JP-2026514976-A - 15-リポキシゲナーゼを含む細胞外ベシクル
Abstract
本発明は、薬学的有効量の細胞外ベシクル(EV)を投与することを含む炎症性の状態又は疾患を処置する方法を提供し、上記EVは、15-リポキシゲナーゼ(15-LOX)及び/又は15-LOXをコードする核酸を含み、任意選択的に、加えて、12-リポキシゲナーゼ(12-LOX)及び5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)の1つ以上、並びに/又は12-LOX及び5-LOXの1つ以上をコードする1つ以上の核酸を含む。炎症性疾患又は状態を処置することへの使用のための細胞外ベシクル(EV)もまた提供され、上記EVは、15-リポキシゲナーゼ(15-LOX)及び/又は15-LOXをコードする核酸の1つ以上を含み、任意選択的に、加えて、12-リポキシゲナーゼ(12-LOX)及び5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)の1つ以上、並びに/又は15-LOX、12-LOX、及び5-LOXの1つ以上をコードする1つ以上の核酸を含む。15-リポキシゲナーゼ(15-LOX)及び/又は15-LOXをコードする核酸を含み、任意選択的に、加えて、12-リポキシゲナーゼ(12-LOX)、5リポキシゲナーゼ(5-LOX)の1つ以上、並びに/又は15-LOX、12-LOX、及び5-LOXの1つ以上をコードする1つ以上の核酸を含む単離された細胞外ベシクルも同様である。 【選択図】なし
Inventors
- デヴィット,アンドリュー
- ミリック,イヴァナ
Assignees
- アストン ユニヴァーシティー
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240424
- Priority Date
- 20230425
Claims (20)
- 薬学的有効量の細胞外ベシクル(EV)を投与することを含む炎症性の状態又は疾患を処置する方法であって、前記EVは、15-リポキシゲナーゼ(15-LOX)及び/又は15-LOXをコードする核酸を含み、任意選択的に、加えて、12-リポキシゲナーゼ(12-LOX)及び5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)の1つ以上、並びに/又は12-LOX及び5-LOXの1つ以上をコードする1つ以上の核酸を含む、方法。
- 炎症性疾患又は状態を処置するための使用のための細胞外ベシクル(EV)であって、前記EVは、15-リポキシゲナーゼ(15-LOX)及び/又は15-LOXをコードする核酸を含み、任意選択的に、加えて、12-リポキシゲナーゼ(12-LOX)及び5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)の1つ以上、並びに/又は12-LOX及び5-LOXの1つ以上をコードする1つ以上の核酸を含む、EV。
- 前記炎症性疾患が慢性炎症性疾患である、請求項1又は2に記載の方法又はEV。
- 前記炎症性疾患が慢性創傷、皮膚炎症性疾患、自己免疫疾患、腎炎、老化、肺疾患、肝疾患、及び認知症から選択される、請求項1~3のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記炎症性疾患が内部又は外部の創傷、糖尿病性創傷、及び全身性エリテマトーデス(SLE)から選択される、請求項4に記載の方法又はEV。
- 前記EVが、5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)も5-LOXをコードする核酸も含まない、請求項1~5のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記EVが、単離された天然に存在するEV又は天然に存在しないEVである、請求項1~6のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記EVが、アポトーシス細胞由来細胞外ベシクル(ACdEV)又は生細胞由来EV、最も典型的には間葉系幹細胞由来EVである、請求項7に記載の方法又はEV。
- 加えて、MΦマクロファージ、典型的には炎症惹起性のマクロファージを標的化することができる1つ以上のマーカーを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記EVが、好ましくはアネキシンA1、カルレクティキュリン、及びホスファチジルセリンから選択される、1つ以上のeat meマーカーを含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記EVが、好ましくはIgSFメンバー(最も典型的にはICAM-3)、CD44、インテグリンアルファ-1、及びインテグリンベータ-2から選択される、1つ以上の接着分子を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記EVが、1つ以上のロイコトリエン、最も典型的にはアラキドン酸5-リポキシゲナーゼ活性化蛋白質(AL5AP)もロイコトリエンA-4ヒドロラーゼ(LKHA4)も含まない、請求項1~11のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記EVが、少なくとも1nm、又は10~1000nm、より典型的には70~700nmのサイズ範囲を有する、請求項1~12のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記EVが、100~200nm、より典型的には90~130nmのモードサイズを有する、請求項1~13のいずれかに記載の方法又はEV。
- 前記EVが、対象へ投与されるか、又は対象へ静脈内、腹腔内、外用、鼻腔内、経口吸入、好ましくはネブライザ若しくは吸入器投与されることができる、請求項1~14のいずれかに記載の方法又はEV。
- 単離された細胞外ベシクル(EV)であって、前記EVが、15-リポキシゲナーゼ(15-LOX)及び/又は15-LOXをコードする核酸を含み、任意選択的に、加えて、12-リポキシゲナーゼ(12-LOX)、5リポキシゲナーゼ(5-LOX)の1つ以上、並びに/又は15-LOX、12-LOX、及び5-LOXの1つ以上をコードする1つ以上の核酸を含む、EV。
- 前記EVが、5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)も5-LOXをコードする核酸も含まない、請求項16に記載のEV。
- 前記EVが、単離された天然に存在するEV又は天然に存在しないEVである、請求項16又は17に記載のEV。
- 前記EVがアポトーシス細胞由来細胞外ベシクル(ACdEV)又は間葉系幹細胞EVである、請求項18に記載のEV。
- 薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項16~19に記載のEV。
Description
本発明は、リポキシゲナーゼ(LOX)、具体的には15-LOX、並びに任意選択的に12-LOX及び/又は5-LOXを含むか、或いはかかるLOXをコードする核酸配列を含む細胞外ベシクル(EV)と、炎症性の状態を処置するためのそれらの使用とに関する。EVは人工であり得るか、或いは例えば天然に存在する細胞、例えば生細胞、又はアポトーシス細胞、又は間葉系幹細胞に由来し得る。 本明細書において使用される略語:ACdEV-アポトーシス細胞由来細胞外ベシクル、COX-シクロオキシゲナーゼ、EV-細胞外ベシクル、LM-炎症の脂質メディエータ、LOX-リポキシゲナーゼ、MΦ-マクロファージ、LT-ロイコトリエン、LX-リポキシン、PD-プロテクチン、PG-プロスタグランジン、PS-ホスファチジルセリン、PUFA-多価不飽和脂肪酸、SPM-特殊化した収束促進性脂質メディエータ、RV-レゾルビン、VD3-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3。 アポトーシスとしてもまた公知のプログラム細胞死は、感染した、損傷した、又は単に不要の細胞が除去される生理プロセスである。長い間、それは、主にその独特な形態学的特徴ゆえに描写される「不活性な」プロセスと見なされていた1。今日では、アポトーシスは免疫応答の恒常性制御において中心的役割を果たすということが広く認識されている2。従って、アポトーシスを適切に実行し損なうことは、慢性炎症、自己免疫3、及び腫瘍発生4などの有意な結果のリスクとなる。 炎症は、細胞及び分子レベルの両方において複雑な且つ慎重に調整されたプロセスであり、それは、効率的にコントロールされない場合には慢性になり炎症性疾患に至る急性の負荷に対する防御免疫応答である。負傷した組織内における外因的又は内因的なケミカルメディエータの放出は、局所的な血管系の変化を通して炎症性応答を促進して、プロフェッショナル食細胞(すなわち好中球及びマクロファージ)の動員を可能にする。しかしながら、ひとたびそれらが免疫負荷に遭遇し排除すると、組織は炎症の収束期を通してその炎症前の状態に戻らなければならない。炎症が収束するためには、継続的な炎症性細胞動員は止められ、動員された好中球はアポトーシスを経過し、常在性のマクロファージ及び動員されたマクロファージによって貪食され、これらはリンパ系から組織を脱出する。従って、アポトーシスは、マクロファージと相互作用すること及び炎症の収束ステージを促進することによって組織の恒常性を再確立することにおいて中心的役割を有するが、完全な分子機序はまだ明らかにされていない5。 炎症組織への好中球及びマクロファージの移動を調整する分子シグナルは、炎症の脂質メディエータ(LM)として公知の生物活性な代謝物質を含む。それらはリン脂質異化の産物であり、動員された細胞によって局所的に放出されるが、それらのいくつかは微生物起源であり得る。収束プロセス全体は、細胞受容体及び酵素の協調的な作用の結果として分泌される、炎症の炎症惹起性脂質メディエータ及び収束促進性脂質メディエータの総体的なバランスによって駆動される6。炎症の急性期の間には、食細胞動員がロイコトリエン(LT)7及びプロスタグランジン(PG)8の局所的放出によって支持される。それらのレベルの増大は、炎症を駆動することを促進する。従って、両方の代謝物質クラスはそれらの炎症惹起性の特性で知られている。しかしながら、シクロオキシゲナーゼ(COX)経路から産生されるPGD2及びPGE2は、リポキシン(LX)、レゾルビン(RV)、及びプロテクチン(PD)などの小さいが非常に強力な特殊化した収束促進性脂質メディエータ(SPM)の合成を担う酵素リポキシゲナーゼ(LOX)の転写を誘導する能力を有する収束促進性分子「スイッチ」として作用し得る9。例えば、好中球及びマクロファージにおけるかかる「クラススイッチ」は、LTB4産生のためのアラキドン酸(AA)の使用(5-LOXを介する)から、15-LOXを介するLXA4の合成への切り替えを伴う15-LOXの上方制御を要求するであろう。これは、さらなる好中球取り込みを積極的に促進し、非炎症性の単球動員を刺激し、アポトーシス好中球のマクロファージ取り込みを支持し、リンパ系からのそれらの脱出を促進するであろう。従って、好中球アポトーシス及び自然免疫系とのそのコミュニケーションは、首尾良い結末-収束へと炎症を導くための下地を作るかなめのイベントに相当する10。 瀕死の細胞と免疫系との間の複雑な細胞間コミュニケーションの性質はまだはっきりしていない。脂質メディエータ以外に、瀕死の細胞は、いわゆる可溶性「find-me」シグナル(ATP及びUTP、フラクタルカイン、リソホスファチジルコリン、スフィンゴシン1-リン酸)を放出することによって食細胞動員を駆動し、それらの表面上に「eat-me」タグを呈して食細胞取り込みを促進する11。近年、細胞外ベシクルが細胞のコミュニケーションの新規メディエータとして浮上した12。ホスト「レシピエント」細胞とのそれらの相互作用の性質を考えると、細胞外ベシクルは免疫細胞上の表面受容体のトリガーとなり得るのみならず、それらの無数の構成要素、並びに蛋白質、脂質、低分子、及び遺伝物質というカーゴをもまた送達し、それによって免疫応答を誘導し得る13。生細胞からの細胞外ベシクルはより詳細に研究されているが、アポトーシス細胞由来細胞外ベシクル(ACdEV)及びそれらの免疫調節特性は比較的少ない注目しか集めていない14。今までに、異なる研究グループがACdEVの化学誘引特性を示している15,16,17。ACdEVの表面上のフラクタルカイン(CX3CL1)16,18及びICAM-317は、マクロファージ遊走及び免疫細胞とのACdEV結合を担う「find-me」シグナルとして同定されており、ACdEV表面上のグリコシル化されたリガンドは「eat-me」シグナルとして作用した19。様々な他のACdEV関連分子が免疫調節特性を有し得るという可能性は高い。 アポトーシスの間のT細胞に由来するEVのキャラクタリゼーション。初代ヒトT細胞が、シクロヘキシミドの存在下において抗Fasによってアポトーシスへ誘導された。AcdEVが単離され、サイズ、濃度、PS暴露、及び蛋白質組成について分析された。アポトーシスT細胞上清からサイズ排除クロマトグラフィーによって単離されたEVのサイズ及び濃度のTRPS測定。インセット:TSG-101のウエスタンブロットは、単離されたEVの一部がエクソソーム起源であるということを示している。示されているデータは同様の実験の代表である。アポトーシスの間のT細胞に由来するEVのキャラクタリゼーション。初代ヒトT細胞が、シクロヘキシミドの存在下において抗Fasによってアポトーシスへ誘導された。AcdEVが単離され、サイズ、濃度、PS暴露、及び蛋白質組成について分析された。チオール反応性色素Bodipyによって染色された集められたEVの代表的なフローサイトメトリーヒストグラムは、測定された粒子のおよそ89%が染色陽性であり、ベシクル起源であったということを示している。染色されないAcdEVが負の対照として使用された。示されているデータは同様の実験の代表である。アポトーシスの間のT細胞に由来するEVのキャラクタリゼーション。初代ヒトT細胞が、シクロヘキシミドの存在下において抗Fasによってアポトーシスへ誘導された。AcdEVが単離され、サイズ、濃度、PS暴露、及び蛋白質組成について分析された。アネキシンV(AnxV)によって染色されたEVの代表的なフローサイトメトリーヒストグラムは、EVの69%が暴露されたPSを有するということを示している。AnxVによるPS認識を消失させるためのCa2+のEDTA枯渇が負の対照として使用された。示されているデータは同様の実験の代表である。アポトーシスの間のT細胞に由来するEVのキャラクタリゼーション。初代ヒトT細胞が、シクロヘキシミドの存在下において抗Fasによってアポトーシスへ誘導された。AcdEVが単離され、サイズ、濃度、PS暴露、及び蛋白質組成について分析された。AcdEV、全Vesiclepedia、及び全てのT細胞由来EVの間のプロテオームオーバーラップをビジュアル化するベン図。示されているデータは同様の実験の代表である。アポトーシスの間のT細胞に由来するEVのキャラクタリゼーション。初代ヒトT細胞が、シクロヘキシミドの存在下において抗Fasによってアポトーシスへ誘導された。AcdEVが単離され、サイズ、濃度、PS暴露、及び蛋白質組成について分析された。アポトーシスT細胞と比較してACdEV(右側)における蛋白質の有意な濃縮を示す火山プロット。示されているデータは同様の実験の代表である。アポトーシスの間のT細胞に由来するEVのキャラクタリゼーション。初代ヒトT細胞が、シクロヘキシミドの存在下において抗Fasによってアポトーシスへ誘導された。AcdEVが単離され、サイズ、濃度、PS暴露、及び蛋白質組成について分析された。T細胞と比較してACdEVにおいて2倍超高いことが見出された生物学的プロセス(緑色)、細胞構成要素(紫色)、及び蛋白質の分子機能(橙色)の遺伝子オントロジー濃縮(単純化されたグラフ)。示されているデータは同様の実験の代表である。アポトーシスの間のT細胞に由来するEVのキャラクタリゼーション。初代ヒトT細胞が、シクロヘキシミドの存在下において抗Fasによってアポトーシスへ誘導された。AcdEVが単離され、サイズ、濃度、PS暴露、及び蛋白質組成について分析された。この研究においてACdEVに濃縮された主要な蛋白質クラスを有するACdEVの模式図。示されているデータは同様の実験の代表である。アポトーシス初代ヒトT細胞に由来するEVの脂質メタボロームプロファイリング。二重作用性SPM(緑色)及び炎症惹起性LM(赤色)は、LOX及びCOX経路によってアラキドン(AA)、エイコサペンタエン(EPA)、及びドコサヘキサエン(DHA)酸から内因的に産生される。アポトーシス初代ヒトT細胞に由来するEVの脂質メタボロームプロファイリング。ターゲットLC-MS/MS(MRM)分析は、EVが以下をロードされているということを明らかにしている:PUFA(AA、EPA、及びDHA)、n=4。全ての結果は平均±SEMとして表されている。統計:t検定、両側、対なし。アポトーシス初代ヒトT細胞に由来するEVの脂質メタボロームプロファイリング。ターゲットLC-MS/MS(MRM)分析は、EVが以下をロードされているということを明らかにしている:主要なLOX代謝物質としての、LOXによって酸化されたPUFA、n=5。全ての結果は平均±SEMとして表されている。統計:t検定、両側、対なし。アポトーシス初代ヒトT細胞に由来するEVの脂質メタボロームプロファイリング。ターゲットLC-MS/MS(MRM)分析は、EVが以下をロードされているということを明らかにしている:炎症惹起性の代謝物質としての、LOXによって酸化されたPUFA、n=5。全ての結果は平均±SEMとして表されている。統計:t検定、両側、対なし。アポトーシス初代ヒトT細胞に由来するEVの脂質メタボロームプロファイリング。ターゲットLC-MS/MS(MRM)分析は、EVが以下をロードされているということを明らかにしている:炎症の小さい収束促進性脂質メディエータ、SIとしての、LOXによって酸化されたPUFA、n=5。全ての結果は平均±SEMとして表されている。統計:t検定、両側、対なし。アポトーシス初代ヒトT細胞に由来するEVの脂質メタボロームプロファイリング。ACdEVは、炎症惹起性の代謝物質と比較して高いレベルのAA由来及び全SPMの両方を運搬する。全ての結果は平均±SEMとし