JP-2026514715-A - 溶融塩原子炉を運転する方法
Abstract
本発明は、溶融塩原子炉(MSR)を運転する方法に関する。 【選択図】図1
Inventors
- エルター ゾルト
- ショフィールド ヴィガンド アンドレアス
Assignees
- ソルトフォス エナジー エーピーエス
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240418
- Priority Date
- 20230420
Claims (18)
- 溶融塩原子炉(MSR)を運転する方法であって、 MSRを準備する工程であって、前記MSRは、 炉心 少なくとも1種のフッ化物塩及び/又は少なくとも1種の塩化物塩を含む組成を有する塩の群から選択される溶融塩 を含む、工程と、 α放射体を前記溶融塩に添加する工程と を含む、方法。
- 前記溶融塩は少なくとも1種のフッ化物塩を含み、添加される前記α放射体の量は、溶融塩体積1mlあたり0.01~10MBq、例えば溶融塩体積1mlあたり0.05~1MBq、例えば溶融塩体積1mlあたり0.1~0.7MBqであり、前記溶融塩は、30~80原子パーセントのF-19を含むか、又は 前記溶融塩は少なくとも1種の塩化物塩を含み、前記α放射体の量は、溶融塩体積1mlあたり0.01~10MBq、例えば溶融塩体積1mlあたり0.05~1MBq、例えば溶融塩体積1mlあたり0.1~0.7MBqであり、前記溶融塩は、5~20原子パーセントのCl-37を含む 請求項1に記載の方法。
- 前記α放射体は、Ra-223、Ac-225、Th-227、Cm-242、Po-210からなる群から選択される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
- 前記塩は少なくとも1種のフッ化物塩を含み、前記Ra-223の量は、溶融塩体積1mlあたり0.005~5ng、例えば溶融塩体積1mlあたり0.025~0.5ng、例えば溶融塩体積1mlあたり0.05~0.3ngであり、燃料塩は、30~80原子パーセントのF-19を含む、請求項3に記載の方法。
- 前記α放射体は、6~200日、例えば8~100日、例えば9~60日の間隔の半減期を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記α放射体は金属元素α放射体であり、前記金属元素α放射体は、金属状態α放射体、金属化合物α放射体、金属塩α放射体、水溶液又は水性分散液中の金属塩α放射体の群から選択される金属元素α放射体として前記溶融塩に添加される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記溶融塩は溶融燃料塩である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記溶融燃料塩は、 フッ化ナトリウム+フッ化カリウム+フッ化ウラン、 フッ化リチウム+フッ化トリウム+フッ化プルトニウム、 フッ化リチウム+フッ化トリウム+フッ化ウラン、 フッ化リチウム+フッ化ベリリウム+フッ化ウラン、 フッ化リチウム+フッ化ベリリウム+フッ化ウラン+フッ化トリウム、 フッ化リチウム+フッ化ベリリウム+フッ化ウラン+フッ化トリウム+フッ化ジルコニウム、 フッ化ナトリウム+フッ化ルビジウム+フッ化ウラン、 フッ化ナトリウム+フッ化ベリリウム+フッ化ウラン+フッ化トリウム+フッ化ジルコニウム、 塩化カリウム+塩化プルトニウム+塩化ウラン、 塩化ナトリウム+塩化プルトニウム、 塩化ナトリウム+塩化プルトニウム+塩化ウラン、 を含む組成からなる群から選択される組成を有する、請求項7に記載の方法。
- 前記溶融塩は溶融燃料塩であり、前記溶融燃料塩はU-235化合物を含む、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記溶融塩は溶融冷却塩である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記溶融冷却塩は、 フッ化ナトリウム+フッ化アルミニウム、 フッ化リチウム+フッ化ベリリウム+フッ化リチウム、 フッ化リチウム+フッ化ナトリウム+フッ化カリウム、 フッ化ナトリウム+フッ化ジルコニウム を含む組成からなる群から選択される組成を有する、請求項10に記載の方法。
- 前記方法は前記MSRの始動方法であり、前記溶融塩は溶融燃料塩であり、前記溶融燃料塩は新鮮な溶融燃料塩である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記方法は前記MSRの始動方法であり、前記溶融塩は冷却塩である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記MSRは溶融塩ループを含み、前記α放射体の添加は、好ましくは前記溶融塩ループの1つ以上の位置で前記溶融塩に行われる、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記α放射体の添加は、前記溶融塩への前記α放射体の注入として行われ、前記注入は、前記α放射体を含むガスの注入、前記α放射体を含む液体の注入、前記α放射体を含む水溶液又は水性分散液の注入から選択される、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記MSRは、グラファイト材料及び/又は金属水酸化物の溶融塩から選択される材料に基づく減速体をさらに含む、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記MSRは、海上構造物、好ましくはバージ上に位置する、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の方法で運転されるように適合された溶融塩原子炉(MSR)であって、α放射体を前記溶融塩に添加するための手段を含む、溶融塩原子炉(MSR)。
Description
本発明は、溶融塩原子炉(MSR)を運転する方法であって、α放射体がフッ化物系又は塩化物系溶融塩に添加される方法に関する。この方法は、MSRの運転中、例えばMSRの始動中に、好都合な中性子源を可能にする。 溶融塩原子炉(molten salt reactor、MSR)は、溶融塩に溶解した核分裂性物質の臨界濃度に基づく。核分裂物質を含む溶融塩は、通常、燃料塩又は溶融燃料塩と呼ばれる。研究は、MSRに関して、1950年代及び1960年代に最初にOak Ridge National Laboratory(ORNL、オークリッジ国立研究所)で行われたが、まだ成功裏に商用化されていない。MSRは、今日商用利用されているものを含む、他の原子炉タイプに勝るいくつかの利点を有する。MSRは、トリウムから核分裂性U-233を増殖すること(breeding)ができ、ウラン/プルトニウムを燃料とする原子炉よりもはるかに低いレベルの超ウランのアクチニド廃棄物を生成することができ、高温で運転することができ、固体燃料棒における揮発性の放射性核分裂生成物の蓄積を回避することができ、従来の原子炉において可能であるよりも多量の核分裂性材料を燃焼させることができる。MSRの他の特に魅力的な特徴は、周囲圧力又は低圧での運転、及び従来はフッ化物塩又は塩化物塩のいずれかである強結合塩としての核分裂生成物の保持である。 MSRを安全に運転するために、例えばMSRの始動(起動)の初期段階等の出力レベルが低いとき、又は始動の前に、中性子の存在が必要とされる。いくつかの中性子は原子炉内に本質的に存在し、始動の非常に早い段階で役割を果たす。これらの中性子の存在は、例えば、(アルファ,n)反応を意味する(α,n)反応及び自発核分裂による。固有の中性子放出率を推定し、それが弱い源と見なされるか強い源と見なされるかを評価する必要がある。発生源中性子は安全性の考慮のために重要である。発生源中性子は、とりわけ低出力原子炉運転中、例えば原子炉始動中、又は原子炉停止中の中性子の総数に影響を及ぼす。一般的な考慮事項は、強力な源が、高い中性子数でより安全な始動をもたらすということであり、その理由は、中性子の数の変動が無視でき、制御棒を取り除いている間の中性子の突然のバーストが回避されるからである。この効果は、他のタイプよりもいくつかのタイプのMSRでより顕著である。強い固有の中性子源に加えて、又はその代わりに、外部の中性子源を加えることが公知である。核分裂性物質を含む新鮮な核燃料において核連鎖反応を安定に開始するための始動中性子源として、外部の中性子源が加えられてもよい。外部の源は、スムーズな始動を提供し、固有の源が弱い場合でも始動中の出力の規定外変動(excursion)は回避される。 外部源は、安全な原子炉始動のために重要である。そのような源は、始動中の別の問題、すなわち「ブラインド」開始の発生も解決することができる。中性子束は低い値を有するため中性子束検出器が中性子束の信頼できる測定値を検出することができない場合があるため、ブラインド開始が生じる可能性がある。束の値は、強力な源として適格であるには十分に高くてもよいが、他方では、これを検出及び監視することは不可能であり、従って「ブラインド」開始という名前が付けられている。始動中に亜臨界状態で必要な制御を提供するために、最小計数率(count rate)が検出可能でなければならない。 従来の外部中性子源は、自発核分裂によって中性子を生成するCf-252であってもよく、中性子を生成するためにCf-252は照射される必要がないので、中性子の一次源と呼ばれる。又は、従来の外部中性子源は、Pu-238、Am-241、Po-210又はRa-226等のα放射体とこのα放射体の標的との組み合わせであってもよく、このような標的は、米国特許第4829191号明細書に見られるように、従来はベリリウムであった。α放射体及びベリリウムは、(α,n)反応で中性子を生成する。 広く使用されている別のタイプの外部源は、中性子を生成するために照射を受ける、いわゆる中性子の二次源である。第1の材料は核分裂中性子によって照射され、ガンマ線を放出することによって崩壊して、(γ,n)反応(光中性子反応)において第2の材料から中性子を生成する。一例は、Sb-124がγ放射体であり、9-Beが中性子を生成する標的である場合である。このSb-Be源は、24keVに優勢なピークを有するほぼ単一エネルギーの中性子を生成する。Sb-Be源に関する安全性の問題の1つは、中性子に対するガンマ線の高い比率である。 これらの従来の中性子源は、始動前に設置され、始動時に十分な中性子強度を確保するという目的を果たした後は設置解除されなければならない。設置解除されない場合、中性子源のα放射体部分、例えばPu-238は、今や熱中性子を生成する運転中の原子炉からの中性子捕獲を受けやすい。中性子捕獲は、Pu-238等の同位体を変換し、α放射体としてのその有用性を低下させ、高価な外部中性子源の寿命が短くなる。また、そのような(α,n)源は、例えば、核分裂性同位体242mAmに変換されることが可能なアメリシウム等の超ウラン元素を含有する。これらの源は商用利用には適していない。 上記のα放射体/標的源のほとんどは、長い半減期を有するα放射体Pu-238(87年)、Am-241(432年)、Ra-226(1600年)を有し、それらは、それらの寿命の間に他の原子炉のための外部供給源として再使用されてもよい。 J.R.Engel、P.N.Haubenreich、B.E.Princeによる「MSRE NEUTRON SOURCE REQUIREMENTS ORNL-TM-0935(1964)」は、溶融塩原子炉実験(MSRE)の始動中に存在する条件を記載している。 中性子源強度が推定され、天然に存在する固有源を補うための外部源が必要であるということが結論された。 外部源を追加する理由は、例えば、基準計数率が事実上臨界をはるかに下回ることを望むことであり、さらには、臨界点の決定及び制御棒の較正において、主要な中性子源を除去し、束(フラックス)の減衰を観察することができることが便利であった。言及された特定の除去可能な外部中性子源は、Pu-Be又はSb-Be二次源であった。 米国特許第4829191号明細書 J.R.Engel、P.N.Haubenreich、B.E.Prince、MSRE NEUTRON SOURCE REQUIREMENTS ORNL-TM-0935(1964) 以下では、本発明が、実施例の助けを借りて、かつ概略的な図面を参照してより詳細に説明される。 図1は、F-19+U-234からのα及びNa-23+U-234からのαの(α,n)反応からの全体の率への寄与を合わせたエネルギースペクトルとして示される、中性子/s/ml単位での全中性子放出率(供給源強度)を示す。図2は、フッ化物系塩及び塩化物系塩についての、体積あたりの放射能濃度(volumetric activity)、MBq/ml燃料塩に対してプロットされた、Ra-223の添加による中性子源強度を示す。図3は、フッ化物系塩及び塩化物系塩についての、体積あたりの質量、g/ml燃料塩に対してプロットされた、Ra-223の添加による中性子源強度を示す。図4は、冷却塩についての、体積あたりの放射能濃度、MBq/mlに対してプロットされた、Ra-223の添加による中性子源強度を示す。図5は、冷却塩についての、体積あたりの質量、g/mlに対してプロットされた、Ra-223の添加による中性子源強度を示す。 本発明は、図面に示される実施形態に限定されない。従って、添付の請求項で言及される特徴の後に参照符号が続く場合、そのような符号は、請求項の理解度を高める目的でのみ含まれ、請求項の範囲を決して限定しないことを理解されたい。 本明細書及び請求項で使用される「comprising(…を含む)」という用語は、「consisting at least in part of(…から少なくとも部分的になる)」を意味する。用語「comprising」を含む本明細書及び請求項における記述を解釈する場合、各記述においてこの用語の後に続く(「含む」に先行する)特徴以外の他の特徴も存在してもよい。「comprise」及び「comprised」等の関連する用語は同様に解釈されるべきである。 新鮮な燃料の固有の供給源強度、α放射体の添加なし 固有の供給源強度(中性子/s/ml単位での正規化した中性子放出率)を、下記の組成の新鮮な燃料について計算した。 F(フッ素)、U(ウラン)、Na(ナトリウム)及びK(カリウム)の元素構成にちなんで「FUNaK」と呼ばれることもあるフッ化ナトリウム+フッ化カリウム+フッ化ウラン。 SOURCES4Cコードを使用して、(α,n)、自発核分裂及び遅延中性子放出による中性子源を推定することができるコードである中性子放出率を推定した。下記を参照。 W.B.Wilson、R.T.Perry、E.F.Shores、W.S.Charlton、T.A.Parish、G.P.Estes、T.H.Brown、E.D.Arthur、M.Bozoian、T.R.England、D.G.Madland、及びJ.E.Stewart. SOURCES 4C: A Code for Calculating (a,n), Spontaneous Fission, and Delayed Neutron Sources and Spectra, LA-UR-02-1839. Technical report, Los Alamos National Laboratory, 2002. 推定は、(α,n)及び自発核分裂源のみを含む。光中性子(すなわち、(γ,n)反応から生じる中性子)は無視される。 この研究は、いくつかのα粒子が中性子生成に寄与する代わりに燃料から漏出しうることを無視しているが、これはα粒子のごくわずかな部分である。 新鮮な燃料を考慮すると、エージング効果(すなわち、長期貯蔵によるウラン同位体の娘生成物の存在)は無視した。 結果は、中性子/s/ml単位での正規化した中性子放出率として示し、図1にスペクトルとして示す。 図1は、新鮮な燃料塩についての結果を要約し、主な寄与が、U-234に由来し、F-19核と相互作用するα粒子に由来することを示す。これらの結果は、U-234が固有の中性子源に対する重要な寄与因子であり、考慮されなければならないという結果を検証する。 自発核分裂供給源率は、中性子の約1.5%にのみ寄与することも分かった(図1には含まれていない)。