JP-2026515021-A - CLL1を標的とするCAR-T細胞及びその製造方法と使用
Abstract
本発明は、CLL1を標的とするCAR-T細胞及びその製造方法と使用に関する。具体的には、キメラ抗原受容体を含有するCAR-T細胞に関し、キメラ抗原受容体は、単一ドメイン抗体、ヒンジ領域、膜貫通領域、及び細胞内シグナル領域を含み、単一ドメイン抗体のアミノ酸配列がSEQ ID No.1の22~150位である。実験により、CLL1-VHH-16 CAR-T細胞は、T細胞の特異的エフェクター分子IFN-γを効果的に分泌し、CLL1陽性標的細胞を効率的かつ特異的に殺傷し、優れたインビボ腫瘍殺傷活性を示し、マウスにおける腫瘍細胞の増殖を有意に阻害するだけでなく、マウスの生存期間を有意に延長可能なことが実証されている。CLL1-VHH-16 CAR-T細胞は、優れた抗腫瘍能力を有し、CLL1標的関連疾患の免疫療法に用いることができ、幅広い臨床応用の可能性を有する。 【選択図】なし
Inventors
- 楊▲しん▼
- 朱建高
- 楊文君
- 兪建東
Assignees
- 浙江康佰裕生物科技有限公司
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20231220
- Priority Date
- 20230428
Claims (16)
- CAR-T細胞であって、前記CAR-T細胞はキメラ抗原受容体を含有し、前記キメラ抗原受容体は、単一ドメイン抗体、ヒンジ領域、膜貫通領域、及び細胞内シグナル領域を含み、前記単一ドメイン抗体のアミノ酸配列がSEQ ID No.1の22~150位である、ことを特徴とする、CAR-T細胞。
- 前記細胞内シグナル領域は、共刺激ドメイン4-1BBと活性化ドメインCD3ζを含み、前記4-1BBのアミノ酸配列がSEQ ID No.1の220~266位であり、前記CD3ζのアミノ酸配列がSEQ ID No.1の267~378位である、ことを特徴とする、請求項1に記載のCAR-T細胞。
- 前記ヒンジ領域は、アミノ酸配列がSEQ ID No.1の151~195位であるCD8aヒンジ領域であり、前記膜貫通領域は、アミノ酸配列がSEQ ID No.1の196~219位であるCD8a膜貫通領域である、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のCAR-T細胞。
- 前記キメラ抗原受容体は、以下のいずれか1つを含む、ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のCAR-T細胞: A1)SEQ ID No.1の22~378位に示すアミノ酸配列を有するタンパク質、 A2)SEQ ID No.1の22~378位に示すアミノ酸配列においてアミノ酸残基が置換及び/又は欠失及び/又は付加された、A1)に記載のタンパク質と80%以上の同一性を有しかつ同一の機能を有するタンパク質、 A3)A1)又はA2)のN末端及び/又はC末端にタグ又はシグナルペプチドを付加した、A1)と同一の機能を有する融合タンパク質。
- A3)に記載のシグナルペプチドのアミノ酸配列がSEQ ID No.1の1~21位である、ことを特徴とする、請求項4に記載のCAR-T細胞。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体。
- 以下のいずれか1つである、ことを特徴とする、生体材料: B1)請求項6に記載のキメラ抗原受容体をコードする核酸分子、 B2)B1)に記載の核酸分子を含む発現カセット、 B3)B1)に記載の核酸分子を含む組換えベクター、又はB2)に記載の発現カセットを含む組換えベクター、 B4)B1)に記載の核酸分子を含む組換え微生物、又はB2)に記載の発現カセットを含む組換え微生物、又はB3)に記載の組換えベクターを含む組換え微生物。
- B1)に記載の核酸分子は、以下のいずれか1つである、ことを特徴とする、請求項7に記載の生体材料: C1)ヌクレオチド配列又はコード配列がSEQ ID No.2の64~1134位であるDNA分子、 C2)C1)で定義されるヌクレオチド配列と75%以上の同一性を有しかつ同一の機能を有するDNA分子、 C3)ヌクレオチド配列又はコード配列がSEQ ID No.2であるDNA分子、 C4)C3)で定義されるヌクレオチド配列と75%以上の同一性を有しかつ同一の機能を有するDNA分子。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のCAR-T細胞を含む、ことを特徴とする、医薬組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のCAR-T細胞、又は請求項6に記載のキメラ抗原受容体、又は請求項7又は8に記載の生体材料、又は請求項9に記載の医薬組成物の、以下のいずれか1つの使用: D1)腫瘍の予防又は治療のための医薬品の製造における使用、又は腫瘍の予防又は治療における使用、 D2)CLL1標的関連疾患の予防又は治療のための医薬品の製造における使用、又はCLL1標的関連疾患の予防又は治療における使用。
- 前記CLL1標的関連疾患は、CLL1陽性がんである、ことを特徴とする、請求項10に記載の使用。
- 前記CLL1陽性がんは、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、又は慢性骨髄性白血病である、ことを特徴とする、請求項11に記載の使用。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のCAR-T細胞を製造する方法であって、請求項7又は8に記載の核酸分子をT細胞に導入して安定発現させ、前記CAR-T細胞を得ることを含む、ことを特徴とする、方法。
- CLL1標的関連疾患を予防又は治療する方法であって、請求項1~5のいずれか一項に記載のCAR-T細胞又は請求項9に記載の医薬組成物を、CLL1標的関連疾患に罹患している対象に投与することを含む、ことを特徴とする、方法。
- 前記CLL1標的関連疾患は、CLL1陽性がんである、ことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 前記CLL1陽性がんは、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、又は慢性骨髄性白血病である、ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
Description
本発明は、細胞免疫治療の技術分野に属し、具体的にはCLL1を標的とするCAR-T細胞及びその製造方法と使用に関する。 急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia、AML)は、骨髄造血幹/前駆細胞の悪性疾患である。長期にわたり、軽症患者の治療にはアントラサイクリンとシタラビンの化学療法が使用され、中・高リスク患者の治療には造血幹細胞移植が使用されてきた。急性骨髄性白血病の不均一性により、現在、AML患者の治療は依然として困難である。近年、研究者は、CLL1を標的とする免疫療法がAMLの治療に有効であることを発見した。C型レクチン様分子1(C-type lectin-like molecule 1、CLL1)は、C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(C-type lectin domain family 12 member A、CLEC12A)としても知られ、抑制受容体として免疫調節において重要な役割を果たすII型膜貫通糖タンパク質である。CLL1は、末梢血、骨髄の骨髄細胞、及びほとんどのAML細胞に存在し、多くのAMLのCD34+CD38-幹細胞に発現しているが、正常なCD34+CD38-幹細胞には発現していないので、CLL1は、その特殊な発現パターンから、AMLの治療及び診断における潜在的な標的となっている。さらに、CLL1は、骨髄異形成症候群(Myelodysplastic Syndromes、MDS)及び慢性骨髄性白血病(Chronic Myeloid Leukemia、CML、慢性顆粒球性白血病)の細胞にも発現している。 従来の放射線療法、化学療法、及び造血幹細胞移植ではAMLの治療の有効率が低いが、CAR-T細胞療法の登場によりAMLの治癒が可能になった。CAR-Tは、Chimeric Antigen Receptor T-Cell Immunotherapy、すなわちキメラ抗原受容体T細胞免疫療法の略である。キメラ抗原受容体技術は、遺伝子工学技術を用いて免疫細胞を改変し、外因性抗腫瘍遺伝子(CAR遺伝子)を発現させることで、リンパ球などの免疫細胞が腫瘍細胞の表面抗原を認識する能力を有し、主要組織適合性複合体(MHC)の制限を受けずに腫瘍細胞を特異的に認識して殺傷することが可能になる。CARの構造は、主に腫瘍細胞の表面抗原を認識する細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインで構成されている。細胞外ドメインは、腫瘍表面の特異的タンパク質(抗原)を特異的に認識するために使用され、一方、細胞内ドメインは、共刺激分子ドメインを含んでおり、腫瘍表面の特異的タンパク質(抗原)が認識された後、リンパ球の免疫応答を開始し、特異的な標的細胞に対して細胞傷害性効果を発揮し、標的細胞(腫瘍細胞)を殺傷するために使用される。現在、CAR-T技術は、臨床医学に応用されており、世界中で多数の臨床成功例が報告されている。CAR-T細胞療法は、B細胞腫瘍などの血液悪性腫瘍において有望な有効性を示している。しかし、骨髄細胞の抗原特性はB細胞とは根本的に異なり、CAR-Tによる正常な骨髄細胞の傷害が骨髄不全につながり、対応する補充療法がないため、AMLに対するCAR-T療法の進歩は非常に遅れている。AMLにおけるCAR-T技術の成功には、依然として多くの課題が残っている。したがって、新規かつ効果的なCAR-T細胞のさらなる徹底的な研究開発とCAR-T細胞の有効性の向上は、AMLの免疫細胞療法にとって重要な理論的意義及び臨床応用価値を持っている。 本発明の目的の一つは、急性骨髄性白血病(AML)の治療に用いるCLL1を標的とするCAR-T細胞を提供することである。解決しようとする技術的課題は、説明された技術的主題に限定されるものではなく、当業者は、本明細書に記載されていない他の技術的主題についても、以下の説明を通じて明確に理解することができる。 上記目的を達成するために、本発明は、キメラ抗原受容体を含有するCAR-T細胞を提供する。キメラ抗原受容体は、単一ドメイン抗体、ヒンジ領域、膜貫通領域、及び細胞内シグナル領域を含んでもよく、単一ドメイン抗体のアミノ酸配列は、SEQ ID No.1の22~150位であってもよい。 CAR-T細胞(CAR発現T細胞又はCAR改変T細胞)はCLL1を標的とするCAR-T細胞であってもよく、CAR-T細胞はキメラ抗原受容体を発現する。 さらに、細胞内シグナル領域は、共刺激ドメイン4-1BB及び活性化ドメインCD3ζを含んでもよく、4-1BBのアミノ酸配列は、SEQ ID No.1の220~266位であってもよく、CD3ζのアミノ酸配列は、SEQ ID No.1の267~378位であってもよい。 さらに、ヒンジ領域は、アミノ酸配列がSEQ ID No.1の151~195位であるCD8aヒンジ領域であってもよく、膜貫通領域は、アミノ酸配列がSEQ ID No.1の196~219位であるCD8a膜貫通領域であってもよい。 さらに、キメラ抗原受容体は、CLL1-VHH-16 CARと命名され、以下のいずれか1つを含んでもよい: A1)SEQ ID No.1の22~378位に示すアミノ酸配列を有するタンパク質、 A2)SEQ ID No.1の22~378位に示すアミノ酸配列においてアミノ酸残基が置換及び/又は欠失及び/又は付加された、A1)に記載のタンパク質と80%以上の同一性を有しかつ同一の機能を有するタンパク質、 A3)A1)又はA2)のN末端及び/又はC末端にタグ又はシグナルペプチドを付加した、A1)と同一の機能を有する融合タンパク質。 さらに、A3)に記載のシグナルペプチドのアミノ酸配列は、SEQ ID No.1の1~21位であってもよい。 さらに、キメラ抗原受容体は、以下のいずれか1つを含んでもよい: E1)SEQ ID No.1に示すアミノ酸配列を有するタンパク質、 E2)SEQ ID No.1に示すアミノ酸配列においてアミノ酸残基が置換及び/又は欠失及び/又は付加された、E1)に記載のタンパク質と80%以上の同一性を有しかつ同一の機能を有するタンパク質、 E3)E1)又はE2)のN末端及び/又はC末端にタグを付加した、E1)と同一の機能を有する融合タンパク質。 本明細書に記載のタグは、GST(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)タグタンパク質、His6タグタンパク質(His-tag)、MBP(マルトース結合タンパク質)タグタンパク質、Flagタグタンパク質、SUMOタグタンパク質、HAタグタンパク質、Mycタグタンパク質、eGFP(強化緑色蛍光タンパク質)、eCFP(強化シアン蛍光タンパク質)、eYFP(強化黄色蛍光タンパク質)、mCherry(単量体赤色蛍光タンパク質)、又はAviTagタグタンパク質を含むが、これらに限られない。 当業者は、指向性進化法や点突然変異法などの公知の方法を用いて、本発明のキメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を容易に変異させることができる。これらの人工的に改変された、本発明のキメラ抗原受容体のヌクレオチド配列と75%以上の同一性を有するヌクレオチドは、キメラ抗原受容体をコードしかつキメラ抗原受容体の機能を有する限り、本発明のヌクレオチド配列に由来しかつ本発明の配列と同等するものである。 本明細書に記載のキメラ抗原受容体のいずれもが本発明の保護範囲内である。 キメラ抗原受容体は、N末端からC末端にかけて、シグナルペプチド、単一ドメイン抗体、ヒンジ領域、膜貫通領域、共刺激ドメイン、及び活性化ドメインを順次含んでもよい。。 本発明は、生体材料をさらに提供する。生体材料は、以下のいずれか1つであってもよい: B1)本明細書に記載のいずれかのキメラ抗原受容体をコードする核酸分子、 B2)B1)に記載の核酸分子を含む発現カセット、 B3)B1)に記載の核酸分子を含む組換えベクター、又はB2)に記載の発現カセットを含む組換えベクター、 B4)B1)に記載の核酸分子を含む組換え微生物、又はB2)に記載の発現カセットを含む組換え微生物、又はB3)に記載の組換えベクターを含む組換え微生物。 上記生体材料において、B1)に記載の核酸分子は、以下のいずれか1つであってもよい: C1)ヌクレオチド配列又はコード配列がSEQ ID No.2の64~1134位であるDNA分子、 C2)C1)で定義されるヌクレオチド配列と75%以上の同一性を有しかつ同一の機能を有するDNA分子、 C3)ヌクレオチド配列又はコード配列がSEQ ID No.2であるDNA分子、 C4)C3)で定義されるヌクレオチド配列と75%以上の同一性を有しかつ同一の機能を有するDNA分子。 本発明の一実施形態では、キメラ抗原受容体は、CLL1-VHH-16 CARと命名され、N末端からC末端にかけて、シグナルペプチド(Signal)、単一ドメイン抗体(CLL1-VHH-16)、CD8aヒンジ領域(Hinge)、CD8a膜貫通領域、共刺激ドメイン4-1BB、及び活性化ドメインCD3ζの順である(図1)。このうち、単一ドメイン抗体は、CLL1タンパク質に特異的に結合する単一ドメイン抗体CLL1-VHH-16であり、単一ドメイン抗体CLL1-VHH-16は、CARの細胞外抗原結合領域であり、腫瘍表面抗原CLL1を認識して結合する役割を担う。抗原結合領域の前(N末端)には、腫瘍表面抗原CLL1を認識するように、抗原結合領域のペプチド鎖の細胞外への移行を誘導するためのシグナルペプチド(Signal)が付加されている。CD8aヒンジ領域(Hinge)は、細胞外に位置するCARのペプチド鎖であり、細胞外抗原結合領域とCD8a膜貫通領域を連結している。CD8a膜貫通領域は、単一ドメイン抗体(CLL1-VHH-16)を細胞膜に固定するために使用される。細胞内シグナル領域は、共刺激ドメイン4-1BBと活性化ドメインCD3ζを含み、T細胞を相乗的に刺激し、細胞内シグナルを活性化し、T細胞の持続的な増殖とサイトカイン放出を可能にし、T細胞の抗腫瘍能力を増強するとともに、T細胞のシグナル伝達機能を発揮し、より強力で持続的なT細胞応答を促進するために使用される。 CLL1-VHH-16 CARのアミノ酸配列はSEQ ID NO.1に示されており、SEQ ID NO.1の1~21位はシグナルペプチド(Signal)のアミノ酸配列であり、SEQ ID NO.1の22~150位は単一ドメイン抗体(CLL1-VHH-16)のアミノ酸配列であり、SEQ ID NO.1の151~195位はCD8aヒンジ領域(Hinge)のアミノ酸配列であり、SEQ ID NO.1の196~219位はCD8a膜貫通領域のアミノ酸配列であり、SEQ ID NO.1の220~266位は共刺激ドメイン4-1BBのアミノ酸配列であり、SEQ ID NO.1の267~378位は活性化ドメインCD3ζのアミノ酸配列である。 CLL1-VHH-16 CARをコードする遺伝子はCLL1-VHH-16 CAR遺伝子であり、そのヌクレオチド配列はSEQ ID NO.2に示されている。SEQ ID NO.2の1~63位はシグナルペプチド(Signal)のヌクレオチド配列であり、SEQ ID NO.2の64~450位は単一ドメイン抗体(CLL1-VHH-16)のヌクレオチド配列であり、SEQ ID NO.2の451~585位はCD8aヒンジ領域(Hinge)のヌクレオチド配列であり、SEQ ID NO.2の586~657位はCD8a膜貫通領域のヌクレオチド配列であり、SEQ ID N