JP-2026077958-A - 水性ボールペン及び水性ボールペン用インキ組成物
Abstract
【課題】本発明の課題は、インキの漏れ出しを抑制するとともに、書き味に優れ、濃い筆跡とする水性ボールペンを得ることである。 【解決手段】本発明は、インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に水、着色剤、有機樹脂粒子を含んでなる水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記有機樹脂粒子がオレフィン系樹脂粒子であり、かつ、前記水性ボールペンの100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、110≦A/B≦600の関係であることを特徴とする水性ボールペンとする。 【選択図】なし
Inventors
- 戸塚 太郎
- 栗原 一裕
Assignees
- 株式会社パイロットコーポレーション
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260306
Claims (6)
- 水、顔料粒子、有機樹脂粒子を含んでなる水性ボールペン用インキ組成物であって、 前記顔料粒子が、吸油量100~300g(/100g)のカーボンブラックであり、 前記有機樹脂粒子はオレフィン系樹脂粒子であって、その平均粒子径は10μm以下であり、 前記水性ボールペン用インキ組成物の粘度は、20℃、剪断速度1.92sec -1 において、500~5000mPa・sであることを特徴とする、 水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記顔料粒子の平均粒子径Yμmが1.0μm以下で、かつ、前記オレフィン系樹脂粒子の平均粒子径Xμmが4μm以上10μm以下である、 請求項1に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記オレフィン系樹脂粒子が、ポリエチレン樹脂粒子である、 請求項1または2に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記オレフィン系樹脂粒子の含有量について、インキ組成物全量に対し、0.02~5.0質量%である、 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記インキ組成物がリン酸エステル系界面活性剤をさらに含んでなる、 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
- 前記インキ組成物が剪断減粘性付与剤として、多糖類または会合型増粘剤をさらに含んでなる、 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
Description
本発明は、水性ボールペンに関し、さらに詳細としては、インキ漏れ出しの抑制と、書き味に優れ、濃い筆跡となる水性ボールペンに関するものである。 従来のボールペンに用いるボールペン用インキ組成物として、特許文献1として特許第3338222号公報「直液ノック式水性ボールペン用インキ」のように、保湿性を向上しキャップなしでペンを放置しても、ペン先からインキが吹きだしたり、垂れ下がったりする直流現象が発生しない直液ノック式水性ボールペン用インキのものや、特許文献2として特公平6-47661号公報「ボ-ルペン用インキ組成物」のように、インキ粘度が、50~2000cpsであるボールペン用インキのものが開示されている。 「特許第3338222号公報」「特公平6-47661号公報」 本発明の特徴は、インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に水、着色剤、有機樹脂粒子からなる水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記有機樹脂粒子がオレフィン系樹脂粒子であり、かつ、前記水性ボールペンの100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、110≦A/B≦600の関係であることを特徴とする水性ボールペンとする。 本発明では、濃い筆跡にするにはインキ消費量を増やすことで、濃い筆跡が得られるが、インキ消費量が増えると、ボールとチップ先端の内壁との隙間より、インキの漏れ出しや、筆跡にじみ、泣きボテなどの筆記性能に影響が出てしまう課題がある。そこで、ボールペンチップ本体の仕様とインキ消費量の関係について検討したところ、ボール径が大きくなると、ボールとチップ先端の内壁との隙間が大きくなり、インキ漏れに影響してしまい、そのため、100mあたりのインキ消費量とボール径との関係が重要であることが分かった。そこで、本願発明者は検討したところ、水性ボールペンの100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、110≦A/B≦600の関係とすることで、濃い筆跡で、書き味を向上し、にじみ、泣きボテのない良好な筆記性能になることが分かった。 なお、インキ消費量については、20℃、筆記用紙JIS P3201筆記用紙上に筆記角度65°、筆記荷重100gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義する。 また、ボール径については、特に限定されないが、0.1~2.0(mm)程度のボールを用いる。 しかし、100mあたりのインキ消費量とボール径との関係を、110≦A/B≦600として、良好な筆記性能とすることは可能であるが、ある程度インキ漏れを抑制することが可能であるが、前述したように、出没式ボールペンのようなキャップオフ状態のボールペンの場合、ボールペンチップを突出させた状態で陳列ケースに戻された場合には、試し書き等をしたボールペンを、同陳列ケースに戻すことを繰り返すうちに、最初に戻したボールペンの上に、何本ものボールペンが積まれ、その結果、積まれた複数のボールペンの重みによるインキ漏れを抑制するには、十分ではないため、本願発明者は、鋭意検討したところ、樹脂粒子の中でも、オレフィン系樹脂粒子を用いることで、インキ漏れ抑制を格段に向上しつつ、書き味を向上することを可能とすることができた。 本発明で用いるオレフィン系樹脂粒子については、含有することで、前記ボールとチップ先端の内壁との間の隙間に物理的な障害を起こして、インキ漏れを抑制することを可能とする。さらに、前記オレフィン系樹脂粒子は、無機物と比較して硬度が低いことから、粒子同士が一部変形などして、お互い密着することで、微弱な凝集構造を形成し、インキ漏れを抑制する。さらに、オレフィン系樹脂粒子が炭化水素化合物であり、無極性であるために水中で凝集が起こりやすく、インキ漏れを抑制しつつ、インキ量の不足などの不具合を起こさないような最適化された凝集構造を形成しやすいため、インキ消費量を保ちつつ、インキ漏れ抑制効果が得られるものと推定される。さらに、オレフィン系樹脂粒子は溶融温度が高いため、高温環境下であっても安定して存在しやすく、高圧環境にあった場合では、変形はしやすく変性はしにくいという特徴を持っているため、ボールとボール座の間に挟まれても安定しているため、クッション効果が得られ、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制が得られるため、好適に用いることが可能である。 そのため、本願発明では、100mあたりのインキ消費量とボール径との関係を、110≦A/B≦600として、水性インキ組成物中にオレフィン系樹脂粒子を含んでなることで、ボールペンチップを突出させた状態でボールペンを陳列ケースに戻して、ボールとチップ先端の内壁との隙間が生じても、インキの漏れ出しを抑制するとともに、書き味に優れ、濃い筆跡とし、筆記性能を良好とすることが可能となる。 また、100mあたりのインキ消費量とボール径との関係については、より濃い筆跡や書き味を向上するには、120≦A/Bにすることが好ましく、オレフィン系樹脂粒子を含むことによって、ボールとチップ先端の間隙よりインキ垂れ下がりや、にじみや泣きボテが発生しにくくして筆記性能を良好とするには、A/B≦500とすることが好ましい。そのため、120≦A/B≦500とすることが好ましく、より濃い筆跡とインキ垂れ下がりを考慮すれば、150≦A/B≦450となることが好ましい。具体的に例を挙げると、ボール径をB(mm)=1.0(mm)の場合、100mあたりのインキ消費量A(mg)は、A=110~600(mg)とすることで、110≦A/B≦600の関係とすることができる。 (オレフィン系樹脂粒子) オレフィン系樹脂粒子の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、インキ漏れ抑制や書き味を向上することを考慮すれば、ポリエチレンを用いることが好ましく、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレン、変性高密度ポリエチレンなどが挙げられる。その中でもインキ漏れ抑制効果を考慮すれば、低密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレンが好ましく、特に低密度ポリエチレンは、他種のポリエチレンよりも融点が低く、柔らかい性質があるため、ポリエチレン粒子が密着しやすく、粒子間の隙間を生じづらく、インキ漏れしづらいため、低密度ポリエチレンが好ましく、さらに、低密度ポリエチレンは、柔らかいため、ボールとボール座の間でのクッション効果が得られやすく、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制が得られるため、好適に用いることが可能である。オレフィン系樹脂粒子は、必要に応じてポリオレフィン以外の材料を含んでいてもよい。 前記オレフィン系樹脂粒子の平均粒子径については、平均粒子径が小さい方が、お互い密着して、微弱な凝集構造をとりやすく、インキ漏れを抑制しやすいため、10μm以下が好ましく、さらに、8μm以下が好ましく、ボールの回転抵抗を緩和し、書き味を向上し、ボール座の摩耗を抑制することを考慮すれば、7μm以下がより好ましい。また、水素結合による凝集構造を形成することから、粒子自体が比較的小さくても巨視的な凝集構造を形成しやすいため、より細かい粒子径を用いても優れたインキ漏れ抑制効果を得ることができる。一方、平均粒子径が小さすぎると、インキ漏れ抑制効果が劣りやすいため、平均粒子径は、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは、3μm以上が好ましい。また、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320-X100」、日機装株式会社)を用いてレーザー回折法や、コールターカウンター法(コールター社製)を用いて測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)を測定することができる。 前記オレフィン系樹脂粒子の形状については、球状、もしくは異形の形状のものなどが使用できるが、摩擦抵抗を低減することを考慮すれば、球状樹脂粒子が好ましい。ここでいう球状樹脂粒子とは、真球状に限定されるものではなく、略球状の樹脂粒子や、略楕円球状の樹脂粒子などでも良い。 また、前記オレフィン系樹脂粒子については、予め水などに分散したオレフィン分散体にすることが好ましいが、オレフィン分散体のpH値については、7~11が好ましい。これは、オレフィン樹脂粒子の分散安定性や、着色剤、界面活性剤などのインキ成分に対する安定性を良好としやすいためである。より考慮すれば、pH値7~10がより好ましい。 前記オレフィン系樹脂粒子については、具体的には、ケミパールM-200(低密度ポリエチレン分散体、平均粒子径6μm、pH値9)、同W-100(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径3μm、pH値9)、同W-200(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径6μm、pH値9)、同W300(低分子量ポリエチレン分散体、平均粒子径3μm、pH値9)、同W-310(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径9.5μm、pH値8)、同W-400(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径4μm、pH値9)、同W-800(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径8μm、pH値9)、同W900(低分子量 ポリエチレン分散体、平均粒子径0.6μm、pH値11)、同S300(平均粒子径0.5μm、カルボン酸変性ポリオレフィン分散体、pH値10)、同SA100(平均粒子径1μm、カルボン酸変性ポリオレフィン分散体、pH値10)(以上三井化学(株)製)、ノプコマル MS-40(平均粒子径1.0μm、ポリエチレンパラフィンワックス)、ノプコマル PEM-17(平均粒子径0.01μm、ポリエチレンワックス)(以上サンノプコ(株)製)、CERAFLOUR950(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径9μm)、同925(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径6μm)、同929(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径8μm)(BYK(株)製)等が挙げられる。 また、前記オレフィン系樹脂粒子の含有量について、インキ組成物全量に対し、0.01~10.0質量%がより好ましい。これは、前記オレフィン系樹脂粒子の含有量が、0.01質量%未満だとインキ漏れを抑制しづらく、10.0質量%を越えると、凝集構造が強くなりやすく、書き味やドライアップ性能に影響が出やすいためである。さらに、より考慮すれば、0.02~5.0質量%が好ましく、0.03~1.0質量%が特に好ましく、最も好ましくは、0.05~0.5質量%が好ましい。 また、本発明に用いるボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量(クリアランス)が、15~50μmとするのが好ましい。これは、15μm未満であると、110≦A/Bの関係に設定しづらくなり、濃い筆跡や良好な書き味が得られづらくなり、50μmを越えると、A/B≦600の関係に設定しづらくなり、インキ垂れ下がり性能に影響が出やすくなるためで、より考慮すれば、20~45μmとするのが好ましく、さらに考慮すれば、25~40μmとするのが好ましい。 ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量(クリアランス)とは、ボールがボールペンチップ本体の縦軸方向への移動可能な距離を示す。 インキ粘度については、20℃環境下、剪断速度1.92 sec-1で、インキ粘度は、500~5000mPa・sが好ましい、これは、前記インキ粘度が500mPa・s未満だと、インキ粘度が低過ぎて、インキ漏れを抑制しづらく、5000mPa・sを越えると、書き味やボール座の摩耗抑制や書き味が劣りやすく、インキ消費量が少なく、濃い筆跡が得られにくいためである。より考慮すれば、1000~3500mPa・sが好ましい