JP-2026077934-A - 電極活物質層の製造方法、及び電池の製造方法
Abstract
【課題】本開示は、電極活物質層と集電体との接着力の低下を抑制するために、より簡便に、電極活物質層中にバインダーを均一に分散させることができる電極活物質層の製造方法、及びこのようにして製造された電極活物質層を含む電池の製造方法を提供する。 【解決手段】電極活物質層を製造する本開示の方法は、繊維状物質及びバインダーを分散媒中で混合して予備スラリーを得ること、得られた予備スラリー及び電極活物質を混合して電極合材スラリーを得ること、及び得られた電極合材スラリーを基材に塗布し、そして分散媒を乾燥除去することを含む。 【選択図】図1
Inventors
- 竹内 寛和
Assignees
- トヨタ自動車株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260305
Claims (5)
- 以下の工程を含む、電極活物質層の製造方法: 繊維状物質及びバインダーを分散媒中で混合して予備スラリーを得ること、 得られた前記予備スラリー及び電極活物質を混合して電極合材スラリーを得ること、及び 得られた前記電極合材スラリーを基材に塗布し、そして前記分散媒を乾燥除去すること。
- 前記繊維状物質が、カーボンナノチューブである、 請求項1に記載の方法。
- 前記バインダーが、スチレンブタジエンゴムである、 請求項2に記載の方法。
- 前記乾燥工程における熱源が、熱風又はレーザーである、請求項1に記載の方法。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の方法によって電極活物質層を製造することを含む、電池の製造方法。
Description
本開示は、電極活物質層の製造方法、及び電池の製造方法に関する。 リチウムイオン電池の電極活物質層は、電極活物質及びバインダー等を含む電極合材スラリーを集電体上に塗布して、乾燥させることによって製造することができる。上記乾燥時に、バインダーがスラリー表面に移動することにより、集電体付近のバインダー量が減少することがある。その結果、電極活物質層と集電体との接着力が低下する。これに対して、上記接着力を向上させるための技術が開発されている。 例えば、特許文献1は、集電体と、前記集電体の少なくとも片面に位置し、人造黒鉛、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、及びバインダー高分子を含む負極活物質層と、を備え、前記負極活物質層が、前記集電体に面する下層領域と、前記下層領域に面しつつ、負極活物質層の表面まで延びる上層領域と、からなり、前記単層カーボンナノチューブの含量が、前記下層領域100重量部に基づいて、0.003~0.07重量部であり、前記単層カーボンナノチューブの平均直径が0.5~15nmであり、前記上層領域は、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を含まないことを特徴とする負極を開示している。 特許文献1は、このような負極を製造するために、負極活物質としての人造黒鉛、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、バインダー高分子としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)、及び水等を混合して、下層用のスラリーを製造し、SWCNTを含まないこと以外は下層用のスラリーと同様にして上層用のスラリーを製造したことを開示している。特許文献1は、更に、負極集電体としての銅(Cu)張り薄膜の片面に上記下層用のスラリーをコーティングし、このスラリーの上に上記上層用のスラリーをコーティングして、両スラリーを乾燥させたことを開示している。 特表2023-522659号公報 図1(a)は、本開示の実施例に係る方法で調製した電極合材スラリーを示す概略図であり、図1(b)は、本開示の比較例に係る方法で調製した電極合材スラリーを示す概略図である。図2(a)は、本開示の実施例に係る方法で製造した電極活物質層のSEM画像であり、図2(b)は、本開示の比較例に係る方法で製造した電極活物質層のSEM画像である。図3(a)は、本開示の実施例に係る方法で製造した電極活物質層の断面SEM画像であり、図3(b)は、本開示の比較例に係る方法で製造した電極活物質層の断面SEM画像である。 以下、本開示の実施の形態について詳述する。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、開示の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。 《電極活物質層の製造方法》 電極活物質層を製造する本開示の方法は、繊維状物質及びバインダーを分散媒中で混合して予備スラリーを得ること、得られた予備スラリー及び電極活物質を混合して電極合材スラリーを得ること、及び得られた電極合材スラリーを基材に塗布し、そして分散媒を乾燥除去することを含む。 上述のとおり、リチウムイオン電池の電極活物質層は、電極活物質及びバインダー等を含む電極合材スラリーを集電体上に塗布して、乾燥させることによって製造することができる。上記乾燥時に、バインダーがスラリー表面に移動することにより、集電体付近のバインダー量が減少することがある。 これに関して、本件開示者等は、繊維状物質、及びバインダーを分散媒中で混合して予備スラリーを調製し、その後、この予備スラリーと電極活物質とを混合して電極合材スラリーを調製することで、得られる電極活物質層中にバインダーを均一に分散させることができることを見出した。この理由としては、何らの理論に束縛されることを意図しないが、予備スラリー中で繊維状物質にバインダーが絡まって捕捉されることにより、その後調製される電極合材スラリーの乾燥時に、バインダーがスラリー表面に移動するのを抑制することができ、その結果、電極活物質層中にバインダーを均一に分散させることができると考えられる。 すなわち、図1(a)に示されるように、事前に予備スラリーを調製し、その後調製された電極合材スラリー1においては、バインダー20が繊維状物質10に絡まって捕捉されるため、バインダー20がスラリー表面に移動するのを抑制することができると考えられる。これに対して、図1(b)に示されるように、予備スラリーを調製せずに調製された電極合材スラリー1においては、バインダー20が繊維状物質10に十分に捕捉されないため、バインダー20がスラリー表面に移動するのを抑制することができないと考えられる。 〈予備スラリー調製工程〉 本開示の方法は、繊維状物質及びバインダーを分散媒中で混合して予備スラリーを得ることを含む。 繊維状物質としては、バインダーを絡ませて捕捉する機能を有するものであれば特に限定されない。例えば、繊維状物質は、カーボンナノチューブ(CNT)、若しくはカーボンナノファイバー(CNF)等の材料、又はこれらの組み合わせであってよいが、これらに限定されない。カーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、若しくは多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、又はこれらの組み合わせであってよい。 繊維状物質の平均直径は、0.1nm以上、1.0nm以上、5.0nm以上、10nm以上、又は15nm以上であってよく、100nm以下、75nm以下、50nm以下、30nm以下、又は25nm以下であってよい。 繊維状物質の含有量は、電極合材100質量部に対して、0質量部超、0.001質量部以上、0.003質量部以上、又は0.005質量部以上であってよく、1.0質量部以下、0.1質量部以下、又は0.01質量部以下であってよい。 なお、本開示に関して、「電極合材」は、そのままで又は他の成分を更に含有することによって、電極活物質層を構成することができる組成物を意味している。 バインダーとしては、電極活物質層のバインダーとして通常用いられているものであれば特に限定されない。例えば、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、澱粉、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等の材料、又はこれらの組合せであってよいが、これらに限定されない。バインダーは特に、コロイド粒子の状態であってよい。 バインダーとしては、繊維状物質と親和性の高い材料であってよい。例えば、繊維状物質がCNTのような六員環ネットワークによって形成された材料である場合、バインダーとしてSBRのような芳香環を有する材料を用いると、π-π相互作用によって、より効率的に繊維状物質がバインダーを捕捉することができると考えられる。 バインダーの含有量は、電極合材100質量部に対して、10質量部以上、15質量部以上、25質量部以上、又は30質量部以上であってよく、50質量部以下、40質量部以下、35質量部以下、又は33質量部以下であってよい。 電極合材中における繊維状物質とバインダーの質量比は、1:3000~1:6000、1:3500~1:5500、又は1:4000~1:5000であってよい。 分散媒としては、繊維状物質、及びバインダーを分散させることができるものであれば特に限定されない。例えば、分散媒は、水、並びにN-メチルピロリドン、及びアセトン等の有機溶媒であってよいが、これらに限定されない。 繊維状物質及びバインダーを分散媒中で混合する方法としては、特に限定されないが、例えば、混練機で混練する方法が挙げられる。この場合、せん断速度は、0rpm超、1rpm以上、3rpm以上、又は5rpm以上であってよく、300rpm以下、200rpm以下、100rpm以下、又は50rpm以下であってよい。また、混練時間は、0分超、1分以上、3分以上、又は5分以上であってよく、60分以下、30分以下、20分以下、又は10分以下であってよい。 〈電極合材スラリー調製工程〉 本開示の方法は、得られた予備スラリー及び電極活物質を混合して電極合材スラリーを得ることを含む。 本開示に関して、「電極合材スラリー」は、「電極合材」に加えて分散媒を含み、それによって塗布及び乾燥して電極活物質層を形成できるスラリーを意味している。 電極活物質としては、電池の電極活物質として用いることができるものであれば特に限定されない。したがって、電極活物質は、正極活物質であっても負極活物質であってもよい。公知の電極活物質のうち、所定のイオンを吸蔵放出する電位(充放電電位)の異なる2つの物質を選択し、貴な電位を示す物質を正極活物質とし、卑な電位を示す物質を負極活物質として、それぞれ用いることができる。 正極活物質としては、公知の活物質を用いればよい。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合は、正極活物質としてコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、マンガン酸リチウム、スピネル系リチウム化合物等の各種のリチウム含有複合酸化物を用いることができる。また、オリビン型の正極活物質としてリン酸鉄リチウム(LFP)を用いることができる。正極活物質は、例えば、粒子状であってもよく、その大きさは特に限定されるものではない。 負極活物質としては、公知の活物質を用いればよい。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合は、負極活物質としてシリコンやシリコン合金や酸化ケイ素等のシリコン系活物質;黒鉛やハードカーボン等の炭素系活物質;チタン酸リチウム等の各種酸化物系活物質;金属リチウムやリチウム合金等を用いることができる。負極活物質は、例えば、粒子状であってもよく、その大きさは特に限定されるものではない。 なお、本開示に関して、電極活物質は、特に負極活物質として用いられる。 電極活物質の含有量は、電極合材100質量部に対して、50質量部以上、55質量部以上、60質量部以上、又は65質量部以上であってよく、90質量部以下、85質量部以下、80質量部以下、又は75質量部以下であってよい。 〈乾燥工程〉 本開示の方法は、得られた電極合材スラリーを基材に塗布し、そして分散媒を乾燥除去することを含む。 基材としては、特に限定されないが、電極活物質層と共に電極を構成する集電箔であってよい。 集電箔としては、電池の集電箔として用いることができるものであれば特に限定されない。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合は、アルミニウム箔や銅箔等であってよい。 電極合材スラリーを基材に塗布する方法としては、特に限定されないが、ブレード塗工する方法が例示される。 分散媒を乾燥除去する方法としては、特に限定されない。例えば、乾燥工程における熱源は、熱風又はレーザーであってよい。乾燥温度、及び乾燥時間は使用する分散媒の沸点等に応じて、随意に決定すればよい。 本開示の方法により製造された電極活物質層において、バインダーが繊維状物質に絡まって捕捉されていることを確認する方法としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により電極活物質層の画像を取得して、観察する方法が挙げられる。 本開示の方法により製造された電極活物質層において、バインダーが電極活物質層中に均一に分散されていることを確認する方法としては、例えば、電極活物質層の断面SEM画像を取得して、バインダーの分散の程度を観察する方法が挙げられる。 また、例えば、以下の方法により、電極活物質層におけるバインダーの分散の程度を数値化することができる。すなわち、まず、画像処理ソフトウェア(Image J)に、取得した断面SEM画像を