JP-2026514818-A - 活性化可能な二特異性抗CD28および抗PD-L1タンパク質ならびにそれらの使用
Abstract
PD-L1に特異的に結合し、疾患組織において活性化可能な特異的CD28結合も示すタンパク質分子が本明細書に提供される。さらに、がんを処置するためのこのようなタンパク質分子の使用が本明細書に提供される。このタンパク質分子は、重鎖を含む第1のポリペプチド鎖と、軽鎖を含む第2のポリペプチド鎖とを含み、前記重鎖が、N末端からC末端の順に、抗PD-L1重鎖可変(VH)ドメイン、第1のCH1ドメイン、第1のリンカー、抗CD28 VHドメイン、および第2のCH1ドメインを含み、前記軽鎖が、N末端からC末端の順に、抗PD-L1軽鎖可変(VL)ドメイン、第1の免疫グロブリン軽鎖定常領域、第2のリンカー、抗CD28 VLドメイン、および第2の免疫グロブリン軽鎖定常領域を含む。
Inventors
- フィンレー, ウィリアム ジェイムズ ジョナサン
Assignees
- センテッサ ファーマシューティカルズ (ユーケー) リミテッド
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240419
- Priority Date
- 20230419
Claims (20)
- 重鎖を含む第1のポリペプチド鎖と、軽鎖を含む第2のポリペプチド鎖とを含むタンパク質であって、 前記重鎖が、N末端からC末端の順に、抗PD-L1重鎖可変(VH)ドメイン、第1のCH1ドメイン、第1のリンカー、抗CD28 VHドメイン、および第2のCH1ドメインを含み、 前記軽鎖が、N末端からC末端の順に、抗PD-L1軽鎖可変(VL)ドメイン、第1の免疫グロブリン軽鎖定常領域、第2のリンカー、抗CD28 VLドメイン、および第2の免疫グロブリン軽鎖定常領域を含む、タンパク質。
- 前記重鎖が、N末端からC末端の順に、前記抗PD-L1 VHドメイン、前記第1のCH1ドメイン、前記第1のリンカー、前記抗CD28 VHドメイン、前記第2のCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含む、請求項1に記載のタンパク質。
- ヒンジおよびFc領域を含む第3のポリペプチド鎖をさらに含む、請求項1または2に記載のタンパク質。
- 前記第3のポリペプチド鎖が、配列番号32のアミノ酸配列を含む、請求項3に記載のタンパク質。
- 前記第1のリンカーが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のタンパク質。
- 前記第2のリンカーが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のタンパク質。
- 前記抗PD-L1 VHドメインが、配列番号12のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号13のアミノ酸配列を含むHCDR2、および配列番号14のアミノ酸配列を含むHCDR3を含み、 前記抗PD-L1 VLドメインが、配列番号15のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号16のアミノ酸配列を含むLCDR2、および配列番号17のアミノ酸配列を含むLCDR3を含み、 前記抗CD28 VHドメインが、配列番号18のアミノ酸配列を含むHCDR1、配列番号19のアミノ酸配列を含むHCDR2、および配列番号20のアミノ酸配列を含むHCDR3を含み、 前記抗CD28 VLドメインが、配列番号21のアミノ酸配列を含むLCDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むLCDR2、および配列番号23のアミノ酸配列を含むLCDR3を含む、 請求項1から6のいずれか一項に記載のタンパク質。
- 前記抗PD-L1 VHドメインが、配列番号24のアミノ酸配列を含み、前記抗PD-L1 VLドメインが、配列番号25のアミノ酸配列を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のタンパク質。
- 前記抗CD28 VHドメインが、配列番号26のアミノ酸配列を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のタンパク質。
- 前記抗CD28 VLドメインが、配列番号27のアミノ酸配列を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のタンパク質。
- 前記重鎖が、配列番号30または配列番号31のアミノ酸配列を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のタンパク質。
- 前記軽鎖が、配列番号28または配列番号29のアミノ酸配列を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のタンパク質。
- (a)前記重鎖が、配列番号30のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号28のアミノ酸配列を含み、前記第3のポリペプチド鎖が、配列番号32のアミノ酸配列を含む;または (b)前記重鎖が、配列番号31のアミノ酸配列を含み、前記軽鎖が、配列番号29のアミノ酸配列を含み、前記第3のポリペプチド鎖が、配列番号32のアミノ酸配列を含む、請求項3に記載のタンパク質。
- 前記重鎖が、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、またはIgY定常領域を含む、請求項2または3に記載のタンパク質。
- 前記重鎖が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、またはIgA2定常領域を含む、請求項2または3に記載のタンパク質。
- 前記重鎖が、免疫学的に不活性な定常領域を含む、請求項2または3に記載のタンパク質。
- 前記重鎖が、野生型ヒトIgG1定常領域、アミノ酸置換L234A、L235A、およびG237Aを含むヒトIgG1定常領域、野生型ヒトIgG2定常領域、野生型ヒトIgG4定常領域、またはアミノ酸置換S228Pを含むヒトIgG4定常領域を含み、番号付けが、KabatのようなEUインデックスに従う、請求項2または3に記載のタンパク質。
- 治療剤に連結された、請求項1から17のいずれか一項に記載のタンパク質を含む、イムノコンジュゲート。
- 前記治療剤が、細胞毒性、放射性同位体、化学療法剤、免疫調節剤、細胞増殖抑制酵素、細胞溶解酵素、治療用核酸、抗血管新生剤、抗増殖剤、またはアポトーシス促進剤である、請求項18に記載のイムノコンジュゲート。
- 請求項1から17のいずれか一項に記載のタンパク質、または請求項18もしくは19に記載のイムノコンジュゲート、および薬学的に許容される担体、希釈剤、もしくは賦形剤を含む、医薬組成物。
Description
相互参照 本出願は、2023年4月19日に出願された米国仮出願第63/497,084号の利益を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。 技術分野 本開示は、活性化可能な二特異性タンパク質およびがんの処置に関する。 背景 免疫腫瘍学療法において、主要な薬物標的のほとんどは疾患組織にのみ発現するものではなく、大部分は非疾患組織においても発現している。加えて、がん処置に用いられる多くの薬物は、非常に強力な細胞死滅作用機序を利用している。その結果として、非疾患組織における薬物による標的の係合は、多くの場合、望ましくない副作用を引き起こす。 PD-L1は、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである細胞表面受容体であり、主に非疾患組織における骨髄性細胞および制御性T(Treg)細胞上で発現する。しかしながら、PD-L1は、一部のがん細胞上で高度に発現することも観察されている。PD-L1は膜タンパク質PD1に結合する。T細胞上でのPD-L1とPD1との相互作用は、T細胞の炎症活性を下方制御し、免疫自己寛容を促進する。したがって、PD-L1は免疫チェックポイントとして記載されている。それ故、PD1との相互作用を遮断するアンタゴニスト抗PD-L1モノクローナル抗体は、抗がんT細胞応答を自然免疫抑制から解放することにより、がんなどの疾患環境において良好な耐容性を示す免疫療法剤として作用する可能性を実証している。そのため、PD-L1は、適応免疫系の抗がん効果を増幅させるために使用される薬物標的である。しかしながら、多くの場合、腫瘍は、抗PD-L1剤の効果を無効にするために複数の「回避機序」を使用し得、そのうちの1つは、CD80(B7.1)およびCD86(B7.2)のような共刺激リガンド分子の下方制御である。 CD28はCD80およびCD86タンパク質の両方に対する受容体である。これはグリコシル化され、細胞表面上に発現するジスルフィド結合した44kDaのホモ二量体である。CD28は主にT細胞上に発現するが、これは他の適応免疫細胞および自然免疫細胞上でも同定されている。特にTCRシグナル伝達と併せたCD80またはCD86によるCD28の結合および活性化は、T細胞の活性化および記憶を増強する強力な免疫促進シグナルを提供する。 歴史的に、抗体はCD28細胞外ドメインに対して生成され、このドメインは、結合により、Tリンパ球において共刺激活性化シグナルを誘導し得、そのシグナルは、炎症活性の増加、増殖、および感染細胞またはがん性細胞に対する細胞溶解活性をもたらす。これらの抗体由来の結合性ドメインを使用して、標的が豊富な疾患組織にT細胞共刺激活性を指向し得るCD28にライゲーションする二特異性剤もまた、生成されている。したがって、抗PD-L1抗体は、CD28にも結合する能力を獲得することによって、より強力かつ広範に作用する治療剤となり得、これにより、抗PD-L1抗体耐性疾患環境において、T細胞の死滅機序を強力に増強する。これは、主要なチェックポイント阻害剤の機能を誘導可能な「合成免疫」と組み合わせ、適応免疫系を相乗的に刺激することが可能となる。しかしながら、この組合せを単一の治療剤構造において(例えば、完全に活性なPD-L1およびCD28結合性ドメインを有する標準的な二特異性抗体フォーマットにおいて)機能させる能力は、T細胞および骨髄細胞、ならびにその他などの多くの細胞型でのPD-L1およびCD28の両方の比較的広範な発現プロファイルによって制限される。この広範な発現プロファイルは、PD-L1/CD28結合剤に対する用量制限毒性だけでなく、複合的な機序を活用するために疾患組織において高度に十分な曝露を達成するこのような薬剤の能力を制限する、深刻な末梢シンク(sink)/生体内分布の問題も引き起こし得る。したがって、疾患組織環境を特異的に標的とする活性を有する操作された形態の二特異性結合タンパク質に対する必要性が存在している。 図1Aは、インタクト(左)、活性化プロテアーゼ切断(中央)、および不活性化プロテアーゼ切断(右)のコンフォメーションにおける本明細書に開示されるタンパク質分子の例示的な非対称的な1本のアームの構築物の図を示す。インタクトなコンフォメーションでは、抗PD-L1 Fab結合性ドメインは曝露され、それらのコグネイト標的に結合することができる。抗CD28 Fabドメインは、重鎖および軽鎖の両方におけるリンカーによって結合が阻害され、これらのリンカーは両方ともタンパク質分解により切断可能であり、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)および/またはカテプシンによって順次切断され得る。第1の切断事象により、単一のタンパク質構築物由来の抗PD-L1および抗CD28 Fabの両方がそれらのコグネイト標的に結合することを可能にする中間活性状態が生じ、これにより、PD-L1+免疫抑制微小環境においてCD28+細胞の活性化を方向付ける可能性がある。第2の切断により、抗PD-L1および抗CD28のFabが解離され、単一分子がPD-L1およびCD28の両方に同時に結合する能力が取り除かれる。図1Bは、本明細書に記載されるタンパク質分子の対称的な2本のアームの構築物および対称的な1本のアームの構築物を示す。図1Bは2つの図を示す。1つは、2つの重鎖および2つの軽鎖からなるインタクトな対称的なツーアームLB(LPD)タンパク質(左)の図を示し、重鎖および軽鎖からなるインタクトな対称的なワンアームLB(LPD)タンパク質(右)の図を示す。対称的なツーアームLPDタンパク質は、各々、下部ヒンジリンカー(LHL)によって連結された2つのFabから構成される、2つの軽鎖断片からなる。各重鎖は、下部ヒンジリンカー(LHL)によって連結された2つのFab、Fcヒンジ、ならびにCH2およびCH3ドメインの両方を含むFc断片から構成される(左)。対称的なワンアームLBタンパク質は、下部ヒンジリンカー(LHL)によって連結された2つのFab、ならびにN結合型グリコシル化部位(CH2)またはKnob突然変異(CH2)のいずれかを有するCH2およびCH3ドメインの両方を含むFc断片から構成される1つの軽鎖分子からなる。軽鎖は、下部ヒンジリンカー(LHL)によって連結された2つのFab、Fcヒンジ、ならびにN結合型グリコシル化部位(CH2)またはKnob突然変異(CH3)のいずれかを有するCH2およびCH3ドメインの両方を含むFc断片から構成される1つの重鎖と対を形成する(右)。同上。 図2は、本明細書に提供される活性化可能な二特異性タンパク質分子の活性の機序の図を示す。CD28結合性ドメインの解放された活性は本質的に単量体であるため、これは直接的にCD28活性化を引き起こすことができず、PD-L1+細胞への結合に依存し、近傍の免疫細胞に対してトランスでCD28結合の多価提示をもたらして、CD28シグナル伝達を誘導する。活性化された分子は、これにより、PD-L1/PD1シグナル伝達を同時に遮断して、阻害されないTCR「シグナル1」を復活させ、CD28シグナル伝達を提供して、T細胞活性を「シグナル2」を介して増幅させる。 図3は、ヒト組換えCD28への各CD28 Vドメイン(一価Fabフォーマットにおける)の表面プラズモン共鳴(SPR)結合を示す。 図4は、ELISAにおけるヒト/カニクイザルおよびマウスCD28タンパク質への精製したIgG_001およびIgG_002またはTGN1412(IgG4)のELISA結合を示す。使用した陰性対照タンパク質はヒトIgG1アイソタイプである。TGN1412、IgG_001、およびIgG_002は、ヒト/カニクイザルCD28に同様のレベルで結合し、アイソタイプ対照ではシグナルは検出されなかった。マウスCD28組換えタンパク質では、いずれのタンパク質に対する結合も検出されなかった。 図5は、還元条件または非還元条件下でSDS PAGE上に流したMMP12消化LPDタンパク質を示す。2μg/レーンの例示的なLPBタンパク質-1、-2、-3、-6、-7、-8、-9、-10、-11、-12を、指定した時間のMMP12とのインキュベーション後、それぞれ還元/非還元SDS-PAGE上にロードした。図5Aは、MMP12と0時間、1時間、2時間、4時間、および8時間インキュベートしたLPD28-1およびLPD28-2タンパク質の消化プロファイルを示す。注目すべきことに、還元/非還元SDS-PAGEにおいてそれぞれ有意な25kDa/50kDaバンドが現れ、これは、軽鎖の切断、および還元条件における75kDa(および非還元条件における150kDa)のインタクトな重鎖の消失に起因する。下方のバンドの出現および上方のバンドの消失が同時に観察され得、重鎖および軽鎖の両方におけるリンカーが切断されることを実証している。図5Bは、MMP12と0時間、15分、30分、1時間、2時間、4時間、および8時間インキュベートしたLPD28-3タンパク質の消化プロファイルを示す。注目すべきことに、還元/非還元SDS-PAGEにおいてそれぞれ有意な25kDa/50kDaバンドが現れ、これは、軽鎖の切断、および還元条件における75kDa(および非還元条件における150kDa)のインタクトな重鎖の消失に起因する。下方のバンドの出現および上方のバンドの消失が同時に観察され得、重鎖および軽鎖の両方におけるリンカーが切断されることを実証している。図5Cは、MMP12と0時間、15分、30分、1時間、2時間、4時間、および24時間インキュベートしたLPB28-6の消化プロファイルを示す。注目すべきことに、還元SDS-PAGEにおいて有意な25kDaおよび50kDaバンドが現れ、これは、軽鎖および重鎖の切断、ならびに還元条件における75kDa(および非還元条件における150kDa)のインタクトな鎖の消失の付随に起因する。図5Dは、MMP12と0時間、15分、30分、1時間、2時間、4時間、および24時間インキュベートしたLPB28-7の消化プロファイルを示す。注目すべきことに、還元SDS-PAGEにおいて有意な25kDaおよび50kDaバンドが現れ、これは、軽鎖および重鎖の切断、ならびに還元条件における75kDa(および非還元条件における150kDa)のインタクトな鎖の消失の付随に起因する。図5Eは、MMP12と0時間、15分、30分、1時間、2時間、4時間、および24時間インキュベートしたLPB28-8およびLPD28-9の消化プロファイルを示す。注目すべきことに、還元SDS-PAGEにおいて有意な25kDaおよび50kDaバンドが現れ、これは、軽鎖および重鎖の切断、ならびに還元条件における75kDa(および非還元条件における150kDa)のインタクトな鎖の消失の付随に起因する。図5Fは、MMP12と0時間、15分、30分、1時間、2時間、4時間、および8時間インキュベートしたLPB28-10の消化プロファイルを示す。注目すべきことに、還元SDS-PAGEにおいて有意な25kDaおよび約55kDaバンド、ならびに還元SDS-PAGEにおいて約50kDおよび約120kDaがそれぞれ現れ、これは、軽鎖の切断、ならびに還元条件における75kDa(および非還元条件における250kDa)のインタクトな重鎖の消失に起因する。下方のバンドの出現および上方のバンドの消失は同時に観察され得、重鎖および軽鎖の両方におけるリンカーが切断されることを実証している。図5Gは、MMP12と0時間、15分、30分、1時間、2時間、4時間、および24時間インキュベートしたLPB28-11の消化プロファイルを示す。注目すべきことに、還元SDS-PAGEにおいて有意な25kDaおよび約55