Search

JP-2026077952-A - 土壌改良剤とその使用

JP2026077952AJP 2026077952 AJP2026077952 AJP 2026077952AJP-2026077952-A

Abstract

【課題】熱帯から温帯にかけての広い地域で利用でき、かつ、天然由来の材料から容易に得られる化合物又はその誘導体を利用した土壌の土壌改良剤、硝化抑制剤、肥料及び硝化抑制方法を提供する。 【解決手段】5-ヒドロキシ-2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロ-5,8-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、及び、2,7-ジメトキシ-1,4-ナフトキノンからなる群より選択される1種以上の化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする土壌改良剤。 【選択図】なし

Inventors

  • 吉橋 忠
  • グントゥール・ヴァンカタ・スバラオ
  • 中原 和彦
  • 小野 裕嗣

Assignees

  • 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20260306
Priority Date
20200708

Claims (3)

  1. 5-ヒドロキシ-2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロ-5,8-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、及び、2,7-ジメトキシ-1,4-ナフトキノンからなる群より選択される1種以上の化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする土壌改良剤。
  2. 硝化抑制効果を有する、請求項1に記載の土壌改良剤。
  3. 請求項1又は2に記載の土壌改良剤を含有する肥料。

Description

本発明は、土壌改良剤とその使用に関する。より具体的には、土壌改良剤、肥料、土壌改良剤の有効成分の製造方法、硝化抑制方法に関する。 化学肥料に含まれるアンモニア、アンモニウム塩、尿素等のアンモニア態窒素や、有機質肥料が分解することによって生成したアンモニア態窒素は、土壌中、特に畑や水田の表層などの酸化的条件で硝酸態窒素に変化しやすい。 硝化と呼ばれるこの作用は、亜硝酸菌および硝酸菌等の硝化細菌並びに古細菌の働きによって起こり、生成した亜硝酸及び硝酸イオンは土壌コロイドに吸着されることなく、硝酸性窒素として地下水に、または、土壌における脱窒作用により、強力な温室効果ガスとして問題となっている亜酸化窒素として大気中に流亡・放出される。このため硝化作用の強い酸化的な土壌条件において、施肥した窒素肥料の作物による利用率は非常に低く、また、硝化により生じた硝酸性窒素及び亜酸化窒素の環境中への拡散が自然環境汚染の原因ともなっている。 しかしながら、空気中の窒素を化学的に固定した化学肥料の施肥は、作物生産を飛躍的に増加させる最も確実な手法であるため、著量の窒素肥料が農地に投入されている。このため、限られた環境条件ではあるが、ニトラピリン(2-クロロ-6-トリクロロメチルピリジン)や、例えば特許文献1に記載のジシアンジアミド等の合成薬剤など、硝化抑制活性を持つ化合物あるいはこれらを含む肥料が従来使用されてきた。 熱帯地域において、熱帯イネ科牧草であるクリーピングシグナルグラス(Brachiaria humidicola)が生育する土壌において硝化が抑制される現象が知られおり(非特許文献1)、この現象を利用した特許文献2に挙げる発明が知られている。また、一般的な穀物では、ソルガムの根から分泌されるソルゴレオンが硝化抑制活性を持つことが知られている(非特許文献2)。また、脂肪酸及び脂肪酸の誘導体の硝化抑制活性を活用した特許文献3に挙げる発明も知られている。 G.V. Subbarao, T. Ishikawa, O. Ito, K. Nakahara, H.Y. Wang, W.L. Berry, A bioluminescence assay to detect nitrification inhibitors released from plant roots: a case study with Brachiaria humidicola. Plant and Soil 288(1-2), 101-112, 2006.T. Tesfamariam, H. Yoshinaga, S.P. Deshpande, P.S. Rao, K.L. Sahrawat, Y. Ando, K, Nakahara, C.T. Hash, G.V. Subbarao, Biological nitrification inhibition in sorghum; the role of sorgoleone production. Plant and Soil 379 (1-2), 325-335, 2014. 特開平11-278973号公報特許第5408478号公報特許第5067520号公報 トウモロコシの根表面の抽出液から生成された化合物の紫外可視吸収スペクトルである。トウモロコシの根表面の抽出液から生成された化合物のエレクトロスプレーイオン化質量スペクトルである。トウモロコシの根表面の抽出液から生成された化合物の1H-NMRスペクトルである。トウモロコシの根表面の抽出液から生成された化合物の13C-NMRスペクトルである。2,7-ジメトキシ-1,4-ナフトキノンによる硝化抑制の用量反応曲線である。トウモロコシ11系統の根から得られた、2,7-ジメトキシ-1,4-ナフトキノンの含量を示すグラフである。 本発明者らは、トウモロコシの根表面部の疎水性抽出物に、強い硝化を抑制する作用を認めたことから、トウモロコシの根から何らかの硝化抑制物質が放出されることを予想し、鋭意研究を行ってきた。 その結果、硝化抑制物質を単離取得し、その化学構造をつきとめ、さらに単離した化合物が硝化抑制効果を有することを確認して、発明を完成するに至った。すなわち、単離した本発明の化合物は、下記式(2)で示される、1,4-ナフトキノン誘導体である、すなわち、2,7-ジメトキシ-1,4-ナフトキノン(以下、「ゼアノン」という場合がある。)である。 また、実施例において後述するように、2,7-ジメトキシ-1,4-ナフトキノン(ゼアノン)に構造が類似する誘導体の硝化抑制活性を精査した。その結果、表1に示す誘導体に硝化抑制活性が認められた。これら1,4-ナフトキノン誘導体もゼアノンと同様に硝化抑制に使用することが出来る。 表1中、R1~R6は、それぞれ、上記一般式(1)におけるR1~R6である。 2,7-ジメトキシ-1,4-ナフトキノン(ゼアノン)は、広く施肥条件で作付けされ、土壌が酸化状態にあり硝化が起きやすい畑地で生産されるトウモロコシから単離された物質である。ゼアノンは揮発性が低いため、環境温度による硝化抑制への影響を受けにくいと考えられ、既に用いられているニトラピリン等に比べ、汎用性が高い。同化合物の誘導体も、多くは植物成分として報告されており、実施例において後述するように、硝化抑制作用を有することが確認された。これらの物質が含まれる適切な植物を選ぶことにより土壌の硝化を抑制し窒素利用効率を高め、土壌からの亜酸化窒素の発生や硝酸性窒素の地下水への流出等の硝化による悪影響を防止することが可能となる。 [土壌改良剤] 1実施形態において、本発明は、下記式(1)で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする土壌改良剤を提供する。 本実施形態の土壌改良剤は、この有効成分を含有することで、実用上、有用な硝化抑制効果が得られる。 本明細書において、下記式(1)で表される化合物を1,4-ナフトキノン誘導体と呼ぶ場合がある。 [式(1)中、R1~R6は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~5の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルコキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表す。] 上記一般式(1)中、R1~R6における、置換基を有してもよい炭素数1~5の前記炭化水素基は、飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、飽和炭化水素基であることが好ましい。 置換基を有してもよい炭素数1~5の前記炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。前記炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。 炭素数1~5の前記炭化水素基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましい。 炭素数1~5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。 前記炭化水素基の炭素数は、1~3であることが好ましい。 前記炭化水素基は、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。 前記炭化水素基が置換基を有する場合、前記置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。 上記一般式(1)中、R1~R6における、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルコキシ基(-OR)としては、-ORのRの部分が、上述の、置換基を有してもよい炭素数1~5の炭化水素基と同様のものが挙げられる。 前記アルコキシ基(-OR)は、メトキシ基又はエトキシ基であることがより好ましく、メトキシ基であることが更に好ましい。 上記一般式(1)中、R1~R6における前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であってもよく、塩素原子であることが好ましい。 上記一般式(1)中、R1は、ヒドロキシ基以外の基であることが好ましい。 上記一般式(1)で表される化合物としては、1種を単独で又は2種以上を用いてもよい。 上記一般式(1)で表される化合物としては、硝化抑制活性の観点から、例えば、下記の化合物(1-1)、化合物(1-2)、化合物(1-3)が好適に挙げられる。 化合物(1-1):R3~R6の少なくともひとつがヒドロキシ基であるもの 化合物(1-2):R1又はR2がハロゲン原子であるもの 化合物(1-3):R3~R6の少なくともひとつが、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルキル基であるもの これらについて、詳細に説明する。 <化合物(1-1)> 化合物(1-1)は、上記一般式(1)で表される化合物において、R3~R6の少なくともひとつが、ヒドロキシ基であるものである。 化合物(1-1)において、R3は、ヒドロキシ基であることが好ましい。 R3がヒドロキシ基である場合、さらに、R1及びR2は、それぞれ、置換基を有してもよい炭素数1~5の炭化水素基であってもよいし、水素原子であってもよい。 R1及びR2が、いずれも水素原子である場合、R6は、ヒドロキシ基又は水素原子であることが好ましい。 さらに、R4及びR5は、それぞれ、水素原子であることが好ましく、R4及びR5は、いずれも、水素原子であることがより好ましい。 あるいは、R3がヒドロキシ基である場合、化合物(1-1)は次のようなものであってもよい。 R1及びR2は、それぞれ、置換基を有してもよい炭素数1~5の炭化水素基であることが好ましく、R1及びR2のいずれか一方は、置換基を有してもよい炭素数1~5の炭化水素基であり、かつ、他方は、水素原子であることがより好ましく、R1は、置換基を有してもよい炭素数1~5の炭化水素基であり、かつ、R2は、水素原子であることが更に好ましい。さらに、R6は、水素原子であることが好ましい。 R1及びR2における、置換基を有してもよい炭素数1~5の炭化水素基は、飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、飽和炭化水素基であることが好ましい。 置換基を有してもよい炭素数1~5の前記炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。前記炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。 炭素数1~5の前記炭化水素基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましい。 炭素数1~5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。 前記炭化水素基の炭素数は、1~3であることが好ましい。 前記炭化水素基は、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。 前記炭化水素基が置換基を有する場合、前記置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。 さらに、R4及びR5は、それぞれ、水素原子であることが好ましく、R4及びR5は、いずれも、水素原子であることがより好ましい。 あるいは、R3がヒドロキシ基である場合、化合物(1-1)は次のようなものであってもよい。 R1~R2は、それぞれ、ハロゲン原子であってもよいし、水素原子であってもよい。 R1~R2は、それぞれ、ハロゲン原子であることが好ましく、R1及びR2がいずれもハロゲン原子であることが好ましい。 R1及びR2がいずれもハロゲン原子であり、さらにR6は、ヒドロキシ基であることが好ましい。 前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であってもよく、塩素原子であることが好ましい。 さらに、R4及びR5は、それぞれ、水素原子であることが好ましく、R4及びR5は、いずれも、水素原子であることがより好ましい