JP-2026514982-A - 新規クロフォクトール製剤
Abstract
本発明は、CFT(クロフォクトール)の新しいガレヌス製剤に関し、これは、CFTの溶解性及び本薬物に関連する毒性の問題を回避しながら、肺感染症(COVID-19、インフルエンザ)、がん、及び炎症を処置することを目的として、本抗生物質をエアロゾル形態で投与し、これにより患部組織を標的にすることを可能にする。この新しい製剤は、これらの問題を解決することを可能にし、エアロゾル又はスプレーの形態で投与されることが意図される、水性相中、懸濁状態のポリマーナノ粒子(ナノ粒子)の開発に関し、前記ナノ粒子はPLGA及びPLGA-PEGポリマーを含み、これによりCFTの有効な封入及び肺レベルでのCFTの制御放出を得ることが可能となる。
Inventors
- アルノー・マシュラール
- ルクサンドラ・グレフ
- トム・ブルギニョン
- フランソワ・トロタン
- プリシーユ・ブロディン
Assignees
- アンスティチュート、ナシオナル、ドゥ、ラ、サンテ、エ、ドゥ、ラ、ルシェルシュ、メディカル
- ユニベルシテ・ドゥ・リール
- アンスティテュ・パステュール・ドゥ・リル
- サントル・オスピタリエ・ウニヴェルシテール・ドゥ・リール
- サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240424
- Priority Date
- 20230425
Claims (15)
- ポリ乳酸-co-グリコール酸コポリマー(PLGA)及びペグ化PLGA(PLGA-PEG)を含む、封入されたクロフォクトール(CFT)を含むポリマーナノ粒子。
- PLGAとPLGA-PEGの質量比が、100:0(w/w)~50:50(w/w)、特に80:20(w/w)~20:80(w/w)、80:20(w/w)~50:50(w/w)、75:25(w/w)~25:75(w/w)、特に75:25(w/w)又は50:50(w/w)である、請求項1に記載の封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子。
- ナノ粒子中へのCFT負荷充填が、10~30wt%、特に15~20wt%である、請求項1又は2に記載の封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子。
- ナノ粒子の平均流体力学的直径が、100~500nmの間、特に100~350nmの間、更に特に140~280nmの間に含まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載のポリマーナノ粒子の懸濁液、及び追加の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
- 前記封入されたCFT又は前記医薬組成物が、スプレー、エアロゾル、又は乾燥粉末の形態である、請求項1から4のいずれか一項に記載の封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は請求項5に記載の医薬組成物。
- 医薬としての使用のための、請求項1から4のいずれか一項に記載の封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は請求項5に記載の医薬組成物。
- 肺の炎症、肺の感染症又はがんの処置における使用のための、請求項1から4のいずれか一項に記載の封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は請求項5に記載の医薬組成物。
- 肺の炎症が、コロナウイルスによって引き起こされる疾患である、請求項8に記載の使用のための封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は医薬組成物。
- コロナウイルスが、SARS-CoV、MERS-CoV、又はSARS-CoV2である、請求項9に記載の使用のための封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は医薬組成物。
- コロナウイルスが、SARS-CoV2であり、対応する疾患が、COVID-19である、請求項9又は10に記載の使用のための封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は医薬組成物。
- 経口吸入及び経鼻吸入等の吸入経路によって投与される、請求項7から11のいずれか一項に記載の使用のための封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は医薬組成物。
- 封入されたCFT又は医薬組成物が、静脈内経路によって投与される、請求項7から11のいずれか一項に記載の使用のための封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は医薬組成物。
- 5~100mg/kgの間に含まれる用量で投与される、請求項7から12のいずれか一項に記載の使用のための封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子又は医薬組成物。
- PLGA及びPLGA-PEGを含む、封入されたクロフォクトール(CFT)を含むポリマーナノ粒子の製造方法であって、以下の工程を含む製造方法: - 約0.5%w/vの界面活性剤の水溶液を調製する工程、 - 溶媒中、PLGA/PLGA-PEG:CFTの比が約6:1w/wで、PLGA、PLGA-PEG、及びCFTを可溶化する工程及びそれを前記界面活性剤水溶液に加える工程、 - 得られた混合物を超音波処理する工程、 - 前記溶媒を蒸発させる工程。
Description
本発明は、ポリマーナノ粒子、特にPLGA/PLGA-PEGナノ粒子に封入されたクロフォクトールの製剤、並びに感染症、がん、炎症、特にSARS-CoV-2(Covid19)によって引き起こされる感染症及び炎症等の肺疾患の処置のためのそのようなナノ粒子の使用に関する。 クロフォクトール(CFT)(2-(2,4-ジクロロベンジル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、CAS番号37693-01-9)は、グラム陽性細菌によって引き起こされる感染症の処置のために適応される静菌性抗生物質である。クロフォクトールは最初に仏国特許出願FR2101076に記載された。具体的には、坐剤として使用されるCFT(Octofen(登録商標))が、細菌性呼吸器感染症を処置するのに有効であることが示されている(Scaglioneら、2012)。 2020年に、特許EP3922312A1は、CFTがCOVID-19を処置するという興味深い内容について記載した。実際、CFTは、細胞培養と動物モデルの両方において、SARS-CoV-2複製を強力に低減する(Belouzardら、2022)。国際出願WO2022238263では、重度の炎症を再現する2つのモデルにおいて、CFTが炎症を軽減することが記載されており、1つはSARS-CoV-2ウイルスによって誘発されるモデルであり、もう1つはLPSによって誘発されるモデルである。このデータは、CFTが炎症全般の処置に適している可能性があることを示唆した。 更に、研究により、CFTが抗腫瘍作用を有することが実証されている(総説について、Bailly及びVergoten,2021)。CFTはまた、小胞体ストレス応答経路を活性化することが記載されており、前立腺がんの処置の有力な薬物候補となっている(Wangら、2014)。CFTはまた、KLF13を活性化することによって、神経膠腫幹細胞増殖を抑制することが示されている(Huら、2019)。 要するに、CFTは、感染症、炎症、及びがんを処置する大きな可能性のある活性分子であり、再配置の価値がある。例えば、CFTは、肺感染症(COVID-19、インフルエンザ・・・)と闘うために使用されうる。がん又は他の疾患と闘うこともまた興味深い。 残念なことに、CFTのインビボ投与は、様々な課題に直面する。 ・インビボ投与を可能にするために潜在的な毒性作用を有する添加剤又は溶媒の使用を必要とする、水性媒体への不溶性(水中約36μg/L)。 ・毒性(Belouzardら、2022);マウスにおけるCFTの腹腔内投与は、高い毒性を示した。 ・低い肺生物学的利用能(pulmonary biodisponibility);経口又は静脈内投与後の、ハムスターの肺におけるCFTの低曝露。 肺疾患を処置するために、CFTの経鼻又は経肺投与が、体の残りを避けながら対象となる臓器(肺)を標的にするのを可能にするであろう。これはまた、投与される用量の低減を可能にし、したがって、CFTに関連する潜在的な有害作用の低減を可能にするであろう。 したがって、解決されるべき問題は、その溶解性を改善し、呼吸器においてスプレーによる投与を可能にするCFTの新しい製剤を開発することである。 この製剤は、遊離CFTと比較して長期曝露をもたらすために、制御放出も可能にするべきである。この製剤は、生体媒体(生体分子及び肺マクロファージ等の細胞)との相互作用を制御するために、有利には修飾された表面(ポリエチレングリコール(PEG)コーティング等)を有するであろう。 この製剤は、スプレーとして、又は凍結乾燥後、乾燥粉末の形態で投与されうる。或いは、そのような製剤は、処置される疾患に応じて、静脈内経路又は他の経路によって投与されうる。 仏国特許出願FR2101076特許EP3922312A1国際出願WO2022238263WO 2023/201712A1EP3459537 第1の態様において、本開示は、ポリマーナノ粒子に封入されたクロフォクトール(CFT)に関する。したがって、本開示は、封入されたクロフォクトール(CFT)を含むポリマーナノ粒子に関する。 本明細書では、クロフォクトール(CFT)という用語は、2-(2,4-ジクロロベンジル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、CAS番号37693-01-9を指す。 本明細書では、「ナノ粒子」という用語は、1000nm未満の平均流体力学的直径を有するあらゆる粒子を指す。本開示のCFT封入ナノ粒子は、1種、2種、3種、又はそれよりも多くの生体適合性及び/又は生物分解性ポリマーを含み、本明細書ではポリマーナノ粒子と呼ばれる。 特定の実施形態において、封入されたCFTの前記ナノ粒子は、ナノ粒子(クロフォクトールを含む)の質量に対して、少なくとも50wt%のポリマー、好ましくはPLGA及びPLGA-PEGを含む。特に、封入されたCFTの前記ナノ粒子は、ナノ粒子(CFTを含む)の質量に対して、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%、少なくとも85wt%、少なくとも90wt%、好ましくは少なくとも50wt%~90wt%のポリマーを含む。特に、封入されたCFTの前記ナノ粒子は、ポリマーPLGA及びPLGA-PEGを本質的に含む。 いくつかの実施形態において、ポリマーは、乳酸及びグリコール酸単位を含むコポリマー、例えば、本明細書ではまとめて「PLGA」と呼ばれる、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)及びポリ(ラクチド-co-グリコリド);並びに本明細書では「PGA」と呼ばれる、グリコール酸単位を含むホモポリマー、並びに本明細書ではまとめて「PLA」と呼ばれる、乳酸単位を含むホモポリマー、例えばポリ-L-乳酸(「PLLA」)、ポリ-D-乳酸(「PDLA」)、ポリ-D,L-乳酸、ポリ-L-ラクチド、ポリ-D-ラクチド、及びポリ-D,L-ラクチドを含むポリエステルであってもよい。いくつかの実施形態において、例示的なポリマーは、例えば、ポリヒドロキシ酸;ラクチド及びグリコリドのペグ化ポリマー及びコポリマー(例えば、ペグ化PLA、ペグ化PGA、ペグ化PLGA)、並びにそれらの誘導体を含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、例えば、ポリ酸無水物、ポリ(オルトエステル)、ペグ化ポリ(オルトエステル)、ポリ(ε-カプロラクトン)、ペグ化ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリリジン、ペグ化ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ペグ化ポリ(エチレンイミン)、ポリ(L-ラクチド-co-L-リジン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(4-ヒドロキシ-Lプロリンエステル)、ポリ[α-(4-アミノブチル)-L-グリコール酸]、及びそれらの誘導体を含む。 特定の実施形態において、前記ポリマーは、PLGAである。PLG又はポリ(乳酸-co-グリコール酸)とも呼ばれるPLGAは、乳酸(LA)とグリコール酸(GA)のコポリマーであり、その生物分解性及び生体適合性のため、米国食品医薬品局(FDA)が承認した治療用途の多くにおいて使用されている。PLGAは、典型的に、2種類の異なる単量体である、グリコール酸(GA)と乳酸(LA)の環状2量体(1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)の開環共重合によって合成される。PLGAにおけるLAとGAのモル比は、典型的に、75:25~25:75である。特に、モル比は、50:50である。PLGAは、カルボキシル基によって末端化されてもよく、より具体的には、それはカルボキシル基によって末端化されたPLGAであり、10~20kDaの間に含まれるような低分子量を有する。 好ましい実施形態において、ナノ粒子に使用される前記ポリマー組成物は、PLGAとペグ化PLGA、すなわち、一般式: のジブロックコポリマーを形成する、PLGAに結合したポリエチレングリコール(PEG)(PLGA-PEG)との混合物であり、 y、x、及びnは、それぞれグリコール酸、乳酸、及びエチレングリコール単位の数である。y、x、及びnは、0より大きい整数である。いくつかの実施形態において、PEGは、2~20kDaのモル質量を有し、すなわち、nは、約45~450の間にある。特定の実施形態において、nは、45~114の間にある。好ましい実施形態において、nは、約45である。 グリコール酸及び乳酸単位は、PEG-PLGAコポリマーのPLGA部分に無作為に分布している。いくつかの実施形態において、x及びyは、約7~500である。特定の実施形態において、x及びyは、約50~250である。好ましい実施形態において、x=yであり、x及びyは、約150であり、ジブロックPEG-PLGAコポリマーのモル質量は、30~80kDaの範囲にある。 PEG-PLGAコポリマーは、PLGAと混ぜ合わせてPEG含有量の様々なナノ粒子を形成することができ、結果として、それらの表面に様々なPEG密度が生じる。別の実施形態において、当業者に理解されるように、ナノ粒子は、2種類以上のPEG-PLGAタイプのコポリマーを混ぜ合わせることによって調製することができ、すなわち、ここで、PEGブロックのモル質量は異なり、nは、約45~450の間に含まれる。別の実施形態において、共有結合によって一緒に連結されたいくつかのPEG及びPLGAブロックを含む、マルチブロックコポリマーを使用することができる。 したがって、本開示は、PLGA及びPLGA-PEGを含むナノ粒子に封入されたCFTに関する。一実施形態において、本開示は、PLGA及びPLGA-PEGを含む、封入されたCFTを含むポリマーナノ粒子に関する。特に、2つのタイプのポリマーの質量比は、100:0~0:100(w/w)の間である。典型的に、前記比PLGA:PLGA-PEGは、100:0(w/w)~50:50(w/w)、特に80:20(w/w)~20:80(w/w)、80:20(w/w)~50:50(w/w)、75:25(w/w)~25:75(w/w)、特に75:25(w/w)又は50:50(w/w)である。 本開示によるナノ粒子の平均流体力学的直径は、100~500nmの範囲でありうる。特に、これらの直径は、100~350nm、特に140~280nmである。ナノ粒子の平均流体力学的直径を測定する方法は、例えば、Filipeらに記載されている。 主要パラメーターの1つは、薬物負荷であり、これはここで、ナノ粒子における薬物のポリマーに対する質量比として定義される。特定の実施形態において、CFT負荷は、ナノ粒子におけるPLGA及びPLGA-PEGの質量に対して10~30wt%、特に15~20wt%を含みうる。 一実施形態において、PLGAにグラフトされたPEG鎖間の算出された距離は、2~3nmであり、特に前記距離は、2nm、2.25nm、2.5nm、2.75nm、又は3nmである。ナノ粒子におけるPEG鎖の距離を決定するための方法は、実施例の項で提供される。 一実施形態において、PLGA-PEGは、標的化リガンドを有しうる。例えば、前記リガンドは、マンノース部分でありうる。マンノースは、PLGA-PEGのPEGの鎖終端に結合されうる。本コポリマーは、細胞の取込みを潜在的に増強することができる。或いは、葉酸、ビオチン、又はがん細胞を標的にするリガンド等の他のリガンドが使用されうる。実際、PLGA-PEGは、例えば葉酸、マンノース、モノクローナル抗体のような、小分子、ペプチド、抗体、操作されたタンパク質、又は核酸アプタマーを含む、がん細胞を標的にするリガンドによって官能化されうる。 本開示は、CFTが少なくとも1種の他の活性分子と封入された、上述の封入されたCFTにも関する。したがって、一実施形態において、本開示は、CFTが少なくとも1種の他の活性分子と封入された、上述の封入されたCF