JP-2026515018-A - 温度による吸光度変化を用いて濃度を特定するためのシステム及び方法
Abstract
サンプル中のオルト-フタルアルデヒド(OPA)濃度を測定するための方法が提供される。方法は、特定の波長でのOPAの吸光度を測定するための分光光度計の使用、及び温度による吸光度値の変化(勾配)を濃度値に変換するための標準曲線の使用、を含む。方法は、特異的(選択的)、簡便、迅速、及び高い正確性であるため、消毒/滅菌産業現場におけるOPA濃度のモニタリングなどの様々な用途での使用に適している。
Inventors
- ルー,カイタオ
Assignees
- ルー,カイタオ
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240425
- Priority Date
- 20230427
Claims (20)
- サンプル中の化学物質の濃度を測定するためのシステムであって、 光源、前記サンプルを収容するためのサンプルセル、及び光検出器を備えた分光光度分析システム、 前記サンプルセルを加熱するための加熱素子、 温度プローブ、及び 前記サンプルの吸光度-温度曲線の勾配を特定し、前記勾配を前記化学物質の標準勾配-濃度関係と比較することによって、前記化学物質の濃度を特定するように構成されたプロセッサ、 を備えた、システム。
- 前記化学物質が、温度によって変化する吸光度を有する、請求項1に記載のシステム。
- 前記化学物質が、芳香族化合物である、請求項2に記載のシステム。
- 前記化学物質が、オルト-フタルアルデヒド(OPA)、置換又は非置換のベンズアルデヒド、置換又は非置換のベンゼン、置換又は非置換のトルエン、置換又は非置換のキシレン、置換又は非置換のフェノール、置換又は非置換のアニリン、置換又は非置換のグルコース、及びタンパク質からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
- 前記化学物質が、オルト-フタルアルデヒド(OPA)である、請求項4に記載のシステム。
- およそ0.3重量%の最小有効濃度に近いOPA濃度について、±0.1重量%の正確性を有する、請求項5に記載のシステム。
- およそ0.3重量%の最小有効濃度に近いOPA濃度について、±0.05重量%の正確性を有する、請求項6に記載のシステム。
- およそ0.3重量%の最小有効濃度に近いOPA濃度について、±0.01重量%の正確性を有する、請求項7に記載のシステム。
- 吸光度が、約190~約1100nmの範囲内の波長で測定される、請求項1に記載のシステム。
- 吸光度が、約300nm~約400nmの範囲内の波長で測定される、請求項7に記載のシステム。
- 吸光度が、800nm超の波長で測定される、請求項1に記載のシステム。
- 前記温度プローブが、熱電対又は温度の分光プローブである、請求項1に記載のシステム。
- 前記温度プローブが、赤外線(IR)プローブである、請求項12に記載のシステム。
- 前記加熱素子が、電気加熱素子又は電波加熱素子を含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記加熱素子が、分光光度分析システムに動作可能に接続されていない、請求項1に記載のシステム。
- さらに貯留部を備え、前記サンプルが、測定中又は測定後に前記貯留部に再循環される、請求項1に記載のシステム。
- 前記光検出器が、光電子増倍管(PMT)及び単一チャネル光センサーのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
- 円二色性測定用フィルター及び偏光測定用フィルターの少なくとも1つをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
- 単一チャネル光センサーからの吸光度を測定するポータブルデバイスである、請求項1に記載のシステム。
- サンプル中の化学物質の濃度を測定するための分析方法であって、 第1の温度で前記サンプルの第1の吸光度を測定する工程; 第2の温度で前記サンプルの第2の吸光度を測定する工程; 前記サンプルの吸光度-温度関係の勾配を特定する工程;及び 前記測定勾配を前記化学物質に対する標準勾配-濃度曲線と相関させることによって、前記化学物質の測定濃度を特定する工程、 を含む、方法。
Description
関連出願の相互参照 本出願は、参照により全内容が援用される2023年4月27日に出願された米国仮特許出願第63/498,603号の優先権を主張するものである。 本開示は、化学物質の未知濃度を測定するための定量分析法に関する。詳細には、本開示は、中程度の温度範囲にわたって吸光度が大きく変動する溶質及び溶媒の濃度を特定することに関する。 ベールの法則(ベール-ランベルトの法則と称される場合もある)によると、サンプルの吸光度は、サンプルを通る経路長b及び吸収種の濃度cに比例すると示されている。 A∝b*c (1) より正式には、比例定数はεで表され、及び消散係数と称される。 A=ε*b*c (2) εがモル単位の場合、それはモル消散係数又はモル吸光率と称される。ほとんどの化合物のモル吸光率は、波長によって変化し、ベールの法則は、λの関数としてより正確に記載される。 A(λ)=ε(λ)*b*c (3) ほとんどの物質は、低から中程度の濃度の吸収種においてベールの法則に従い、高濃度では、飽和効果によって逸脱し始める。特定のいかなる化合物の吸光度も、例えば波長によって変化し得るが、溶媒の屈折率にも依存し得、溶質-溶媒相互作用にも依存し得る。しかし、ある特定の溶媒の中にあると、ほとんどの物質は、特定の任意の波長において吸光度を保存する。これは、トーマス-ライヒェ-クーン(TRK)の総和則に含まれている光吸収の量子力学的特性に一部起因するものであり、この法則は、吸収体の(電子の)振動子強度の総和が、構造内の電子の総数に等しいと定めている。化学反応がない場合、物質中の電子の総数は保存されることから、吸光度の総和も、すべての波長にわたって保存される。典型的には、分子発色団は、その振動子強度の約1%しかUV-可視域に存在しない可能性があるため、個々の発色団は、その理論的限界の約1%で動作する。したがって、いくつかの発色団の吸光度は、化学的/物理的変化に敏感であり得、例えば、遷移を強めること、吸光度ピークを異なる波長にシフトさせること、及び/又は吸光度ピークの半値全幅を広げることにより、UV-可視域内に振動子強度の約1%を再分配し得る。 化合物によっては、pH及び温度などの条件によって吸光度が変化することがある。pHの場合、吸収の変化は、分子に対するプロトンの付加/脱離によって引き起こされる分子内の電子軌道の共役の変化に起因し得る。特定の波長における吸収の変化には、分子に対するコンフォメーション変化、分子の溶媒和に対する変化、及び吸収線幅の広がり、を含む様々な効果が寄与し得る。この吸光度が温度に依存するという特徴は、大抵の場合非常に小さく、通常は、周囲条件下でのサンプルの温度が常に一定というわけではないことから、吸光度の測定時に不正確性と不安定性とを生じさせる。上記のベールの法則によって示された吸光度と濃度との間の直接の関係、及び信頼性の高い吸収係数によって、吸光度は、多くの場合、例えば透過率又は蛍光よりも有用なスペクトルのモードとなる。 UV-可視分光光度分析は、その正確さ、簡便さ、及び低コストのため、定性分析及び定量分析に広く用いられてきた。しかし、一般的には、混合物中の成分を測定する場合、特に、関連する波長で重なり合う可能性がある不純物としての分解生成物を伴う場合、こ の技術の選択性又は特異性が問題となる。有機分子の多くの吸収の特徴は、紫外領域又は赤外領域で重なり合うため、混合物中の別々の化合物の濃度を個別に特定することを混乱させる。したがって、すべての化合物が、単一の温度での測定などの標準的な技術による吸光度を用いた濃度の特定に直ちに適するわけではない。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び化学滴定法などの他の方法は、実験室でのみ利用可能であり、時間がかかる場合もある。半定量的な試験ストリップも利用可能であるが、これらでは定量的な結果は得られない。 o-フタルアルデヒド(OPA)溶液は、スコープ、透析、呼吸器、及び麻酔器のための高レベル消毒液である。適切な有効性及び安全性を確保するためには、OPAの濃度を正確に測定することが重要である。OPAは、有効であるには0.3%超の濃度を有するべきである。消毒液の濃度がこの要件を下回った場合、その消毒液は廃棄されることになる。 OPAを測定するために用いられる現在の方法は、相対的に高いレベルの操作の複雑性、及び/又は比較的低いレベルの正確性を含み得る。これらの方法は、高価であり得、及び/又は典型的な消毒プロセス中の連続モニタリングには不都合であり得る。上記で挙げた課題に照らして、分光光度分析を通じて化合物の濃度を正確に特定できる定量的試験システム及び方法が必要とされている。 本開示に従うデバイスは、分光光度分析システム、サンプルヒーター、及び温度モニターを含み得る。ソフトウェアは、吸光度-温度データを処理して、自動的に勾配及び濃度を生成することができる。デバイスは、独立した装置であってよく、又はOPA溶液を用いる自動消毒/滅菌システムに組み込まれてもよい。 本開示の実施形態は、サンプル中の化学物質の濃度を測定するためのシステムを含んでよく、システムは、光源、サンプルを収容するためのサンプルセル、及び光検出器を含む分光光度分析システムを含む。実施形態はまた、サンプルセルを加熱するための加熱素子も含み得る。実施形態はまた、温度プローブも含み得る。実施形態はまた、サンプルの吸光度-温度曲線の勾配を特定し、その勾配を化学物質の標準勾配-濃度関係と比較することによって、化学物質の濃度を特定するように構成されたプロセッサも含み得る。実施形態は、温度に依存する吸光度を用いて化合物の濃度を特定することができる。実施形態は、溶液が温度に依存する吸光度を有し、化学物質はそれを有しない場合に、溶液中の化合物の濃度を特定することができる。例えば、溶液の溶媒又は成分のうちの1つが、分析物の温度に依存しない吸光度と重なり合う温度に依存する吸光度を有する場合、溶媒の濃度が測定されてよく、重なり合う吸光度に対するその溶媒の寄与を導くことができる。したがって、開示される方法は、これまでの重なり合うスペクトルから分析物の吸収への寄与を導くために適用され得る。 いくつかの実施形態では、化学物質は、温度によって変化する吸光度を有する分子から選択され得る。いくつかの実施形態では、化学物質は、不安定なプロトンを有する共役分子、及び溶媒和分子から選択され得る。いくつかの実施形態では、化学物質は、オルト-フタルアルデヒド(OPA)、置換及び非置換ベンゼン、グルコース、及びタンパク質から選択され得る。置換ベンゼンは、置換又は非置換トルエンを含み得る。置換トルエンは、置換及び非置換のo-、m-、p-キシレンを含み得る。 特に定めのない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。 基が「非置換又は置換されている」と記載されている場合で、置換されている場合は、置換基は、示された置換基のうちの1又は複数から選択され得る。置換基が示されていない場合、示された「所望に応じて置換された」又は「置換された」基は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル(heteroalicyclyl)、アラルキル、ヘテロ アラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、チオール、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、保護C-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、モノ-置換アミノ、及びジ-置換アミノの基から個々に独立して選択される1又は複数の基で置換されていてもよいことを意図している。 いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも±0.1重量%、0.09重量%、0.08重量%、0.07重量%、0.06重量%、0.05重量%、0.04重量%、0.03重量%、0.02重量%、0.01重量%、又は0.005%の正確性を有する。いくつかの実施形態では、システムは、OPA濃度について、およそ0.3重量%の最小有効濃度に近い少なくとも±0.1重量%の正確性を有する。いくつかの実施形態では、システムは、OPA濃度について、およそ0.3重量%の最小有効濃度に近い±0.05重量%の正確性を有する。いくつかの実施形態では、システムは、OPA濃度について、およそ0.3重量%の最小有効濃度に近い±0.01重量%の正確性を有する。 いくつかの実施形態では、吸光度は、約190~約1100nmの範囲内の波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、測定波長は、800nm超であり得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、約200~約700nmの範囲内の波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、約200~約600nmの範囲内の波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、約230~約380nmの範囲内の波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、約300~約400nmの範囲内の波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、約330~約400nmの範囲内の波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、350nm近辺の波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、340nm近辺の波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、342nm近辺の波長で測定され得る。 いくつかの実施形態では、吸光度は、最大吸光度の特徴に対応する波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度は、最大吸光度の特徴に対応しない波長で測定され得る。いくつかの実施形態では、吸光度の特徴のピーク付近の波長は、検出器を飽和させる可能性があり、他の波長が好ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、サンプルは、5、4、3、2、1.5、1.2、1.1、1.0、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、又は0.3(任意単位)のうちの少なくとも1つよりも低い吸光度が測定されるように、希釈され得る、より薄い経路長キュベットで測定され得る、及び/又は異なる波長で測定され得る。 いくつかの実施形態では、温度プローブは、熱電対又は温度の分光プローブであってもよい。いくつかの実施形態では、温度プローブは、赤外線(IR)プローブであってもよい。いくつかの実施形態では、加熱素子は、電気加熱素子及びマイクロ波のうちの少なくとも1つを含み得る。 いくつかの実施形態では、ヒーターは、分光光度分析システムに動作可能に接続されて いなくてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、貯留部を含み得る。いくつかの実施形態では、サンプルは、測定中又は測定後に、貯留部に再循環され得る。いくつかの実施形態では、第1の温度は、第2の温度と比較して高められていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の温度は、室温により近くてもよく、第1の温度から受動的に冷却することによって実現されてもよい。 いくつかの実施形態では、光検出器は、光電子増倍管(PMT)、単一チャネル光センサー、及び分光光度計システム内に備えられた光検出器のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、サンプルを第1の温度ま