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JP-2026514986-A - 交互タンジェンシャルフローフィルタのためのインライン定置洗浄プロセス

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Abstract

本発明は、濾過モジュール内の交互タンジェンシャルフロー(ATF)フィルタのインライン定置洗浄(CIP)のためのプロセスに関する。濾過モジュールはバイオリアクタと連通する。プロセスは、ATFフィルタを通して希釈NaOHを流すステップであって、希釈NaOHは0.1~0.5N NaOHであり、NaOHの体積はフィルタのホールドアップ体積の3~5倍であり、NaOHの流量は80~200ml/Lである、ステップと、フィルタを滅菌水でフラッシングするステップであって、フラッシングする水の体積はフィルタのホールドアップ体積の10~20倍である、ステップと、フィルタを培地と平衡化するステップと、を含む。本発明はまた、バイオリアクタと連通する濾過モジュール内の交互タンジェンシャルフロー(ATF)フィルタのインラインCIPのためのシステムを提供する。 【選択図】図1

Inventors

  • マヘーシュ レッディー アール
  • ヴィジャヤ ラクシュミ ヴァマナン
  • シュレーヤ ゴーシュ
  • クナール バルディヤ
  • ヴィーレンドラ クマール レッディー ピー
  • シルパー ガドギル
  • ヒマーンシュ ガドギル

Assignees

  • エンゼン・バイオサイエンシズ・リミテッド

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20240425
Priority Date
20230425

Claims (6)

  1. 濾過モジュール内の交互タンジェンシャルフロー(ATF)フィルタのインライン定置洗浄(CIP)のためのプロセスであって、前記濾過モジュールはバイオリアクタと連通し、前記プロセスは、 i)前記ATFフィルタを通して希釈NaOHを流すステップであって、前記希釈NaOHは0.1~0.5N NaOHであり、NaOHの体積は前記フィルタのホールドアップ体積の3~5倍であり、NaOHの流量は80~200ml/Lである、ステップと、 ii)前記フィルタを滅菌水でフラッシングするステップであって、フラッシングする水の体積は前記フィルタの前記ホールドアップ体積の10~20倍である、ステップと、 iii)前記フィルタを培地と平衡化するステップと、を含む、プロセス。
  2. 請求項1に記載のプロセスであって、前記プロセスは、前記バイオリアクタ内の生成物の力価を監視するステップを含む、プロセス。
  3. 請求項1及び2に記載のプロセスであって、前記バイオリアクタ内に蓄積された生成物の力価に基づいて、前記インラインCIPを開始する、プロセス。
  4. 請求項1に記載のプロセスであって、前記インラインCIPを、前記バイオリアクタ内で培養された細胞の増殖の対数期、静止期、及び衰退期から選択される期間の間に蓄積された生成物の力価に基づいて1回以上実行する、プロセス。
  5. 請求項4に記載のプロセスであって、前記バイオリアクタ内に蓄積された生成物の力価が、前記バイオリアクタ内で培養された細胞の増殖の、誘導期の間には20%以上であり、対数期の間には40%以上であり、静止期の間には60%以上であり、又は衰退期の間には40%以下かつ20%に等しい、ことに基づいて、前記インラインCIPを実行する、プロセス。
  6. 請求項1に記載のプロセスであって、前記バイオリアクタ内に蓄積された生成物の力価が60%~70%であることに基づいて、前記インラインCIPを1回以上繰り返す、プロセス。

Description

本開示は、交互タンジェンシャルフロー(ATF:alternating tangential flow)フィルタのためのインライン定置洗浄(CIP:cleaning in place)プロセスに関する。特に、本開示は、バイオリアクタと連通してバイオリアクタ内のタンパク質滞留を軽減する濾過モジュール内の交互タンジェンシャルフロー(ATF)フィルタのインライン定置洗浄(CIP)のためのプロセスに関する。特に、本開示は、フィルタ内またはフィルタ上に留まる細胞デブリ又は閉塞物を除去して、同じバッチに対してATFフィルタをより長い期間再利用することを助ける、インラインCIPプロセスを提供する。 細胞培養は、タンパク質、受容体、ワクチン、抗体などの生物学的製剤の製造に広く応用されており、例えば、治療薬、研究、診断など、様々な用途に利用されてきた。生産性の低さ、汚染、高コストといった問題に対処するため、様々な細胞培養技術が開発されてきた。 灌流細胞培養は、細胞を長期間にわたって指数増殖期に維持し、より高い生細胞密度に到達させることを可能にするために、注目を集めてきた。しかしながら、哺乳動物細胞プロセスで使用される細胞株の密度が高いために、生産中にバイオリアクタ内に大量のデブリ及び細胞廃棄物が蓄積し、バイオリアクタ内にタンパク質が滞留し、得られるタンパク質の収量が低下する。こうした制約に対処するため、並行して、中空繊維フィルタを用いた交互タンジェンシャルフロー(ATF)システムが、原核細胞及び真核細胞培養を用いた灌流プロセスのために、効率的な細胞分離を実現すべく開発されてきた。ATFフィルタは、細胞を含まない採取物を除去するために使用されてきた。 ATFシステムにおいて、細胞保持装置が細胞をバイオリアクタ内に保持し、使用済みの培地を含む生成物が採取される。その後、細胞は交互流によってバイオリアクタ内に押し戻される。そのため、ATFシステムは分離システムとして好適とみなされてきた。しかしながら、ATFフィルタの使用には欠点もある。特に、シングルユースプロダクトの場合、フィルタが詰まるたびに新しいATFフィルタを交換する必要がある。これによって、生産プロセスが停止され、生産コストが増加する。 それにもかかわらず、交互タンジェンシャルフロー(ATF)システムは、他のタンジェンシャルフロー濾過(TFF:tangential flow filtration)ベースの灌流システムよりもタンパク質滞留が少ないことが報告されている。タンパク質滞留は、ほとんどの分子において観察されている。GS(glutamine synthetase/グルタミン合成酵素)、DHFR(dihydrofolate reductase/ジヒドロ葉酸還元酵素)、CHOK1など、異なるCHO細胞株を用いた灌流プロセスにおいて、様々なレベルのタンパク質滞留が頻繁に観察される。灌流培養におけるタンパク質滞留は、消泡剤、異なる粒子サイズの細胞デブリ、培地成分、タンパク質関連の課題などを含むいくつかの要因が、単独で又は組み合わさって原因となり、発生する可能性がある。ATFベースのプロセスの間に前後に移動する培地の流れが細胞の健康及びタンパク質の品質に及ぼす影響は、十分には理解されていない。しかしながら、細胞とタンパク質生成物が受けるせん断応力のレベルが上昇することは分かっている。哺乳動物細胞は、せん断応力及び機械的ストレスに特に敏感である。様々な研究において、高いレベルのせん断応力が細胞の生存率及び増殖に影響を与える可能性のあることが、示されている。そのため、細胞及びタンパク質生成物へのダメージを避けるべく、流体力学的条件を著しく乱すことのない操作パラメータを使用して、プロセスを慎重に設計することが必要である。 様々な従来の試みには、公開されたPCT特許出願WO2005097306A1(特許文献1)によるアプローチが含まれる。これは、中空繊維及び内皮を備える膜フィルタの洗浄方法を開示する。ここで開示される方法は、以下のステップを含む。すなわち、濃縮区画室内に含有される濾過されるべき液体と混濁物質とを除去するために濃縮区画質を排液するステップ、及び、続いて、濃縮区画質内にガスを循環させながら、そこに堆積した不純物を分離して除去するために、膜を通して透過区画室から濃縮区画室に液体を通すことによって逆流洗浄を実行するステップである。この発明によれば、少なくとも一つ逆流洗浄フェーズの間に、制御手段(5、5a;7、7a)によって逆流洗浄の液体及び/又はガスのパルスが生成される。これによって、細胞及びタンパク質生成物及びフィルタ膜に不所望なストレスがかかり、細胞、タンパク質生成物に悪影響がおよび、膜が脆弱化する又は損傷しやすくなって効率が低下する可能性がある。 別のアプローチには、公開されたPCT出願WO2005028085A1(特許文献2)に開示されるような、膜濾過システムを逆流洗浄するための方法及び装置が含まれる。この方法では、濾過プロセスが停止又は一時中断されたときに、濾過システム内に現存している透過水が、逆洗洗浄プロセスの間に膜孔を逆流洗浄する液体を供給するために使用される。この場合、濾過システムを停止させる必要がある。そのため、生成全体が遅れ、プロセスが非効率化し、生成物のコストが増加する可能性がある。 現在、バイオリアクタ、濾過ユニット、及び関連機器を分解せずに洗浄する方法として、CIP(Cleaning in Place)として既知の、いわゆる定置洗浄システム及びプロセスが検討されている。しかしながら、ほとんどのCIPプロセスでは、洗剤、消毒剤、アルカリ、界面活性剤、高濃度・高温の酸などの、複数の強力な試薬を使用する。そのため、システム内部に有害な痕跡が残る可能性があり、インラインモードでの適用には適していない。ほとんどの場合、強力なアルカリ溶液及び酸を使用するとタンパク質が溶解するため、このようなプロセスは、ATF濾過ユニットを含むタンパク質生成設備のために適したものになる。 したがって、シングルユースのATFフィルタを含むATF濾過システムに特に採用できるインライン洗浄プロセスを提供するという、満たされていないニーズが残存する。このインライン洗浄プロセスは、フィルタ内およびフィルタ上に留まる細胞デブリ、残留物、残留物質を除去することによって効果的に洗浄できる。そのため、フィルタが詰まるたびにフィラーを交換する必要がなくなり、生産プロセスの停止を回避できて、フィルタの再利用が可能になる。重要なのは、バイオリアクタ内部のタンパク質生成物の滞留又は蓄積の問題に対処できることである。 国際公開第2005/097306号国際公開第2005/028085号 ATF濾過モジュールと接続されたバイオリアクタと、このセットアップで実行されるインラインCIPプロセスと、を備える、本発明による実験システムの概略図である。灌流バッチにおけるデノスマブの増殖プロファイルを示すグラフである。本発明のインラインCIPを実行した際のデノスマブ灌流採取の生産性プロファイルを示すグラフである。セツキシマブ灌流バッチの増殖プロファイルを示すグラフである。本発明のインラインCIPを実行したセツキシマブ灌流採取のための生産性プロファイルを示すグラフである。ATFフィルタの詰まりに起因してバッチに亘って蓄積されたバイオリアクタの力価が上のグラフに、採取量が下のグラフに示される。複数回のCIPに続いて、ピークの採取物力価は0.7g/L/日で観察された。灌流バッチにおけるラブリズマブ-Iの増殖プロファイルを示すグラフである。接種時のVCCは500万細胞/mLであった。ピークVCCは6日目に8760万細胞/mLが観察された。IN CIPを10日目と14日目に行った。本発明のインラインCIPを実行した際のラブリズマブ-Iの灌流採取物力価の生産性プロファイルを示すグラフである。本発明のインラインCIPを実行した際のラブリズマブ-Iの灌流バイオリアクタ力価の生産性プロファイルを示すグラフである。ATFフィルタの詰まりに起因してバッチに亘って蓄積されたバイオリアクタ力価は1.3g/Lであった。複数回のCIPに続いて、ピークの採取物力価は0.6g/L/日で観察された。灌流バッチにおけるラブリズマブ-IIの増殖プロファイルを示すグラフである。接種時のVCCは50万細胞/mLであった。ピークVCCは14日目に8億5百万細胞/mLが観察された。IN CIPを10日目に行った。本発明のインラインCIPを実行した際のラブリズマブ-IIの灌流採取の生産性プロファイルを示すグラフである。本発明のインラインCIPを実行した際のラブリズマブ-IIの灌流バイオリアクタ力価の生産性プロファイルを示すグラフである。ATFフィルタの詰まりの結果としてバッチに亘って蓄積されたバイオリアクタ力価は5g/Lであった。複数回のCIPの後、ピークの採取物力価は0.6g/L/日で観察された。灌流バッチにおけるトシリズマブの増殖プロファイルを示すグラフである。接種時のVCCは50万細胞/mLであった。ピークVCCは10日目に9000万細胞/mLが観察された。IN CIPを15日目に行った。本発明のインライン CIP を実行した際のトシリズマブの灌流採取の生産性プロファイルを示すグラフである。本発明のインラインCIPを実施した際のトシリズマブの灌流バイオリアクタ力価の生産性プロファイルを示すグラフである。ATFフィルタの詰まりの結果としてバッチに亘って蓄積されたバイオリアクタ力価は1.1g/Lであった。CIPの後、ピークの採取物力価は0.8g/L/日が記録された。灌流バッチにおけるニボルマブの増殖プロファイルを示すグラフである。接種時のVCCは50万細胞/mLであった。ピークVCCは8000万細胞/mLが観察された。IN CIPを15日目に行った。本発明のインラインCIPを実行した際のニボルマブの灌流採取の生産性プロファイルを示すグラフである。本発明のインラインCIPを実施した際のニボルマブの灌流バイオリアクタ力価の生産性プロファイルを示すグラフである。ATFフィルタの詰まりの結果としてバッチに亘って蓄積されたバイオリアクタ力価は1.5g/Lであった。CIPを15日目に行った。灌流バッチにおけるペムブロリズマブの増殖プロファイルを示すグラフである。接種時のVCCは50万細胞/mLであった。ピークVCCは7000万細胞/mLが観察された。IN CIPを22、25、及び26日目に行った。本発明のインラインCIPを実行した際のペムブロリズマブの灌流採取の生産性プロファイルを示すグラフである。本発明のインラインCIPを実行した際のペムブロリズマブの灌流バイオリアクタ力価の生産性プロファイルを示すグラフである。ATFフィルタの詰まりの結果としてバッチに亘って蓄積されたバイオリアクタ力価は4.3g/Lであった。複数回のCIPの後、ピークの採取物力価は2.5g/L/日で観察された。 発明の詳細な説明 以下は、本開示の実施形態の詳細な説明である。実施形態は、本開示を明確に伝えるために詳細に記載されている。しかしながら、提供される詳細の量は、実施形態の想定されるバリエーションを制限することを意図するものではない。むしろ、本開示の範囲内に含まれるすべての変更、同等物、および代替物を網羅することを意図している。 ここに記載されているすべての出版物は、それぞれの個々の出版物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、参照により組み込まれている。組み込まれた参照文献における用語の定義又は使用が、ここに記載されている当該用語の定義と矛盾する又は相反する場合、ここに記載されている当該用語の定義が適用され、参照文献における当該用語の定義は適用されない