JP-2026514932-A - 抗P95HER2抗体およびその使用法
Abstract
本発明は、新規抗p95HER2抗体(モノクローナル抗体として、または他の形式、例えば二特異性もしくは多特異性形式で使用される)、およびヒトがん治療などのp95HER2に関連する障害の処置に使用するためのそのような抗体またはそのような抗体によって活性化された細胞を含む組成物に関する。本発明はまた、乳がんなどの疾患または状態を処置するために、これらのペプチド/抗体もしくはその断片、ならびに/またはこれらの抗体もしくはその断片の1つもしくは複数を含むようにおよび/もしくはそれらによって活性化されるように改変された免疫細胞の1つまたは複数を含む組成物も含む。
Inventors
- シェルーア, レイモンド
- シソンズ, ジェイムズ
- エベンズ, アレン
Assignees
- アダネイト, インコーポレイテッド
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240423
- Priority Date
- 20230424
Claims (20)
- 配列番号2~65および514の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号2~65および514のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VH); 配列番号258~321および518の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号258~321および518のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VH); 配列番号130~193および516の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号130~193および516のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VH); 配列番号66~129および515の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号66~129および515のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VL); 配列番号322~385および519の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号322~385および519のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VL);ならびに/または 配列番号194~257および517の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号194~257および517のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VL) を含む、抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 配列番号514のアミノ酸配列、および/または配列番号514と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VH); 配列番号518のアミノ酸配列、および/または配列番号518と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VH); 配列番号516のアミノ酸配列、および/または配列番号516と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VH); 配列番号515のアミノ酸配列、および/または配列番号515と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VL); 配列番号519のアミノ酸配列、および/または配列番号519と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VL);ならびに 配列番号517のアミノ酸配列、および/または配列番号517と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VL) の1つまたは複数を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号514のアミノ酸配列、および/または配列番号514と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VH)を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号515のアミノ酸配列、および/または配列番号515と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VL)を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号516のアミノ酸配列、および/または配列番号516と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VH)を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号517のアミノ酸配列、および/または配列番号517と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VL)を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号518のアミノ酸配列、および/または配列番号518と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VH)を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号519のアミノ酸配列、および/または配列番号519と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VL)を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 配列番号841と少なくとも95.5%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされる重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 配列番号842と少なくとも95.5%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされる軽鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗p95HER2抗体または抗体断片。
- 配列番号2~65および514の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号2~65および514のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VH); 配列番号258~321および518の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号258~321および518のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VH); 配列番号130~193および516の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号130~193および516のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VH); 配列番号66~129および515の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号66~129および515のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VL); 配列番号322~385および519の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号322~385および519のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VL);ならびに/または 配列番号194~257および517の1つから選択されるアミノ酸配列、ならびに/または配列番号194~257および517のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VL) を含む、抗p95HER2抗体または抗体断片を含む治療組成物。
- 前記抗体または抗体断片が、 配列番号514のアミノ酸配列、および/または配列番号514と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VH); 配列番号518のアミノ酸配列、および/または配列番号518と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VH); 配列番号516のアミノ酸配列、および/または配列番号516と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VH); 配列番号515のアミノ酸配列、および/または配列番号515と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VL); 配列番号519のアミノ酸配列、および/または配列番号519と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VL);ならびに 配列番号517のアミノ酸配列、および/または配列番号517と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VL) の1つまたは複数を含む、請求項11に記載の治療組成物。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号514のアミノ酸配列、および/または配列番号514と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VH)を含む、請求項11に記載の治療組成物。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号515のアミノ酸配列、および/または配列番号515と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR3配列(VL)を含む、請求項11に記載の治療組成物。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号516のアミノ酸配列、および/または配列番号516と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VH)を含む、請求項11に記載の治療組成物。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号517のアミノ酸配列、および/または配列番号517と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR1配列(VL)を含む、請求項11に記載の治療組成物。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号518のアミノ酸配列、および/または配列番号518と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VH)を含む、請求項11に記載の治療組成物。
- 前記抗体または抗体断片が、配列番号519のアミノ酸配列、および/または配列番号519と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む配列を含む重鎖CDR2配列(VL)を含む、請求項11に記載の治療組成物。
- 前記抗体または断片が、配列番号841と少なくとも95.5%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされる重鎖可変領域を含む、請求項11に記載の治療組成物。
- 前記抗体または断片が、配列番号842と少なくとも95.5%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされる軽鎖可変領域を含む、請求項11に記載の治療組成物。
Description
発明の分野 本発明は、新規抗p95HER2抗体(モノクローナル抗体として、または他の形式、例えば二特異性もしくは多特異性形式で使用される)、およびヒトがん治療などのp95HER2を含むHER2に関連する障害の処置に使用するためのそのような抗体またはそのような抗体によって活性化された細胞を含む組成物に関する。 配列表の参照による組入れ 本出願は、XML形式で電子提出されており、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる配列表を含有する。前記XMLファイルは、2024年4月17日に作成され、名称はADAN-002-01WO.xmlであり、サイズは692KBである。 発明の背景 上皮成長因子受容体(EGFR)ファミリー(ErbBファミリーとしても公知である)は、4つのメンバー:EGFR/ErbB、HER2/ErbB2、HER3/ErbB3、およびHER4/ErbB4を含む受容体チロシンキナーゼ(RTK)のサブグループである。受容体のErbBファミリーは、他の機能の中でも、細胞の成長、分化、および遊走に至る事象に対する制御を調節する。EGFR、HER2、およびHER3は、正常細胞におけるがんの発生、ならびにがん細胞の継続した成長および/または転移による拡散に関連している。例えば、EGFRおよびHER2はいずれも、多くの上皮がんによって過剰発現され、多くの上皮がんにおける疾患の進行、予後不良、および不良な薬物応答、ならびに化学療法耐性に関連している;これらの分子の機能的アンタゴニストであるFDAが承認した治療薬は、EGFRおよびHER2駆動疾患の軽減において有意な成功を収めている。 ヒト上皮成長因子受容体2(HER2、同様に、ErbB2またはNeuとしても公知である;UniProtKB/Swiss-Prot No.P04626)は、1233アミノ酸を有し、EGFRと構造的に類似であり、4つのサブドメインI~IVからなる細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、膜近傍ドメイン、細胞内細胞質チロシンキナーゼ、および調節性C末端ドメインを有する(Yamamoto et al. (1986) Nature 319: 230-234)。 HER2は、公知のリガンドを有しないが、他のErbBファミリーメンバーとのヘテロ二量体複合体の形成を介して活性化され、それによってEGFRおよびHER3リガンドによって間接的に調節される。HER2は、3つの他のEGFR受容体のヘテロ二量体化パートナーであり、リガンド-受容体複合体の解離速度を遅らせることによって、他のEGFR受容体のそのリガンドに対する親和性を増強する。このように、例えば、HER2は、会合したEGFR鎖のシグナル伝達を増強し、延長する。HER2と、EGFRファミリーの別のリガンド結合受容体とのヘテロ二量体形成は、ある特定のシグナル伝達分子の足場として作用するC末端アミノ酸の交叉リン酸化を誘導する。 HER2-HER3複合体は、様々なヘテロ二量体の中でも最も活性であり、HER2はまた、活性なキナーゼを提供することによって、キナーゼ欠損HER3を補完する。一部の他のEGFRファミリーメンバーとは異なり、HER2は、内部移行に抵抗し、このようにライソゾーム分解を回避して細胞膜で留まる。 正常組織におけるHER2は、リガンド結合ErbB受容体を通して始まるシグナル伝達をモジュレートする。EGFRと同様に、HER2は、一般的に上皮細胞において発現され、上皮細胞において、正常な乳腺発生における成長、分化、アポトーシス、およびリモデリングの調節において非発がん性の役割を有する。 EGFRと同様に、細胞表面上の過剰なHER2は、複数の組織の上皮細胞の形質転換を引き起こす。HER2の過剰発現は、浸潤性乳管癌の20~30%を含む、ある範囲のヒト腫瘍に関連しており、乳がん患者における不良な生存の公知の予測因子である。 ある特定のがんでは、文献において集合的にp95HER2として公知である不均一な群の切断されたHER2断片が検出され得る。これらの断片の1つである、N末端がp185HER2の全長配列のメチオニン611位から生じるHER2のc末端断片(p95-CTF611-HER2)は、強制的な活性二量体をもたらす2つの単量体の分子間ジスルフィド結合をもたらす不対システイン残基により、アイソフォームが、構成的キナーゼである安定なホモ二量体を形成することができるために、高度に発がん性であることが発見されている。本明細書では以降、特に指定されていない限り、p95HER2という用語は、アイソフォームp95-CTF611-HER2を指す。その発がん性の性質を考慮すると、当然ながら、p95HER2は、HER2陽性乳がんのサブグループにおいて発現されている。 Yamamoto et al. (1986) Nature 319: 230-234 発明の詳細な説明 本発明は、p95HER2(すなわち、p95-CTF611-HER2)に結合する新規ペプチド(例えば、抗体および抗体断片)を対象とする。本発明はまた、乳がんなどの疾患または状態を処置するために、これらのペプチド/抗体もしくはその断片、ならびに/またはこれらの抗体もしくはその断片の1つもしくは複数を含むようにおよび/もしくはそれらによって活性化されるように改変された免疫細胞の1つまたは複数を含む組成物も含む。本発明の抗体は、ある特定の形態の卵巣がんおよび胃がんなどの、他のHER2過剰発現がんの処置においても同様に用途を見出し得る。 本明細書に開示される抗体は、特にp95HER2断片を発現する患者において、HER2過剰発現がんを改善するための現行の治療よりはるかに有効である処置の基礎となり得る。本明細書に開示される本発明のp95HER2抗体は、例えば、2つもしくはそれより多くのそのような抗体を提供すること、および/または化学療法などの他の処置と組み合わせて提供することを含み得る処置レジメンの一部として含まれてもよい。 本発明は、1つまたは複数のp95HER2エピトープおよび/または断片に結合する新規ペプチド(例えば、抗体および抗体断片)を対象とする。本発明はまた、がんなどの疾患または状態を処置するために、これらのペプチド/抗体もしくはその断片、ならびに/またはこれらの抗体もしくはその断片の1つもしくは複数を含むようにおよび/もしくはそれらによって活性化されるように改変された免疫細胞の1つまたは複数を含む組成物も含む。 本明細書に開示される抗体は、特異的な抗p95HER2が存在しないことから、抗HER2処置を示す現行の治療よりはるかに有効である処置を提供することができる。本明細書に開示される本発明の抗p95HER2抗体は、例えば、2つもしくはそれより多くのそのような抗体を提供すること、および/または化学療法、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)、もしくはチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)などの他の処置と組み合わせて提供することを含み得る処置レジメンの一部として含まれ得る。 定義 「抗体」、または「抗体分子」という用語は、血清の機能的構成要素を記載し、多くの場合、分子のコレクション(複数の抗体または免疫グロブリン)として、または1つの分子(抗体分子または免疫グロブリン分子)としてのいずれかを指す。抗体は、特異的抗原性決定基(抗原または抗原性エピトープ)に結合するか、または反応することが可能であり、次にこれにより免疫エフェクター機構の誘導をもたらし得る。抗体は、一般的に単特異性であると考えられるが、抗体の組成物は、モノクローナル(すなわち、同一の抗体分子からなる)であっても、ポリクローナル(すなわち、同じ抗原または別個の/異なる抗原上の同じまたは異なるエピトープと反応し得る複数の異なる抗体)であってもよい。抗体は、その対応する抗原に特異的に結合することを可能にする独自の構造を有し、天然の抗体は全て、2つの同一の軽鎖および2つの同一の重鎖の同じ全体的基本構造を有する。 本明細書で使用される場合、「抗体」または「複数の抗体」は、キメラおよび一本鎖抗体、抗体の結合性断片として、例えばFab、Fv断片、または一本鎖Fv(scFv)断片、および多量体形態、例えば二量体IgA分子または五価のIgMを含み得る。本発明の抗体は、ヒトまたは非ヒト起源の抗体であってもよく、例えばマウスまたは他の齧歯類由来抗体、または例えばマウス抗体に基づくキメラ、ヒト化、もしくは再形成された(reshaped)抗体であってもよい。 抗体の重鎖は、典型的に重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は通常、CH1、CH2、およびCH3と呼ばれる3つのドメインを含む。抗体軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、CLと呼ばれる単一のドメインを含む。VHおよびVL領域は、配列および/またはループ状構造が超可変性であり得る超可変性の領域(「超可変領域」)に細分される。これらの領域はまた、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれ、これらには、より保存されたフレームワーク領域(FR)と呼ばれる領域が介在する。各VHおよびVLは、典型的に3つのCDRおよび4つのFRを含み、アミノ末端からカルボキシ末端に以下の順:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4に配置される。可変領域におけるアミノ酸残基は、多くの場合、Kabat番号付けスキーム(Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md., USA)として公知の標準化された番号付け方法を使用して番号付けられる。 本出願の表で見出される抗体識別子、例えば、「70702_01C18A」は、特定の抗体を指す。 本明細書で使用される場合、抗体、または抗体に「由来する」もしくは「基づく」断片は、「由来される」抗体が、特定の文脈に応じて、以下:前記指定された抗体の重鎖CDR3配列;前記指定された抗体の重鎖CDR3配列および軽鎖CDR3配列;前記指定された抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列ならびに軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3配列;または前記指定された抗体の重鎖可変領域配列および軽鎖可変領域配列、または前記重鎖可変領域配列および/もしくは軽鎖可変領域配列のヒト化バリアント、またはそれぞれの重鎖および軽鎖可変領域配列と少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%の配列同一性、例えば少なくとも96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有する重鎖および/もしくは軽鎖可変領域配列の1つを含むことを意味する。 本明細書に記載される指定された抗体に由来するまたはそれに基づく抗体は、一般的に、前記指定された抗体と同じp95HER2エピトープに結合し、好ましくは前記指定された抗体と実質的に同じ活性を示す。 抗体と標的抗原との相互作用の特異性は、主に、重鎖および軽鎖の6つのCDRに位置するアミノ酸残基によって駆動される。CDR内のアミノ酸配列は、CDRの外側の配列より個々の抗体の間で可変である。CDR配列は、ほとんどの抗体-抗原相互作用を担うことから、天然に存在する特定の抗体の特性を模倣する抗体、または所定のアミノ酸配列を有する任意の特定の抗体を、異なる抗体からのフレームワーク配列にグラフトした特定の抗体からのCDR配列を発現する発現ベクターを構築することによって発現させることができる。これは、非ヒト抗体の「ヒト化」を可能にするが、それでもなお、当初の抗体の結合特異性および親和性を実質的に維持する