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JP-2026514981-A - 自己幹細胞メモリーT細胞由来のT細胞免疫療法

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Abstract

本発明は幹細胞メモリーT細胞(Tscm)の使用に基づく新規及び特異的なT細胞治療方法に関する。この新規の細胞免疫療法は、PML患者だけでなく、特定のメモリーT細胞応答が機能的に損なわれている他の感染症又は癌にも適用され得る。

Inventors

  • ヤシーヌ・タウフィク
  • マリ-ギレンヌ・マドレーヌ・ド・ゴアー・ド・エルヴェ

Assignees

  • ユニヴェルシテ パリ-サクレー
  • アシスタンス ピュブリック-オピト ドゥ パリ
  • アンスティチュート、ナシオナル、ドゥ、ラ、サンテ、エ、ドゥ、ラ、ルシェルシュ、メディカル
  • アンスティテュ・ギュスターヴ・ルシー

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20240426
Priority Date
20230426

Claims (20)

  1. a)癌又は病原体によって引き起こされる疾患を患う対象に由来する細胞試料から、CD4+又はCD8+、CD45RA+、並びにCCR7+及び/又はCD62L+を含む細胞表面表現型を有するT細胞集団を選別する工程であって、前記集団がCD95+及びCD95-細胞を含む工程と、 b)少なくとも一つの目的抗原又は少なくとも一つの目的抗原に由来する少なくとも一つのペプチドを搭載した抗原提示細胞の存在下で、並びに任意選択的に、IL-7及びIL-15又は他の刺激性サイトカインの存在下で、前記T細胞集団を培養する工程と、任意選択的に、 c)工程b)で得られた細胞、特にCD8+及び/又はCD4+細胞、好ましくはCD8+及びCD4+細胞を回収する工程と、 を含む、抗原特異T細胞を含む細胞集団を得るための、in vitroでの方法。
  2. 工程a)で選別されたT細胞集団が、前記集団の全細胞数の、少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%のナイーブT細胞を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)で選別されたT細胞集団において、(i)CD4+又はCD8+、(ii)CD45RA+、(iii)CCR7+及び/又はCD62L+、並びに(iv)CD95+を含む細胞表面表現型を有するT細胞が、前記集団の全細胞の、4%~70%、好ましくは20%~70%であり、(i)CD4+又はCD8+、(ii)CD45RA+、(iii)CCR7+及び/又はCD62L+、並びに(iv)CD95-を含む細胞表面表現型を有するT細胞が、前記集団の全細胞の、30%~96%、好ましくは30%~80%である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程a)で選別されたT細胞集団が、PD1-、TIGIT-、LAG3-、TIM3-、CTLA4-及び/又はCD160-、好ましくはPD1-、TIGIT-、LAG3-、TIM3-及び/又はCTLA4-、より好ましくはPD1-、TIGIT-、LAG3-及び/又はTIM3-、をさらに含む細胞表面表現型を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程a)で選別されたT細胞集団が、PD1-及びTIGIT-をさらに含む細胞表面表現型を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 抗原提示細胞が、樹状細胞、単球、単球由来樹状細胞、末梢血単核細胞(PBMC)、エプスタイン・バールウイルスが形質転換したBリンパ芽球性細胞株細胞(EBV-BLCL細胞)、又は人工抗原提示細胞(AAPC)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 抗原提示細胞が、樹状細胞、単球、末梢血単核細胞(PBMC)、エプスタイン・バールウイルスが形質転換したBリンパ芽球性細胞株細胞(EBV-BLCL細胞)、又は人工抗原提示細胞(AAPC)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 抗原提示細胞が対象にとって自己由来である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記少なくとも一つの目的抗原が病原体抗原、好ましくはウイルス、細菌、若しくは真菌の抗原又は腫瘍特異抗原(TSA)若しくは腫瘍関連抗原(TAA)のような腫瘍細胞によって発現する抗原である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 対象が進行性多巣性白質脳症、メルケル細胞癌又はBKウイルス関連腎症を患っていて、前記少なくとも一つの目的抗原が、ポリオーマウイルスJC、ポリオーマウイルスMPCyV及びポリオーマウイルスBKからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 対象が進行性多巣性白質脳症を患っていて、前記少なくとも一つの目的抗原がポリオーマウイルスJCの抗原である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 対象が癌を患っていて、好ましくは前記少なくとも一つの目的抗原が腫瘍特異抗原(TSA)又は腫瘍関連抗原(TAA)のような腫瘍細胞によって発現する抗原である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 細胞試料が、骨髄細胞試料、血液細胞試料、分画若しくは未分画の全血試料、分画若しくは未分画のアフェレーシス回収物、腫瘍浸潤リンパ球、PBMC、又は血液試料若しくはPBMCからのT細胞が豊富に含まれる集団である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の方法によって得られる又は得ることのできる、抗原特異CD8+ T細胞、及び任意選択的に抗原特異CD4+ T細胞を含む単離された細胞集団。
  15. 細胞治療薬としての、請求項14に記載の単離された細胞集団。
  16. 癌又は病原体によって引き起こされる疾患の治療に使用するための、請求項14に記載の単離された細胞集団。
  17. 進行性多巣性白質脳症、メルケル細胞癌又はBKウイルス関連腎症の治療に使用するための、請求項16に記載の単離された細胞集団。
  18. 進行性多巣性白質脳症の治療に使用するための、請求項16に記載の単離された細胞集団。
  19. 前記集団が、治療される対象にとって自己由来である、請求項16~18のいずれか一項に記載の単離された細胞集団。
  20. 請求項14に記載の単離された細胞集団の治療有効量を、前記対象に投与することを含む、癌又は病原体によって引き起こされる疾患を患う対象を治療するための方法。

Description

本発明は医学の分野、特に癌又は病原体によって引き起こされる疾患、好ましくは進行性多巣性白質脳症のようなヒトポリオーマウイルスによって引き起こされる疾患の、T細胞免疫療法を用いた治療に関する。 進行性多巣性白質脳症(PML)は、中枢神経系でのポリオーマウイルスJC(JCV)の複製に関連する、予後不良の脱髄性日和見疾患である。PMLは、主にAIDS患者若しくは悪性血液疾患の患者における長期及び重度の細胞性免疫抑制の間に、又は新しい強力な免疫抑制バイオ療法を含む免疫抑制療法後に、もっぱら観察される。この深刻な疾患は高い死亡率及び生存者における重大な神経学的後遺症と関連する。 PMLは、最適な機能のためには機能的なメモリーCD4 T細胞が必要な、細胞毒性メモリーCD8 Tリンパ球による、ウイルス複製の脳内免疫制御の障害に関する。抗JCウイルスCD8 T細胞応答の障害は、アネルギー(anergy)及びPD1、LAG3、TIGIT、TIM3、CTLA4、CD160のような阻害受容体の過剰発現による機能的疲弊を含む、いくつかのメカニズムを含む。 PMLに対する特異的抗ウイルス治療はない。いくらかの効力を示す唯一の治療法は、例えば、HIV感染患者に効果的な抗レトロウイルス治療を開始すること又は免疫抑制剤治療を止めることによって、可能である場合、抗JCV T細胞応答の機能回復である。しかし、そのような免疫回復は長期間を必要とし得、その間にJCVは複製を続け、神経病変が拡大し、生存及び神経学的予後を損なう。 国際公開第2023/073062号は幹細胞メモリーT細胞(Tscm(memory stem T-cells))の使用に基づく新規及び特異的なT細胞治療方法を説明する。この方法は、PML患者のような重度及び長期の免疫抑制の患者では、この希少メモリーT細胞サブセットが増殖及び分化の点で高い機能性を維持し、ウイルス又は腫瘍抗原に対する効果的な特異的細胞毒性エフェクターをex vivoで生成し得るという重要な観察に基づき、一方で、エフェクターメモリー(Tem)、セントラルメモリー(Tcm)又はエフェクター(Teff)のようなより分化したメモリーT細胞サブセットはウイルス又は腫瘍抗原に対する機能性が乏しい。この新規の細胞免疫療法はPML患者だけでなく、特定のメモリーT細胞応答が機能的に損なわれている他の感染症又は癌にも適用され得る。 このプロトコルの第一工程は、患者の細胞試料から、(i)CD4+又はCD8+、(ii)CD45RA+、(iii)CCR7+及び/又はCD62L+、並びに(iv)CD95+を含む細胞表面の表現型を有するTscm細胞集団を選別することに基づく。しかし、臨床段階におけるこの細胞治療の実現可能性は、この選別のための少なくとも5つのGMP臨床グレードの抗体の使用によって妨げられる。 国際公開第2023/073062号 阻害受容体(PD1、TIGIT、LAG3、TIM3)の任意の組み合わせの、Tscm、Tcm、Tem CD4又はCD8 T細胞上の発現。各行は1人の患者を示す。阻害受容体は主にPD1及び/又はTIGITを含む。円グラフの黒い部分はPD1及び/又はTIGITに対して単独又は他の阻害受容体と組み合わせて陽性である細胞を表す。灰色の部分はPD1及び/又はTIGITよりも他の阻害受容体に対して陽性である細胞を表す。白い部分は阻害受容体に対して陰性である細胞を表す。各行は1人の患者を示す。本発明による、Tscm細胞及びナイーブT細胞を含むT細胞集団の単離のためのゲーティングストラテジー。同じゲーティングストラテジーがCD4及びCD8 T細胞にも適用された。選別された様々なT細胞サブセットの増殖能力。左:総Tscm(プールしたCD4+及びCD8 Tscm) 対 より分化したCD45RO+メモリー細胞(プールしたCD4及びCD8 Tcm及びTem)。右:PD1、TIGIT、TIM3、及びLAG3陰性のTscm 対 PD1及び/又はTIGIT及び/又はTIM3及び/又はLAG3陽性のTscm。増殖率は以下のように計算された:[14日目の培養細胞数]/[0日目の細胞数]。統計的有意差:*p<0.05、wilcoxon test。異なる選別T細胞サブセットから14日間培養した後に得られた細胞の特異的細胞毒性活性。統計的有意差:*p<0.05、wilcoxon test。細胞毒性活性は、JCVペプチドをロードした自己細胞(CD4及びCD3欠損PBMC)による再刺激後のグランザイムb及びパーフォリンの発現によって評価した。14日間のin vitroでの培養後のPD1- TIGIT- Tscm CD8 T細胞の分化。CD4及びCD8 T細胞中の選別されたT細胞サブセット(CD45RA+ CD62L+)中のナイーブT細胞(CD95-)の割合。データは23人の異なる患者から得られた。PBMCsはCD3、CD4、CD8、CD45RA、CD62L及びCD95抗体で染色された。(A)Tscm(CD45RA+ CD62L+ CD95+)の割合が総CD4+及びCD8+ CD3+細胞(上)及びCD45RA+ CD62L+ CD3+ CD4+(又はCD8+)細胞(下)で測定された。データは25人のPML患者からである。箱及びヒゲは中央値、10及び90パーセンタイルを示す。+は平均値を示す。(B)この図は総CD4+及びCD8+ CD3+細胞(上)の割合、並びにCD4+及びCD8+ CD45RA+ CD62L+ CD3+細胞中のTscm及びナイーブT細胞(Tn)の割合(下)を示す。PBMCsはCD3、CD4、CD8、CD45RA、CD62L、CD95、PD1及びTIGIT抗体で染色された。阻害受容体PD1及びTIGITが陰性の細胞の割合は(A)CD45RA+ CD62L+細胞(CD3+ CD4+/ CD8+ CD45RA+ CD62L+)及び(B)Tscm細胞(CD3+ CD4+/ CD8+ CD45RA+ CD62L+ CD95+)内で分析された。データは10人の患者からである。箱及びヒゲは中央値、10及び90パーセンタイルを示す。+は平均値を示す。 国際公開第2023/073062号で、発明者らは、PML患者での抗JCV T細胞の機能的阻害を回避するために、新規の自己由来及び特異的なT細胞治療方法を開発した。この方法は幹細胞メモリーT細胞(Tscm)の使用に基づく。実際に、発明者らは、PML患者のような重度及び長期の免疫抑制の患者では、この希少メモリーT細胞サブセットが増殖及び分化の点で高い機能性を維持し、ウイルス又は腫瘍抗原に対する効果的な特異的細胞毒性エフェクターをex vivoで生成し得ることを観察した。発明者らはHIV感染、悪性血液疾患及び免疫抑制バイオ療法を伴う治療を含む様々な免疫学的背景のPML患者において、Tscm細胞がより分化したメモリー細胞よりも少ない量の阻害受容体を発現することも実証した。発明者らはさらに、PD1及びTIGITの排除に基づく選別が、阻害受容体を発現するTscmの大部分を枯渇させることを可能にすることを実証した。発明者らは、これらPD1- TIGIT- Tscm細胞が、PD1+及び/又はTIGIT+ Tscm並びにより分化したメモリー細胞と比べて、優れた増殖能力及び優れた細胞毒性能力を示すことも示した。これらの細胞は、in vitroでエフェクター細胞を含むより分化したメモリー細胞に、効率的に分化するが、大部分は投与後もin vivoでさらなる分化のサイクル及びそれゆえに長期の治療効果を可能にするTscm表現型を保持する。in vivoの活性化、分化及び増殖の後、これらの細胞はこうして、抗原特異的T細胞を含み、PML患者のJCVに対して効果的及び持続的な免疫応答を生成することができる、細胞集団を提供することができる。この新規の細胞治療に基づく個別化医療は、特定の抗ウイルス若しくは抗腫瘍メモリーT細胞応答が機能的に損なわれている他の慢性ウイルス性感染症又は癌にも適用され得る。 本明細書で、この度、発明者らは、大規模な臨床規模での実行可能性を向上させる、当該方法の代替案を提供する。この代替案はTscmのみを含む集団の代わりにTscm及びナイーブT細胞を含む集団の使用に基づき、それによって前記方法の最初の集団を選択するプロトコルを簡略化する。実際に、発明者らは、ナイーブT細胞の活性化はin vivoでの樹状細胞によるプライミングを必要とするので、自己由来PBMCsでコートされたJCVペプチドと{CD45RA+ CCR7+及び/又はCD62L+}選別細胞(Tscm及びナイーブT細胞)を培養すると、メモリー細胞、即ち幹細胞メモリーT細胞のみが活性化されることを観察した。このように、自家単球の存在下でのJCVペプチドとのin vitroでの活性化はナイーブT細胞を活性化しない。対照的に、選別されたゲート{CD45RA+ CCR7+及び/又はCD62L+}内のメモリーT細胞、即ちTscm細胞は活性化される。したがって、{CD45RA+ CCR7+及び/又はCD62L+}ゲートに基づいて選別された細胞の活性化はTscm細胞の選択的増幅及び分化、それによる前記方法で用いられるT細胞集団の選択のためのプロトコルの簡略化を導く。 第一の様態で、本発明は、 a)対象の細胞試料から、Tscm細胞及びナイーブT細胞の集団、即ち(i)CD4+又はCD8+、(ii)CD45RA+、並びに(iii)CCR7+及び/又はCD62L+を含む細胞表面の表現型を有するT細胞の集団を選別する工程と、 b)少なくとも一つの目的抗原又は前記少なくとも一つの目的抗原に由来する一つ以上のペプチドを搭載した抗原提示細胞の存在下で、並びに、任意選択的に、IL-7及びIL-15又は他の刺激性サイトカイニンの存在下で、前記T細胞集団を培養する工程と、任意選択的に c)工程b)で得られた細胞、特にCD8+及び/又はCD4+細胞、好ましくはCD8+及びCD4+細胞を回収する工程と、 を含む、抗原特異的T細胞を含む細胞集団を得るためのin vitroの方法に関する。 本発明の方法はCD95マーカーに基づく選別工程を含まない。工程a)で選別されたT細胞集団はしたがって、ナイーブT細胞(CD95-)及びTscm細胞(CD95+)の両方を含む。ナイーブT細胞は(i)CD4+又はCD8+、(ii)CD45RA+、(iii)CCR7+及び/又はCD62L+並びに(iv)CD95-を含む細胞表面の表現型を有する。Tscm細胞は(i)CD4+又はCD8+、(ii)CD45RA+、(iii)CCR7+及び/又はCD62L+並びに(iv)CD95+を含む細胞表面の表現型を有する。好ましくは、工程a)で選別されたT細胞集団は前記集団の全細胞数に対して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%のナイーブT細胞を含む。 工程a)において、T細胞集団はPD1-、TIGIT-、LAG3-、TIM3-、CTLA4-及び/又はCD60-、より好ましくはPD1-、TIGIT-、LAG3-及び/又はTIM3-をさらに含む細胞表面の表現型を有し得る。 特に、前記方法は、 a)対象の細胞試料から、(i)CD4+又はCD8+、(ii)CD45RA+、(iii)CCR7+及び/又はCD62L+、(iv)PD1-並びに(v)TIGIT-を含む細胞表面の表現型を有するT細胞集団を選別する工程と、 b)少なくとも一つの目的抗原又は前記少なくとも一つの目的抗原に由来する一つ以上のペプチドを搭載した抗原提示細胞の存在下で、並びに、任意選択的に、IL-7及びIL-15又は他の刺激性サイトカイニンの存在下で、前記T細胞集団を培養する工程と、任意選択的に c)工程b)で得られた細胞、特にCD8+