JP-2026077980-A - 電極フィルムの製造方法、電極フィルム及び電池
Abstract
【課題】引張強度に優れる電極フィルムの製造方法、引張強度に優れる電極フィルム、及び引張強度に優れる電極フィルムを含む電池を提供する。 【解決手段】活物質粒子にポリフッ化ビニリデンを付着させる工程と、ポリフッ化ビニリデンが付着している活物質粒子と、ポリテトラフルオロエチレンとを混合して混合物を得る工程と、前記混合物中のポリテトラフルオロエチレンを繊維化する工程と、を含み、前記繊維化する工程は50℃以上の温度で実施され、前記混合物は溶剤を含まない、電極フィルムの製造方法。 【選択図】図1
Inventors
- 小島 慎司
- 上田 将史
- 肥後 智子
Assignees
- トヨタ自動車株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260309
Claims (11)
- 活物質粒子にポリフッ化ビニリデンを付着させる工程と、 ポリフッ化ビニリデンが付着している前記活物質粒子と、ポリテトラフルオロエチレンとを混合して混合物を得る工程と、 前記混合物中のポリテトラフルオロエチレンを繊維化する工程と、を含み、 前記繊維化する工程は50℃以上の温度で実施され、 前記混合物は溶剤を含まない、電極フィルムの製造方法。
- 前記繊維化する工程は100℃以上の温度で実施される、請求項1に記載の電極フィルムの製造方法。
- 前記繊維化する工程は200℃以下の温度で実施される、請求項1又は請求項2に記載の電極フィルムの製造方法。
- 前記繊維化する工程は180℃以下の温度で実施される、請求項1又は請求項2に記載の電極フィルムの製造方法。
- 前記繊維化する工程は前記混合物をフィルム状に成形することを含む、請求項1又は請求項2に記載の電極フィルムの製造方法。
- 活物質粒子と、前記活物質粒子に付着しているポリフッ化ビニリデンと、繊維状のポリテトラフルオロエチレンと、を含む、電極フィルム。
- 前記電極フィルムの断面の画像の任意の位置に配置した長さが20μmの直線と交差する繊維状のポリテトラフルオロエチレンの数が5本以上である、請求項6に記載の電極フィルム。
- 前記直線と交差する繊維状のポリテトラフルオロエチレンの数が20本以上である、請求項7に記載の電極フィルム。
- 繊維状のポリテトラフルオロエチレンの少なくとも一部が前記活物質粒子に付着している、請求項6~請求項8のいずれか1項に記載の電極フィルム。
- ポリフッ化ビニリデンによる前記活物質粒子の表面の被覆率は5%以上である、請求項6~請求項8のいずれか1項に記載の電極フィルム。
- 請求項6~請求項8のいずれか1項に記載の電極フィルムを含む、電池。
Description
本開示は、電極フィルムの製造方法、電極フィルム及び電池に関する。 リチウムイオン二次電池等の電池には、金属箔等の集電体の表面に活物質粒子がバインダで固定された状態の電極が使用されている。 電極の製造方法としては、活物質粒子及びバインダを溶剤と混合して作製した組成物を集電体の表面に塗布する方法(湿式法ともいう)と、溶剤を使用しないで活物質粒子をバインダで集電体に固定する方法(乾式法ともいう)とが知られている。 乾式法による電極の製造方法として、せん断力を付与すると繊維化(フィブリル化)する性質を有する樹脂をバインダとして使用する方法が提案されている。たとえば、特許文献1には、活物質粒子とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを含む混合物中のPTFEを繊維化して電極フィルムを作製し、次いでこの電極フィルムを集電体と一体化して電極を製造する方法が記載されている。 特開2022-3694号公報 電池に含まれる電極体の積層構造の一例を概略的に示す図である。実施例で作製した電極フィルム(圧延処理を150℃で実施)の断面のSEM画像である。 本開示において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。 本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。 本開示において、「工程」という語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。 本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。 本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。 <電極の製造方法> 本開示の電極フィルムの製造方法は、 活物質粒子にポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFともいう)を付着させる工程と、 PVdFが付着している前記活物質粒子と、PTFEとを混合して混合物を得る工程と、 前記混合物中のPTFEを繊維化する工程と、を含み、 前記繊維化する工程は50℃以上の温度で実施され、 前記混合物は溶剤を含まない、電極フィルムの製造方法である。 本開示において「電極フィルム」とは、電極の活物質として機能する物質を含み、自立可能な状態である(すなわち、支持体なしで形状を維持できる)フィルム状の物体を意味する。電極フィルムは、例えば、集電体の片面又は両面に配置される活物質層として使用される。 本開示の方法は、電極フィルムを製造する際に溶剤を使用しない。このため、本開示の方法は生体や環境に対する親和性に優れている。さらに、本開示の方法は成膜後に溶剤を揮発させる工程を省略でき、製造効率に優れている。 本開示の方法により製造される電極フィルムは、PTFEの繊維化を50℃未満の温度で実施して得られる電極フィルムに比べて優れた引張強度を示す。例えば、本開示の方法によれば引張強度が0.5MPa以上である電極フィルムを製造することも可能である。電極フィルムの引張強度が0.5MPa以上であると、電極フィルムの製造中に亀裂のような損傷が生じにくい点で有利である。 本開示の方法により製造される電極フィルムが優れた引張強度を示す理由は、例えば、下記のように考えられる。 PTFEの繊維化を50℃以上の温度で行うと、PTFEの繊維化が促進される。さらに、活物質粒子に付着しているPVdFが溶融又は軟化し、溶融又は軟化したPVdFを介して繊維化したPTFEが活物質粒子に付着する。その結果、得られる電極フィルムの引張強度が向上すると考えられる。 以下、活物質粒子にPVdFを付着させる工程を「工程1」とも称し、PVdFが付着している活物質粒子と、PTFEとを混合して混合物を得る工程を「工程2」とも称し、混合物中のPTFEを繊維化する工程を「工程3」とも称する。 (工程1) 工程1では、活物質粒子にPVdFを付着させる。 活物質粒子にPVdFを付着させる方法は特に制限されず、公知の方法で実施できる。例えば、活物質粒子とPVdFとを含む混合物に対してミキサー、ブレンダー、ミル等の装置を用いてせん断力を付与することにより、活物質粒子にPVdFを付着させてもよい。 繊維化したPTFEを効果的に活物質粒子に付着させる観点からは、活物質粒子に対するPVdFの量は、活物質粒子100質量部に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。 良好な電極性能を維持する観点らは、活物質粒子に対するPVdFの量は、活物質粒子100質量部に対して10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。 PVdFは、活物質粒子の表面の全体に付着していても、活物質粒子の表面の一部に付着していてもよい。 繊維化したPTFEを効果的に活物質粒子に付着させる観点からは、PVdFによる活物質粒子の表面の被覆率は、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましい。 良好な電極性能を維持する観点らは、PVdFによる活物質粒子の表面の被覆率は、60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。 本開示においてPVdFによる活物質粒子の表面の被覆率は、画像解析法により測定される。 画像解析法としては、例えば、EDX(エネルギー分散型X線分光法)にて元素マッピングを実施する方法が挙げられる。具体的には、PVdFが表面に付着している活物質粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、EDXにてFマッピングを実施する。活物質粒子に相当する領域Xと、領域XのうちPVdFに含まれる元素(F)が存在する領域Yと、を2値化し、下記式により被覆率を算出する。 被覆率(%)=(Yの面積/Xの面積)×100 電極フィルムの製造に使用する活物質粒子の種類は、負極に使用される負極活物質であっても、正極に使用される正極活物質であってもよい。 負極活物質として具体的には、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、シリコン等が挙げられる。 正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。 リチウム遷移金属複合酸化物としては、層状型のリチウム遷移金属複合酸化物、スピネル型のリチウム遷移金属複合酸化物、オリビン型のリチウム遷移金属複合酸化物等が挙げられる。 層状型のリチウム遷移金属複合酸化物として具体的には、LiMO2(MはNi、Co及びMnからなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属である)で表される化合物、及びこの化合物に異種元素が添加された化合物が挙げられる。異種元素としてはAl、Mg、La、Ti、Zn、B、W、Fe、Cr、V、Ru、Cu、Cd、Ag、Y、Sc、Ga、In、As、Sb、Pt、Au、Si等が挙げられる。 スピネル型のリチウム遷移金属複合酸化物として具体的には、LiMn2O4が挙げられる。 オリビン型のリチウム遷移金属複合酸化物として具体的には、LiMPO4(MはFe、Co、Ni又はMnである)が挙げられる。 正極材料に含まれる正極活物質は、1種単独であっても2種以上であってもよい。 リチウム遷移金属複合酸化物の中でも遷移金属としてNi、Co及びMnから選択される少なくとも1種を含む層状型のリチウム遷移金属複合酸化物がより好ましく、遷移金属としてNiと、Co及びMnから選択される少なくとも1種とを含む層状型のリチウム遷移金属複合酸化物がさらに好ましく、遷移金属としてNi、Co及びMnをそれぞれ含む層状型のリチウム遷移金属複合酸化物(NCM、ニッケルコバルトマンガン酸化物)がさらに好ましい。 電極フィルムの製造に使用する活物質粒子は、1種単独であっても2種以上であってもよい。 活物質粒子の体積平均粒子径は特に制限されず、例えば、5μm~30μmの範囲から選択できる。 本開示において粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定される体積基準の粒度分布において、小径側からの累積が50%となるときの値(D50)である。 工程1では、PVdFとともに活物質粒子に導電助剤を付着させてもよい。活物質粒子が正極活物質粒子である場合は、活物質粒子に導電助剤を付着させることが好ましい。 導電助剤として具体的には、カーボンブラック(アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等)、カーボンナノチューブ、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。 活物質粒子に導電助剤が付着した状態は、例えば、活物質粒子、導電助剤及びPVdFを含む混合物に対してミキサー、ブレンダー、ミル等の装置を用いてせん断力を付与することで得ることができる。 (工程2) 工程2では、PVdFが付着している活物質粒子と、PTFEとを混合して混合物を得る。PVdFが付着している活物質粒子とPTFEとを混合する方法は特に制限されず、公知の手段を用いて実施できる。 電極フィルムの強度を保持する観点からは、活物質粒子に対するPTFEの量は、活物質粒子100質量部に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。 良好な電極性能を維持する観点からは、活物質粒子に対するPTFEの量は、活物質粒子100質量部に対して10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。 工程2で活物質粒子と混合されるPTFEは、粒子状であってもよい。 工程2で得られる混合物は、溶剤を含んでいても、溶剤を含んでいなくてもよい。作業性の観点からは、工程2で得られる混合物は、溶剤を含んでいないことが好ましい。 工程2では、PTFEの少なくとも一部を繊維化させてもよい。この場合、繊維化されたPTFEで活物質粒子の少なくとも一部が結着した状態の造粒体を作製してもよい。 工程2で得られる混合物は、PVDF及びPTFE以外の樹脂を含んでもよい。 PVDF及びPTFE以外のバインダとして具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、セルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロロヒドリン、ポリアクリロニトリル、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等が挙げられる。 混合物がPVDF及びPTFE以外の樹脂を含む場合、その量は、PVDF及びPTFEの合計100質量部に対して20質量部以下、10質量部以下、又は5質量%以下であってもよい。 (工程3) 工程3では、工程2で得られた混合物中のPTFEを繊維化する。 工程2で得られた混合物中のPTFEは、一般的にPTFEの粒子が凝集体を形成した状態であり、せん断力が加わると凝集体が破壊されて粒子の一部が繊維状に変化する。本開示においては、完全に繊維の形状であるPTFEに加え、PTFEの粒子の一部が繊維状に変化した部分も「繊維化したPTFE」であると定義する。 PTFEを繊維化する方法は特に制限されず、PTFEに対してせん断力を付与しうる公知の手段を用いて実施できる。 工程3は、混合物をフィルム状に成形することを含んでもよい。PTFEを繊維化しながら混合物を