JP-2026514887-A - 1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジアゼピン-3-オン誘導体クエン酸塩の結晶形、調製方法及びその使用
Abstract
本発明は、医薬分野に属し、具体的には、式Iで表される化合物のクエン酸塩の結晶形、調製方法、及び医薬分野におけるその使用に関する。 【選択図】図1
Inventors
- 竇飛
- 王碩
- 邱印利
- 楊慶路
- 許聡聡
- 徐祥清
Assignees
- チアンスー エヌエイチダブリュエー ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240419
- Priority Date
- 20230421
Claims (12)
- 式Iで表される化合物のクエン酸塩の結晶形IIであって、Cu-Kα線を用いた回折角2θ±0.2°において、以下の回折角:2.95、5.96、及び15.09に特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを有する、結晶形II
- 前記結晶形IIのX線粉末回折パターンが、13.96、16.39、及び20.53のうちの1つ以上に特徴的なピークをさらに含み、各特徴的なピークの2θ誤差範囲が±0.2である、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶形II。
- 前記結晶形IIのX線粉末回折パターンが、実質的に図1に示される通りである、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶形II。
- 前記結晶形IIが、約167.5℃~約172.9℃の範囲から選択される融解吸熱ピークを有するDSCチャートを有する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶形II。
- 前記結晶形IIのDSCチャートの融解吸熱ピークが約170.1℃である、請求項4に記載の結晶形II。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の結晶形IIを有効成分として含み、かつ薬学的に許容される担体を含む、ことを特徴とする医薬組成物。
- 精神疾患を治療するための薬剤の調製における、請求項1~5のいずれか1項に記載の結晶形IIまたは請求項6に記載の医薬組成物の使用。
- 前記精神疾患が、統合失調症、精神病、統合失調感情障害、パーキンソン病、認知症に関連する行動障害及び精神病、妄想性障害、急性一過性精神病性障害、うつ病、双極性障害、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、社会恐怖症、広場恐怖症、または心的外傷後ストレス障害であり、好ましくはパーキンソン病、認知症に関連する行動障害及び精神病、または統合失調症である、ことを特徴とする請求項7に記載の使用。
- 以下のステップ: (A)式Iで表される化合物のクエン酸塩を取り、溶媒を加え、加熱して透明溶液とし、冷却し、撹拌するステップ; (B)濾過、洗浄、及び乾燥して結晶形IIを得るステップ を含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の結晶形IIの調製方法。
- 前記ステップ(A)における溶媒が、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、イソプロパノール、n-プロパノール、メチルtert-ブチルエーテル、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、ことを特徴とする請求項9に記載の結晶形IIの調製方法。
- 前記ステップ(A)における溶媒が、以下の溶媒の組み合わせ:メタノール/エタノール、アセトニトリル/メタノール、エタノール/テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/メタノール、イソプロパノール/メタノール、アセトン/メタノール、メタノール、n-プロパノール/メタノール、及びメタノール/メチルtert-ブチルエーテルの1つ以上から選択される、ことを特徴とする請求項9に記載の結晶形IIの調製方法。
- 前記ステップ(A)における溶媒が、以下の溶媒の組み合わせ:メタノール/エタノール、アセトニトリル/メタノール、及びエタノール/テトラヒドロフランの1つ以上から選択される、ことを特徴とする請求項9に記載の結晶形IIの調製方法。
Description
本発明は、医薬分野に属し、具体的には、式Iで表される化合物のクエン酸塩の結晶形II、調製方法、及び医薬分野におけるその使用に関する。 統合失調症(Schizophrenia)は早期発見が難しく、入院率が低く、生涯有病率が高い。現在、世界の人口の約0.3~0.7%は生涯にわたって統合失調症の影響を受けており、2016年に、全世界では統合失調症患者が2100万人を超えたと推定されている。現在、統合失調症の治療薬として、主に定型抗精神病薬及び非定型抗精神病薬は挙げられるが、統合失調症の治療薬はドーパミン受容体を強力に遮断するため、錐体外路症状(EPS)、遅発性ジスキネジア及びプロラクチンの増加等の副作用が生じる。医療分野では、睡眠障害の治療は、異なる標的に作用する様々な種類の活性化合物が利用されるようになっているが、依存症、薬剤耐性、後遺症等の副作用は今でも未解決のままである。 通常、ドーパミンD2受容体を遮断することで薬理作用を発揮する抗精神病薬を第1世代抗精神病薬、即ち「定型」抗精神病薬(例えば、ハロペリドール)と呼ぶ。これら治療薬は、統合失調症の陽性症状の治療において画期的な効果を示したが、陰性症状及び認知機能障害を治療できない。定型抗精神病薬は通常、深刻なEPS副作用があり、また、統合失調症患者の3分の1では効果がない。 1960年代以後、例えばジプラシドン(Ziprasidone)、リスペリドン(Risperidone)等、第2世代抗精神病薬、即ち新規抗精神病薬と呼ばれる一連の新世代抗精神病薬が次々と開発された。これら治療薬は薬理作用が全く一致していないが、同じ薬理学的特徴を示しており、即ちセロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン、5-HT)受容体(5-HT1A、2A、2c)及びノルエピネフリン(NA)受容体(α1、α2)に対する親和性がD2受容体に対する親和性よりはるかに高いため、D2/5-HT2Aの比が高い。その臨床効果として、第1世代抗精神病薬と比べると、より多くの利点があり、陽性症状に対して従来の抗精神病薬と同様に効果的であるのみならず、陰性症状、認知機能障害にも効果的であり、作用範囲が一層広くなっている。しかし、これら医薬品は、QT間隔延長、高プロラクチン血症及び体重増加等の副作用がある。したがって、統合失調症の陽性症状、陰性症状及び認知機能障害に効果的でありながら、副作用が少ない医薬品の開発は現在注目を集めている。 セロトニンシステムは、感情制御、認知行動、作業記憶など、前頭前野(PFC)の機能を調節する上で重要な役割を果たす。PFCの錐体ニューロン及びGABA介在ニューロンにはいくつかの特に高密度のセロトニン受容体サブタイプ5-HT1A及び5-HT2Aが含まれている。最近、PFC及びNMDA受容体チャネルは5-HT1ARの標的であり、この2つの受容体は大脳皮質興奮性神経細胞を調節することで認知機能に影響を与えることが証明されている。実際に、様々な前臨床データにより、5-HT1ARは抗精神病薬開発の新たな目標であることが示されている。非定型抗精神病薬(例えばolanzapine、aripiprazole等)の5-HT1ARに対する高い親和性及び低いEPS副作用から、セロトニンシステムは、感情制御、認知行動、作業記憶などを含む、前頭前野(PFC)の機能を調節する上で重要な役割を果たすことが証明されている。PFCの錐体ニューロン及びGABA介在ニューロンにはいくつかの特に高密度のセロトニン受容体サブタイプ5-HT1A及び5-HT2Aが含まれている。最近の研究では、5-HT1Aアゴニストは非定型抗精神病薬による治療に関連し、陰性症状及び認知機能障害を改善できることが示されている。非定型抗精神病薬であるクロザピンによる統合失調症の治療では、5-HT2Aは知覚、感情調節及び運動制御などを含む様々な側面において重要な役割を果たすことがわかった。5-HT2A受容体を遮断することでドーパミンの放出を正常化することができるため、抗精神病薬として機能する。また、5-HT2C受容体は体重増加に密接に関係している。 ピマバンセリン(Pimavanserin)は5-HT2A及び5-HT2Cに対して高い親和性を示すインバースアゴニストであり、in vitro実験では、5-HT2A受容体に対する親和性[阻害定数(Ki):0.4nM]は5-HT2C(Ki=16nM)よりも高かったが、5-HT2B受容体、ドーパミン受容体(D2受容体を含む)、アドレナリン受容体、ムスカリン受容体又はカルシウムチャネル受容体に対しては顕著な親和性(Ki>300nM)が見られなかった。この医薬品はNuplazidTMを商品名として、幻覚や妄想などパーキンソン病による精神症状の治療に用いられるものとして、2016年4月にアメリカ食品医薬品局に承認された。 特許出願WO2021218863は、5-HT2A及び5-HT2C受容体に作用し、ピマバンセリンよりも5-HT2Aに対する優れた選択性を示す、一連の1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジアゼピン-3-オン誘導体を開示している。これらの誘導体は、統合失調症、パーキンソン病、及び認知症に関連する行動障害及び精神病の治療に用いられ、よい抗精神病作用、小さい鎮静副作用及び運動機能低下の副作用、ならびに低い心毒性を示す。 薬剤の場合、異なる塩形態は異なる結晶形を有し、同じ塩形態であっても多形体として存在する場合がある。異なる結晶形態は、色、融点、安定性、見かけの溶解度、及び溶解速度が異なり得る。これらの特性は、薬物製剤の安定性、溶解性、吸湿性、及びバイオアベイラビリティに直接影響を及ぼし、薬物の品質及び臨床効果の変動につながる。したがって、高純度、安定性、及び/またはバイオアベイラビリティを備えた結晶形態、及びその調製方法を開発することは、非常に価値がある。 特許出願WO2021218863及び中国特許出願CN202211299097.1に係る全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。 本発明は、式Iで表される化合物のクエン酸塩の結晶形IIを提供する。遊離塩基形と比較して、結晶形IIは活性物質の安定性及び溶解性を改善し、吸湿性を低減し、活性物質のバイオアベイラビリティを高め、その後の臨床開発及び製造開発を容易にする。 本発明は、式Iで表される化合物のクエン酸塩の結晶形II(以下は結晶形IIと略称する)を提供する。 本発明はまた、神経精神疾患を治療する薬剤の調製における結晶形IIの使用を提供する。 本発明はさらに、結晶形IIの調製方法を提供する。 別途定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。矛盾が生じた場合は、本明細書に定める定義が優先する。本明細書に商品名が記載されている場合、それは対応する商品またはその有効成分を指すものとする。本明細書に引用されるすべての特許、公開特許出願、及び刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。 一般用語及び定義 「薬学的に許容される担体」とは、生物体に対して非刺激性であり、活性化合物の生物学的活性及び特性を損なわない物質を指す。「薬学的に許容される担体」は、流動促進剤、甘味料、希釈剤、防腐剤、染料/着色料、矯味剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、崩壊剤、安定剤、溶媒または乳化剤を含むが、これらに限定されるものではない。 「結晶形」とは、同一の化学構造を持つ分子が規則的に配列したものを指す。 本明細書に記載の「X線粉末回折パターン」または「XRPD」とは、ブラッグの式2d sin θ=nλ(ここで、λはX線の波長、λ=1.54056Å、回折次数nは任意の正の整数であり、通常は1次の回折ピークをとり、n=1)を満たすパターンを指し、このパターンは、結晶または結晶試料の一部において、格子間隔dの特定の原子面に、斜入射角θ(入射角の補角、ブラッグ角とも呼ばれる)でX線を入射させ、ブラッグの式を満たすことができ、これによって得られるX線粉末回折パターンである。 本明細書において「2θ」または「2θ角」とは、回折角のことであり、θはブラッグ角であり、その単位が°または度である。2θの誤差範囲は±0.1~±0.5、好ましくは±0.1~±0.3、さらに好ましくは±0.2である。 本明細書において使用される「格子面間隔」または「格子面間隔(d値)」という用語は、空間格子内の隣接する2つの格子点を結ぶ3つの非平行な単位ベクトルa、b、及びcを指す。これらのベクトルは、格子を格子面間隔として知られる並置された平行六面体単位に分割する。空間格子は、平行六面体単位を結ぶ線に沿って分割され、直線状の格子の集合を形成し、これは空間格子または結晶格子と呼ばれる。格子と結晶格子は、それぞれ幾何学的な点と線を用いて結晶構造の周期性を反映している。異なる結晶面は、異なる面間隔(すなわち、隣接する2つの平行な結晶面間の距離)を有し、単位はÅまたはオングストロームである。 本明細書で保護される結晶形態は、実質的に純粋な結晶形態である。本明細書で使用される「実質的に純粋」という用語は、本明細書に開示される結晶形態を少なくとも85重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、最も好ましくは100重量%含む組成物を指す。 「非晶質」とは、非晶質の分子性及び/またはイオン性の固体形態を指す。非晶質固体は、鋭い極大値を有するX線回折パターンを示さない。 本明細書で使用される「示差走査熱量測定法」または「DSC」は、構造変化または融解により熱が吸収または放出される際の結晶の転移温度を測定するものである。同じ化合物の同じ結晶形の場合、連続分析において熱転移温度と融点の誤差は、約5℃以内、通常は約3℃以内となることがある。ある化合物が特定のDSCピークまたは融点を有すると記載されている場合、これは当該DSCピークまたは融点±5℃を指す。「実質的に」という用語には、このような温度変動も考慮されている。DSCは、異なる結晶形を区別するための補助的な方法を提供する。異なる結晶形は、それぞれ異なる転移温度特性によって識別できる。混合物の場合、DSCピークまたは融点はより広い範囲で変化する可能性があることに留意する必要がある。さらに、物質は融解中に分解が起こるため、融解温度は加熱速度と関連している。 「精神疾患」という用語は、統合失調症、統合失調感情障害、精神病、パーキンソン病、認知症に関連する行動障害及び精神病(BPSD)、妄想性障害、急性一過性精神病性障害、うつ病、双極性障害、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、社会恐怖症、広場恐怖症、及び心的外傷後ストレス障害などを含む、様々な神経系障害性疾患を指す。 統合失調症は、原因不明の慢性疾患群を指し、臨床的には、これらの疾患は、感覚知覚、思考、感情や行動などの障害、及び精神活動の協調運動障害など、多様な症状を伴う症候群として現れることがよくある。患者は通常、清明な意識と正常な知能を維持するが、一部の患者は病気の経過中に認知障害を経験する。 「精神病」とは、様々な生物学的、心理学的、及び社会的要因の影響下にある脳機能障害に起因する、認知、感情、意志、及び行動などの精神活動における様々な程度の障害を臨床特徴とする疾患を指す。 以下の本発明の詳細な説明は、本発明の技術案、その原理、及びその実際の使用を当業者がより深く理解できるように、非限定的な実施形態を例示することを意図しており、これにより、当業者は本発明を様々な形で改変及び実施し、特定の用途の要件に最適に適合させることができる。 本発明は、式Iで表される化合物のクエン酸塩の結晶形IIを提供し、Cu-Kα線を照射した場合、前記結晶形IIは、回折角2θ±0.2°において、以下の回折角:2.95、5.96、及び1