JP-2026514707-A - 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療及び/または予防するために生体内でニューロンを修飾する方法
Abstract
本明細書では、その必要がある対象における筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療及び/または予防する組成物及び方法が提供され、この方法は、薬剤を投与することを含み、この薬剤は、Kcnn1タンパク質の発現または活性における変化を介してニューロンを修飾し、その結果、ニューロンの発火を改変し、かつ/またはALSを引き起こすタンパク質のクリアランスまたはその毒性からの保護を増加させる。 【選択図】なし
Inventors
- ホーウィッチ アーサー エル.
- フェントン ウェイン エー.
- ネイジー マリア
Assignees
- イエール ユニバーシティ
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240410
- Priority Date
- 20230410
Claims (20)
- 遺伝子導入構築物を含む組成物であって、前記遺伝子導入構築物は、 (a)ヒトKCNN1 cDNAまたはその機能的変異体と、 (b)前記ヒトKCNN1 cDNAまたはその機能的変異体に作動可能に連結されたエンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターであって、前記エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたは前記プロモーターは、前記ヒトKCNN1 cDNAの発現を制御することができる、前記エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターと、 (c)前記ヒトKCNN1 cDNAまたはその機能的変異体に作動可能に連結された前記エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたは前記プロモーターの逆位末端反復配列(ITR)5’と、 (d)前記ヒトKCNN1 cDNAまたはその機能的変異体の逆位末端反復配列(ITR)3’と を含む、前記組成物。
- 前記遺伝子導入構築物は、アデノ随伴ウイルス(AAV)である、請求項1に記載の組成物。
- 前記AAVは、AAV9、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、もしくはAAV8、カプシド血清型、組み換えAAV(rAAV)、または、それらの自己相補的な変異体を含む、AAV9、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、もしくはAAV8の機能的変異体から選択される、請求項2に記載の組成物。
- 前記ヒトKCNN1 cDNAは、配列番号1のポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する機能的変異体もしくは断片を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ヒトKCNN1 cDNAは、配列番号2のポリヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する機能的変異体もしくは断片を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ヒトKCNN1 cDNAは、配列番号2のポリヌクレオチド配列のコドン最適化形態を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたは前記プロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー/プロモーター、ニワトリβ-アクチンプロモーターに融合したCMVエンハンサー(CAG)、ニワトリβ-アクチンプロモーター(CBA)、サル空胞形成ウイルス40(SV40)エンハンサー/プロモーター、ポリユビキチンC遺伝子プロモーター(UBC)、伸長因子1αサブユニット(EF-1α)プロモーター、またはホスホグリセリン酸キナーゼプロモーター(PGK)から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたは前記プロモーターは、配列番号8のポリヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する機能的変異体を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたは前記プロモーターは、ヒトでの使用に適している、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたは前記プロモーターは、組織特異的、誘導的、または組織特異的と誘導的との両方である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組織特異的エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターは、ニューロン特異的エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターである、請求項10に記載の組成物。
- 前記ニューロン特異的エンハンサー-プロモーターまたは前記プロモーターは、ニューロン特異的エノラーゼ(ENO2)、血小板由来成長因子α鎖(PDGFA)、血小板由来成長因子β鎖(PDGFB)、シナプシン(SYN1)、メチルCpG結合タンパク質2(MECP2)、Ca2 + /カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII(CAMK2G)、代謝型グルタミン酸受容体2(GRM2)、ニューロフィラメント軽鎖(NEFL)もしくは重鎖(NEFH)、プロエンケファリン(PENK)、または興奮性アミノ酸トランスポーター2(SLC1A2)から選択される、請求項11に記載の組成物。
- 前記ITRのうちの1つ以上は、前記AAVカプシドと同じ血清型のITRを含むか、前記AAVカプシドと同じ血清型に由来するITRを含むか、前記AAVカプシドとは異なる血清型のITRを含むか、または前記AAVカプシドとは異なる血清型に由来するITRを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ITRのうちの1つ以上は、配列番号5、配列番号6、もしくは配列番号7のポリヌクレオチド配列、またはそれらと少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する機能的変異体もしくは断片を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記遺伝子導入構築物は、イントロン、転写終結シグナル、ポリアデニル化(ポリA)部位、miRNA、または転写後調節要素(PRE)のうちの1つ以上をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記遺伝子構築物は、5’から3’へ、ITR、CMVエンハンサー/プロモーター、イントロン、ヒトKCNN1 cDNA、転写終結配列、ポリA部位、及びITRを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物は、髄腔内または脳室内送達に適している、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物、及び薬学的に許容される賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含む、医薬組成物。
- 請求項18に記載の医薬組成物の有効量を含む、ALS治療薬。
- その必要がある対象におけるALSを治療または予防するための方法であって、請求項18に記載の医薬組成物または請求項19に記載のALS治療薬の有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
Description
関連出願への相互参照 本出願は、2023年4月10日に出願された米国仮出願第63/495,163号の優先権を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。 電子的に提出された配列表の参照 ここに電子的に提出されたXML形式のコンピュータ読み取り可能な配列リスト(「XML文書」)の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。配列表のコンピュータ読み取り可能な形式のコピー(ファイル名:2681_147PC01_SequenceListing_ST26.xml.xml、作成日:2024年4月9日、サイズ:14,934バイト)が、37C.F.R.§§1.831-1.835に従って提出される。 分野 本開示は、ALSを治療及び/または予防するための薬剤の投与に関するものであり、この薬剤は、SK1チャネルのサブユニットであるKcnn1のニューロンレベルを増加させ、運動ニューロンの発火率及び/またはタンパク質恒常性に影響を及ぼすことによって運動ニューロンの生存を延長する。 背景 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、ルー・ゲーリック病とも呼ばれ、横紋筋を支配する上位及び下位運動ニューロンの機能不全及び死を特徴とする運動ニューロン疾患である。ALSの典型的な症状は、虚弱、けいれん、または硬直を含む手足の運動障害を含む。ALS対象のごく一部は、嚥下及び発話に影響を及ぼす球神経障害を呈し、また、ALS対象の一部は思考及び行動に障害を呈し、中には前頭側頭型認知症を呈する人もいる。最終的に、罹患した人は歩くことも、手を使うことも、話すことも、飲み込むことも、呼吸することもできなくなる。注目すべきことに、ALS対象の眼球運動は比較的温存されている。 ALSは通常40歳~70歳で発症するが、遺伝性の場合にはそれより若干早い時期に発症することもあり、しかし、大多数の症例の発症年齢は、60歳~80歳である。生涯のうちに約2,000人に1人がALSを発症し、男性では女性よりもALSを発症する可能性が約2倍高くなる。対象は、典型的には、脱力及び不器用を含む四肢症状を呈する。診断時点ですでに約30~40%の運動ニューロンが失われており、この進行は、運動ニューロンの喪失が、6か月ごとに残りの運動ニューロンの50%が失われる割合で進行し得ることを示唆している。上位運動ニューロン及び下位運動ニューロンの両方に損傷と喪失が見られる。発症から死亡までの平均生存期間は2~4年である。(ALSの発症、診断(例えば、エル・エスコリアル基準)、進行、管理に関する追加の臨床的説明については、Amyotrophic Lateral Sclerosis,Mitsumoto,Przedborski,及びGordon eds,Taylor及びFrancis,New York,2006(非特許文献1)を参照のこと)。 症例の約10%は、家族性ALSに関連する20超の遺伝子の1つに関係しており、そのうちの4つが家族性症例の大部分を占めている(C9orf72ヘキサヌクレオチド反復伸長(40%)、SOD1(20%)、FUS(1~5%)、及びTARDBP(1~5%)のさまざまな変異)。プロフィリン、オプティニューリン、VAP-B、ユビキリン-2、VCPなどの他の遺伝子の変異も発生するが、それほど一般的ではない。残りの90%の症例は孤発性であり、環境要因及び/または複数の遺伝子変化が関与している可能性がある(Taylor,Brown,Cleveland(2016) Nature 539,197-206(非特許文献2)を参照のこと)。家族性及び孤発性のどちらの型も、一般的な運動系の崩壊を伴い、一部の遺伝性型では発症が早いにもかかわらず、臨床的に容易に区別することはできない。ALSに関する1つの見方は、ALSが数十の誘因を含み、そのすべてが運動器系の進行性の同様の機能不全を引き起こすというものである。特に、ほとんどの場合、運動ニューロンは細胞体内に異常な封入体/凝集体を蓄積するが、患者のほぼ100%にユビキチン化された封入体が含まれる(ALS text 2006,chapter3(非特許文献1)を参照のこと)。家族性ALSでは、SOD1、C9ORF72、FUS、TDP43などのタンパク質の変異によって変化したバージョンが、このような封入体中に見つかる。 マウスモデルは、ALSの病理学的メカニズムを調査し、治療方法を特定するためのアプローチを提供する。現在までに、ALSは、ヒトCu/Znスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)のさまざまな変異体についてトランスジェニックであるマウスにおいて最もうまくモデル化されており、進行性の運動ニューロンの喪失と麻痺の研究が可能になっている。特に、これらのマウス株は完全な浸透性と比較的均一な麻痺時間を示し、後者は導入遺伝子のコピー数に反比例している。 現在、ALSを完治させる治療法はなく、症状の改善と寿命の延長を目的としたさまざまな治療が行われている。リルゾールはALS治療薬としてFDAに承認された最初の薬であり、寿命を数か月延長し得る。リルゾールは1つ以上のイオンチャネルまたは神経伝達物質受容体に作用し得、その治療メカニズムは不明のままである。デキストロメトルファンとキニジンとの組み合わせであるヌエデクスタは、球麻痺ALS患者の発話機能及び嚥下機能を改善する効果があることが証明されている(Smith et al,Neurotherapeutics 2017 Oct;14(4):952-960(非特許文献3))。フェニル酪酸ナトリウムとタウルウルソジオールとの組み合わせは、それぞれERとミトコンドリアの代謝を改善することを目的として、Amylyx 0035として販売されており、FDAの承認を得たが、後期段階の試験ではプラセボと異なる結果をもたらすことはできなかった。PIKfyveキナーゼ阻害剤は、多小胞体とオートファゴソームを見かけ上のエキソサイトーシスに誘導することで凝集しやすいタンパク質を除去することが提案されており(Hung et al,Cell 2023 Vol 186(4),786-802,E28(非特許文献4))、初期段階の試験に入っている。 髄腔内アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)療法は、ALSの特定の単一遺伝子関連型(SOD1、C9orf72)、及びALSのFUS型に対しても開始されている(Boros et al,Neurotherapeutics.2022 Jul;19(4):1145-1158(非特許文献5)を参照のこと)。SOD1型の場合、Tofersenとして知られるASOは忍容性があったが、第3相試験で有効性に関する主要な結果は得られず、しかし、好ましい臨床的傾向とバイオマーカー傾向が見られた。発症前のSOD1変異キャリアを対象とした第3相ランダム化プラセボ対照試験が進行中である。C9ORF72 ASOの第1相試験は忍容性が良好であったが、臨床エンドポイントはいずれも達成されず、臨床的悪化の傾向が見られた。C9ORF72 ALSの2回目の第1相試験では、脳脊髄液中のポリGPの減少が達成されたが、臨床結果に変化は見られなかった。FUSの場合、人工呼吸器に依存している(疾患が進行した26歳の患者)に対するASOの髄腔内投与量の増加の初期試験では、死後、正常及び変異FUSタンパク質の両方が低下し、脊髄及び運動皮質の不溶性FUS凝集体の減少が示された。FUS変異を有する追加の患者(発症前及び発症中の両方)は、拡大アクセスプログラムINDに基づいて同じASOで治療されている。同じASOの患者64名を対象とした第3相試験も進行中である。ATXN2を標的とするASOは、ATXN2の中等度ポリQ拡大を伴うALS患者を対象とした第1相試験でも試験されている(Boros et al,2022(非特許文献5))。(ATXN2は、TDP43の臨床的異常の悪化と、ATXN2の中間ポリQの拡大がALSのリスク増加につながることに関連している)。 承認されたフリーラジカル除去剤であるエダラボンも、いくらかの改善をもたらし得る。試験中の薬剤は、プリドピジン(σ1受容体作用薬)、KCNQ活性化剤のエゾガビン(レチガビン)、抗炎症剤のRMS60、及び抗炎症効果のある環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ阻害剤のイブジラストを含んでいる。 呼吸不全のための人工呼吸器は生存期間を延長させるが、疾患の進行には影響を与えない。 したがって、生存率を向上させ、かつ/またはALSを予防するための改良された組成物及び方法が当該技術分野で必要とされている。 Amyotrophic Lateral Sclerosis,Mitsumoto,Przedborski,及びGordon eds,Taylor及びFrancis,New York,2006Taylor,Brown,Cleveland(2016) Nature 539,197-206Smith et al,Neurotherapeutics 2017 Oct;14(4):952-960Hung et al,Cell 2023 Vol 186(4),786-802,E28Boros et al,Neurotherapeutics.2022 Jul;19(4):1145-1158 概要 本開示は、ALSを治療及び/または予防するための組成物及び方法を提供する。本明細書に記載の態様では、遺伝子導入構築物を含む組成物が提供され、この構築物は、(a)ヒトKCNN1 cDNAまたはその変異体と、(b)ヒトKCNN1 cDNAまたはその変異体に作動可能に連結されたエンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターであって、エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターは、ヒトKCNN1 cDNAの発現を制御することができる、エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターと、(c)ヒトKCNN1 cDNAまたはその変異体に作動可能に連結されたエンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターの逆位末端反復配列(ITR)5’と、(d)ヒトKCNN1 cDNAまたはその変異体の逆位末端反復配列(ITR)3’とを含む。 ある特定の態様では、遺伝子導入構築物は、アデノ随伴ウイルス(AAV)である。いくつかの態様では、AAVは、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、もしくはAAV9、カプシド血清型、組み換えAAV(rAAV)、または、それらの自己相補的なバージョンを含む、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、もしくはAAV9の機能的変異体から選択される。 ある特定の態様では、ヒトKCNN1 cDNAは、配列番号1のアミノ酸配列を持つポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する変異体もしくは断片を含む。ある特定の態様では、ヒトKCNN1 cDNAは、配列番号2のポリヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約97%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する変異体もしくは断片を含む。いくつかの態様では、ヒトKCNN1 cDNAは、配列番号2のポリヌクレオチド配列のコドン最適化形態を含む。 ある特定の態様では、エンハンサー-プロモーターの組み合わせまたはプロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー/プロモーター、ニワトリβ-アクチンプロモーター(CAG)に融合したCMVエン