JP-2026514889-A - 抗がん治療を改善するための方法およびシステム
Abstract
本開示は、化学療法および/もしくは免疫療法の転帰を改善する、ならびに/または様々な方法による細胞外ジアゼパム結合阻害因子(DBI)の阻害を通して対象においてオートファジーを誘導すること等を含む、がん処置のための改善された方法、組成物、薬剤、治療レジメンおよびシステムを提供する。この組成物は、(a)細胞外ヒトDBIを阻害するのに十分な量の細胞外ヒトジアゼパム結合阻害因子(DBI)に対する薬剤(抗DBI剤)と、(b)1または複数の抗がん剤とを含む。
Inventors
- デ ブール, マルク
- クレーマー, グイド
- モンテギュ, レア
- マルタンス, イザベル
- パン, フイ
- チェン, フイ
- リー, シージン
Assignees
- オサスナ セラピューティクス エスアー
- アンスティチュ ナショナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル
- ユニヴェルシテ・パリ・シテ
- ソルボンヌ・ユニヴェルシテ
- アシスタンス ピュブリック-オピト ド パリ
- アンスティチュ ギュスターヴ ルーシー
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240417
- Priority Date
- 20230418
Claims (20)
- 対象においてがんの処置における使用のための組成物であって、 (a)細胞外ヒトジアゼパム結合阻害因子(DBI)を阻害するのに十分な量の細胞外ヒトDBIに対する薬剤(抗DBI剤)と、 (b)1または複数の抗がん剤と を含み、 前記抗DBI剤および前記1または複数の抗がん剤を前記対象に十分な治療量で投与した場合、前記治療量の前記1または複数の抗がん剤の前記抗DBI剤なしでの投与と比較して、前記がんの処置が増強される、組成物。
- 前記組成物が、1または複数のコルチコステロイド療法剤をさらに含む、請求項1に記載の使用のための組成物。
- 免疫療法を受けているかまたはがんの処置を受けている対象における前記1または複数のコルチコステロイド療法剤の免疫抑制効果を、前記抗DBI剤なしでの前記1または複数の抗がん剤および1または複数のコルチコステロイド療法剤の投与時の免疫抑制のレベルと比較しての低下における使用のための、請求項2に記載の使用のための組成物。
- 前記抗DBI剤が、抗体またはアプタマーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
- 前記1または複数の抗がん剤が、化学療法剤、免疫療法剤、または両方を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
- 前記化学療法剤が、免疫原性細胞死(ICD)誘導活性を含む、請求項5に記載の使用のための組成物。
- 前記化学療法剤が、アルキル化剤、フェロトーシス誘導剤、アルキルスルホネート、アジリジン、エチレンイミン、メチルメラミン、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、トリメチロールメラミン、アセトゲニン、カンプトテシン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC-1065、クリプトフィシン、ドラスタチン、デュオカルマイシン、エルセロビン、パンクラチスタチン、サルコディクチイン、スポンジスタチン、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、抗生物質、ダイネマイシン、ビスホスホネート、エスペラマイシン、ネオカルチノスタチン・クロモフォア、関連クロモプロテイン・エンジイン系抗生物質クロモフォア、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルチノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、代謝拮抗剤、葉酸アナログ、プリンアナログ、ピリミジンアナログ、アンドロゲン、抗副腎薬、葉酸補充剤、アセグラトン、アルドホスファミド・グリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトレキセート、デフォファミン、デメコルシン、ジアジクオン、エルフォルミチン、エリプチニウム酢酸塩、エポチロン、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダミン、マイタンシノイド、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダンモール、ニトラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフラン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジクオン、2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン、トリコテセン、ウレタン、ビンデシン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノシド、シクロホスファミド、チオテパ、トキソイド、クロラムブシル、ゲムシタビン、6-チオグアニン、メルカプトプリン、メトトレキサート、白金配位錯体、ビンブラスチン、白金、エトポシド(VP-16)、イホスファミド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキセート、ダウノマイシン、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイド、カペシタビン、ソラフェニブ、オラパリブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、スルファサラジン、β-エレメン、トリゴネリン、ボリノスタット、スニチニブ、アルテスネート、前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸もしくは誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項5に記載の使用のための組成物。
- 前記化学療法剤が、チオテパ、シクロホスファミド、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、ベンゾドパ、カルボクオン、メチュレドパ、ブラタシン、ブラタシノン、トポテカン、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン合成アナログ、クリプトフィシン1、クリプトフィシン8、KW-2189、CB1-TM1、クロランブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、エンジイン系抗生物質、カリケアマイシン、カリケアマイシンガンマII、カリケアマイシンオメガII、ダイネマイシンA、クロドロネート、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、デオキシドキソルビシン、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポチフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン、カルステロン、ドロモスタノロンプロピオネート、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン、フォリン酸、マイタシン、アンサミトシン、T-2トキシン、ヴェラクリンA、ロリジンA、アンギジン、パクリタキセル、ドセタキセル、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、CPT-11、レチノイン酸、前述のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸または誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項5に記載の使用のための組成物。
- 前記1または複数の免疫療法剤が、免疫チェックポイントに対する活性を含む、請求項5に記載の使用のための組成物。
- 前記免疫チェックポイントが、PD1(プログラム死1)、PDL1(プログラム死リガンド1)、CTLA4(細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4)、PDL2(プログラム死リガンド2)、KIR(キラー細胞免疫グロブリン様受容体)、B7-H3、B7-H4、BTLA(BおよびTリンパ球アテニュエーター)、LAG3(リンパ球活性化遺伝子3)、TIM-3(T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有3)、VISTA(T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー)、ILT2/LILRB1(Ig様転写物2/白血球Ig様受容体1)、ILT3/LILRB4(Ig様転写物3/白血球Ig様受容体4)、ILT4/LILRB2(Ig様転写物4/白血球Ig様受容体2)、TIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)、NKG2A、PVRIG、CBLB(Casitas b系統リンパ腫がん原遺伝子B)、CISH(サイトカイン誘導性SH2含有タンパク質)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項9に記載の使用のための組成物。
- 前記1または複数の免疫療法剤が、抗PD1剤、抗PD-L1剤、抗CTLA4剤、抗PD-L2剤、抗KIR剤、抗B7-H3剤、抗B7-H4剤、抗BTLA剤、抗LAG3剤、抗TIM-3剤、抗VISTA剤、抗ILT2/LILRB1剤、抗ILT3/LILRB4剤、抗ILT4/LILRB2剤、抗TIGIT剤、抗NKG2A剤、抗PVRIG剤、抗CBLB剤、抗CISH剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項5に記載の使用のための組成物。
- 前記免疫療法剤が、抗PD1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA4抗体、抗PD-L2抗体、抗KIR抗体、抗B7-H3抗体、抗B7-H4抗体、抗BTLA抗体、抗LAG3抗体、抗TIM-3抗体、抗VISTA抗体、抗ILT2/LILRB1抗体、抗ILT3/LILRB4抗体、抗ILT4/LILRB2抗体、抗TIGIT抗体、抗NKG2A抗体、抗PVRIG抗体、抗CBLB抗体、抗CISH抗体、イピリムマブ、トレメリムマブ、MK-1308、FPT155、PRS010、BMS-986249、BPI-002、CBT509、JS007、ONC392、TE1254、IBI310、BR02001、CG0161、KN044、PBI5D3H5、BCD145、ADU1604、AGEN1884、AGEN1181、CS1002、CP675206、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、AMP-224、BMS-936559、セミプリマブ、PDR001、MDX-1105、MEDI4736、アテゾリズマブ、アベルマブ、BMS-936559、デュルバルマブ、リルルマブ(IPH2102)、IPH2101、MGA271、FPA150、IMP321(エフチラギモドアルファ)、レラトリマブ、MK-4280、AVA017、BI754111、ENUM006、GSK2831781、INCAGN2385、LAG3Ig、LAG525、REGN3767、Sym016、Sym022、Sym023、TSR033、TSR075、XmAb22841、LY3321367、MBG453、TSR-022、JNJ-61610588、MK-7684、PTZ-201、RG6058、COM902、IPH-2201、COM701、CA-327、LAG525、REGN3767、BI754111、テボテリマブ、FS118、MGC018、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項5に記載の使用のための組成物。
- 前記免疫療法剤が、抗PD1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA4抗体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項5に記載の使用のための組成物。
- 前記1または複数のコルチコステロイド療法剤が、コルチゾール、コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、デフラザコート、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン、ベクロメタゾン、およびそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項2~13のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
- 前記がんが、抑制性の腫瘍微小環境を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
- 前記組成物の投与が、前記抗DBI剤の投与がない同等の方法と比較して、試料中のCD8 + 発現の増加、CD4 + 発現の減少、T reg 細胞(CD4 + Foxp3 + )の減少、T reg 細胞(CD4 + Foxp3 + )に対するCD8 + T細胞の比率の増加、T H +細胞(CD4 + Foxp3 - )の増加、T H +細胞(CD4 + Foxp3 - )におけるLag3 + の発現の減少、CD8 + 細胞におけるLag3 + の発現の減少、CD4 + 細胞におけるFoxp3 + の発現の減少、T reg ICOS + GITR + Lag3 - CD4 + 細胞の減少、またはそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの免疫監視バイオマーカーを誘導することをもたらす、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
- 前記少なくとも1つの免疫監視バイオマーカーを誘導することが、前記抗DBI剤の投与がない同等の方法と比較してCD8 + 発現の増加を含む、請求項16に記載の使用のための組成物。
- 前記少なくとも1つの免疫監視バイオマーカーを誘導することが、前記抗DBI剤の投与がない同等のCD4 + 発現の減少を含む、請求項16に記載の使用のための組成物。
- 前記少なくとも1つの免疫監視バイオマーカーを誘導することが、前記抗DBI剤の投与がない同等の方法と比較して、T reg 細胞(CD4 + Foxp3 + )の減少を含む、請求項16に記載の使用のための組成物。
- 前記少なくとも1つの免疫監視バイオマーカーを誘導することが、前記抗DBI剤の投与がない同等の方法と比較して、T reg 細胞(CD4 + Foxp3 + )に対するCD8 + T細胞の比率の増加を含む、請求項16に記載の使用のための組成物。
Description
関連出願への相互参照 本出願は、2023年4月18日に出願された欧州特許出願第23168612.2号に基づく優先権を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。 技術分野 本開示は、ジアゼパム結合阻害因子(DBI:diazepam binding inhibitor)、例えば細胞外DBIの阻害を介して化学療法および/または免疫抗がん療法等の抗がん療法を改善するための方法、組成物、薬剤、治療レジメンおよびシステムに関する。 背景 アシル補酵素A結合タンパク質(ACBP:acyl-coenzyme A binding protein)とも呼ばれるジアゼパム結合阻害因子(DBI)は、人体の全ての組織で遍在的に発現され、循環に放出され得るタンパク質である。DBI血漿濃度は加齢に伴い増加し、また、体格指数、心血管代謝リスク因子(例えば、高い空腹時血糖値、収縮期血圧、総遊離コレステロール、トリグリセリドおよび基準値未満の高比重リポタンパク質レベル)、肝障害の徴候(例えば、高い循環系トランスアミナーゼ濃度)、腎機能低下(例えば、高いクレアチニンレベルまたはクリアランスの低下)、全身性炎症の徴候(例えば、インターロイキン-1βまたは腫瘍壊死因子の高い血漿濃度)、およびウイルス感染(例えば、HIV-1およびSARS-CoV2)の制御不全と相関する。 モノクローナル抗体(mAb)による細胞外DBIの中和(すなわち、阻害)は、種々の器官(心臓、肝臓および肺等)を、毒性食(例えば、高脂肪食、メチオニン/コリン欠乏食等)、薬剤(例えば、アントラサイクリン系薬、ブレオマイシン、パラセタモール等)、毒素(例えば、四塩化炭素、コンカナバリンA等)、および虚血またはその他のタイプの物理的損傷(肝臓の場合の胆管結紮等)を含む種々の侵襲による損傷から保護する。これらの器官保護効果は、細胞喪失または細胞保護の減少、炎症の減少、および線維症の阻害を含む。機構的には、それらはオートファジーの誘導に関連している。実際、高用量3-ヒドロキシクロロキンの注射、またはオートファジー関連遺伝子(全身レベルでのAtg4bまたは特定の細胞型でのAtg7等)のノックアウトによるオートファジーの阻害は、DBI中和の器官保護効果を消失させる。 がんの薬理学的処置は、化学療法、いわゆる標的療法および免疫療法を含む。全ての薬物ベースの抗がん療法の長期成功は、抗腫瘍免疫応答を誘導するそれらの能力に依存する。したがって、化学療法は、悪性細胞の免疫原性細胞死(ICD:immunogenic cell death)を誘導する場合に特に効率的である。例えば、ミトキサントロンおよびオキサリプラチンは、強力な抗がん免疫応答を誘発するそのようなICD誘発化学療法を例示する。 ほとんどの免疫療法は、例えば免疫チェックポイントを構成するPD-1とPD-L1との間の阻害性相互作用を遮断することによって、がん免疫対話を調節、増強、または誘導するように設計されている。したがって、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は、例えばPD-1およびPD-L1を標的とする、抗体、抗体断片または小分子等の薬剤であることが多い。 化学療法および免疫療法は、しばしば化学免疫療法として組み合わされる。がん患者では、PD-1およびPD-L1等の免疫チェックポイントを標的とするものを含む免疫療法は、グルココルチコイドによって処置する必要がある望ましくない炎症性および自己免疫性の副作用を頻繁に引き起こす(コルチコステロイドまたはコルチコステロイド療法とも呼ばれる)。しかしながら、グルココルチコイドは免疫抑制性であり、免疫療法(例えば、ICIによる処置)で処置されたがん患者へのそれらの投与は、ICI処置の抗腫瘍効果も阻害するので、転帰不良に関連する。さらに、心理的ストレスまたは処置誘発ストレス、ならびに疾患関連の不快感および疼痛は、視床下部-下垂体-副腎系の活性化による内因性グルココルチコイドの産生の増加を引き起こし、それによって免疫抑制を引き起こし、抗がん処置の有効性を損なう可能性がある。 肝細胞癌(HCC:Hepatocellular carcinoma)は、世界中でがん関連死の第3の主因であり、代謝調節不全(例えば、肥満および糖尿病等は、脂肪性肝炎(MASH:metabolic dysfunction associated steatohepatitis)に関連する代謝機能障害の発症、ならびに進行した線維症および肝硬変への進行を助長する)、肝毒素(アルコールおよびアフラトキシン等)による度重なる傷害、ならびに肝ウイルス(B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス等)による感染を含む一連の確立されたリスク因子と関連している。HCC発症に至る分子および細胞経路のますます詳細な理解にもかかわらず、成功した処置の選択肢はかなり少ない。治癒的試み(例えば、移植、切除および熱アブレーション)は、通常、早期HCC患者(BCLC-0およびBCLC-A)に限定されるが、経動脈化学塞栓術、経動脈放射線塞栓術および全身処置(チロシンキナーゼ阻害剤および免疫療法)のような処置は、通常、中間(BCLC-B)および進行期(BCLC-C)患者のために確保される。 したがって、上記の問題の少なくともいくつかを少なくともある程度克服する、新規かつ改善された抗がん化学療法、免疫療法および/または化学免疫療法、ならびにHCCを処置する方法を提供する必要性が依然として存在する。 図1A~図1D:ACBP/DBIに対する自己免疫化によるMCA205癌の化学免疫療法処置の改善。抗ACBP/DBI自己免疫を、4回の毎週の用量のKlh-ACBP/DBIワクチンまたはその非ACBP/DBI特異的対照KLHによってC57BL/6Jマウスにおいて誘導した。2週間の免疫回復の後、マウスに、MCA205細胞を皮下注射し、1用量のオキサリプラチン(OXA;10mg/kg)および3回の連続用量の抗PD1モノクローナル抗体(αPD1;200μg/用量)からなる、図1Aに記載される化学免疫療法サイクルに従うか、または一致するビヒクルおよびアイソタイプmAbを注射した。平均(Average)(平均(mean)±SEM)腫瘍成長曲線を図1Bに報告し、全生存率を図1Cに報告する。統計学的分析を、縦断的解析のための腫瘍サイズの線形混合効果モデリングによって、および生存のための2×2のlog-ランクMantel-Cox検定(GraphPad Prism)によって行った。計算されたp値は、図1Dに示される表に提示され、0.05の閾値を下回るときに太字フォントでフォーマットされる。TF:腫瘍なし。同上。同上。 図2A~図2D:ACBP/DBI中和モノクローナル抗体の注射によるMCA205癌の化学免疫療法処置の改善。C57Bl/6Jマウスに、MCA205細胞を皮下注射し、1用量のオキサリプラチン(OXA;10mg/kg)および3回の連続用量の抗PD1モノクローナル抗体(αPD1;200μg/用量)からなる、図2Aに記載される化学免疫療法サイクルに従うか、または一致するビヒクルおよびアイソタイプmAbを注射した。化学療法の直前および後1週間にわたり、マウスの半数が抗ACBP/DBI mAbの反復用量を受けた(αDBI;2.5mg/kg)。化学免疫療法で得られた腫瘍サイズの減少は、図2Bに示すように、ACBP/DBI mAb中和と組み合わせるとさらに改善され、それに応じて、図2Cに示すように全生存期間が延長された。図2Bおよび図2Cに示される腫瘍成長および生存曲線は、1つの代表的な実験からのものであり、この実験を2回繰り返して同様の結果を得た。縦断的解析のための腫瘍サイズの線形混合効果モデリングおよび生存のための2×2log-ランクMantel-Cox検定(GraphPad Prism)によって、2つの独立した実験からのプールデータに対して統計分析を行った。計算されたp値は、図2Dに示される表に提示され、0.05の閾値を下回ると太字フォントでフォーマットされる。TF:腫瘍なし。同上。同上。 図3A~図3M:ACBP/DBI中和モノクローナル抗体の注射による化学免疫療法処置改善中のMCA205癌の免疫制御。図3Aに示すように、化学療法の10日後の腫瘍微小環境のT細胞集団をフローサイトメトリーによって分析した。分析された単一細胞全体に対する特定の細胞集団の数は、図3Bに示すように、全細胞傷害性CD8+T細胞、および図3Cに示すように、CD4+T細胞、Tリンパ球、より具体的には、図3Eに示すように、CD4+FoxP3+制御性T細胞(Treg)、ならびに図3Gに示すように、CD4+FoxP3-ヘルパーT細胞(TH)について提示される。図3Dに示されるようなCD8+T細胞およびCD4+T細胞の数、図3Fに示されるようなCD8+T細胞およびTregの数、ならびに図3Hに示されるようなCD8+T細胞およびTHの数の間の増大した比は、増大したがん指向性細胞傷害性と相関し、一方、図3Iに示されるようなCD4+T細胞内のFoxP3+細胞の高い割合は、がんに対する免疫応答の低下を示す。図3Jに示されるTHと、図3Kに示されるCD8+T細胞との割合は、表面マーカーLAG3を発現する細胞が、ヘルパー細胞および腫瘍に浸潤する細胞傷害性細胞の疲弊の徴候である。より正確には、非監督型クラスタリングは、抗DBIと化学免疫療法を併用した際のCD4+T細胞の分極において、目的の2つのクラスターすなわち、CD4+T細胞のうち、図3Lに示すように優勢となる活性化THのクラスター(FoxP3-、ICOSint、GITR+、Lag3-)および図3Mに示すように抑制される活性化Tregのクラスター(FoxP3+、GITR+、Lag3-)を強調する。補償、スケーリングおよびゲーティング戦略は、omiq.aiプラットフォームを使用して実行した。3つの独立した実験からのデータを提示し、集団相対カウントをROUT試験(外れ値閾値=1%)によって整理し、p値を多重比較のためのSidak補正を用いた一元配置ANOVAによって計算した。同上。同上。同上。同上。 図4A~図4B:TC1肺がんの場合の、ACBP/DBIを中和するモノクローナル抗体と化学療法とを組み合わせた処置の効果。ルシフェラーゼ活性を安定に発現する生存TC1細胞(TC1 Luc、マウスあたり5×105)を野生型C57BL/6Jマウスに静脈内(i.v.)注射した(1群あたり最低7匹のマウス)。次いで、マウスは、示される処置を受けた:ビヒクル+アイソタイプ対照抗体(CTR);DBIに対するモノクローナル抗体(αDBI;2、5mg/kg);PD1に対するモノクローナル抗体(αPD1;10mg/kg)および/またはオキサリプラチン(OXA;5mg/kg)。腫瘍サイズを4日毎にルシフェラーゼ活性によってモニターした(図4Aに示す)。3匹のCTRマウス、3匹のαDBI-、3匹のOXA+αPD1-、および3匹のOXA+αDBI+αPD1-処置マウスの代表的なタイムラプス画像を図4Bに示す。十字形は、動物が死亡したことを示す。同上。 図5A~図5C:ACBP/DBI中和モノクローナル抗体の注射によるTC1肺がんの化学免疫療法処置の改善。正所性TC1肺がんの腫瘍サイズを、取得された生物発光光子の総フラックスとして定量した。平均(Average)(平均(mean)±SEM)腫瘍成長曲線を図5Aに示し、全生存率を図5Bに示す。統計的有意性は、腫瘍成長曲線についてはANOVA2型(Wald検定)によって、または生存については2×2のlog-ランクMantel-Cox検定(GraphPad Prism)によって計算した。計算されたp値は、図5Cに示される表に提示され、0