JP-2026077948-A - 重金属含有廃棄物の処理方法及び資源化物の製造方法
Abstract
【課題】重金属を含有する廃棄物の重金属含有量を十分に低減できる廃棄物の処理方法を提供する。 【解決手段】ポリ塩化ビニル樹脂及びカルシウム化合物を含有する部材と重金属含有廃棄物とを混合することによって混合物を調製する調製工程と、混合物を加熱することによって、塩化重金属の揮発物を含むガスを発生させる加熱工程とを含み、調製工程において使用する部材がタイルカーペット及び壁紙の少なくとも一方の破砕物及び/又は断片であり、塩化重金属の揮発温度に応じて加熱工程において混合物を加熱する温度を設定し且つ加熱工程における当該温度での加熱によって混合物からセメント原料の一部として再利用可能な処理物を得る、重金属含有廃棄物の処理方法。 【選択図】図1
Inventors
- 泉 達郎
- 仁木 豊明
- 高間 昭
- 小浜 慎一郎
Assignees
- UBE株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260306
- Priority Date
- 20210128
Claims (10)
- ポリ塩化ビニル樹脂及びカルシウム化合物を含有する部材と、重金属含有廃棄物とを混合することによって混合物を調製する調製工程と、 前記混合物を加熱することによって、塩化重金属の揮発物を含むガスを発生させる加熱工程と、 を含み、 前記調製工程において使用する前記部材がタイルカーペット及び壁紙の少なくとも一方の破砕物及び/又は断片であり、 前記塩化重金属の揮発温度に応じて前記加熱工程において前記混合物を加熱する温度を設定し且つ前記加熱工程における当該温度での加熱によって前記混合物からセメント原料の一部として再利用可能な処理物を得る、重金属含有廃棄物の処理方法。
- 前記重金属含有廃棄物がセメントキルンにおける燃焼によって生じるダストである、請求項1に記載の重金属含有廃棄物の処理方法。
- 前記処理物が酸化カルシウムを含む、請求項1又は2に記載の重金属含有廃棄物の処理方法。
- 前記重金属含有廃棄物が水銀を含有し、前記重金属含有廃棄物から低減すべき重金属が水銀であり、前記混合物を300~500℃に加熱する、請求項1~3のいずれか一項に記載の重金属含有廃棄物の処理方法。
- 前記重金属含有廃棄物が鉛を含有し、前記重金属含有廃棄物から低減すべき重金属が鉛であり、前記混合物を800~1100℃に加熱する、請求項1~3のいずれか一項に記載の重金属含有廃棄物の処理方法。
- 前記タイルカーペットがパイル糸で構成されるパイル層と、パイル糸の一部が埋め込まれている下地層とを備え、前記下地層がポリ塩化ビニル樹脂及び炭酸カルシウムの両方を含み、 前記調製工程は前記タイルカーペットを破砕するステップと、前記タイルカーペットの破砕物から前記下地層の破砕物を選別するステップとを含み、前記部材として前記下地層の破砕物を使用する、請求項1~5のいずれか一項に記載の重金属含有廃棄物の処理方法。
- 前記調製工程において、前記部材として粒径0.5mm~2.0mmの破砕物を使用する、請求項1~6のいずれか一項に記載の重金属含有廃棄物の処理方法。
- 前記調製工程において、粒径0.1mm~2mmのタイルカーペットの破砕物と、粒径0.1mm~1mmの前記重金属含有廃棄物とを混合する、請求項1~7のいずれか一項に記載の重金属含有廃棄物の処理方法。
- 前記加熱工程における加熱による重金属の気化率が87%~98%である、請求項1~8のいずれか一項に記載の重金属含有廃棄物の処理方法。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の重金属含有廃棄物の処理方法によって重金属の含有量が低減された資源化物を製造する方法であり、 前記資源化物がセメント原料の一部として再利用可能な前記処理物である、資源化物の製造方法。
Description
本開示は、重金属含有廃棄物の処理方法及びリサイクル方法に関する。また、本開示は、上記処理方法によって重金属含有廃棄物から資源化物を製造する方法に関する。この資源化物は、本開示に係る処理方法によって重金属の含有量が低減された材料であり、例えば、Ca源やセメント原料としての利用が想定される。 特許文献1は、セメント焼成設備を構成するセメントキルンから排出される燃焼排ガスから水銀を除去する装置及び方法を開示している。 特開2010-158670号公報 図1はタイルカーペットの一例を模式的に示す断面図である。 以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。 <重金属含有廃棄物の処理方法> 本実施形態に係る重金属含有廃棄物の処理方法は、ポリ塩化ビニル樹脂及びカルシウム化合物を含有する部材と、重金属含有廃棄物とを含む混合物を加熱することによって、塩化重金属の揮発物を含むガスを発生させる工程を含み、上記部材が粒径5mm以下の破砕物、及び/又は、厚さ1mm以下の断片である。 上記混合物を加熱することによって、廃棄物に含まれる重金属が塩化重金属(重金属の塩化物)となる。すなわち、まず、上記部材に含まれるポリ塩化ビニル樹脂の塩素とカルシウム化合物のカルシウムが反応して塩化カルシウム(CaCl2)が生成し、塩化カルシウムと重金属が反応して重金属の塩化物が生成すると推察される。塩化重金属は比較的低い温度で揮発するため、加熱によって発生するガスは塩化重金属の揮発物を含む。このため、上記工程を経ることで、廃棄物の重金属含有量を低減することができる。上記部材が粒径5mm以下の破砕物、及び/又は、厚さ1mm以下の断片であることで、重金属含有廃棄物に含まれる重金属との反応が進行しやすく、処理時間を短縮化できる。 (重金属含有廃棄物) 重金属含有廃棄物の具体例として、セメントキルンにおける燃焼によって生じるダスト、廃棄物処理等の工場からの排水から得られるスラッジ、石炭火力発電所のボイラーで発生する石炭灰が挙げられる。これらのうち、セメントキルンにおける燃焼によって生じるダストは、比較的低温の加熱処理によって重金属が揮発しやすいという利点を有する。含まれる重金属の種類が同じでも、揮発しやすいか否かが廃棄物の種類に依存するのは、廃棄物の種類によって廃棄物中における重金属の存在形態が異なるためと推察される。 代表的な重金属の塩化物の揮発温度(沸点)は以下のとおりである。 ・塩化水銀(HgCl2):302℃ ・塩化鉛(PbCl2):950℃ ・塩化カドミウム(CdCl2):964℃ ・塩化コバルト(CoCl2):1088℃ ・塩化ニッケル(NiCl2):972℃ ・塩化クロム(CrCl2):1294℃ ・塩化スズ(SnCl2):608℃ ・塩化モリブデン(MoCl4):406℃ ・塩化バナジウム(VCl2):1061℃ ・塩化タングステン(WCl4):342℃ ・塩化銀(AgCl):1550℃ ・塩化亜鉛(ZnCl2):746℃ (ポリ塩化ビニル樹脂及びカルシウム化合物を含有する部材) 上記部材の一例として、タイルカーペットから破砕物が挙げられる。後述のとおり、タイルカーペットは、塩化カルシウムを生成するのに必要なカルシウム源(例えば、炭酸カルシウム)と塩素源(ポリ塩化ビニル樹脂)の両方を含んでいる。このため、カルシウム源及び塩素源を個別に準備する必要がないという利点がある。これに加え、廃棄されたタイルカーペットの破砕物を利用することで、廃棄物(タイルカーペット)で別の廃棄物を無害化(重金属除去)できる点で有用である。以下、上記部材として、タイルカーペットから得られる破砕物を利用する場合を例に挙げて本実施形態について具体的に説明する。 図1に示すタイルカーペット10は、パイル糸で構成されるパイル層1と、パイル糸の一部が埋め込まれている下地層3とを備える。本実施形態における下地層3は二層構造を有し、パイル層1と接している中間層3aと、基材層3bとによって構成されている。中間層3aの厚さは、例えば、1~2mmである。基材層3bの厚さは、例えば、1~2mmである。下地層3の厚さ(中間層3aと基材層3bの厚さの合計)は、例えば、2~4mmである。なお、タイルカーペット10は、製造過程で生じる裁断端材であっても、一般家庭又はオフィスから廃棄処分に供される使用済みのものであってもよい。 パイル層1は繊維材料からなるパイル糸で構成されている。繊維材料は合成繊維であっても天然繊維であってもよい。合成繊維として、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維及びアクリル繊維が挙げられる。天然繊維として、例えば、麻、綿、羊毛が挙げられる。パイル層1は、例えば、経パイル織又は緯パイル織の製織によって形成される。パイル層1は、例えば、タフティングマシンを使用してパイル糸を植毛することによって形成してもよいし、接着剤を使用してパイル糸を接着することによって形成してもよい。パイル形態は、カットパイル及びループパイルのいずれであってもよい。 中間層3aは、パイル層1と基材層3bによって挟まれている。中間層3aは、パイル糸の一部が埋め込まれておりパイル層1を固定する役割と、パイル層1と基材層3bとを貼り合わせる役割とを果たしている。中間層3aは、ポリ塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、充填剤とを含む組成物からなり、樹脂繊維(例えば、PET繊維)が内包されている。可塑剤はポリ塩化ビニル樹脂に柔軟性を付与するためのものである。充填剤は、例えば、タイルカーペット10の寸法安定性を向上させるためのものである。樹脂繊維はパイル層1のパイル糸を結い付けるためのものである。 可塑剤として、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジ-n-ブチル(DBP)、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(TOTM)及びリン酸トリクレジル(TCP)が挙げられる。その中でも、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル及びアジピン酸ジイソノニルからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、フタル酸ジオクチル又はアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルが更に好ましい。なお、上記フタル酸ジオクチルは、フタル酸ジ-n-オクチル又はフタル酸ジ-2-エチルヘキシルのどちらであってもよい。 充填剤として、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及びガラス粉末が挙げられる。これらのうち、経済性及び加工性の点から、炭酸カルシウムが好ましい。 基材層3bは、タイルカーペット10の裏面を構成している。基材層3bは、ポリ塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、充填剤とを含む組成物からなる。可塑剤は、中間層3aに含まれるものと同様のものであればよい。 本実施形態においては、タイルカーペット10に含まれるポリ塩化ビニル樹脂が塩素源となる。他方、タイルカーペット10に含まれる炭酸カルシウムがカルシウム源となる。タイルカーペット10における炭酸カルシウム含有量は、タイルカーペット10の全質量を基準として、例えば、45~60質量%である。 タイルカーペット10の破砕物は、以下のステップを経て得ることができる。 (a1)タイルカーペット10を破砕するステップ。 (a2)タイルカーペット10の破砕物から、下地層3の破砕物を選別するステップ。 ステップ(a1)におけるタイルカーペット10の破砕は、公知の破砕装置又は裁断装置を使用して実施すればよい。破砕物が断片状である場合、その厚さは1mm以下である。下限は特に制限はないが、公知の破砕装置又は裁断装置の能力も考慮し、0.1mm以上が好ましい。タイルカーペット10の断片の平面視での面積円相当径は、特に制限はないが、製造装置での取り扱いも含めた観点から、好ましくは12mm以下であり、より好ましくは8mm以下であり、更に好ましくは5mm以下である。破片の上記面積円相当径が12mm以下であることで、重金属含有廃棄物に含まれる重金属との反応が進行しやすく、処理時間を短縮化できる。なお、タイルカーペット10の破砕処理の効率化の観点から、上記面積円相当径の下限値は、0.5mmが好ましい。破片の厚さは、下地層3の厚さ以下(例えば、4mm以下)であり、好ましくは0.5~3mmであり、より好ましくは0.5~2mmである。 ステップ(a1)において、タイルカーペット10をより細かく破砕(粉砕)することによって、粉状又は粒状の部材を調製してもよい。タイルカーペット10の粉砕は、公知の粉砕装置を使用して実施すればよい。この場合、粉砕物の粒径は5mm以下であり、好ましくは3mm以下であり、より好ましくは2mm以下である。特に、粉砕物の粒径が2mm以下であることで、重金属含有廃棄物に含まれる重金属との反応が進行しやすく、処理時間をより一層短縮化できる。粉砕物の粒径の下限値は、例えば、0.5mmである。粉砕物の粒径が0.5mm以上であることで、粉砕物が過度に嵩張って取り扱い性が低下することを抑制できる傾向にある。なお、粉砕物の粒径は目開きサイズの互いに異なる複数の篩を準備し、粉砕物が篩を通過するか否かで把握することができる。 ステップ(a2)における下地層3の破砕物の選別は、例えば、風力分離によって実施することができる。これにより、粉砕物から繊維材料を十分に除去することができる。 (混合物の調製) 重金属含有廃棄物とタイルカーペットから得られる破砕物を混合することによって混合物(被処理物)を調製する。混合物に含まれる破砕物の質量を100質量部とすると、混合物に含まれる重金属の量は好ましくは40質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下である。この量が40質量部以下であることで、重金属含有廃棄物の重金属量を高度に低減できる傾向にある。混合物における重金属の量(破砕物100質量部基準)は、0質量部よりも大きければよく、重金属の低減処理を効率的に実施する観点から、例えば、0.001質量部よりも大きくてもよく、0.002質量部以上であってもよい。なお、混合比率は、低減すべき重金属の種類に応じて設定してもよい。 混合物を調製するにあたり、タイルカーペットの破砕物とは別に、必要に応じてカルシウム源及び塩素源の少なくとも一方を添加してもよい。 (加熱処理) 混合物を加熱する温度は、低減すべき重金属の塩化物の揮発温度に応じて適宜設定すればよく、例えば、350~1100℃である。加熱温度が350℃以上であることで、ポリ塩化ビニル樹脂の脱塩素反応を十分に進行させることができ、他方、1100℃以下であることで、加熱設備の構築及び運転に要するコストを削減できる傾向にある。例えば、低減すべき重金属が水銀である場合、加熱温度は好ましくは300~500℃であり、より好ましくは350~450℃である。例えば、低減すべき重金属が鉛である場合、加熱温度は好ましくは800~1100℃であり、より好ましくは850~1000℃である。なお、微量の重金属に対して過剰量の破砕物が配合された混合物を加熱処理する場合、必ずしも重金属の塩化物の揮発温度以上に加熱しなくても、重金属の塩化物を十分に揮発させることができる。これは重金属の塩化物が低分圧であるためと推察される。 低減すべき重金属の種類によっては、これを含む混合物を加熱する温度の上限値は2000℃であってもよい。低減すべき重金属がスズ(II)である場合、加熱温度は好ましくは1400~1600℃であり、より好ましくは1450~1550℃である。低減すべき重金属がタングステン(VI)である場合、