JP-2026514837-A - 急性冠症候群患者における脳血管有害事象または心血管有害事象を治療または予防するためのミルベクシアンの使用
Abstract
ヒトの急性冠症候群患者における脳血管有害事象または心血管有害事象の予防方法において、有用な治療特性を有する活性化第XI因子阻害剤。 【選択図】図1
Inventors
- リィ,ダンシ
- ネッセル,クリストファー
- プロトニコフ,アレクセイ
- バルナタン,エリオット
- モハン,プニート
- ホロウ,ジェイ
Assignees
- ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
- ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240419
- Priority Date
- 20230419
Claims (18)
- ヒトの急性冠症候群患者において、脳血管有害事象または心血管有害事象を予防する方法であって、当該方法は、ヒトの患者に、 (i)25mgのミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)を含む医薬組成物;および(ii)アスピリン、P2Y12阻害薬、およびその組合せからなる群から選択される抗血小板療法;前記医薬組成物を1日2回投与すること を含むレジメンを実施することを特徴とする。
- 抗血小板療法がP2Y12阻害薬の投与である、請求項1に記載の方法。
- 当該P2Y12阻害薬が、クロピドグレル、チカグレロル、またはプラスグレルである、請求項2に記載の方法。
- 抗血小板療法がアスピリンの投与である、請求項1に記載の方法。
- ヒトの患者を、1日目~21日目にアスピリンおよびクロピドグレルの組合せで治療し、続いて少なくとも90日間アスピリン単剤療法で治療する、請求項1に記載の方法。
- 急性冠症候群と診断されたヒトの患者において、心血管有害事象を予防する方法であって、当該方法はヒトの患者に、 (i)25mgのミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物;および(ii)アスピリン、P2Y12阻害薬、およびその組合せからなる群から選択される抗血小板療法を含むレジメンを実施すること; 前記医薬組成物を1日2回投与することを特徴とし;さらに 当該心血管有害事象は、全死因死亡(ACM);心血管(CV)死;心筋梗塞(MI);不安定狭心症(UA);あらゆる脳卒中または任意の脳卒中(虚血性、出血性、または原因不明);虚血性脳卒中;急性肢虚血(ALI);大血管性(非外傷性)四肢切断;症候性静脈血栓塞栓症(VTE:肺塞栓症(PE)、深部静脈血栓症(DVT));虚血に基づく冠血行再建術;ステント血栓症;あらゆる原因による入院((1)計画的または予定外、(2)動脈血栓塞栓症または静脈血栓塞栓症による入院、あるいはそのいずれにも該当しない入院で分類);および一過性脳虚血発作(TIA)からなる群の1つ以上から選択される。
- 心血管有害事象が、CV死、MI、または虚血性脳卒中の1つ以上である、請求項6に記載の方法。
- 急性冠症候群と診断されたヒトの患者において、新規発症の虚血性脳卒中、MI、または全死因死亡から選択される1つ以上の血栓性有害事象の発生率を低減する方法であって、当該方法はヒトの患者に、(i)約25mg~約100mgのミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物、および(ii)アスピリン、P2Y12阻害薬、およびその組合せからなる群から選択される抗血小板療法;前記医薬組成物を1日2回投与することを含む、レジメンを実施することを特徴とする。
- 急性冠症候群と診断されたヒトの患者において、虚血性脳卒中を予防するための方法であって、当該方法はヒトの患者に、(i)25mgのミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物、および(ii)アスピリン、P2Y12阻害薬、およびその組合せからなる群から選択される抗血小板療法;前記医薬組成物を1日2回投与することを含む、レジメンを実施することを特徴とする。
- レジメンにより、虚血性脳卒中の発症率の低下という臨床上のベネフィットが、90日間の治療期間にわたり維持される、請求項9に記載の方法。
- レジメンの実施により、患者の第XI因子凝固活性が、ベースライン比で約7%~約20%減少する、請求項1に記載の方法。
- レジメンの実施により、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)がベースライン比で約27%~約64%延長する、請求項1に記載の方法。
- 投与により、主要な出血性合併症が統計的に有意に増加することはない、請求項1に記載の方法。
- ミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)を含む医薬組成物が、固体の経口医薬組成物である、請求項1に記載の方法。
- 投与により、ミルベクシアンの血漿中の半減期が約13時間~約16時間となる、請求項1に記載の方法。
- 投与により、ミルベクシアンの血漿中濃度が約3日~6日で定常状態に達する、請求項1に記載の方法。
- ミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)を含む医薬組成物が、食事のタイミングに関係なく投与される、請求項1に記載の方法。
- 上記方法により、臨床的に有意なQTc間隔の延長が認められない、請求項1に記載の方法。
Description
(関連出願の相互参照) 本出願は2023年4月19日出願の米国仮出願第63/497,111号の優先権を主張するものであって、その全てを参照により本明細書に組み込むものである。 (技術分野) 本開示は、ヒトの急性冠症候群(ACS)患者において、正常な血液凝固過程を著しく損なうことなく脳血管有害事象または心血管有害事象を治療または予防するための、ミルベクシアンの使用に関する。 循環器疾患(CVD)は、依然として世界的に最も多い死亡原因である。現代医療の発展にもかかわらず、脳卒中は依然として世界的に主な死因および障害の原因となっている。2019年だけで、欧米諸国における脳卒中による障害調整生命年は1億4300万年、死亡は655万人におよび、医療費支出の相当な部分を占めることとなった。米国において、初発心筋梗塞および再発心筋梗塞(MI)は年間推定805,000例発生している。急性冠症候群(ACS)を発症後、患者には高いリスクが伴う。新規薄型ストラットステント/ポリマー、アスピリンおよび/または強力なP2Y12阻害薬を用いた抗血栓療法、外科的血行再建術および経皮的血行再建術の広範な応用、および心血管リスク因子の標的制御の発展にもかかわらず、急性心筋梗塞を発症した患者において、心血管(CV)有害事象(心筋梗塞、虚血性脳卒中、および心血管死など)再発の危険性は非常に高く、初年度で5%越えである。急性心筋梗塞患者の5%が1年以内に心血管系事象を再発し、当該事象の60%は最初の90日以内に起こる。アテローム性動脈硬化性心血管合併症は、欧米諸国および発展途上国において、罹患率および死亡率が最も高いままである(Katan et al,. Global burden of stroke, SeminNeurol., 2018, vol. 38, pp. 208-211)。 ミルベクシアン(BMS-986177/JNJ-70033093)は、ヒト凝固活性化第XI因子に高い親和性を示す直接作用型阻害剤である(Dilger et al., Discovery of milvexian, a high-affinity, orally bioavailable inhibitor of factor XIa in clinical studies for antithrombotic therapy. J Med Chem 2022;65(3):1770-85)。ミルベクシアンは、式(I): の構造を有する大環状化合物である。 ミルベクシアンは、その化学名である(5R,9S)-9-(4-(5-クロロ-2-(4-クロロ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル)-6-オキソピリミジン-1(6H)-イル)-21-(ジフルオロメチル)-5-メチル-21H-3-アザ-1(4,2)-ピリジナ-2(5,4)-ピラゾラシクロナファン-4-オンとしても知られている。 ミルベクシアンおよびミルベクシアンの製造方法は米国特許第9,453,018号に記載されており、その全てが参照により本明細書に組み込まれる。ミルベクシアンの溶媒和物、結晶体、および非晶質も当業者に公知である(例えば、WO2021207659およびWO2022081473を参照のこと)。1以上のポリマー中のミルベクシアンの非晶質固体分散組成物がWO2020210629に記載されており、その全てが参照により本明細書に組み込まれる。 ミルベクシアンの臨床試験(ミルベクシアン、プラセボ、または対照薬)において、4,114名が参加し、介入研究の対象となった。4,114名の参加者のうち、3,229名がミルベクシアンを服薬し、そのうち660名がミルベクシアンの第1相試験、2,569名がミルベクシアンの第2相試験および初期第2相試験の対象となった。ミルベクシアンの臨床開発において、以下4種の重篤な出血:消化管出血、手技関連出血、神経系障害に伴う出血(虚血性脳卒中の出血性変化および硬膜下血腫)および血尿が有害事象と判断された。TKR(人工膝関節全置換術)を受けた患者におけるミルベクシアンの第II相試験の結果が2021年に公開され(Weitz, et al., Milvexian for the Prevention of Venous Thromboembolism, N. Engl. J. Med. 2021, vol. 385, pp. 2161-2172)、非心原性脳梗塞、非ラクナ虚血性脳卒中を予防するための、抗血小板薬単剤療法または抗血小板薬二剤併用療法(SAPT/DAPT)に加えてミルベクシアンを用いた第II相試験の結果が2023年に公開された(Sharma et al., Safety and efficacy of factor XIa inhibition with milvexian for secondary stroke prevention (AXIOMATIC-SSP): a phase 2, international, randomised, double-blind, placebo-controlled, dose-finding trial, The Lancet Neurology, 2023, vol. 23, pp-46-59)。 つまり、血管性疾患および血栓塞栓性疾患は世界的に主な死因および障害の原因となっている。抗血栓療法が著しく発展しているにもかかわらず出血のリスクがあるため、抗凝固療法は限定的であり、多くの患者にとって血栓リスクは高いままである。 本開示は、ミルベクシアンまたはその医薬的に許容される塩または溶媒和物の経口製剤、活性化第XI因子(FXIa)を阻害することにより狙い通りの凝固に調節する、下記の強力かつ高い選択性を有するFXIa阻害剤、ならびに血栓の形成および塞栓症の治療および予防のための1以上の抗血小板療法を含む治療レジメンを提供する。これにより、FXIa阻害が血小板の活性化阻害と連動した結果、トロンビン生成が減少することで、止血機能を損なうことなく、脳血管または心血管の有害事象(急性冠症候群および/またはアテローム性動脈硬化の病歴がある患者における心血管系死、心筋梗塞、または脳卒中など)のリスクが低減される。本明細書に記載の治療レジメンは、血栓塞栓症の発症のリスクがある患者に対して、閉塞性血栓の形成を予防(一次予防)するために行われる。一部の実施態様において、本明細書に記載の上記治療レジメンは、初回血栓症発症後の患者に対する二次予防(例えば、急性心筋梗塞または急性冠症候群の病歴がある患者における心血管系事象の二次予防)を目的として実施される。本明細書に記載の治療レジメンは、ACS患者において、リバーロキサバンやその他の直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)と比較して、虚血リスクと出血リスクのバランスがより良好である。当該治療レジメンは、ステント上での凝固活性化を阻止するだけでなく、血管損傷部位における第XI因子を介した血栓の安定化と増大を抑制できる可能性がある。 別の態様において、本開示の方法は、ACSを発症し、出血のリスクが高い患者において凝血を起こさないようにするため、ミルベクシアンを含む新規即放性経口錠剤および標準的な抗血小板療法からなる新たな治療レジメンを提供する。本開示の方法は、抗凝固薬が十分に活用されていない、あるいは全く使用されていない部位または疾患において、FXIa阻害剤を使用する機会を提供する。 一部の態様において、本開示は、ヒトの急性冠症候群患者における脳血管有害事象または心血管有害事象を予防する方法であって、ヒトの患者に、(i)25mgのミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)を含む医薬組成物;および(ii)アスピリン、P2Y12阻害薬、およびその組合せからなる群から選択される抗血小板療法;前記医薬組成物を1日2回投与することを含むレジメンを実施することを特徴とする方法を提供する。 他の態様において、本開示は、急性冠症候群と診断されたヒトの患者において心血管有害事象を予防する方法であって、ヒトの患者に、(i)25mgのミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物、および(ii)アスピリン、P2Y12阻害薬、およびその組合せからなる群から選択される抗血小板療法;前記医薬組成物を1日2回投与することを含むレジメンを実施し; 上記心血管有害事象が、全死因死亡(ACM);心血管(CV)死;心筋梗塞(MI);不安定狭心症(UA);あらゆる脳卒中または任意の脳卒中(虚血性、出血性、または原因不明);虚血性脳卒中;急性肢虚血(ALI);大血管性(非外傷性)四肢切断;症候性静脈血栓塞栓症(VTE:肺塞栓症(PE)、深部静脈血栓症(DVT));虚血に基づく冠血行再建術;ステント血栓症;あらゆる原因による入院((1)計画的または予定外、(2)動脈血栓症または静脈血栓症による入院、あるいはそのいずれにも該当しない入院で分類)からなる群の1以上から選択される ことを特徴とする方法を提供する。 他の態様において、本開示は、急性冠症候群と診断されたヒトの患者において、新規発症の虚血性脳卒中、MI、または全死因死亡から選択される1以上の血栓性有害事象の発生率を低減する方法であって、ヒトの患者に、(i)約25mg~約100mgのミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物、および(ii)アスピリン、P2Y12阻害薬、およびその組合せからなる群から選択される抗血小板療法;前記医薬組成物を1日2回投与することを含むレジメンを実施することを特徴とする方法を提供する。 さらに他の態様において、本開示は、急性冠症候群と診断されたヒトの患者において、虚血性脳卒中を予防するための方法であって、ヒトの患者に、(i)25mgのミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)および1以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物、および(ii)アスピリン、P2Y12阻害薬、およびその組合せからなる群から選択される抗血小板療法;前記医薬組成物を1日2回投与することを含むレジメンを実施することを特徴とする方法を提供する。 本開示方法の一部の態様において、ミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)は、ミルベクシアン(またはその医薬的に許容される塩あるいは溶媒和物)および医薬的に許容される賦形剤を含む固体の医薬組成物として経口投与される。 本開示方法の他の態様において、投与により、主要な出血性合併症が統計的に有意に増加することはない。 図1は、凝固経路を示す。用語の説明: FXII=第XII因子; FXIIa=活性化第XII因子; FXI=第XI因子; FXIa=活性化第XI因子; FIX=第IX因子; FIXa=活性化第IX因子; FVIIa=活性化第VII因子; FVII=第VII因子; FX=第X因子; FXa=活性化第X因子Kakkar et al., FXI inhibition: The Holy Grail of Haemostasis-Sparing Anticoaulation, EMJ, 2021, vol. 6, pp. 12-20;およびFredenburgh et al., FXIa as a Target for New Anticoagulants, Hamostaseologie, 2021, vol. 41, pp. 104-110を参照のこと。 図2は、実施例2に記載の通り、活性化部分トロンボプラスチン時間を示す。治療によるaPTTのベースラインからの平均変化率(±SD)と時間の関係が図2に示される。ミ