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JP-2026514993-A - 共受容体キメラ抗原受容体

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Abstract

本発明は、LCKに結合可能な共受容体キメラ抗原受容体(CoCAR)、共受容体キメラ抗原受容体とCARの組合せ、かかるCoCARをコードする核酸コンストラクト、かかるCoCARを発現するように操作された組換え細胞およびそれを含む医薬組成物に関する。本発明は、好ましくは、腫瘍関連抗原の発現を特徴とする疾患の処置におけるその使用をさらに提供する。

Inventors

  • ユーベルハルト,ルドルフ

Assignees

  • ヴァヌディス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20240429
Priority Date
20230427

Claims (20)

  1. (i)第1の細胞外抗原認識ドメイン、 (ii)第1のヒンジドメイン、 (iii)第1の膜貫通ドメイン、および (iv)(a)LCKに結合可能であり、かつ/または (b)LCKまたはその変異体もしくは断片を含む、少なくとも1つのサイトゾルドメイン を含み、CD3ゼータドメインを含まない、 共受容体-CAR(CoCAR)。
  2. 第1の抗原認識ドメインがscFvである、請求項1に記載のCoCAR。
  3. 標的細胞上の抗原に特異的に結合可能である、前記請求項のいずれか一項に記載のCoCAR。
  4. 第1のヒンジドメインが、CD4、CD8、CD28、IgG-Fcドメインに由来する、前記請求項のいずれか一項に記載のCoCAR。
  5. 第1の膜貫通ドメインが、CD4、CD8、CD28、CD44、CD146またはCD3ゼータ膜貫通ドメインに由来する、前記請求項のいずれか一項に記載のCoCAR。
  6. (a)LCKに結合可能である少なくとも1つのサイトゾルドメインが、 (1)CD4、CD8α、CD28、CD3ε、CD44もしくはCD146細胞内シグナル伝達ドメインまたはその変異体もしくは断片に由来する細胞内シグナル伝達ドメインであるか、または (2)LCKに結合可能な1つまたは複数のモチーフを含む、 前記請求項のいずれか一項に記載のCoCAR。
  7. LCKに結合可能なモチーフが、CD4、CD8α、CD28、CD3ε、CD44またはCD146細胞内シグナル伝達ドメインに由来する、請求項6に記載のCoCAR。
  8. (a)請求項1から7のいずれか一項に記載のCoCAR、および (b)キメラ抗原受容体(CAR) の組合せ。
  9. 核酸、または第1および第2の核酸の組合せであって、 (a)核酸が、請求項1から7のいずれか一項に記載のCoCARまたは請求項8に記載の組合せをコードし、かつ (b)前記組合せが、請求項8に記載の組合せをコードし、ここで、第1の核酸が、CoCAR(a)をコードし、第2の核酸が、CAR(b)をコードする、核酸または第1および第2の核酸の組合せ。
  10. 核酸コンストラクト、または第1および第2の核酸コンストラクトの組合せであって、 (a)核酸コンストラクトが、請求項9に記載の核酸または第1および第2の核酸の組合せを含み、ここで、核酸ならびに/または第1および第2の核酸が少なくとも1つの発現制御配列に機能的に連結され、かつ (b)第1および第2の核酸コンストラクトの組合せにおいて、第1の核酸コンストラクトが請求項9に記載の第1の核酸を含み、第2の核酸コンストラクトが請求項9に記載の第2の核酸を含み、第1および第2の核酸が独立に、少なくとも1つの発現制御配列に機能的に連結されている、 核酸コンストラクトまたは第1および第2の核酸コンストラクトの組合せ。
  11. ベクター、または第1および第2のベクターの組合せであって、 (a)ベクターが、請求項9に記載の核酸もしくは第1および第2の核酸の組合せおよび/または請求項10に記載の核酸コンストラクトもしくは核酸コンストラクトの組合せを含み、かつ/または (b)前記組合せにおいて、第1のベクターが前記第1の核酸および/または第1の核酸コンストラクトを含み、第2のベクターが、請求項9および10に記載の第2の核酸および/または第2の核酸コンストラクトを含む、 ベクターまたは第1および第2のベクターの組合せ。
  12. 請求項9に記載の核酸コンストラクトを含む、組換え細胞。
  13. 免疫エフェクター細胞である、請求項12に記載の組換え細胞。
  14. 細胞表面にCoCARおよび/または前記組合せを発現する、請求項12または13に記載の組換え細胞。
  15. (i)CARおよび(ii)CoCARが、標的細胞の表面上に発現された同一抗原中に位置する異なるエピトープを認識する、請求項12から14のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  16. (i)CARおよび(ii)CoCARが、標的細胞の表面上に発現された異なる抗原を認識する、請求項12から14のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  17. (i)請求項1から7のいずれか一項に記載のCoCAR、 (ii)請求項8に記載の組合せ、 (iii)請求項9から11のいずれか一項に記載の核酸、核酸の組合せ、核酸コンストラクト、核酸コンストラクトの組合せ、ベクターおよび/またはベクターの組合せ、ならびに/または (iv)請求項12から16のいずれか一項に記載の組換え細胞 ならびに薬学的に許容される担体 を含む医薬組成物。
  18. 医薬における使用のための、請求項1から7のいずれか一項に記載のCoCAR、請求項8に記載の組合せ、請求項9から11のいずれか一項に記載の核酸、核酸の組合せ、核酸コンストラクト、核酸コンストラクトの組合せ、ベクター、ベクターの組合せ、請求項12から16のいずれか一項に記載の組換え細胞および/または請求項17に記載の医薬組成物。
  19. がんの処置における使用のための、請求項1から7のいずれか一項に記載のCoCAR、請求項8に記載の組合せ、請求項9から11のいずれか一項に記載の核酸、核酸の組合せ、核酸コンストラクト、核酸コンストラクトの組合せ、ベクター、ベクターの組合せ、請求項12から16のいずれか一項に記載の組換え細胞および/または請求項17に記載の医薬組成物。
  20. B7-H3(CD276)、BCMA、CD3、CD5、CD19、CD20、CD22、CD23、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD52、CD70、CD79A、CD79B、CD123、CD138、CD171、CEA、クローディン-6、クローディン-18.2、CLL1、CXCR5、EGFR、EGFRvIII、EPH-受容体A2、IGLV3-21、GP-2、GP-40、HER2、ErbB3、ErbB4、FBP、AchR、Fr-a、GD2、GD3、HMW-MAA、IL13Ra2、カッパ-LC、IGLV3-21-R110、ルイスY、メソテリン、MUC1、MUC16、NKG2Dリガンド、NCAM、NY-ESO1、癌胎児抗原h5T4、PSCA、PSMA、ROR1、TAG-72、VEGFR、GOLPH2およびSLAMF7からなる群から選択される少なくとも1つの腫瘍関連抗原の細胞表面発現を有する悪性腫瘍の処置における、請求項18または19に記載のCoCAR、組合せ、核酸、核酸の組合せ、核酸コンストラクト、核酸コンストラクトの組合せ、ベクター、ベクターの組合せ、組換え細胞および/または医薬組成物。

Description

本発明は、共受容体-CAR(CoCAR)、CoCARとCARの組合せ、かかる抗原受容体をコードする核酸、かかるCoCARを発現するように操作された組換え細胞およびそれを含む医薬組成物に関する。好ましくは、少なくとも1つの腫瘍関連抗原の発現を特徴とする疾患の処置におけるその使用がさらに開示される。 キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞は、革新的な免疫療法的アプローチに相当し、かかる治療法は、がんの処置に対して非常に大きな可能性を示してきた。CAR-T細胞は、患者由来の自己T細胞から生成され、自己T細胞はCARを発現するように遺伝子改変される。エクスビボでの遺伝子改変および拡大増殖後、CAR-T細胞は患者に再注入され、そこで腫瘍細胞の表面に露出した特定の構造に結合する。CAR-T細胞の抗原特異性は、T細胞由来膜貫通および細胞内シグナル伝達ドメインに連結された抗体に由来する細胞外抗原結合性ドメイン(例えば、単鎖可変断片、scFv)を含有する人工的に構築された融合タンパク質であるCARによって提供される。古典的CARは、膜貫通およびシグナル伝達ドメイン、例えば、CD3ζに融合された抗原特異的単鎖抗体(scFv)断片からなる。T細胞中に導入されると、膜結合タンパク質として発現され、そのコグネイト抗原に結合すると免疫応答を誘導する(Eshhar et al., (1993) PNAS, (90) 720-724)。 CARは、親のモノクローナル抗体の抗原結合特性を利用し、T細胞が、非MHC制限的に腫瘍細胞の表面に発現された天然抗原に応答することを可能にする。したがって、CAR-T細胞活性化の機序は、従来のT細胞のものとは本質的に異なっており、後者は、MHC分子によって提示されたプロセシングされたペプチド抗原にもっぱら応答する。CAR-T細胞のCAR依存性活性化は、抗原発現細胞に対する免疫応答を誘発し、その結果、腫瘍のT細胞媒介性破壊が生じる。 現在のCAR-T細胞療法は、CARによって認識される特異的標的抗原が低密度で発現される場合には制限された有効性を示す。最初に、腫瘍細胞が多量の腫瘍関連抗原を発現することが多いが、治療的介入の存在下で、腫瘍細胞は、その表面上に発現される標的抗原の量を下方調節でき、CARがT細胞を活性化して腫瘍細胞を死滅させることができなくなるという結果を伴う。他のシナリオでは、CARは、抗原密度が正常かまたは高い場合でさえ、T細胞機能を阻害することがある(例えば、CARがT細胞疲弊を誘導し、それによって、T細胞の治療効果を最終的に減弱または終結させる場合)。したがって、依然として、これらの制限を克服して、これらの治療法の適用範囲を増強するために、T細胞活性化をモジュレートする必要がある。 初期のCAR設計は、抗原認識ドメインとしての抗体単鎖可変断片(scFv)から構成され、これは、ヒンジおよび膜貫通ドメインを介してTCRシグナル伝達成分CD3ζの細胞質側末端に融合される。第1世代のCARを発現するT細胞は、抗原陽性腫瘍細胞に向けた細胞傷害性を誘導できるが、それらは、持続能力が不十分であるためにインビボで腫瘍増殖を効率的に制御できない(Eshhar et al., (1993) PNAS、(90) 720-724)。現在のCAR設計は、細胞内CD3ζT細胞活性化ドメインに加えて、1つまたは複数の共刺激ドメインを組み込み、これによって、第2(1つの共刺激ドメイン)および第3世代(2つの共刺激ドメイン)CAR構造が分類される。この設計原理は、完全T細胞活性化を解放するために必要な、シグナル1(TCRから)およびシグナル2(共刺激受容体から)を組み合わせることであり、実際、これは、インビボ持続性および臨床有効性を著しく改善した。ほとんどの場合、共刺激ドメインは、CD28受容体ファミリー(CD28、ICOS)または腫瘍壊死因子受容体(TNFR)ファミリー(4-1BB、CD27、OX40)のいずれかに由来するのに対し、CD28/CD3ζ(28z)および4-1BB/CD3ζ(BBz)第2世代CARは、臨床試験された細胞製品において最も頻繁に使用される組合せである。注目すべきことに、6種の現在FDAから承認されているCAR-T細胞製品のすべては、第2世代CAR設計を使用し、そのうち4種はBBz、2種は28zシグナル伝達ドメインを含有する。 BBz-および28z-CARを用いる増大しつつある実践経験によって、2種のCAR設計の間の根本的な機能の相違が示され、これが、一方ではCAR-T細胞のインビボ持続性に、他方では、抗原感受性に影響を及ぼす。BBz-CAR-T細胞は通常、28z CAR-T細胞と比較して、マウスおよびヒトにおいてインビボ拡大増殖および持続性能力の増強を示し、後者は、患者において1または2カ月より長く持続することは稀である。対象的に、28z-CARは、抗原密度が低い腫瘍ではBBz-CARより優れており、28z-CAR-T細胞を用いた場合、そのBBz対応物と比較して、低抗原再発を発症する可能性がより低い。したがって、持続性についての独特な能力を維持しながら、低抗原密度の腫瘍細胞に対する抗腫瘍免疫応答を増強するようにBBz-CARを再操作する必要がある。 28z-CARは通常、Src-ファミリーキナーゼLCKのCARのCD28エンドドメイン(endodomain)との会合に起因する、下流シグナル伝達事象のより迅速な、より大きな規模での活性化を誘導する(Salter et al., (2018) Sci Signal. 11(544))。LCK会合は、基底CAR-CD3ζリン酸化の増加およびより強度な抗原依存的T細胞活性化を促進し、これは、おそらくは、抗原密度が低下した標的細胞に対するCD28ベースの抗CD19 CAR-T細胞について観察された高い感受性の主な原因である(Hamieh et al., (2019) Nature、(568) 112-116)。28z-CARは、解糖代謝およびエフェクターT細胞様表現型を誘導し、高エフェクター機能に変換されるが、引き換えに、反復刺激後の疲弊が迅速であり、活性化誘導性細胞死が誘導され、インビボでの持続性が低い。実際、28z-CAR-T細胞は、注入後60日間より長く持続せず、CAR-T細胞の消失が再発の主要な原因である(Cappell & Kochenderfer、(2021) Nat Rev Clin Oncol. (11) 715-727; Neelapu et al., (2017) N Engl J Med, (377) 2531-2544)。対照的に、BBz-CARは、刺激後により弱い下流シグナル伝達事象を誘導するが、これは、CARの4-1BBエンドドメインが、CARシナプスへのTHEMIS-SHP1ホスファターゼ複合体の動員を促進し、そこで、SHP1が、CAR-CD3ζシグナル伝達ドメインのLCK媒介性リン酸化を減弱するためである(Sun et al., (2020) Cancer Cell, (2) 216-225)。それにもかかわらず、28z-およびBBz-CARは、高抗原発現を有する標的細胞に対して同等の抗腫瘍応答を誘導するが、BBz-CAR-T細胞は、インビボでより良好な拡大増殖および持続性能力を示す。4-1BBエンドドメインをCARシナプス中に含めることで、脂肪酸酸化代謝が誘導され、ミトコンドリア新生が増大し、それによって、呼吸容量およびT細胞記憶様表現型への分化が著しく増強されることが実証されている(Kawalekar et al, (2016) immunity, (2)380-390)。4-1BBのエンドドメインは、古典的および非古典的NFκB経路および抗アポトーシス性タンパク質、例えば、BCL-2およびBCL-XLの発現を活性化するTRAF1、TRAF2およびTRAF3の結合部位を含有するので、BBz CAR-T細胞は、疲弊および活性化誘導性細胞死に対してより耐性がある(Li et al., (2018) JCI Insight, (18) 121322)。したがって、BBz-CAR-T細胞は、インビボで定着腫瘍に対して持続した抗腫瘍活性を示し、応答性患者では数カ月間または数年間でさえ持続する場合がある(Melenhorst et al., (2022) Nature, (602) 503-509)。B細胞リンパ腫を有する患者におけるBBz-および28z-抗CD19 CAR-T細胞の同時比較は、同様の抗腫瘍効力を示したが、28z-CAR製品は、重症サイトカイン放出症候群(CRS)および神経毒性を誘導し、これは、28z-CAR-T細胞のさらなる評価の終結につながった(Ying et al., (2019) Mol Ther Oncolytics、(15) 60-68)。さらに、その28z対応物と比較して、BBz-抗CD19 CAR-T細胞は、B細胞急性リンパ性白血病(B-ALL)を有する患者において、より高い抗腫瘍有効性およびより軽度の有害事象をもたらし(Zhao et al, (2020) Mol Ther Oncolytics, (18) 272-281)、血液悪性腫瘍の処置においてBBz-CARの優れた機能を示した。しかし、BBz-CAR-T細胞では再発が良く見られるが、そのほとんどは抗原逃避と呼ばれる機序のためであり、標的抗原数の低減を示すかまたは抗原発現を完全に失った再発性腫瘍細胞を指す。例えば、多発性骨髄腫を有する患者において抗BCMA BBz-CAR-T細胞を用いる臨床試験は、低レベルのBCMAを発現する腫瘍細胞の増殖を実証した(Brudno et al., (2018) J Clin Oncol, (22) 2267-2280; Cohen et al., (2019) J Clin Invest, (6) 2210-2221)。さらに、m971抗原認識ドメインを利用する抗CD22 BBz-CAR-T細胞は、前臨床モデルにおいて高度に効率的な抗腫瘍応答を示し(Haso et al, (2013) Blood, (7) 1165-1174)、B-ALL患者において70%超の完全奏効率を誘導したが、応答性患者の大部分が、CD22抗原密度が低減した腫瘍細胞の増殖のために再発した(Fry et al., (2017) Nat Med, (1) 20-28; Shah et al., (2020) J Clin Oncol. (17) 1938-1959)。B-ALL腫瘍細胞株Nalm6の操作された変異体を使用する前臨床モデリングは、細胞あたりおよそ1,800個の分子へCD22部位密度を低減することが、抗CD22 BBz-CAR-T細胞による根治的抗腫瘍応答を鈍化させるのに十分であることを示した(Fry et al., (2017) Nat Med, (1) 20-28)。抗原密度が低減した標的細胞に対するBBz-CAR-T細胞の同様の不十分な反応性はまた、抗CD19および抗GPC2 CARを含む他の特異性についても示され、それぞれ、細胞あたり2,053のCD19および6,000のGPC2分子を有する腫瘍細胞を根絶できなかった(Majzner et al.,(2020) Cancer Discov. (5) 702-723; Heitzeneder et al, (2022) Cancer Cell, (1) 53-69)。これらの結果は、細胞あたり数千分子への抗原発現低下が、BBz-CAR-T細胞に対する耐性の一般的な原因であり、低抗原標的細胞に対するBBz-CARの不十分な感受性を示すことを示す。したがって、BBz-CARを拡大増殖および持続性のための能力を保ちながらその感受性を増強するように再操作することによって