JP-2026077953-A - ポリエステル系接着剤の製造方法及びブロック共重合体の製造方法
Abstract
【課題】優れた接着性能を示すポリエステル系接着剤を簡便な合成操作により得ることができるポリエステル系接着剤の製造方法を提供すること。 【解決手段】ブロック共重合体を含有するポリエステル系接着剤の製造方法であり、環状酸無水物と、環状エーテルと、環状エステルとを含むモノマー組成物を、重合開始剤及びアルカリ金属カルボン酸塩の存在下で重合することにより前記ブロック共重合体を得ることを含み、環状エーテルがエポキシドであり、環状エステルがジラクチドである。 【選択図】なし
Inventors
- 佐藤 敏文
- 磯野 拓也
- リ ホウ
- 鈴木 涼太
- 鷲見 綾香
- 安藤 勝
- 高橋 勝昭
Assignees
- 国立大学法人北海道大学
- 東亞合成株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260306
Claims (12)
- ブロック共重合体を含有するポリエステル系接着剤の製造方法であって、 環状酸無水物と、環状エーテルと、環状エステルとを含むモノマー組成物を、重合開始剤及びアルカリ金属カルボン酸塩の存在下で重合することにより前記ブロック共重合体を得ることを含み、 前記環状エーテルがエポキシドであり、 前記環状エステルがジラクチドである、ポリエステル系接着剤の製造方法。
- 前記重合開始剤が、アルコール又はカルボン酸である、請求項1に記載のポリエステル系接着剤の製造方法。
- 無溶媒条件下で重合する、請求項1に記載のポリエステル系接着剤の製造方法。
- 前記ブロック共重合体は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとを有し、 前記重合体ブロックAは、前記環状酸無水物に由来する構造単位と、前記環状エーテルに由来する構造単位とを含み、 前記重合体ブロックBは、前記環状エステルに由来する構造単位を含む、請求項1に記載のポリエステル系接着剤の製造方法。
- 前記ブロック共重合体が、BAB型のトリブロック型ポリマーであるか、又はAB型のアーム構造を3個以上有し、前記重合体ブロックBが重合体鎖の末端に配置されたスター型ブロックポリマーである、請求項4に記載のポリエステル系接着剤の製造方法。
- 前記環状酸無水物の炭素数が5以上である、請求項1に記載のポリエステル系接着剤の製造方法。
- 環状酸無水物と、環状エーテルと、環状エステルとを含むモノマー組成物を、重合開始剤及びアルカリ金属カルボン酸塩の存在下で重合することを含み、 前記環状エーテルがエポキシドであり、 前記環状エステルがジラクチドである、ブロック共重合体の製造方法。
- 前記重合開始剤が、アルコール又はカルボン酸である、請求項7に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 無溶媒条件下で重合する、請求項7に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記ブロック共重合体は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとを有し、 前記重合体ブロックAは、前記環状酸無水物に由来する構造単位と、前記環状エーテルに由来する構造単位とを含み、 前記重合体ブロックBは、前記環状エステルに由来する構造単位を含む、請求項7に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記ブロック共重合体が、BAB型のトリブロック型ポリマーであるか、又はAB型のアーム構造を3個以上有し、前記重合体ブロックBが重合体鎖の末端に配置されたスター型ブロックポリマーである、請求項10に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記環状酸無水物の炭素数が5以上である、請求項7に記載のブロック共重合体の製造方法。
Description
本発明は、ポリエステル系接着剤の製造方法及びブロック共重合体の製造方法に関する。 近年、持続可能社会の実現の観点から、バイオマス原料や生分解性材料の重要性が認知され、各種高分子材料のバイオマス原料化や生分解性付与が重要になっている。接着剤製品においてもバイオマス原料化や生分解性付与への転換が求められており、種々検討が進められている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1には、生分解性モノマーを用いた2段階の合成プロセスによりトリブロック型のポリエステルを製造し、当該ポリエステルを用いてポリエステル感圧接着剤(PSA)を得ることが開示されている。 Angew.Chem,Int.Ed.、2020年、第59号、p.23450-23455 以下、本発明に関連する事項について詳しく説明する。なお、本明細書において、「~」で示される数値範囲は、その前後に記載される数値を上限値及び下限値として含む。 ≪ポリエステル系接着剤≫ 本発明のポリエステル系接着剤は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとを有するブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(P)」ともいう。)を含有する。ブロック共重合体(P)において、重合体ブロックAは、環状酸無水物に由来する構造単位と、環状エーテルに由来する構造単位とを含み、重合体ブロックBは、環状エステルに由来する構造単位を含む。なお、以下では、環状酸無水物に由来する構造単位を「構造単位(U1)」ともいい、環状エーテルに由来する構造単位を「構造単位(U2)」ともいい、環状エステルに由来する構造単位を「構造単位(U3)」ともいう。以下、本発明のポリエステル系接着剤に含まれる成分について詳細に説明する。 <ブロック共重合体(P)> ブロック共重合体(P)は、ポリエステルを主骨格とする重合体である。ブロック共重合体(P)の一態様は、重合体ブロックAが、環状酸無水物と環状エーテルとの開環交互共重合により形成され、重合体ブロックBが、環状エステルの開環重合により形成されており、これによりポリエステル骨格を有するものである。重合体ブロックA及び重合体ブロックBを有するブロック共重合体(P)において、重合体ブロックAはソフトセグメント、重合ブロックBはハードセグメントとなり得る。 (重合体ブロックA) ・構造単位(U1) 重合体ブロックAにおいて、構造単位(U1)を構成する環状酸無水物は、酸無水物基(-C(=O)-O-C(=O)-)を分子内に1つ有していればよく、特に限定されない。環状酸無水物としては、単環式の環状酸無水物、縮合環式の環状酸無水物が挙げられる。また、環状酸無水物は、環に結合する置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1~20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、1価の複素環基等が挙げられる。 環状酸無水物が環に結合する置換基として炭素数1~20の鎖状炭化水素基を有する場合、炭素数1~20の鎖状炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよい。炭素数1~20の鎖状炭化水素基の具体例としては、飽和鎖状炭化水素基として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、2-オクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソトリデシル基、ヘキシルデシル基、オクチルドデシル基等のアルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基;等が挙げられる。 炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等のアリール基;フェニルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;が挙げられる。 ブロック共重合体(P)の分子量を十分に大きくでき、これにより接着性能により優れたブロック共重合体(P)を得ることができる点で、環状酸無水物の炭素数は5以上が好ましい。また、同様の観点から、環状酸無水物としては、環員数6以上の環状酸無水物及び縮合環構造を有する環状酸無水物よりなる群から選択される少なくとも1種を好ましく使用することができる。 構造単位(U1)を構成する環状酸無水物の具体例としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。なお、重合体ブロックAは、構造単位(U1)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。 ブロック共重合体(P)における構造単位(U1)の割合は、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。ブロック共重合体(P)の接着性能を良好にする観点から、構造単位(U1)の割合は、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、構造単位(U1)の割合の上限については、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。 ・構造単位(U2) 構造単位(U2)を構成する環状エーテルは、環状酸無水物との反応性が高い点で、オキシラン構造又はオキセタン構造を有する化合物を好ましく使用でき、オキシラン構造を有する化合物(エポキシド)をより好ましく使用できる。エポキシドとしては、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。 (式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20の1価の炭化水素基であり、炭素-炭素結合間に酸素原子を含んでいてもよく、置換基を有していてもよく、R1及びR2が結合して環を形成していてもよい。) 上記式(1)において、R1又はR2で表される炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、炭素数1~20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの具体例としては、環状酸無水物が有していてもよい置換基として例示したものと同様の基が挙げられる。R1又はR2が、置換された炭素数1~20の1価の炭化水素基である場合、置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ニトロ基等が挙げられる。 R1及びR2が結合して環を形成している場合、当該環としては、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環等が挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよい。 上記式(1)で表される化合物の反応性の観点から、R1及びR2の少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。 構造単位(U2)を構成する環状エーテルの具体例としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。なお、重合体ブロックAは、構造単位(U2)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。 ブロック共重合体(P)における構造単位(U2)の割合は、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。ブロック共重合体(P)の接着性能を良好にする観点から、構造単位(U2)の割合は、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、構造単位(U2)の割合の上限については、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。 ブロック共重合体(P)における構造単位(U1)と構造単位(U2)との合計の割合は、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して3質量%以上45質量%以下であることが好ましい。ブロック共重合体(P)の接着性能を良好にする観点から、構造単位(U1)と構造単位(U2)との合計の割合は、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また、構造単位(U1)と構造単位(U2)との合計の割合の上限については、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい。 (重合体ブロックB) 重合体ブロックBにおいて、構造単位(U3)を構成する環状エステルとしては、ラクトン類、ラクチド類及びカーボネート類が挙げられる。これらの具体例としては、ラクトン類として、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、β-ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン等が挙げられる。ラクチド類としては、グリコール酸2分子が脱水縮合したグリコリド、乳酸2分子が脱水縮合したジラクチド(L-ラクチド、D-ラクチド、Meso-ラクチド)、テトラメチルグリコリド等が挙げられる。カーボネート類としては、トリメチレンカーボネート等が挙げられる。 天然物から入手可能なバイオマス原料であり、かつ生分解性を有する点、及び入手容易性の点において、構造単位(U3)を構成する環状エステルは、ジラクチドが好ましく、L-ラクチド及び/又はD-ラクチドがより好ましい。ブロック共重合体(P)の合成に際し、L-ラクチド及び/又はD-ラクチドを使用する場合、L-ラクチドを単独で使用してもよく、D-ラクチドを単独で使用してもよく、L-ラクチド及びD-ラクチドの混合物を使用してもよい。ブロック共重合体(P)の接着性をコントロールしやすい点、及びブロック共重合体(P)の設計が容易な点において、ジラクチドとしては、L-ラクチドを単独で使用することが好ましい。 ブロック共重合体(P)における構造単位(U3)の割合は、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、55質量%以上97質量%以下である。構造単位(U3)の割合がブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して55質量%未満であると、ブロック共重合体の接着性能を十分に確保できない。また、ブロック共重合体が室温(25℃)で液状になりやすく、例えばホットメルト接着剤への適用が困難になることがある。一方、構造単位(U3)の割合がブロック共重合体(P)を構成する構造単位の全量に対して97質量%を超えると、ソフトセグメントとなり得る重合体ブロックAの比率が少なすぎ、ブロック共重合体が硬く脆くなりやすく、接着性能に劣る傾向がある。 接着性能に優れたブロック共重合体(P)を得る観点から、構造単位(U3)の割合は、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、60質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、75質量%以上が一層好ましい。また、構造単位(U3)の割合の上限については、ブロック共重合体(P)を構成する全構造単位に対して、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。 (ブロック共重合体(P)の構造) ブロック共重合体(P)は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。また、ブロック共重合体(P)は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとを1分子内に少なくとも1個ずつ有する限り、1分子内における重合体ブロックA及び重合体ブロックBの個数や、各重合体ブロックの配置は特に限定されない。 ブロック共重合体(P)が直鎖ポリマーである場合、ブロック共重合体(P)としては、AB型のジブロックポリマー、ABA型のトリブロック型ポリマー、BAB型のトリブロック型ポリマー、ABABA型のペンタブロック型ポリマー、