JP-2026514608-A - SSEA3及びCD105を発現する神経堤由来鼻幹細胞を有効成分として含むアルツハイマー病の予防又は治療用薬学的組成物
Abstract
本発明は、SSEA3及びCD105を発現する神経堤由来鼻幹細胞を有効成分として含むアルツハイマー病の予防又は治療用薬学的組成物などに関するもので、SSEA3及びCD105を発現する神経堤由来鼻幹細胞(NTSC)又は前記NTSCを一定割合以上含むNTSC細胞株を処理したとき、顕著に優れたアルツハイマー病の治療活性が確認されたという点で、SSEA3及びCD105を発現するNTSC;又は前記NTSCを一定割合以上含むNTSC細胞株;を有効成分として含むアルツハイマー病の予防又は治療用組成物だけでなく、アルツハイマー病の治療に使用可能なNTSC製剤のスクリーニング用途、治療効果に対する予測用途などで有用に活用されることが期待される。 【選択図】図5a
Inventors
- イム、ジョン-ヨン
- ワン、ソン ミン
- キム、ソン ウォン
- イ、ジョン ウン
- ヤン、スン ホ
- イム、ヒョン グク
- パク、ス ナ
- チョン、シン-ス
- パク、サン イン
- キム、ソンファン
Assignees
- ザ カトリック ユニバーシティ オブ コリア インダストリー-アカデミック コーオペレイション ファウンデーション
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240812
- Priority Date
- 20240315
Claims (20)
- 下記からなる群より選択されたいずれか一つ以上を有効成分として含むことを特徴とする、アルツハイマー病の予防又は治療用薬学的組成物: i)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞(neural crest-derived turbinate stem cells);及び ii)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞を含む神経堤由来鼻幹細胞株。
- 前記神経堤由来鼻幹細胞は、SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞を全体神経堤由来鼻幹細胞の個数を基準として16%以上含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 前記幹細胞は、下鼻甲介組織に由来するものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2のうちいずれか一項に記載の薬学的組成物。
- 前記組成物は、ネスチン(Nestin)、β-IIIチューブリン(β-III tubulin)及びMAP2(Microtubule-associated protein 2)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を高いレベルで発現するものであることを特徴とする、請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の薬学的組成物。
- 前記組成物は、下記からなる群より選択されるいずれか一つ以上のサイトカイン又はケモカインを分泌するものであることを特徴とする、請求項1~請求項4のうちいずれか一項に記載の薬学的組成物: 脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor、BDNF)、血小板由来成長因子(Platelet-derived growth factor、PDGF)、アンジオジェニン(Angiogenin)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、レプチン、インターロイキン-6(interleukin-6)、インターロイキン-8(interleukin-8)、単球化学誘引タンパク質-1(monocyte chemoattractant protein-1)、メタロプロテアーゼ-1/2(metalloproteinase-1/2)の組織抑制剤及びオステオプロテゲリン(osteoprotegerin)。
- 前記組成物は、アミロイドβによる細胞死滅効果を抑制させてアミロイドβの毒性に対する保護効果を示すことを特徴とする、請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の薬学的組成物。
- 前記組成物は、下記からなる群より選択されたいずれか一つ以上を特徴とするものであることを特徴とする、請求項1~請求項6のうちいずれか一項に記載の薬学的組成物: a)6E10、Iba-1、pTau及びCD11bの発現を減少させる; b)β-IIIチューブリン(β-III tubulin)、NeuN及びGFAPの発現を増加させる;及び c)CCL4、CCL5、CXCL10及びOPNの発現を減少させる。
- 前記組成物は、アミロイドβの沈着を抑制させるか、学習及び記憶能力を向上させることを特徴とする、請求項1~請求項7のうちいずれか一項に記載の薬学的組成物。
- 下記段階を含むことを特徴とする、アルツハイマー病の予防又は治療用神経堤由来鼻幹細胞製剤のスクリーニング方法: 神経堤由来鼻幹細胞のSSEA3及びCD105二重陽性可否を測定する段階;又は 神経堤由来鼻幹細胞内のSSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞の包含レベルを測定する段階。
- 神経堤由来鼻幹細胞のSSEA3及びCD105二重陽性可否を測定する場合、 前記スクリーニング方法は、前記神経堤由来鼻幹細胞がSSEA3及びCD105二重陽性である場合、アルツハイマー病の予防又は治療用神経堤由来鼻幹細胞製剤であると判定する段階を追加的に含むことを特徴とする、請求項9に記載のスクリーニング方法。
- 神経堤由来鼻幹細胞内のSSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞の包含レベルを測定する場合、 前記スクリーニング方法は、前記神経堤由来鼻幹細胞株内のSSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞の包含レベルが全体神経堤由来鼻幹細胞の個数を基準として16%以上である場合、アルツハイマー病の予防又は治療用神経堤由来鼻幹細胞製剤であると判定する段階を追加的に含むことを特徴とする、請求項9又は請求項10のうちいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
- 下記段階を含むことを特徴とする、アルツハイマー病の予防又は治療用神経堤由来鼻幹細胞製剤のアルツハイマー病の予防又は治療効果の予測方法: 神経堤由来鼻幹細胞のSSEA3及びCD105二重陽性可否を測定する段階;又は 神経堤由来鼻幹細胞内のSSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞の包含レベルを測定する段階。
- 神経堤由来鼻幹細胞のSSEA3及びCD105二重陽性可否を測定する場合、 前記予測方法は、前記神経堤由来鼻幹細胞がSSEA3及びCD105二重陽性である場合、アルツハイマー病の予防又は治療用神経堤由来鼻幹細胞製剤によるアルツハイマー病の予防又は治療効果が高いと判定する段階を追加的に含むことを特徴とする、請求項12に記載の予測方法。
- 神経堤由来鼻幹細胞株内のSSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞の包含レベルを測定する場合、 前記予測方法は、前記神経堤由来鼻幹細胞株内のSSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞の包含レベルが全体神経堤由来鼻幹細胞の個数を基準として16%以上である場合、アルツハイマー病の予防又は治療用神経堤由来鼻幹細胞製剤によるアルツハイマー病の予防又は治療効果が高いと判定する段階を追加的に含むことを特徴とする、請求項12又は請求項13のうちいずれか一項に記載の予測方法。
- 前記段階で、治療効果が高いと判定される場合、神経堤由来鼻幹細胞製剤でアルツハイマー病を治療する段階を追加的に含むことを特徴とする、請求項12~請求項14のうちいずれか一項に記載の予測方法。
- 下記からなる群より選択されたいずれか一つ以上を有効成分として含む組成物及びマニュアルを含むことを特徴とする、アルツハイマー病の予防又は治療用キット: i)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞(neural crest-derived turbinate stem cells);及び ii)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞を含む神経堤由来鼻幹細胞株。
- 下記からなる群より選択されたいずれか一つ以上を測定する製剤を有効成分として含む組成物及びマニュアルを含むことを特徴とする、アルツハイマー病の予防又は治療用神経堤由来鼻幹細胞製剤のスクリーニング用キット: i)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞(neural crest-derived turbinate stem cells);及び ii)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞の包含レベルが全体神経堤由来鼻幹細胞の個数を基準として16%以上である神経堤由来鼻幹細胞株。
- 下記からなる群より選択されたいずれか一つ以上を有効成分として含む組成物をこれを必要とする個体に薬学的に有効な量で投与する段階を含むことを特徴とする、アルツハイマー病の予防又は治療方法: i)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞(neural crest-derived turbinate stem cells);及び ii)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞を含む神経堤由来鼻幹細胞株。
- 下記からなる群より選択されたいずれか一つ以上を有効成分として含む組成物のアルツハイマー病の予防又は治療に用いるための用途: i)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞(neural crest-derived turbinate stem cells);及び ii)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞を含む神経堤由来鼻幹細胞株。
- 下記からなる群より選択されたいずれか一つ以上のアルツハイマー病の予防又は治療製剤を製造するための用途: i)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞(neural crest-derived turbinate stem cells);及び ii)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞を含む神経堤由来鼻幹細胞株。
Description
特許法第30条第2項適用申請有り 2023年8月18日,KSSCR 2023のポスターセッション「Stem cell screening for the treatment of Alzheimer disease using multilineage differentiating stress-enduring cells in animal and brain organoid models」にて発表。 本発明は、SSEA3及びCD105を発現する神経堤由来鼻幹細胞を有効成分として含むアルツハイマー病の予防又は治療用薬学的組成物に関する。 本出願は、2024年3月15日に出願された大韓民国特許出願第10-2024-0036787号に基づく優先権の利益を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示されたすべての内容は本出願に援用される。 認知症(dementia)は、正常的に成熟した脳が後天的な外傷や疾病など外因により損傷又は破壊されて全般的に知能、学習、言語などの認知機能と高等精神機能が低下する複合的な症状を言い、現代社会で老齢人口の急激な増加により老化と関連した認知症の発生が深刻な社会問題として台頭している。認知症は、発病率が高いにもかかわらず、現在明確な治療剤や予防剤がないため莫大な社会経済的な損失を誘発している。 認知症の中でもアルツハイマー病(Alzheimer' disease)は、認知症の最も通常的な形態であり、退行性脳疾患により老化の過程中で脳組織が機能を失いながら記憶及び認知機能に深刻な障害を起こす特徴を示すので、アルツハイマー病の機序及び新しい治療剤の開発のためにアルツハイマー病で急激な認知能力の減少に影響を及ぼす重要な因子を糾明して研究する必要があるのが実情である。 今まで、アルツハイマー病の機序に対して多くの研究が行われて来たが、未だ明確に糾明されていない状態であり、アルツハイマー病関連の研究報告によると、病気の進行においてamyloid-β peptide(Aβ)が重要な原因物質であるとみられているが、これはamyloid precursor protein(APP)から形成される。β-pleated sheet形態は、不溶性であるのでamyloid fibril aggregateを形成して蓄積され、このamyloid aggregateは、それ自体としてneurotoxicであり、炎症反応を誘発して脳細胞の損傷を起こすことが知られている。 一方、最近幹細胞を利用した退行性神経系疾患の治療分野の学問と技術が著しく発展して実際の臨床に適用される事例が多くなり、幹細胞の治療が退行性神経系疾患の重要な分野として定着することとなった。幹細胞を利用した神経系疾患の治療研究において高い増殖力と多分化能を有するヒト胚性幹細胞及び脱分化幹細胞に対して多くの期待が寄せられたが、今のところ確かな効果を示す幹細胞治療剤はその数が多くない。 このような技術的背景下で、本発明の発明者らは、神経堤由来鼻幹細胞(neural crest-derived nasal stem cells、以下、NTSC)を利用したアルツハイマー病の予防又は治療用幹細胞治療剤を発明した。 図1aは、多頻度鼻炎手術を通じて確保されたヒト鼻組織から分離培養されたhNTSCを示した図である。図1bは、hNTSCが投与されたマウスの生体内毒性分析を体重変化など組織病理学的実験を通じて確認した結果である。図1c及び図1dは、hNTSCが投与されたマウスの生体内毒性分析を血清レベル及び全体血球レベルでそれぞれ確認した結果である。図2aは、hNTSCが投与されたアルツハイマー病マウスの水迷路脱出実験結果を示した図である。図2bは、hNTSCが投与されたアルツハイマー病マウスのプローブテスト結果を示した図である。図2c及び図2dは、慢性的に活性化された小膠細胞は、アミロイドβプラーク周辺の炎症性サイトカインを分泌してアルツハイマー病個体の脳ニューロンを直接的に損傷させることを示した図である。図2eは、hNTSCが投与されたアルツハイマー病マウスの小膠細胞でのアアミロイドβプラークの沈着及び炎症性小膠細胞の発現レベルが減少したことを示した図である。図2f及び図2gは、hNTSCが投与されたアルツハイマー病マウスの脳抽出物のSDS-PAGEジェルウェスタンブロット分析結果であって、hNTSCの投与によってアミロイドβのレベルが減少し(図2f)、アミロイドβの沈着及び炎症性小膠細胞の発現レベルが減少することを示した図である(図2g)。図3a及び図3bは、互いに異なるドナーから収得したhNTSCのSSEA3-CD105二重陽性割合を確認した実験結果である。図4aは、培養免疫染色した結果、hNTSCからSSEA3-CD105二重陽性細胞(hNTSC-M)を確認した図である。図4b及び図4cは、hNTSC及びhNTSC-Mの発現マーカーを分析した結果である。図4dは、hNTSC及びhNTSC-MをAlizarin Red S、Oil red O及びAlcian blue染色分析した結果である。図4eは、hNTSC及びhNTSC-Mの成長速度を分析した結果である。図4fは、hNTSC及びhNTSC-Mのサイトカイン分泌プロファイルを分析した結果であり、図4gは、図4fを定量化した結果である。図4hは、hNTSC及びhNTSC-Mのアミロイドβの毒性を分析した結果である。図5aは、hNTSC及びhNTSC-Mが共培養されたオルガノイドを共焦点顕微鏡で分析した結果であって、アルツハイマー病関連マーカーの減少を示した図である。図5bは、hNTSC及びhNTSC-Mが空培養されたオルガノイドでのAβプラーク及び小膠細胞量の減少を示したウェスタンブロット実験結果であり、図5cは、これを定量化した図である。図6aは、アルツハイマーオルガノイドでの神経細胞及び神経膠細胞マーカーに対する免疫組織化学的分析を実施した結果、hNTSC対比hNTSC-Mによる神経前駆細胞マーカーであるβ-IIIチューブリン、成熟したニューロンマーカーであるNeuN及び神経膠細胞マーカーであるGFAPの発現レベルが顕著に増加することを確認した図である。また、図6b及び図6cは、これをウェスタンブロット分析を通じて確認した図である。図7aは、正常な脳オルガノイド対比アルツハイマーオルガノイドでのアルツハイマー病の病因関連分子レベルが高いことを確認した図である。図7bは、アルツハイマー病の病因関連分子レベルを分析した結果、hNTSC-MによるCCL4、CCL5、CXCL10及びOPNレベルが顕著に減少することを確認した図である。また、図7cは、これを定量して示したグラフである。図8aは、アルツハイマーオルガノイドにhNTSC-Mなどを移植して免疫組織化学的染色分析を実施した結果、hNTSC-Mによりアミロイドβプラークの沈着レベルが顕著に減少したことを確認した図であり、図8bは、これを定量化した図である。図8cは、アルツハイマーオルガノイドにhNTSC-Mなどを移植してAβ42に対するELISA分析を実施した結果、hNTSC-Mにより可溶性Aβ42のレベルが有意に減少したことを確認した図である。図8dは、アルツハイマーオルガノイドにhNTSC-Mなどを移植して水迷路訓練を実施した結果、hNTSC-Mにより学習能力が向上したことを確認した図である。図8e及び図8fは、アルツハイマーオルガノイドにhNTSC-Mなどを移植してプローブテストを実施した結果、hNTSC-Mにより記憶能力が向上したことを確認した図である。図9のaは、アルツハイマーオルガノイドにhNTSC-Mなどを移植して共焦点顕微鏡イメージ分析を実施した結果、hNTSC-Mにより炎症反応を示す小膠細胞が減少することを示した図である。また、図9bは、これを定量化したグラフである。図9cは、アルツハイマーオルガノイドにhNTSC-Mなどを移植して神経炎症及び病理と関連したタンパク質に対してウェスタンブロット分析を実施した結果、hNTSC-MによりCD11b及びOPNの発現が減少し、NEPのレベルは増加したことを確認した図である。図9d~図9fは、図9cで確認したCD11b、OPN及びNEPの発現レベルを定量化したグラフである。 本発明は、下記からなる群より選択されたいずれか一つ以上を有効成分として含むアルツハイマー病の予防又は治療用薬学的組成物を提供する: i)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞(neural crest-derived turbinate stem cells);及び ii)SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞を含む神経堤由来鼻幹細胞株。 本発明の一実施例において、前記神経堤由来鼻幹細胞株は、SSEA3及びCD105二重陽性神経堤由来鼻幹細胞を全体神経堤由来鼻幹細胞の個数を基準として16%以上含むか、17%以上、18%以上、19%以上又は20%以上含むことができるが、これに制限されるものではない。 本発明で用いられる用語「神経堤(neural crest)」は、脊椎動物の発生過程で胚形成の直後に一時的に現われる胚葉性細胞の集団であって、神経管が形成されるとき、その外部表皮と最後に切れる部分に該当する部位である。神経堤幹細胞は、発生期の移動期(migratory stage)の間に神経褶(neural fold)の後方部から移動し、神経堤幹細胞は、身体内の広範囲な組織と臓器に移動して分布しており、移動期以後に神経堤幹細胞は、末梢神経系の神経細胞、神経膠細胞(glial cells)、皮膚のメラニン細胞(melanocytes)、内紛秘系細胞、そして多様な間葉細胞(mesenchymal cells)に分化して成人の非神経系組織と臓器に分布することが知られている。 本発明で「幹細胞(stem cell)」とは、個体を構成する細胞や組織の根幹となる細胞として繰り返し分裂して自己複製(self-renewal)でき、環境によって特定の機能を有した細胞に分化できる多分化能力を有する細胞を意味する。胎児の発生過程中に全ての組織から生じ、成人となっても骨髓、上皮組織など細胞が活発に交替される一部組織で発見される。幹細胞は、分化可能な細胞の種類によって受精卵が初分裂を始めるときに形成される全能性幹細胞(totipotent stem cells)と、この細胞が継続分裂して作られた胞胚内膜にある万能性幹細胞(pluripotent stem cells)、そして成熟した組織と器官中に存在する多能性幹細胞(multipotent stem cells)に分類される。このとき、多能性幹細胞は、この細胞が含まれている組織及び器官に特異的な細胞へのみ分化できる細胞であって、胎児期、新生児期及び成体期の各組織及び臓器の成長と発達はもちろん、成体組織の恒常性の維持と組織損傷時に再生を誘導する機能に関与している。このような組織特異的多能性細胞を総称して成体幹細胞とも言う。 成体間葉幹細胞のうち骨髓由来間葉幹細胞及び脂肪組織由来間葉幹細胞は、獲得するための手術に激しい痛みを伴い、所要時間が長く、獲得される間葉幹細胞の量が非常に少なく、臨床的に十分な量を培養する過程で多くの時間と費用が消耗され、感染と細胞損失の危険性が高いという短所がある。また、臍帯血由来間葉幹細胞は、必要とする時期に得にくく、長期間保管しなければならないという問題点を有している。 成体幹細胞に分類される間葉幹細胞(mesenchymal stem cell)は、様々な結合組織の修復細胞(repair cell)としてよく知られており、これら細胞は、間葉系の多様