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JP-2026514755-A - 灌流モニタリングのための超音波法及びシステム

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Abstract

灌流モニタリングのための超音波法であって、生体組織の超音波信号を取得するステップと、超音波信号から、移動する赤血球から生じた、対応する超音波血液信号を抽出するステップと、超音波血液信号の強度を決定するステップと、超音波血液信号の強度分布を決定するステップと、超音波血液信号の決定した強度分布に基づいて、生体組織における灌流を表す現在の灌流パラメータ値を決定するステップと、超音波血液信号の少なくとも1つの基準強度分布に基づいて、正常状態の生体組織における灌流を表す基準灌流パラメータ値を推定するステップと、基準灌流パラメータ値に基づいて少なくとも1つの臨界灌流パラメータ閾値を決定するステップと、現在の灌流パラメータ値を少なくとも1つの臨界灌流パラメータ閾値と比較することによって、複数の血管における灌流を反復的にモニタリングするステップと、を含む、超音波法。 【選択図】図1

Inventors

  • ニクネジャド,ハミド レザ

Assignees

  • パーフージ ビー.ブイ.

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20240422
Priority Date
20230420

Claims (20)

  1. 複数の血管を含む生体組織における灌流モニタリングのための超音波法であって、前記方法は、 i)前記生体組織の超音波信号セットを取得するステップと、 ii)前記超音波信号セットから、前記複数の血管内の移動する赤血球から生じた、対応する超音波血液信号セットを抽出するステップと、 iii)前記超音波血液信号の強度を決定するステップと、 iv)決定した前記強度に基づいて前記超音波血液信号の強度分布を決定するステップと、 v)前記超音波血液信号の決定した前記強度分布に基づいて、前記生体組織の前記血管における灌流を表す現在の灌流パラメータ値を決定するステップと、 vi)前記超音波血液信号の少なくとも1つの基準強度分布に基づいて、正常状態の前記生体組織内の前記血管の灌流を表す基準灌流パラメータ値を推定するステップと、 vii)前記基準灌流パラメータ値に基づいて少なくとも1つの臨界灌流パラメータ閾値を決定するステップと、 viii)ステップi)~v)を反復的に繰り返して前記現在の灌流パラメータ値をモニタリングし、モニタリングした前記現在の灌流パラメータ値を前記少なくとも1つの臨界灌流パラメータ閾値と比較するステップと、を含む、超音波法。
  2. 前記現在の灌流パラメータ値を決定することは、前記強度分布の少なくとも関連部分の曲線下面積(AUC)値を計算することを含む、請求項1に記載の超音波法。
  3. 前記強度分布の前記関連部分は、前記強度分布の10~90%点、好ましくは前記強度分布の15~85%点、より好ましくは前記強度分布の20~80%点の範囲である、請求項2に記載の超音波法。
  4. 前記超音波血液信号の前記少なくとも1つの基準強度分布は、前記生体組織の処置前の前記超音波血液信号の決定した前記強度分布に対応する、請求項1~3のいずれか一項に記載の超音波法。
  5. 前記超音波血液信号の前記少なくとも1つの基準強度分布は、前記超音波血液信号の所定のベースライン強度分布に対応する、請求項1~3のいずれか一項に記載の超音波法。
  6. 前記生体組織は脳組織である、請求項1~5のいずれか一項に記載の超音波法。
  7. 前記少なくとも1つの臨界パラメータ閾値は、前記生体組織における低灌流の発生を示す第1の臨界パラメータ閾値を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の超音波法。
  8. 前記第1の臨界パラメータ閾値は、前記基準灌流パラメータ値の半分として定義される、請求項7に記載の超音波法。
  9. 前記少なくとも1つの臨界パラメータ閾値は、前記生体組織における虚血の発生を示す第2の臨界パラメータ閾値を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の超音波法。
  10. 前記第2の臨界パラメータ閾値は、前記基準灌流パラメータ値の4分の1として定義される、請求項9に記載の超音波法。
  11. 前記少なくとも1つの臨界パラメータ閾値は、前記生体組織における過灌流の発生を示す第3の臨界パラメータ閾値を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の超音波法。
  12. 前記第3の臨界パラメータ閾値は、20%増の前記基準灌流パラメータ値として定義される、請求項11に記載の超音波法。
  13. 前記現在の灌流パラメータ値を決定することは、決定した前記強度分布の現在の歪度値を計算することを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の超音波法。
  14. 決定した前記強度分布の現在の歪度値を計算することを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の超音波法。
  15. 前記現在の歪度値は、前記超音波血液信号の前記少なくとも1つの基準強度分布の基準歪度値と比較される、請求項13又は14に記載の超音波法。
  16. 前記現在の灌流パラメータ値を決定することは、決定した前記強度分布の現在の尖度値を計算することを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の超音波法。
  17. 決定した前記強度分布の現在の尖度値を計算することを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の超音波法。
  18. 前記現在の尖度値は、前記超音波血液信号の前記少なくとも1つの基準強度分布の基準尖度値と比較される、請求項16又は17に記載の超音波法。
  19. 抽出することは、前記超音波信号セットにフィルタを適用することによって、前記複数の血管内の移動する赤血球から生じた前記超音波血液信号セットを選択的にフィルタリングすることを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の超音波法。
  20. 前記超音波信号セットにフィルタを適用することは、前記超音波信号セットにハイパスフィルタを適用することを含む、請求項19に記載の超音波法。

Description

本発明の分野は、複数の血管を含む生体組織における灌流モニタリングのための超音波法及びシステムに関する。特定の実施形態は、高度に血管新生された組織における非侵襲的な術中灌流モニタリングのための超音波法及びシステムに関する。 神経外科手術中、脳血管の注意深い切開及び処置が必須である。動脈瘤、動静脈奇形、及び動静脈瘻などの血管病変の場合、目標は、正常血管の血流を損なうことなく、病的血管(の一部)を除去すること、閉塞させること、又は排除することである。同様に、脳腫瘍の場合、切除は病的血管に限定されるべきであり、外科医は正常血管を犠牲にしないように慎重であるべきである。正常血管において十分な血流を維持できないと、関与する血管領域において虚血及び脳卒中が生じることになる。神経外科手術は、虚血及び脳卒中をもたらす血流障害又は血管損傷の比較的高いリスクを伴う。最近の多施設国際コホート研究によれば、神経外科的動脈瘤治療における虚血性合併症の全体的な発生率は約18%であり、複雑な症例では50%超に達することさえもあり得る。脳腫瘍手術については、最近の出版物はまた、術後MRIによって確認されるように、同程度の手術関連梗塞を報告している。 虚血を迅速に検出し、血流を回復させるならば、血流障害の有害な影響を元に戻すことができることに留意することが重要である。理想的には、これには、脳の相当な対象範囲で、非侵襲的に脳灌流を評価し、皮質領域及び皮質下領域の両領域をリアルタイムでサンプリングすることができるツールを必要とする。しかしながら、現在、手術室において利用可能な、脳灌流を適切に測定することができるモニタリングツールは存在しない。したがって、執刀医は、手術中に脳血流障害にほとんど気付かない。現在、手術関連虚血を評価するためのゴールドスタンダードは、患者が麻酔から目覚めた後の神経学的評価である。この時点での虚血の検出はあまりに遅く、外科的処置を即座に講じることはできない。 術中虚血の発生は、他のタイプの手術及び手術野にも当てはまる。例えば、血管吻合の実施を必要とする任意のタイプの手術である。例としては、脳バイパス手術、血管柄付き皮弁を使用する乳房再建手術、肝臓及び腎臓移植、並びに開放及び血管内血管再生術が挙げられるが、これらに限定されない。 大血管、例えば脳の大血管における血流の直接定量測定のための既存の方法が存在する。一方では、動脈アクセスを必要とする、血流に敏感なカテーテルを用いた侵襲的技法を使用することが公知である。他方では、経頭蓋ドップラー(transcranial doppler、TCD)流量測定法の非侵襲的技法を使用することが公知である。更に、陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography、PET)、単一光子放出コンピュータ断層撮影(Single Photon Emission Computer Tomography、SPECT)、コンピュータ断層撮影灌流(Computed Tomography Perfusion、CTP)、及び動的磁化率コントラスト磁気共鳴画像法(dynamic susceptibility contrast magnetic resonance imaging、DSC-MRI)などの大規模な撮像法も血流を測定することができることが公知であるが、それらは、血流中にトレーサ又は染料を注入する必要がある。最後に、誘発電位として知られる術中電気生理学の方法を使用して、脳損傷をモニタリングするための間接的な方法として、中枢神経系の長い経路にわたる潜時を評価することができる。当然ながら、これらの方法は、灌流を測定するのではなく、低灌流及び虚血を確実に検出するのに十分な感度も特異性もなく、感覚皮質及び運動皮質に限定される。 利用可能な術中ツールは、血流速度に基づいて大動脈における血流を定量的に測定することができるか(Charbelプローブ)、又は色素注入後に血管の充填を撮像することによって(インドシアニングリーン血管造影法)、大動脈におけるドップラー信号の強度によって定性的に測定することができる(マイクロドップラープローブ)。 上述の公知のモダリティ及び技法は、外科手術中の術中使用に対して大きな制限を提示する。これらは、照射トレーサを使用するために互換性がないか、機械のサイズが大きいために実用的でないか、携帯できない、カテーテル技法の血管合併症の既存のリスク、TCD/Charbelプローブ/マイクロドップラープローブの場合に血管へのアクセスが制限される、必要なリアルタイム撮像でなく、静的撮像を提供するだけである、連続的な記録又はモニタリングを実行することができない、時間がかかるなどのために実用的でないのいずれかである。 本発明の実施形態の目的は、複数の血管を含む生体組織における非侵襲的な術中灌流モニタリングを可能にする超音波法及び超音波システムを提供することである。より具体的には、本発明の実施形態の目的は、公知の技法の上述の制限の少なくとも一部、好ましくは全てを克服する超音波法及び超音波システムを提供することである。 本発明の第1の態様によれば、複数の血管を含む生体組織における灌流モニタリングのための超音波法が提供される。本方法は、i)生体組織の超音波信号セットを取得するステップと、ii)超音波信号セットから、複数の血管内の移動する赤血球から生じた、対応する超音波血液信号セットを抽出するステップと、iii)超音波血液信号の強度を決定するステップと、iv)決定した強度に基づいて超音波血液信号の強度分布を決定するステップと、v)超音波血液信号の決定した強度分布に基づいて、生体組織の血管内の灌流を表す現在の灌流パラメータ値を決定するステップと、を含む。本方法は、vi)超音波血液信号の少なくとも1つの正規の強度分布に基づいて、正常状態の生体組織内の血管の灌流を表す基準灌流パラメータ値を推定するステップと、vii)基準灌流パラメータ値に基づいて、少なくとも1つの臨界灌流パラメータ閾値を決定するステップと、を更に含む。本方法は、ステップi)~v)を反復的に繰り返して現在の灌流パラメータ値をモニタリングし、モニタリングした現在の灌流パラメータ値を少なくとも1つの臨界灌流パラメータ閾値と比較するステップを更に含む。 本発明のいくつかの実施形態は、とりわけ脳などの高度に血管新生された組織内で、特に細動脈レベルで血管の全体的な分布が実質的に均一であるという洞察、及び個々の血管に関する情報ではなく、この血管分布に関する情報を使用して、リアルタイムで灌流を効率的にモニタリングすることができるという洞察に基づいている。更に、血管密度は、そのような組織において一定に近いので、複数のボクセルにわたるマイクロドップラー信号などの超音波信号の強度の分布は、それぞれの組織の撮像体積内の血液量の分布と相関すると仮定することができる。より具体的には、超音波血液信号の強度分布を調べることにより、灌流の単なる相対値モニタリングではなく、絶対値モニタリングを行うことが可能になることが判明している。加えて、存在する血管の強度分布を反復的に決定し、調べることは、存在する血管のそれぞれを個々に視覚化すること、撮像すること、又は調べることと比較して、必要な計算量が少なく、時間がかからない。したがって、提示された超音波法は、リアルタイムの灌流モニタリングに特に適している。 本発明のこの態様では、超音波血液信号の強度は、組織内の血液量の分布の指標として使用される。しかしながら、代替的に又は追加的に、平均速度などの他のパラメータ及び対応する分布が超音波信号から決定されて、組織内の血液量の分布及び/又は移動に関する情報を提供することができることは、当業者には明らかである。 灌流モニタリングのための超音波法は、術中ツールとして当初開発されたが、この方法は、医療撮像部門、集中治療室、ポリクリニック、又は患者の自宅などの他の環境においても適用され得ることが当業者には明らかである。本質的に、提示された灌流モニタリングのための超音波法は、相当な血管を有する任意の生体軟組織に対して実行され得る。 好ましくは、現在の灌流パラメータ値を決定することは、強度分布の少なくとも関連部分の、より好ましくは強度分布の関連部分のみの曲線下面積(area under curve、AUC)値を計算することを含む。AUC値の計算中に強度分布の関連部分のみを考慮することは、強度分布における外れ値がフィルタリングによって除去され、それによりモニタリング法の精度を高めるという利点を有する。強度分布の関連部分は、好ましくは強度分布の10~90%点、より好ましくは強度分布の15~85%点、最も好ましくは強度分布の20~80%点の範囲である。強度分布のこれらの百分位数は、灌流のモニタリング時に特に関心のある細動脈内の血液量を正確に表すことが判明している。 好ましい実施形態では、超音波血液信号の少なくとも1つの正規の強度分布は、生体組織の処置前の超音波血液信号の決定した強度分布に対応する。少なくとも1つの正規の強度分布は、それぞれの生体組織における正常な、又は健全な灌流のベースライン値を決定することを可能にする。患者の次回の手術の場合、そのような正規の強度分布は、手術の開始前に、その特定の患者の超音波血液信号の強度分布を決定することによって決定され得る。そのようなベースライン値は、手術前の所定の時間枠、例えば5分間の間に現在の灌流パラメータ値を反復的に決定し、当該所定の時間枠の間に決定した現在の灌流パラメータの平均化を実行することによって決定することができる。連続アプローチとも呼ばれるこの方法では、それぞれの患者に関連するベースライン値を効率的な方法で決定することができる。所定の時間枠の持続時間は様々であり得、当面の症例の詳細に応じてケースバイケースで設定され得ることは、当業者には明らかである。同様に、任意の既知の平均法を使用できることは当業者には明らかである。 代替的な好ましい実施形態では、超音波血液信号の少なくとも1つの正規の強度分布は、超音波血液信号の所定のベースライン強度分布に対応する。そのような所定のベースライン強度分布は、他の患者の同様の組織に対して実行した超音波測定に基づいて統計的に決定することができる。したがって、このようにして、他の患者に対する超音波測定に基づいてではあるが、それぞれの生体組織における正常な、又は健全な灌流のベースライン値を決定することも可能である。 不連続アプローチとも呼ばれる、正常な、又は健全な灌流のベースライン値を決定するこの方法は、前述の実施形態と比較して特定の患者に対して精度が低い可能性があるが、生体組織の処置の直前に追加の超音波測定を行う必要がないため、より時間効率に優れている。 一実施形態によれば、生体組織は脳組織である。脳は、高度に血管新生された器官であり、代謝要求を満たすために、血流に関して心拍出量の約20%を受け取る。脳組織は、酸素及びグルコースの送達を容易にするために高度に血管新生されている。成人の脳は、1分当たり組織100グラム当たり約5mgのグルコース、及び1分当たり組織100グラム当たり約3mLの酸素を消費する。血管系が十分な血液を迅速に送達できないと機能障害が生じ、その後、脳機能が停止し、最終的に脳組織が失われる。これらの状態は、血流の減少のレベル、したがって酸素送達の減少、及び組織損傷の程度に応じて、低酸素血症、虚血又は脳卒中と呼ばれる。正常状態では、ヒトの脳血流(cerebral blood flow、CBF)は、1分当たり脳組織100グラム当たり約50mLである。非ヒト霊長類における歴史的研究は、電気活動停止の発生の閾値が約25mL/100g/分のCBF付近であることを実証している。約10~15mL/100g/分未満