JP-2026078002-A - 肉類及び/又は魚介類の品質向上剤、並びに肉類及び/又は魚介類の品質向上方法
Abstract
【課題】肉類及び/又は魚介類の加熱調理後の歩留りを向上させることができ、加熱調理後の肉類及び/又は魚介類の食感が良好であり、さらには、保存後においても良好な食感の肉類及び/又は魚介類を得ることができる新たな肉類及び/又は魚介類の品質向上剤、並びに肉類及び/又は魚介類の品質向上方法を提供すること。 【解決手段】膨潤抑制ワキシーコーンスターチと、オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類と、プロテアーゼとを含有する肉類及び/又は魚介類の品質向上剤、並びに肉類及び/又は魚介類の合計100重量部に対して、膨潤抑制ワキシーコーンスターチを0.3~8%(w/w)、オリゴ糖を0.02~0.75%(w/w)、及びプロテアーゼを0.002~0.05%(w/w)で用いることを含む肉類及び/又は魚介類の品質向上方法である。 【選択図】なし
Inventors
- 大泉 太於
- 河原田 啓希
- 内田 萌
- 尾崎 千夏
Assignees
- オリエンタル酵母工業株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260310
Claims (5)
- 膨潤抑制ワキシーコーンスターチと、オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類と、プロテアーゼとを含有する肉類及び/又は魚介類の品質向上剤であって、 前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチが、8%(w/v)懸濁液とした場合において、ラピッドビスコアナライザー(RVA)で測定したときの最高粘度が3,000~3,500mPa・Sであり、かつブレークダウンが500~1,000mPa・Sであるものであり、 前記肉類及び/又は魚介類の品質の向上が、前記肉類及び/又は魚介類の加熱調理後の歩留りの向上、加熱調理後の前記肉類及び/又は魚介類の食感の向上、並びに保存後の前記肉類及び/又は魚介類の食感の向上の少なくともいずれかであることを特徴とする肉類及び/又は魚介類の品質向上剤。
- 前記オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類が、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、及びマルトオクタオースから選ばれる1種以上を35~70%(w/w)含有する請求項1に記載の肉類及び/又は魚介類の品質向上剤。
- 前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチを25~85%(w/w)、前記オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類をオリゴ糖の量として5~40%(w/w)、前記プロテアーゼを0.01~2.5%(w/w)含有する請求項1又は2に記載の肉類及び/又は魚介類の品質向上剤。
- 肉類及び/又は魚介類の品質向上方法であって、 肉類及び/又は魚介類の合計100重量部に対して、膨潤抑制ワキシーコーンスターチを0.3~8%(w/w)、オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類をオリゴ糖の量として0.02~0.75%(w/w)、及びプロテアーゼを0.002~0.05%(w/w)で用いることを含み、 前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチが、8%(w/v)懸濁液とした場合において、ラピッドビスコアナライザー(RVA)で測定したときの最高粘度が3,000~3,500mPa・Sであり、かつブレークダウンが500~1,000mPa・Sであるものであり、 前記肉類及び/又は魚介類の品質の向上が、前記肉類及び/又は魚介類の加熱調理後の歩留りの向上、加熱調理後の前記肉類及び/又は魚介類の食感の向上、並びに保存後の前記肉類及び/又は魚介類の食感の向上の少なくともいずれかであることを特徴とする肉類及び/又は魚介類の品質向上方法。
- 前記肉類及び/又は魚介類の加熱調理前に、浸漬、塗布、揉みこみ、タンブリング、及びインジェクションから選ばれる1種以上の処理により、前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチと、前記オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類と、前記プロテアーゼとを、前記肉類及び/又は魚介類に添加する請求項4に記載の肉類及び/又は魚介類の品質向上方法。
Description
本発明は、肉類及び/又は魚介類の品質向上剤、並びに肉類及び/又は魚介類の品質向上方法に関する。 肉類や魚介類は、加熱調理される前に冷蔵や冷凍工程を経るか、あるいは加熱調理後に冷蔵又は冷凍されて流通される。この冷蔵又は冷凍工程において、離水してドリップが流出し、食味や食感が低下するだけでなく、歩留まりが低下し、商品価値が低下するという問題があった。 これまでに、肉類の加工、加熱調理後の歩留りと風味、食感に優れ、更には加熱調理後、冷凍やチルド状態での保存を経た後の、電子レンジ加熱などの再加熱の後でも良好な風味と食感を損なうことがなく、安価に提供できる肉類加工品用改良剤として、オリゴ糖と、澱粉質原料とを含む肉類加工品用改良剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 また、食肉原料に降り掛けるだけで、短時間で物性及び食味の改善された食肉単味品調理品を得ることができる食肉単味品調理用粉体組成物として、プロテアーゼと、アルギニンと、澱粉とを含有する食肉単味品調理用粉体組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。 しかしながら、肉類や魚介類の加熱調理後の歩留りや、加熱調理品や保存後に再加熱した調理品の食感のすべてを良好なものとするという点では、未だ十分満足するものは提供されておらず、更なる改善が求められているのが現状である。 特開2006-67998号公報特開2015-12858号公報 図1は、膨潤抑制ワキシーコーンスターチの懸濁液の粘度をラピッドビスコアナライザーで測定したときの最高粘度、最低粘度、ブレークダウンを説明するための図である。 (肉類及び/又は魚介類の品質向上剤) 本発明の肉類及び/又は魚介類の品質向上剤(以下、「品質向上剤」と称することがある。)は、有効成分として、膨潤抑制ワキシーコーンスターチと、オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類と、プロテアーゼとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。 本発明においては、食品及び食品添加物としての使用実績があり食経験が豊富な、膨潤抑制ワキシーコーンスターチ、オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類、並びにプロテアーゼの3成分を品質向上剤の有効成分として使用する。 <膨潤抑制ワキシーコーンスターチ> ワキシーコーンスターチは、コーンスターチの中でもワキシーコーン(糯種)から精製されたものを指す。ワキシーコーンスターチは、ほぼアミロペクチンのみからなるという特徴を有しており、糊化しやすく、ゲルは保存安定性に優れている。 本発明で用いるワキシーコーンスターチは、膨潤抑制処理された膨潤抑制ワキシーコーンスターチであり、市販品を適宜使用することができる。 前記膨潤抑制処理としては、特に制限はなく、公知の処理を適宜選択することができ、例えば、アセチル化、架橋化、エーテル化等の化学的処理、湿熱処理、乾熱処理、油脂加工等の物理的処理などが挙げられる。これらの処理は、1種単独の処理であってもよいし、2種以上の処理であってもよい。 前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。 前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチとしては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、膨潤抑制ワキシーコーンスターチの懸濁液の粘度をラピッドビスコアナライザー(以下、「RVA」と称することがある。)で測定したときに、下記の最高粘度、下記のブレークダウン(以下、「BD」と称することがある。)の範囲内のものであることが好ましい。なお、前記BDは、最高粘度と最低粘度との差のことをいう。 前記RVAは加熱及び冷却をしながら澱粉懸濁液の粘度を測定することができる機器であり、例えば、Perten社のRVA4500を使用することができる。本明細書では、前記RVA4500を使用し、下記のようにして、膨潤抑制ワキシーコーンスターチ懸濁液の粘度を測定し、最高粘度及びBDを求めた。 1) 測定用アルミニウムカップに所定量の膨潤抑制ワキシーコーンスターチとイオン交換水を量り入れ、全量25gの懸濁液(8%(w/v)懸濁液)を調製する。 2) パドルを0~10秒までは960rpm、10秒以降は160rpmで撹拌させながら、50℃で1分間保持した後、50℃から95℃まで12.2℃/分の昇温速度で加熱する。 3) 95℃で2.5分間保持する。 4) 95℃から50℃まで-11.8℃/分の降温速度で冷却し、50℃に達したら2分間保持する。 上記のような時間依存的な温度変化を与えたときに得られる、時間に対する粘度の変化曲線を粘度曲線と呼び、該粘度曲線に基づいて、糊化期間から高温保持期間の間の粘度の最大値を「最高粘度」、降温期間の間の粘度の最小値を「最低粘度」とし、最高粘度から最低粘度を差し引いた値が「ブレークダウン(BD)」となる(図1参照)。これらの値は澱粉の由来や加工方法等によって変化し、澱粉の糊化特性を示すものである。 前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチの8%(w/v)懸濁液とした場合のRVAで測定したときの最高粘度としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、3,000~3,500mPa・Sであることが好ましい。また、前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチの8%(w/v)懸濁液とした場合のRVAで測定したときのBDとしては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、500~1,000mPa・Sであることが好ましい。最高粘度、ブレークダウンが前記好ましい範囲にある膨潤抑制ワキシーコーンスターチを用いることにより、肉類及び魚介類を加熱調理する際に発生するドリップを有意に抑制し、冷凍やチルド状態などでの保存を経た後に再加熱しても肉類及び魚介類中の水分を逃しにくい品質向上剤が得られる。 前記最高粘度及びブレークダウンの値は、上記した膨潤抑制の程度により、適宜調整することができる。例えば、膨潤抑制の程度を高くすることで、前記最高粘度の数値を低くし、前記ブレークダウンの数値を低くすることができる。 前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチの前記品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、使用量などに応じて適宜選択することができ、例えば、25~85%(w/w)とすることができる。 <オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類> オリゴ糖は、単糖が2個から10個程度結びついたもので、少糖とも称する。前記オリゴ糖としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、イソマルトース、ラクトスクロース、グルコシルスクロース、ラフィノース、マルトトリオース、マルトシルスクロース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、マルトオクタオース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。 前記オリゴ糖の中でも、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、及びマルトオクタオースから選ばれる1種以上が好ましい。 なお、前記オリゴ糖は、単一品であってもよいし、複数の糖で構成されているものであってもよい。 本発明では、オリゴ糖を含有する糖類(以下、「オリゴ糖含有糖類」と称することがある。)を用いることもできる。前記オリゴ糖含有糖類としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、水あめ、粉末水あめなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。 前記オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類の中でも、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、及びマルトオクタオースから選ばれる1種以上を35~70%(w/w)含有するものが好ましい。 前記オリゴ糖及びオリゴ糖含有糖類は、いずれか一方を用いてもよいし、両者を併用してもよい。 前記オリゴ糖及びオリゴ糖含有糖類は、市販品を適宜使用することができる。 前記オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類の前記品質向上剤における合計含有量としては、特に制限はなく、使用量などに応じて適宜選択することができ、例えば、オリゴ糖の量として、5~40%(w/w)とすることができる。 <プロテアーゼ> プロテアーゼは、蛋白質を構成するペプチド結合を切断する酵素の総称である。プロテアーゼは蛋白質の分解反応形式の違いにより、エンド型とエキソ型とに分類される。本発明ではいずれの型のプロテアーゼも使用できるが、エンド型プロテアーゼが好ましい。 前記プロテアーゼには微生物に由来するものや植物に由来するものがあるが、本発明ではプロテアーゼの由来としては、特に制限はなく、微生物由来であってもよいし、植物由来であってもよい。前記プロテアーゼは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。 前記プロテアーゼの具体例としては、アスペルギルス属微生物由来のプロテアーゼ、マイタケ由来のマイタケプロテアーゼ、パパイア由来のパパイン、イチジク由来のフィシン、パイナップル由来のブロメリンなどが挙げられる。 前記プロテアーゼは、市販品を適宜使用することができる。 前記プロテアーゼの前記品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、使用量などに応じて適宜選択することができ、例えば、0.01~2.5%(w/w)とすることができる。 <その他の成分> 前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、pH調整剤;ショ糖、ブドウ糖、果糖、各種糖アルコール等の糖類;澱粉や穀粉;ステビア、アスパルテーム等の甘味料;デキストリン;有機酸やその塩、グリシンやDL-アラニン等の制菌作用がある成分;調味・呈味成分;香料;色素;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、フェルラ酸、チャ抽出物等の酸化防止剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。 前記その他の成分は、市販品を適宜使用可能である。 前記その他の成分の前記品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、使用量などに応じて適宜選択することができる。 <態様> 前記品質向上剤は、前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチと、前記オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類と、前記プロテアーゼとを混合製剤としておくことが好ましい。前記混合製剤の製剤化に際しては、前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチ、前記オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類、並びに前記プロテアーゼのみで製剤としてもよいし、必要に応じて前記その他の成分を配合したり、製剤化原料として助剤を使用して製剤としてもよい。前記助剤としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、食塩、多糖類(デキストリンなど)、乳化剤などが好ましく挙げられる。 なお、前記品質向上剤は、上記した混合製剤とするのではなく、各成分を溶液作製の段階で所定量使用する方法を用いてもよい。 本発明の品質向上剤では、膨潤抑制ワキシーコーンスターチの含有量は25~85%(w/w)、オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類の合計含有量は、オリゴ糖の量として5~40%(w/w)、プロテアーゼの含有量は0.01~2.5%(w/w)であることが好ましい。 <使用> -使用量- 前記品質向上剤の使用量としては、前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチ、前記オリゴ糖及び/又はオリゴ糖含有糖類、並びに前記プロテアーゼの有効量を使用していれば、特に制限はなく、適宜選択することができる。 --膨潤抑制ワキシーコーンスターチ-- 前記膨潤抑制ワキシーコーンスターチの使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、肉類及び/又は魚介類の合計100重量部に対して、