JP-2026514903-A - ホウ酸化物系固体電解質及びその製造方法
Abstract
本発明は、LiOH又はLi 2 CO 3 とH 3 BO 3 又はB 2 O 3 とLiCl原料から製造されるLi 4+x B 7 O 12+x/2 Cl(x=0~1)の組成を有するリチウムクロロボラサイト系固体電解質を提供し、これにより、安全性及びイオン伝導度が向上した全固体二次電池の全固体電解質を提供する。
Inventors
- リム ヒョン ソプ
- ヨー ヨン チョル
- リ ソン ファ
- リ ジン ヒ
Assignees
- ソッキョン エイ ティー シーオー エルティディー
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240423
- Priority Date
- 20230425
Claims (6)
- Li 4+x B 7 O 12+x/2 Cl(x=0~1)の組成を有するリチウムクロロボラサイト固体電解質。
- 前記リチウムクロロボラサイトは、LiOH又はLi 2 CO 3 とH 3 BO 3 又はB 2 O 3 とLiCl原料から製造されることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
- Liイオン伝導度が、室温(25℃)で1.0×10 -6 S/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
- 前記リチウムクロロボラサイトは、直径10nm~300μmのナノ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の固体電解質を含む二次電池。
- LiOH又はLi 2 CO 3 とH 3 BO 3 又はB 2 O 3 とLiCl原料を混合する工程; 前記原料混合物を600℃以上で溶融及び急冷する工程;及び 前記溶融物を冷却後回収し、焼成、粉砕する工程; を含むLi 4+x B 7 O 12+x/2 Cl(x=0~1)の組成を有するリチウムクロロボラサイト固体電解質の製造方法。
Description
本発明は、安全性及びイオン伝導度が向上した全固体二次電池の全固体電解質に関するものである。 二次電池は、充電及び放電が可能な一つ以上の電気化学セルで構成される電池である。現在では、リチウムイオン電池が小型電子機器(スマートフォンなど)の必需品に適用され、時代をリードしている。リチウムイオン電池は、従来の鉛蓄電池の環境有害性及びメモリ効果(使用途中に充電を繰り返すと放電電圧が低下し、放電容量が公称容量よりも小さくなる現象)で有利であり、質量当たり/体積当たりのエネルギー密度も優れている。 二次電池の場合、一般的には使い切り電池よりも初期コストがかかるが、交換する前に何度も充電できるため、総所要コストと環境影響がはるかに少ないのが利点である。一部の二次電池タイプは使い切りタイプと同じサイズ及び電圧で使用でき、交換式で使用することができる。 しかし、リチウムイオン電池内の電解質(液体又はゲル)は、熱暴走(Thermal Propagation)による発火及び爆発危険性を有している。実際、多数の爆発事例により安定性に対する懸念が高まる傾向にある。 したがって、このような欠点を補うために、液体電解質の代わりに固体電解質に置き換えると、以下のような利点がある。 温度変化と外部衝撃による火災・爆発の危険性が大幅に減少し、温度変化と外部衝撃などに備えた安全装置及び分離膜が不要であるため、同じサイズでコスト削減と高容量の実現が可能である。 火災の危険性がないため、電池パック空間の30%以上を占める冷却装置が除去された空間に追加的に電池セルを充填し、エネルギー密度を増大させることができる。 液体電解質において、正極と負極を物理的に遮断して電気的短絡を防止する役割を果たしていた分離膜が不要であるため、体積減少及びコスト削減が可能である。 容量が黒鉛の10倍に達するなど、優れた性能にもかかわらず、極間における火災・爆発の危険性から使用できなかったリチウム金属を負極活物質として使用できるため、同じサイズで高容量を実現することができる。 一方、このような全固体電解質として、アルギロダイト(Argyrodite)結晶構造を有するLi2S-P2S5-LiCl三元系原料を用いる硫化物系固体電解質が開発されてきたが、このような従来の硫化物系固体電解質においては、硫化水素(H2S)などの有害化合物が発生する可能性があるため危険性を有する。すなわち、現実は、固体電解質素材、活物質-電解質境界の高い抵抗(界面抵抗)、製造工程などにわたって多くの論議と課題を抱えている。そこで、従来の硫化物系固体電解質の危険性を基本的に排除できる安全かつ量産可能な固体電解質の開発の必要性が浮上してきた。 リチウムクロロボラサイトのXRDデータである。リチウムクロロボラサイト2~40μmの粒径を示すSEM画像である。リチウムクロロボラサイト金めっき後の画像である。SEM-BSE(Back Scattered Electron)であり、図3の金めっき後のリチウムクロロボラサイトのコーティング厚さを確認した写真である。金めっき後、室温でLiイオン伝導度を測定したデータである。本発明の固体電解質の温度によるイオン伝導度の変化を示すグラフである。 本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。以下の実施例に対する説明は例示として提供されるが、これに限定されるものではない。 1.固体電解質の構成 本発明の実施例の固体電解質は、以下で示されるリチウムクロロボラサイトの組成を有する(図1のXRDデータ参照)。 Li4+xB7O12+x/2Cl(x=0~1) 前記組成のリチウムクロロボラサイトは、LiOH又はLi2CO3とH3BO3又はB2O3とLiCl原料から製造され、イオン伝導度がより高くなり、活性化エネルギーが低くなる。 2.サンプル条件によるイオン伝導度の確認 本発明の一実施形態の固体電解質は、焼結後25℃の室温で測定した場合、Liイオン伝導度が1.0×10-6S/cm以上であった。 -電気伝導度モデル/測定条件- EIS SP-300, Scan fi=7.0MHz, ff=1.0 Hz, Nd=10 points per decade sinus amplitude Va=20.0 mV, pw=0.10, Na=2, E Range=-10V~10V 3.全固体二次電池の製造 全固体二次電池は、正極層、負極層及び固体電解質層を以下に説明する方法で作製した後、これらを積層することによって作製される。 固体電解質は、本発明の一実施形態による組成の固体電解質であってもよい。一実施態様において、前記ホウ酸化物系固体電解質として、ホウ酸化物系固体電解質の出発原料を溶解急冷法やメカニカルミリング法などで処理することによって製作される。また、このような処理後に、さらに焼成を行うことができる。追加の焼成を行う場合、固体電解質の結晶化が進み、電気伝導度の特性が現れる。 本発明の一実施形態の固体電解質は、以下の製造方法により製作される。まず、LiOH又はLi2CO3とH3BO3又はB2O3とLiCl原料を、Li4+xB7O12+x/2Cl(x=0~1)の組成を有するリチウムクロロボラサイトに対応する混合比で混合する。 正極層、負極層及び固体電解質層を、正極層と負極層とで固体電解質層を挟持するように積層し、圧延して、本発明の一実施形態の全固体二次電池を作製することができる。 比較例及び実施例 比較例1:バルクリチウムクロロボラサイト 比較例2:粉砕によるイオン伝導度の実現 比較例2対実施例1、2:粒径による対照 比較例2対実施例3:焼成時間による対照 実施例3対実施例4:変更焼成時間におけるサイズによる対照 比較例2対実施例5:焼成温度による対照 比較例2対実施例6:変更焼成温度におけるサイズによる対照 実施例1~6:固体電解質の製造 LiOH又はLi2CO3とH3BO3又はB2O3とLiCl原料を混合して、下記組成を有するリチウムクロロボラサイトを製造した(図1のXRDデータ参照)。 Li4+xB7O12+x/2Cl(x=0~1) 比較例1~2:実施例1~6と同様方法で、LiOH又はLi2CO3とH3BO3又はB2O3とLiCl原料を混合して、下記組成を有するリチウムクロロボラサイトの固体電解質を製造し、イオン伝導度及び安定性を評価した。 Li4+xB7O12+x/2Cl(x=0~1) <固体電解質のイオン伝導度の評価> 本発明で得られた固体電解質のイオン伝導度を以下の方法で測定した(表1参照)。 固体電解質をプレス(圧力100MPa/cm2)してペレットを作製した。次いで、図2と同様に、Auコーティングを行い、イオン伝導度測定用ペレットを作製し、室温で交流インピーダンス測定装置を利用して室温(25℃)におけるLiイオン伝導度を測定しており、イオン伝導度は1.8×10-6S/cm以上であった。 また、温度を40℃、50℃、60℃、70℃、80℃に変えながらイオン伝導度の測定を行った。 図4に示すようにSEM-BSE(Back Scattered Electron)により図3の金めっき後のリチウムクロロボラサイトのコーティング厚さが90~100nmであることを確認した。 <固体電解質の安定性> 一般リチウム電解質の安定性は、陽イオンと陰イオンが接触して反応することに起因し、分離膜などが必要であるが、本発明の固体電解質の場合、陽イオンと陰イオンが固体電解質によって分離されているため、接触せず、安定性を有する。 一般に全固体電解質の素材として、硫化物の場合、以下の式によって硫化水素が発生することが広く知られており、したがって、製造時には水分のない環境で製造されなければならない。 MS(硫化物)+H2O→MO(金属酸化物)+H2S 2MS(硫化物)+O2→2MO(金属酸化物)+2S 一方、本発明の酸化物系リチウムクロロボラサイトの場合、空気中の水分との反応性が非常に低く、反応したとしても硫黄を含まないため、有害物質である硫化水素が発生しない利点がある。 以上のように製造された本発明の固体電解質は、以下の利点を有する。 1)固体電解質は、温度変化による蒸発や外部衝撃による漏液の危険がなく、体積膨潤(swelling)が発生せず、熱と圧力などの極限外部条件でも爆発及び発火特性がないため、安全性に優れている。 2)集電体の両面に負極と正極が結合された積層可能なバイポーラ電極を製造することができる。バイポーラ電極の適用により単電池で10V以上の高電圧を実現することができる。例えば、リチウムイオン電池で14.4Vを実現するには、3.6V電池4個を配置する必要があるが、全固体電池は単電池で可能である。単電池化の効果により分離膜、集電体、セル外装材(パウチ)などが減少して体積が小さくなり、BMS(バッテリ管理システム)が最小化されるため、体積当たりの高いエネルギー密度を実現することができる。 3)液体電解質とは異なり、リチウムイオンが溶媒から分離される脱溶媒反応が不要である。充放電反応がすぐに固体内のリチウムイオンの拡散反応として反映されるため、高い出力が可能である。 4)従来の有機電解液に比べて広い温度領域で安定した性能を確保することができる。特に低温で高いイオン伝導度が期待される。電気自動車使用者の最大の悩みは、冬季に電池性能が低下し走行距離が減少することである。テスラ社のModel Xを寒い日に充電50%状態で一晩放置しておくと、翌朝の充電率が30%に低下する。全固体電池の時代が到来すれば、低温環境における不安要因が解消されるだろう。 5)電池構造が単純で分離膜が不要である。製造工程上において、スラリー状態の固体電解質を正極活物質にコーティングする。液体電解質の注入工程なしで連続工程を通じて様々な形態の多層構造セルを実現することができる。