JP-2026514644-A - 癌検出及び治療のためのコンジュゲートされた代謝物
Abstract
細胞又は対象中の上皮細胞異形成、前癌、及び癌の検出及び治療のための化合物、研究ツール、及び方法が本明細書に開示される。異形成細胞を阻害し、化生細胞の異形成細胞への移行を阻害し、細胞又は対象中の癌の発生率を減少させる化合物、研究ツール、及び方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、化合物、研究ツール、及び方法は、エイコセン酸コンジュゲート化合物を含む。いくつかの実施形態において、化合物、研究ツール、及び方法は、SCD1酵素阻害剤を含む療法を含む。
Inventors
- チェ,ウニョン
Assignees
- ヴァンダービルト ユニヴァーシティ
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240209
- Priority Date
- 20230210
Claims (20)
- 式(I)の化合物: (式中、R 1 は、7-ニトロベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-アミン(ニトロベンゾフラザン)、ニトロベンゾセレナジアゾール、フルオレセイン、ローダミン、アミノメチルクマリンアセテート(AMCA)、カルセイン、又はシアニンから選択されるフルオロフォア又は発光標識である)。
- (式中、Xは、O又はSeである)である、請求項1に記載の化合物。
- 式(I)の化合物: (式中、R 1 は、メルタンシン(DM1)、タキソール、カリケアミシン、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、デルクステカン、SN-38、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、又はイットリウム-90から選択される)。
- である、請求項3に記載の化合物。
- 上皮細胞異形成を検出する方法であって、 上皮細胞を請求項1に記載の化合物と接触させる工程; ある期間インキュベートする工程; 前記上皮細胞に紫外光を照射し、それにより、異形成上皮細胞が蛍光を発する工程;及び 前記蛍光性の異形成上皮細胞を画像化する工程 を含む方法。
- 画像化が、陽電子放出断層撮影(PET)画像化、質量分析画像化、免疫蛍光画像化、蛍光分子内視鏡検査、又は蛍光ガイド管腔内内視鏡検査を含む、請求項5に記載の方法。
- 前記上皮細胞が胃の上皮細胞を含む、請求項5に記載の方法。
- 式(I)の化合物を含む、上皮異形成を検出するための研究ツール: (式中、R 1 は、7-ニトロベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-アミン(ニトロベンゾフラザン)、ニトロベンゾセレナジアゾール、フルオレセイン、ローダミン、アミノメチルクマリンアセテート(AMCA)、カルセイン、又はシアニンから選択されるフルオロフォア又は発光標識である)。
- 前記化合物が (式中、Xは、O又はSeである)である、請求項8に記載の研究ツール。
- 式(I)の化合物を含む研究ツール: (式中、R 1 は、メルタンシン(DM1)、タキソール、カリケアミシン、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、デルクステカン、SN-38、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、又はイットリウム-90から選択される)。
- 前記化合物が である、請求項10に記載の研究ツール。
- 細胞又はそれを必要とする対象における癌又は前癌を阻害する方法であって、前記細胞又は前記対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物: (式中、R 1 は、メルタンシン(DM1)、タキソール、カリケアミシン、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、デルクステカン、SN-38、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、又はイットリウム-90から選択される)を投与することを含む方法。
- 前記化合物が である、請求項12に記載の方法。
- 癌又は前癌を有する対象を治療する方法であって、前記対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物: (式中、R 1 は、メルタンシン(DM1)、タキソール、カリケアミシン、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、デルクステカン、SN-38、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、又はイットリウム-90から選択される)を投与することを含む方法。
- 前記化合物が である、請求項14に記載の方法。
- 前記対象が、消化器癌若しくは前癌を有するか、又は消化器癌若しくは前癌の発症の疑いがある、請求項14に記載の方法。
- 化生細胞の異形成細胞への移行を阻害する方法であって、治療上有効な量の4-(2-クロロフェノキシ)-N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキサミド(A939572)を、細胞又はそれを必要とする対象に投与することを含む方法。
- A939572の前記治療上有効な量が、約5mg/kg~約100mg/kgである、請求項17に記載の方法。
- A939572の前記治療上有効な量が、約1日~約6か月間、毎日投与される、請求項17に記載の方法。
- 前記細胞が、胃の上皮細胞を含む、請求項17に記載の方法。
Description
連邦政府による資金提供を受けた研究 本発明は、アメリカ国立衛生研究所により授与された助成番号R37 CA244970で政府支援によりなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。 配列表の参照 本願は、米国特許法施行規則§1.831及びPCT規則13terに従ってST.26XMLフォーマットのSequence Listing XMLと共に出願された。USPTO Patent Centerに提出されたSequence Listing XMLファイル「093386-9357-WO01_sequence_listing_xml_2-FEB-2024.xml」は2024年2月2日に作成され、48の配列を含み、42.3キロバイトのファイルサイズであり、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。 技術分野 細胞又は対象中の上皮細胞異形成、前癌、及び癌の検出及び治療のための化合物、研究ツール、及び方法が、本明細書に開示される。異形成細胞を阻害し、化生細胞の異形成細胞への移行を阻害し、細胞又は対象中の癌の発生率を低減させる化合物、研究ツール、及び方法も本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、化合物、研究ツール、及び方法は、エイコセン酸コンジュゲート化合物を含む。いくつかの実施形態において、化合物、研究ツール、及び方法は、SCD1酵素阻害剤を含む療法を含む。 上皮発癌は、前癌性化生から異形成及び腺癌への発癌プロセスの多くのステップを経ており、遺伝的、エピジェネティックな、及び代謝経路の変化がプロセスに関与している。また、発癌は、多くの場合、RASシグナル伝達経路を含むシグナル伝達経路を制御する発癌遺伝子活性化を要する。消化管癌は、よくみられる生死にかかわる癌であり、食道、胃、及び膵臓を含む消化管上皮に沿って発生する。消化管癌内の化生は粘膜損傷から発生することがあり、可逆的である可能性がある。しかし、細胞の可塑性は、化生細胞が異形成及び腺癌への発癌プロセスに入ることも可能にする。特に、化生が、チモーゲンを分泌する主細胞の可塑性から生じて、重度の胃の損傷に反応して寄与し、Krasの活性化及び増幅が胃の発癌をもたらし得ることが認められた。異形成は、細胞が異常な細胞及び構造変化を有する状態であると定義でき、限局性腫瘍性病変であり、それは、胃癌発生の最高のリスクを有する。異形成は、発癌性環境が慢性的に続く場合、腺癌に変化し得るので、それは、上皮発癌における腺癌発生に入る重大な移行段階であると考えられている。異形成段階に最初に存在し、胃の腺癌に変化する幹細胞集団である異形成幹細胞が最近特定された。しかし、前癌性化生の異形成への、さらには腺癌への進行の分子的及び細胞的機構は、未だにあまり理解されていない。 代謝は、エネルギーを生み出すか、又は細胞の生物学的ビルディングブロックを発生させる全ての化学反応を含む。代謝リプログラミングは、細胞が、特に癌細胞中で指数成長及び増殖を必要とする場合に、要求増加を満たすエネルギーを供給するために必須である。細胞は、細胞シグナル伝達経路及びエピジェネティクスに関連する好適なレベルの重大な代謝物を制御する代謝経路を安定化させる。最近の研究では、生理活性代謝物が、細胞不均一性、腫瘍成長、及び免疫応答の制御のために重要であることが報告された。癌における脂肪酸(FA)代謝は、腫瘍進行、転移可能性、及び薬剤耐性に関与している。FAは、エネルギー供給及び貯蔵、細胞シグナリング、転写制御、リン脂質合成、及び膜流動性を含む種々の生物学的プロセスにおける細胞恒常性において重大である。FAは、デノボ合成されるか、又は食餌から得られ、脱飽和及び伸長ステップを含む代謝経路により修飾される。特に、FA脱飽和は、膜脂質のビルディングブロックを生成させ、膜流動性を損なう飽和脂肪酸の脂肪毒性から細胞を保護する。ステアロイル-CoAデサチュラーゼ(SCD)は、脂質恒常性に寄与する一価不飽和脂肪酸(MUFA)を生成させる鍵酵素である。FA代謝が癌細胞増殖及び進行を支えることは周知であるが、FA代謝が異形成細胞を刺激するように起こるかどうか、又は何らかの特定の代謝経路が異形成増殖又は進行を調節できるかどうかは未確定なままである。 癌及び前癌検出及び治療のためのコンジュゲートされた代謝物が必要とされている。 本明細書に記載される一実施形態は、式(I)の化合物である: (式中、R1は、7-ニトロベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-アミン(ニトロベンゾフラザン)、ニトロベンゾセレナジアゾール、フルオレセイン、ローダミン、アミノメチルクマリンアセテートAMCA)、カルセイン、又はシアニンから選択されるフルオロフォア又は発光標識である)。一態様において、化合物は、 (式中、Xは、O又はSeである)である。 本明細書に記載される別の実施形態は、式(I)の化合物 (式中、R1は、メルタンシン(mertansine)(DM1)、タキソール、カリケアミシン(calicheamicin)、モノメチルアウリスタチン(auristatin)E(MMAE)、デルクステカン(deruxtecan)、SN-38、シュードモナス外毒素(Pseudomonas exotoxin)、ジフテリア毒素、又はイットリウム-90から選択される)である。一態様において、化合物は、 である。 本明細書に記載される別の実施形態は、上皮細胞異形成を検出する方法であって、上皮細胞を本明細書に記載される化合物と接触させること;ある期間インキュベートすること;上皮細胞に紫外光を照射し、それにより、異形成上皮細胞が蛍光を発すること;及び蛍光性の異形成上皮細胞を画像化することを含む方法である。一態様において、画像化は、陽電子放出断層撮影(PET)画像化、質量分析画像化、免疫蛍光画像化、蛍光分子内視鏡検査、又は蛍光ガイド管腔内内視鏡検査(fluorescence-guided intraluminal endoscopy)を含む。別の態様において、上皮細胞は、胃の上皮細胞を含む。 本明細書に記載される別の実施形態は、式(I)の化合物を含む、上皮異形成を検出するための研究ツールである: (式中、R1は、7-ニトロベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-アミン(ニトロベンゾフラザン)、ニトロベンゾセレナジアゾール、フルオレセイン、ローダミン、アミノメチルクマリンアセテート(AMCA)、カルセイン、又はシアニンから選択されるフルオロフォア又は発光標識である)。一態様において、化合物は (式中、Xは、O又はSeである)である。 本明細書に記載される別の実施形態は、式(I)の化合物を含む研究ツールである (式中、R1は、メルタンシン(DM1)、タキソール、カリケアミシン、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、デルクステカン、SN-38、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、又はイットリウム-90から選択される)。一態様において、化合物は である。 本明細書に記載される別の実施形態は、細胞又はそれを必要とする対象中の癌又は前癌を阻害する方法であって、細胞又は対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物を投与することを含む方法である: (式中、R1は、メルタンシン(DM1)、タキソール、カリケアミシン、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、デルクステカン、SN-38、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、又はイットリウム-90から選択される)。一態様において、化合物は、 である。 本明細書に記載される別の実施形態は、癌又は前癌を有する対象を治療する方法であって、対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物を投与することを含む方法である (式中、R1は、メルタンシン(DM1)、タキソール、カリケアミシン、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、デルクステカン、SN-38、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素、又はイットリウム-90から選択される)。一態様において、化合物は、 である。別の態様において、対象は、消化器癌若しくは前癌を有するか、又は消化器癌若しくは前癌の発症の疑いがある。 本明細書に記載される別の実施形態は、化生細胞の異形成細胞への移行を阻害する方法であって、治療上有効な量の4-(2-クロロフェノキシ)-N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキサミド(A939572)を、細胞又はそれを必要とする対象に投与することを含む方法である。一態様において、A939572の治療上有効な量は、約5mg/kg~約100mg/kgである。別の態様において、A939572の治療上有効な量は、毎日、約1日~約6か月投与される。別の態様において、細胞は、胃の上皮細胞を含む。別の態様において、対象は、消化器癌若しくは前癌を有するか、又は消化器癌若しくは前癌の発症の疑いがある。 本明細書に記載される別の実施形態は、化生細胞を治療して、癌の発生率を低減させる方法であって、治療上有効な量の4-(2-クロロフェノキシ)-N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)ピペリジン-1-カルボキサミド(A939572)を、細胞又はそれを必要とする対象に投与することを含む方法である。一態様において、方法は、化生細胞の異形成細胞への移行を阻害し、それにより、細胞又はそれを必要とする対象における癌の発生率を低減させる。別の態様において、A939572の治療上有効な量は、約5mg/kg~約100mg/kgである。別の態様において、A939572の治療上有効な量は、毎日、約1日~約6か月投与される。別の態様において、細胞は、胃の上皮細胞を含む。別の態様において、対象は、消化器癌若しくは前癌を有するか、又は消化器癌若しくは前癌の発症の疑いがある。 本明細書に記載される別の実施形態は、7-ニトロベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-アミン(ニトロベンゾフラザン)又はニトロベンゾセレナジアゾールにコンジュゲートされたcis-11-エイコセン酸を含む化合物を製造する方法であって (式中、Xは、O又はSeである); (a)cis-11-エイコセン酸をジメチルホルムアミド(DMF)溶媒と混合し溶液を作製すること;(b)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を溶液に加えること;(c)2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)を溶液に加えて、反応混合物を作製すること;(d)反応混合物を混合すること;(e)ニトロベンゾフラザン又はニトロベンゾセレナジアゾールを反応混合物に加えて、コンジュゲート混合物を作製すること;(f)コンジュゲート混合物を混合すること;及び(g)コンジュゲート混合物の希釈、洗浄、乾燥、又は濾過の1つ以上により、化合物を生成させることを含む方法である。一態様において、工程(a)~(e)は約0℃で実施され、工程(f)~(g)は室温で実施される。別の態様において、コンジュゲート混合物は酢酸エチルにより希釈され、クエン酸水溶液