JP-2026078003-A - 顔料分散体及び塗膜形成用組成物
Abstract
【課題】保存安定性が良好で、硬化膜にした時のコントラスト比の変化を保存前後で抑制可能な顔料分散体を提供すること、また、このような顔料分散体を含む塗膜形成用組成物を提供すること。 【解決手段】ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、分散剤、分散樹脂、少なくとも2種の溶剤を含む顔料分散体であって、前記ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が、固形分基準で前記顔料分散体中18重量%以上含まれ、前記分散剤が、固形分基準で前記顔料分散体中0重量%より多く10重量%以下含まれ、前記分散剤は、アミン価が140mgKOH/g以上で、酸価を持たない樹脂型分散剤であり、前記溶剤のうちの1種は、環状ケトン又は環状エステルである、顔料分散体。 【選択図】なし
Inventors
- 水野 太貴
Assignees
- 山陽色素株式会社
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20260310
Claims (1)
- ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、分散剤、分散樹脂、少なくとも2種の溶剤を含む顔料分散体であって、 前記ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が、固形分基準で前記顔料分散体中18重量%以上含まれ、 前記分散剤が、固形分基準で前記顔料分散体中0重量%より多く10重量%以下含まれ、 前記分散剤は、アミン価が140mgKOH/g以上で、酸価を持たない樹脂型分散剤であり、 前記溶剤のうちの1種は、環状ケトン又は環状エステルである、顔料分散体。
Description
本発明は、顔料分散体及び塗膜形成用組成物に関するものであり、特に、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む顔料分散体及び塗膜形成用組成物に関するものである。 従来、顔料を溶剤に分散させた顔料分散体を用いて形成される塗膜形成用組成物は、例えば、画像表示装置や固体撮像素子等に適用されるカラーフィルタ、記録用又はカラーフィルタ用インクジェットインク、塗料等各種の用途に適用されている。このうち、特にカラーフィルタにおいては、近年の高画質化の市場の要求から、塗膜形成用組成物中での顔料の高濃度化、高色純度化等が必要になっている。したがって、顔料分散体においても顔料の高濃度化が必要になっている。 カラーフィルタは、一般に赤、青、緑の3原色をそれぞれ有する硬化膜が透明基板上のブラックマトリクスで区画された領域に形成された画素を備えている。このうち緑色の画素に用いられる顔料は、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料が広く採用されている。しかし、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料は、コントラスト比の向上等の高画質化への対応が困難になってきており、その代替顔料としてハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いることが提案されている(特許文献1)。 特許文献1には、塩素化及び/又は臭素化されたものであってよい亜鉛フタロシアニン顔料、所定の溶剤、塩基性分散剤を含む着色組成物が開示されている。この着色組成物によると、色特性に優れた亜鉛フタロシアニン顔料を用いて、高固形分かつ高顔料濃度で、分散性、流動性、及び保存安定性が良好である着色組成物を提供することができるとされている。 特開2009-91551号公報 (顔料分散体) 本発明の実施形態に係る顔料分散体は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、分散剤、分散樹脂、少なくとも2種の溶剤を含む。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、固形分基準で顔料分散体中18重量%以上含まれる。分散剤は、アミン価が140mgKOH/g以上で、酸価を持たない樹脂型分散剤であり、固形分基準で顔料分散体中0重量%より多く10重量%以下含まれる。溶剤は、環状ケトン又は環状エステルを含む。尚、固形分基準とは、固形分ないし不揮発分のみを考慮し、揮発分は考慮しないことを意図するものである。 このように、溶剤として、環状ケトン又は環状エステルと、他の溶剤とを組み合わせて用いることで、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の濃度が顔料分散体の固形分基準で18重量%以上と高濃度であっても、特定の分散剤を所定の濃度範囲で含有させ、分散樹脂と併用することで、保存安定性が良好で、硬化膜にした時のコントラスト比の変化が顔料分散体の保存前後で抑制可能となる。この理由は、必ずしも明らかではないが、特定の溶剤が、特定の樹脂型分散剤と分散樹脂との会合を抑制して、顔料表面に分散剤を優先的に結合させるとともに、顔料表面の分散剤と分散樹脂が特定の溶剤の存在により相溶することで、顔料分散体の粘度の安定化、即ち、良好な保存安定性に寄与していると考えられる。また、その結果として、最終的に硬化膜にした時のコントラスト比の変化を顔料分散体の保存前後で抑制することができると考えられる。このように、コントラスト比の変化を抑制することができるため、顔料分散体を調合した後に所定期間保存が可能になり、原材料を無駄なく効率的に使用することができ、環境負荷の低減、製造コストの低減に対しても有効である。 前記ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、下記式(1)を満たすものであればよい。 (式(1)中、中心金属元素Mは、Znであり、Xは、それぞれ独立に、H、Cl、及びBrからなる群から選ばれる元素であり、少なくとも一つはCl又はBrである。) このようなハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料としては、カラーインデックス(C.I.)番号で示すと、例えば、C.I.ピグメントグリーン(PG)58、59が挙げられる。 ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の顔料分散体中の濃度は、固形分基準で18重量%以上である。保存安定性の観点からは、上限は25重量%以下が好ましく、22重量%以下がより好ましい。カラーフィルタ用の顔料分散体の場合は、一般に16重量%以下であり、顔料18重量%以上の濃度は、このような一般的な濃度よりも高濃度であるといえる。一般に、顔料濃度を高くすると粘度は指数関数的に増加するため、1重量%の濃度差でも粘度安定性への影響は極めて大きいといえる。しかし、このような高濃度の場合であっても、所定の溶剤、所定濃度範囲の所定の樹脂型分散剤、分散樹脂を組み合わせることで、当該顔料の特性を良好に発揮させることが可能で、粘度安定性が良好な顔料分散体及び塗膜形成用組成物を提供できる。 顔料分散体には、前述のハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料に加えて、色調節用や補色用としての顔料をさらに用いることができる。具体的には、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントイエロー14、74、83、138、139、150等の黄色顔料、C.I.ピグメントブルー7等の青色顔料、C.I.ピグメントグリーン7、36等の緑色顔料などが挙げられる。これらの顔料の濃度は、用途等に応じて適宜決定することができるが、例えば、固形分基準で顔料分散体中0.1~10.0重量%とすることができる。 顔料分散体に含まれる顔料の平均一次粒子径は、コントラスト等に影響がない範囲で適宜調整することができる。平均一次粒子径としては、10~100nmであるのが好ましく、10~50nmがより好ましく、10~30nmがさらに好ましい。一次粒子径は、例えば、顔料を透過型電子顕微鏡にて倍率10万倍で撮影した画像から測定できる。また、平均一次粒子径については、例えば、100個の粒子を測定し、その平均値を平均一次粒子径とすることができる。また、顔料は必要に応じて、従来公知の微細化処理(例えば、ソルベントソルトミリング処理など)がされたものであってもよい。 前記分散剤は、アミン価が140mgKOH/g以上で、酸価を持たない樹脂型分散剤である。この樹脂型分散剤はアミン価が高いため、顔料分散体中では、一般に後述する分散樹脂のアルカリ可溶性を促進する基と会合して凝集を生じやすく、その結果として粘度が高くなりやすい傾向にある。しかし、特定の溶剤が共存することにより分散樹脂との会合を抑制し、顔料分散体の良好な粘度安定性を実現可能である。アミン価は、より好ましくは、150mgKOH/g以上である。また、現像性の観点からは、上限は200mgKOH/g以下が好ましい。アミン価(固形分換算したときのアミン価)は、例えば、DIN 16945に準拠する方法により求めることができる。尚、「酸価を持たない」とは、酸価(固形分換算したときの酸価)を、例えば、DIN EN ISO 2114に準拠する方法により求めた時の値が、0mgKOH/gである場合をいう。 このような樹脂型分散剤は、市販のものを用いることができる。例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製:DISPERBYK(登録商標)-LPN23097、LPN22956などが挙げられる。 分散剤の顔料分散体中の濃度は、固形分基準で0重量%より多く10重量%以下である。粘度の安定化(即ち保存安定性)の観点、カラーフィルタ製造時の現像性の観点からは、より好ましくは、1重量%以上8重量%以下、さらに好ましくは、2重量%以上6重量%以下である。また、固形分基準で、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の含量100重量部、他の顔料を含む場合は全顔料の合計含量100重量部に対して、5重量部以上50重量部以下が好ましい。 分散樹脂は、前述のようにハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を高濃度で含有させる場合に、顔料分散体中での顔料の分散性を向上させるため、及び、顔料分散体を用いて塗膜形成用組成物を形成する場合に、塗膜形成用組成物中の粒子の分散性を向上させるために用いられる。分散樹脂は、前述の所定の樹脂型分散剤と組み合わせて顔料などの分散性や粘度の安定性を確保可能であるものであれば特に限定はないが、酸価が100mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、アミン価を持たない樹脂であるのが好ましい。酸価は、110mgKOH/g以上140mgKOH/g以下がより好ましい。酸価(固形分換算したときの酸価)は、例えば、DIN EN ISO 2114に準拠する方法により求めることができる。「アミン価を持たない」とは、アミン価(固形分換算したときのアミン価)を、例えば、DIN 16945に準拠する方法により求めた時の値が、0mgKOH/gである場合をいう。 分散樹脂は、後述する塗膜形成用組成物において使用する塗膜形成成分が重合性成分、とりわけ、光重合性成分の場合に、塗膜形成用組成物内の粒子の良好な分散性に寄与する傾向にある。このような分散樹脂としては、所定範囲の酸価を有しアミン価を持たないアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。このようなアルカリ可溶性樹脂は特開2009-179789号公報に記載のものを用いることができる。即ち、アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、線状有機高分子重合体であって、分子中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。 アルカリ可溶性樹脂の好適なものとしては、特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸とを合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。 (メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。 前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。 前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N-ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH2=CR5R6、CH2=C(R5)(COOR7)(ここで、R5は水素原子又は炭素数1~5のアルキル基を表し、R6は炭素数6~10の芳香族炭化水素環を表し、R7は炭素数1~8のアルキル基又は炭素数6~12のアラルキル基を表す。)等を挙げることができる。 これら共重合可能な他の単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 分散樹脂の重量平均分子量は、分散剤と併用時の顔料の分散安定性の観点から、5000~30000が好ましい。 尚、分散樹脂の酸価は、前述のモノマーの種類、使用量などを適宜調整することで制御可能である。アミン価についても同様である。 分散樹脂は、市販のものを使用することができる。例えば、新中村化学工業株式会社製:バナレジンPSY-C1(アクリル系樹脂、酸価:131mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)などが挙げられる。 分散樹脂の顔料分