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JP-2026514748-A - α-ガラクトシルセラミド化合物を送達するための組成物および方法

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Abstract

がんや、ウイルスまたは細菌感染症などの疾患を治療するための組成物および方法を記載する。より具体的には、提供する組成物が、封入されたCD1d拘束性インバリアントナチュラルキラーT細胞抗原である細菌性α-ガラクトシルセラミドを含む。 【選択図】図1

Inventors

  • ブランバット、 ヒマンシュ
  • マックディアミド、 ジェニファー

Assignees

  • エンジーンアイシー モレキュラー デリバリー ピーティーワイ リミテッド

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20240416
Priority Date
20230417

Claims (13)

  1. (a)薬学的に許容される担体と; (b)完全な細菌由来のミニセル、完全な死滅細菌細胞、完全な哺乳類細胞、および細胞外小胞から選択される複数の送達成分と、 を含む組成物であって、前記送達成分がα-ガラクトシルセラミド化合物を含み、該α-ガラクトシルセラミド化合物が、 (i)(i)炭素長16~17のN-アシル鎖と、(ii)α-炭素ではなくβ-炭素上のヒドロキシ基と、を含み、 (ii)そのスフィンゴイド塩基上に4-ヒドロキシ基を有さず、 前記化合物が、iNKT細胞を活性化するように、生体内でCD1d-脂質-TCR三量体複合体を形成することができる、組成物。
  2. 前記化合物が、(iii)イソ分岐脂質末端をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記送達成分の少なくとも一部が、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞、およびマクロファージからなる群から選択される哺乳類細胞である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  4. 前記送達成分の少なくとも一部が、完全な細菌由来のミニセルである、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  5. 前記送達成分の少なくとも一部が、細胞外小胞である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  6. 前記化合物が、共生細菌による試験管内での発現後に医薬品グレードに精製されている、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
  7. 前記化合物が、97%~99%の範囲のレベルに精製されている、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記細菌が、Bacteroides fragilis、Bacteroides vulgatus、およびPrevotella copriからなる群から選択される、請求項6または請求項7に記載の組成物。
  9. 前記細菌がBacteroides fragilisである、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記化合物がα-GalCer Bf である、請求項9に記載の組成物。
  11. 単回使用のバイアルを含んで構成される剤形であって、該バイアルが、治療上有効な用量の請求項1に記載のα-GalCer化合物を含むように、該化合物を充填した約1×10 10 ~約1×10 11 のミニセルを含む、剤形。
  12. ウイルスもしくは細菌感染症を治療する方法、またはウイルスもしくは細菌感染症に対する予防接種をする方法であって、該治療または予防接種を必要とする対象に、治療上有効な量の請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。
  13. がんを治療する方法であって、がん病変を患う対象に、治療上有効な量の請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。

Description

本出願は、2023年4月17日に出願された米国仮特許出願第63/459,940号の35U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に援用される。 本技術は概して、治療の目的でα-ガラクトシルセラミド分子の一種を調製し送達する分野に関する。 セレブロシドはスフィンゴ糖脂質(GSL)ファミリーに属し、生体系における幅広い組織、器官、および神経細胞膜の重要な構成成分である。セレブロシドは、極性残基(単糖または多糖)に結合した、2本の長い脂肪鎖を有するセラミド部分からなる。 ヒトを含む高等生物におけるGSLファミリーの中で最もよく知られているのがガラクトセラミド(GalCer)であり、D-エリスロ-スフィンゴシンと長鎖脂肪酸からなるセラミド(Cer)にβ1-1’-グリコシド結合でD-ガラクトース(Gal)残基が結合してなる。スフィンゴシンに結合している脂肪酸の長さはさまざまで(C14-C26)、ステアリン酸(C18)が最も多い。ガラクトシルセラミドは長鎖のα-ヒドロキシ脂肪酸(C18-C26)を多く含む。 他の脂質の中でもGSLは、Tリンパ球およびNK細胞に典型的なマーカーの発現を特徴とするナチュラルキラーT(NKT)細胞と呼ばれるTリンパ球のサブセットに提示されると、細胞媒介性免疫を誘発することができる。NKT細胞はさらに、I型またはインバリアント(invariant)ナチュラルキラー(iNKT)細胞と、II型または非iNKT細胞とに分けられる。 iNKT細胞は脂質抗原を認識し結合するが、T細胞受容体(TCR)の種類が限定されていることを特徴とする。脂質抗原は、抗原提示細胞(APC)によって発現される非多型性(monomorphic)HLAクラスI関連分子であるCD1タンパク質分子によって抗原が提示された場合のみ、iNKT細胞のTCRに認識され、結合される。ヒトにおいて、CD1アイソフォームは、CD1a、CD1b、CD1c、およびCD1eに代表されるグループIと、CD1dに代表されるグループIIとに分けられる。各CD1は所定のセットのGSLに結合し、組織特異的に発現し、特定の種類のTCRを有するT細胞に抗原を提示する。 キリンビールでは、海洋天然物の抗腫瘍活性のスクリーニングを行い、肥塚およびその同僚らによって、沖縄の海綿動物であるAgelas mauritianusから単離したガラクトシルセラミド糖脂質の一種「アゲラスフィン類(agelasphins)」が発見された。リンパ球の増殖を引き起こすことが見出されたこれらのアゲラスフィン類は、糖とセラミドとの間にα-グリコシド結合を有するものであった。この後者の特徴が、高等生物に見られるグリコシルセラミドに典型的なβ-グリコシド結合とは対照的であった。 図1は、この部類に含まれるアゲラスフィン9bを、セラミドのナンバリングとともに示す。アゲラスフィン9bのアシル鎖長を2炭素伸長することで、同じく図1に示した合成α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)である、KRN7000(Wieland Brown,2013)がもたらされた。元のアゲラスフィン類と比較すると、KRN7000は脂肪酸アシル鎖の2位にヒドロキシ基を有さない。図1に示すように、KRN7000はスフィンゴシン鎖上に4-ヒドロキシ基も有しているが、アゲラスフィン類の中には、これを欠くものもある。 APCのCD1dによって提示されると、KRN7000がiNKT細胞を著しく刺激することが証明されている。提示された脂質-CD1d複合体とiNKT細胞のT細胞受容体(TCR)との相互作用によって、安定な三量体複合体(CD1d::脂質-TCR)を形成することができ、この三量体複合体が、iNKT細胞を活性化し、細胞間コミュニケーションに関与する多様なシグナル伝達分子、サイトカイン、およびケモカインの放出を引き起こす前提条件となる(Kronenberg,2005;Vartabedian et al.,2016)。このように、CD1dを発現するAPCによってKRN7000が提示されると、iNKTが活性化され、大部分はIFN-γであるがIL-4をも速やかに大量に産生し、累積的にNK細胞、CD4+およびCD8+T細胞、B細胞、好中球、マクロファージ、ならびに樹状細胞を活性化し、これらの相互作用によって、腫瘍と闘い、抗菌機能を発揮し(Th1)、または自己免疫疾患から保護する(Th2)。 KNR7000の前臨床試験によって示唆された治療可能性(Nakagawa et al.,1998;Hayakawa et al.,2001;Schneiders et al.,2011a)は、この糖脂質を用いた臨床経験から生じたものではない。難治性固形がん患者を対象とした最初の第1相試験(Giaccone et al.,2002)では、KRN7000の静脈内(i.v.)投与によって、少なくとも1週間は一時的に循環iNKT細胞の数が減少し、GM-CSFおよびTNF-αレベルが上昇したが、これは治療前のiNKTレベルが比較的高い患者においてのみであり、全体として有意な臨床効果は認められなかった(Waldowska et al.,2017)。同様の結果が他の臨床試験でも得られ、KRN7000の静脈内投与後に免疫反応の欠如が観察された(Schneiders et al.,2011a,b)。KRN7000で処置した患者において、免疫学的、生化学的、さらには臨床的応答まで認められたが、これらの結果は概して一貫性を欠いていた(Schneiders et al.,2011b)。 KNR7000の有効性は、この糖脂質によって誘発されるTh1サイトカイン(IFN-γ)とTh2サイトカイン(IL-4)との拮抗作用によって制約されると考えられてきた。このため、選択的なTh1またはTh2活性剤を開発するために、多くのα-GalCer類似体が合成され(Blauvelt et al.,2008;Chang et al.,2007;Chiba et al.,2004;Fujio et al.,2006;Hung et al.,2007;Kaieda et al.,2007;Liang et al.,2008;Velmourougane et al.,2009;Wu et al.,2006)、その免疫調節活性がCD1dへの結合親和性に関連することが示された(Fujio et al.,2006)。 例えば、多数のCD1dを用いた研究を通して、iNKT細胞によるIFN-γおよびIL-4の分泌が、α-GalCer類似体のCD1dへの結合によって決定されることが確立され(Liang et al.,2008)、CD1dに対する親和性が高いほどサイトカイン放出プロフィールは、より強いTh1応答へとシフトすると考えられた(Chang et al.,2007;Liang et al.,2008)。さらに、アシル鎖末端にさまざまなアリール部分を有するα-GalCer類似体が、強いTh1偏向を伴う強力なiNKT活性を示している。このような誘導体の1つである7DW8-5は、マウスにおいてマラリアおよびHIV抗原を用いた試験をしたところ、他のα-GalCer類似体に比べて優れたアジュバント活性を示した(Padte et al.,2013)。別のα-GalCer誘導体では、1,2,3-トリアゾール部分がα-GalCer骨格のアミド結合を置換した結果、放出されるサイトカインのIL-4対IFN-γ偏向を高めた(Lee et al.,2007)。 上述の通り、KRN7000は、1990年代に海綿動物の1種、Agelas mauritianusから単離された糖脂質であるアゲラスフィン9bの合成誘導体である(Banchet-Cadeddu et al.,2011)。当時も今も、なぜ海綿動物の糖脂質がKRN7000のように哺乳類iNKT細胞の強力な活性剤の主成分となりうるのか明らかではない。 KRN7000の化学構造に類似する2つのスフィンゴ糖脂質が、リポ多糖(LPS)を欠くグラム陰性菌であるスフィンゴモナス属(Sphingomonas)種によって産生されるとの発見によって、1つの可能性が示唆されている。より具体的には、α-グルクロノシルセラミド(α-glucuronosylceramide:GSL-1)がSphingomonas capsulateの細胞壁から単離され、α-ガラクツロノシルセラミド(α-galacturonosylceramide:GSL-1’)がS.yanoikuyaeおよびS.wittichiiから単離された(Tsuji,2006)。 スフィンゴモナス属種の細胞壁に豊富に存在するモノグリコシルセラミドファミリーが、LPSの代わりとなっているかもしれない。いずれにせよ、GSL-1およびGSL-1’のいずれも試験管内(in vitro)でマウスおよびヒトのNKT細胞を刺激することが示されており、フローサイトメトリーによるデータは、いずれの糖脂質も実際にCD1d分子に結合し、NKT細胞に認識されることを示している(同文献)。 KRN7000と比べると、GSL-1およびGSL-1’のグルクロン酸およびガラクツロン酸は、それぞれ炭素6位にカルボキシル基を有する。さらに、スフィンゴモナス属由来のスフィンゴ糖脂質は、脂肪酸アシル鎖の炭素2位にヒドロキシ基を有しているため、海綿動物本来のアゲラスフィン類により類似している。加えて、スフィンゴモナス属由来のスフィンゴ糖脂質のスフィンゴシン鎖で4-ヒドロキシ基を欠くことは、アゲラスフィン類の一部の構造に反映されている。概して、Tsuji,2006参照。 これらの観察は、日本の南部付近の太平洋の貧栄養海域でSphingomonas alaskensis(別名Sphingopyxis alaskensis)が極めて多量に発見されたことを考慮すると、さらに重要な意味を持つ。このように、アゲラスフィン類はA.mauritianus海綿動物自体によって産生されるのではなく、これらの海綿動物にくっつき、あるいはこれらの海綿動物に摂取され取り込まれたスフィンゴモナス属様の細菌によって産生されている可能性が高い。 同様に、哺乳類生物とKRN7000との自然な接触が、内因性の産生によって生じるのか、あるいは微生物源によって生じるのか判然としないままである。KRN7000がNKT細胞の活性剤であり、一部のがんやウイルス感染症における免疫応答の媒介物質であることが示されているが(Ko et al.,2005)、KRN7000は哺乳類によって産生されるものではない。加えて、β-GalCerが免疫反応を誘発しうるとの証拠も欠如している。 他方、ヒトの腸内共生細菌Bacteroides fragilisは、CD1dを介したiNKT細胞活性化のための天然リガンドであって、KRN7000と類似の免疫特性を有するα-GalCer分子である、α-GalCerBfを産生することが実証されている(Wieland Brown et al.,2013)。この研究に基づいて、ヒト腸内マイクロバイオームからさらに2つの菌株、Bacteroides vulgatusおよびPrevotella copriがα-GalCer分子を産生することが示された(von Gerichten et al.,2017)。さらに、マウスの大腸から単離されたα-GalCer分子は、α-GalCerMLIと呼ばれ、おそらくバクテロイデス属(Bacteroides)源からの細菌由来であることが実証されている(von Gerichten et al.)。 したがっ