、駆動電圧が下がり、アンドープである第1部分41の厚みを厚くすることによる駆動電圧の上昇を抑えるという効果を得ることができると考えられる。この効果は後述する実施例1乃至3に関する実験結果2において確認された。また、(1)と同様に、第1部分41が比較的厚膜であるためリッジ4aの下端は第1部分41に設けることが好ましく、これにより、横方向の光閉じ込めを強めることができる。 次に、(3)について述べる。第1部分41の厚みが400nm以上と比較的厚いことにより、(1)及び(2)と同様に、p型不純物含有層における損失を低減して効率向上が可能である。そして、その第1部分41にリッジ4aの下端を配置することで、(1)及び(2)と同様に、横方向の光閉じ込めの強化が可能である。 第1部分41の構成について複数パターンを想定し、等価屈折率シミュレーションを行った。このシミュレーションでは、M.J.Bergmann, et. Al., JOURNAL OF APPLIED PHYSICS vol.84 (1998) pp.1196-1203に記載の数式を用いて、各層の屈折率をその層を構成する窒化物半導体の組成比に基づいて算出した。計算例1には第1部分41として膜厚260nmのp側組成傾斜層411のみを設けた構造を用い、計算例2乃至5には第1部分41としてp側組成傾斜層411とp側中間層412を設けた構造を用いた。計算例2乃至5におけるp側中間層412の膜厚はそれぞれ、50nm、100nm、200nm、400nmとした。すなわち、計算例1乃至5の第1部分41の厚みはそれぞれ、260nm、310nm、360nm、460nm、660nmとした。第1部分41以外の層構造については、後述する実施例1の半導体レーザ素子100と概ね同じであるが、第2n側光ガイド層2