JP-2026515032-A - 圧縮可能な接合部を備えた医療用インプラント
Abstract
医療用インプラント、好ましくは人工関節用のインプラントであって、スリーブ(10)を貫通するチャネルを囲む壁(2)を備える、スリーブ状のインプラントである。壁(2)は、周方向に配置された複数の壁セグメント(20)から構成されている。隣接する壁セグメント(20)は、壁(2)の隣接する壁セグメント(20)間の離間距離を短縮させるように構成された圧縮可能な接合部(3)によって、互いに対向する隣接縁(21、22)で接続されている。上記接合部は、隣接する壁セグメント(20)間の間隙にまたがる板ばね(30)を備え、それにより、弾性ばね接続を形成する。それにより、分離間隙の幅は、板ばねによって規定される弾性的な方法により減少が可能となる。その結果、スリーブの周長が減少する。結果として、スリーブ全体の直径(幅)が縮小され、スリーブ全体が弾性的に圧縮されるため、より小さい空洞に嵌め込むことが可能となる。
Inventors
- リンク・ヘルムート・ディー
- バウアー・エックハルト
Assignees
- ヴァルデマール・リンク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240322
- Priority Date
- 20230509
Claims (20)
- 特に人工関節用の医療用インプラントであって、前記インプラントは、スリーブ(10)の下部(13)から上部(10)まで貫通するチャネルを囲む壁(2)を備えるスリーブ状であり、 前記壁(2)は、周方向に配置された複数の壁セグメント(20)から構成され、 隣接する壁セグメント(20)は、互いに対向する隣接縁(21、22)において圧縮可能な接合部3によって接続されており、 前記圧縮可能な接合部(3)は、前記壁(2)の前記隣接する壁セグメント(20)間の離間距離を短縮するように構成され、さらに、前記それぞれの隣接する壁セグメント(20)の間の間隙にまたがる板ばね(30)を備えることで、前記隣接する壁セグメント(20)の間に弾性ばね接続を形成するように構成され、 前記板ばね(30)は、前記離間距離の短縮に対抗する力を提供するように構成されていることを特徴とする、医療用インプラント。
- 請求項1に記載の医療用インプラントにおいて、 前記板ばねは、前記それぞれの隣接する壁セグメント(30)の少なくとも一方に接続され、好ましくは、前記板ばね(30)の少なくとも一方の端部において、フレクシャベアリング(31、32)によって接続されている、医療用インプラント。
- 請求項1又は請求項2に記載の医療用インプラントにおいて、 前記板ばね(30)は、前記それぞれの隣接縁(21、22)の間の前記間隙に配置されている、医療用インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントにおいて、 前記板ばねの両側には、圧縮スリット(34)を形成する自由空間が設けられており、前記圧縮スリットは、好ましくは片側が開いている、医療用インプラント。
- 請求項4に記載の医療用インプラントにおいて、 前記圧縮スリット(34)は、好ましくは互いに対向して配向され、さらに好ましくはV字型である、医療用インプラント。
- 請求項4又は請求項5に記載の医療用インプラントにおいて、 前記圧縮スリット(34)は、前記隣接縁及び/又は前記板ばね(30)に設けられた舌片(35)によって覆われている、医療用インプラント。
- 請求項6に記載の医療用インプラントにおいて、 封止間隙が前記舌片(35)によって規定され、前記医療用インプラント(1)の非圧縮状態において、前記封止間隙は、好ましくは0.5mm以下の幅、さらに好ましくは0.4mm以下の幅を有する、医療用インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントにおいて、 前記板ばね(30)は、前記隣接する壁セグメント(20)の前記隣接縁(21、22)の少なくとも一方と一体化物として成形されており、好ましくは、前記医療用インプラントが一体化物として成形されている、医療用インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントにおいて、 前記板ばね(30)は、クロスバー(37)として構成され、好ましくは折り畳まれたクロスバー及び/又は複数のクロスバーとして構成される、医療用インプラント。
- 請求項9に記載の医療用インプラントにおいて、 前記板ばね(30)の2つのクロスバーレバー(37、37')は、それぞれの端部の一方で接続され、前記それぞれの端部の他方で前記隣接縁(21、22)に接続されており、好ましくは、セットの任意の第3のクロスバー又はさらなるクロスバーが、いずれかの端部で前記セットの別のクロスバーに接続されている、医療用インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントにおいて、 複数の、好ましくは少なくとも4つの前記圧縮可能な接合部(3)が設けられている、医療用インプラント。
- 請求項11に記載の医療用インプラントにおいて、 前記圧縮可能な接合部(3)は、前記壁の周縁に沿って等間隔及び/又は等角度に配置され、及び/又は、対称に配置され、好ましくは、前記医療用インプラントの中間平面に対して鏡面対称に配置される、医療用インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントにおいて、 前記壁は、前記チャネル(11)に対する内面(26)と、前記壁(2)の反対側の外面(27)とを有し、前記外面(27)は、骨の侵入のために構成された多孔質材料で少なくとも部分的に構成され、前記内面(26)は、好ましくは緻密質である、医療用インプラント。
- 請求項13に記載の補強インプラントにおいて、 前記多孔質材料(29)が固定されるように構成されたポケット(28)が設けられ、前記多孔質材料(29)は好ましくは前記壁と一体化物として成形されている、補強インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントにおいて、 前記医療用インプラント(1)は、生体適合性材料で作製されており、好ましくは金属又はジルコニウム、さらに好ましくは、純チタン、チタングレード2、チタングレード4、チタン合金、タンタル、コバルトクロム及びステンレス鋼からなる群から選択される材料で作製される、医療用インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントにおいて、 前記医療用インプラント(1)は、付加製造、好ましくは3Dプリントによって形成される、医療用インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントにおいて、 前記医療用インプラントは、補強装置として構成され、好ましくは体内人工装具(9)用、有利には脛骨、大腿骨、又は上腕骨のインプラントコーンとして、又は歯科用コーンとして構成され、 前記チャネル(11)は、前記体内人工装具(9)のステム(91、94)を受け入れるように構成されている、医療用インプラント。
- 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントのセットにおいて、 少なくともより小さい医療用インプラント(1')と、より大きい医療用インプラント(1'')とを有する複数の前記医療用インプラント(1)を備える、医療用インプラントのセット。
- 請求項18に記載の医療用インプラントのセットにおいて、 前記より小さい医療用インプラントの前記板ばねの長さ/幅比は、前記より大きい医療用インプラントの前記板ばね(30)の長さ/幅比よりも大きい、医療用インプラントのセット。
- 骨修復を必要とする対象を治療する方法であって、 先行請求項のいずれか1項に記載の医療用インプラントを前記対象に埋め込むことを備える、方法。
Description
本発明は、特に人工関節用の医療用インプラントに関し、具体的には、スリーブを貫通するチャネルを囲む壁を備える、スリーブ状のインプラントに関する。より詳細には、当該スリーブは、補強型(augment type)のインプラントとして構成されてもよく、また、異なるサイズの医療用インプラントのセットが提供されてもよい。 疾患、損傷及び/又は摩耗、特に高齢であることに起因して、患者は、膝、股関節、肩等の関節を再建するために、体内人工装具(人工関節)を必要とすることが多い。多くの場合、欠損した骨組織を再建し、十分に強固な支持、特に限定されないが、人工関節を骨に固定するための支持を提供するために、追加の医療用インプラントが必要とされる。適切な装着感を達成し、挿入時に骨を損傷するリスクを低減するために、当該医療用インプラントは、骨欠損の大きさにより良好に適合するように圧縮可能であってもよい。 円錐形の補強装置の形態を有する医療用インプラントであって、当該円錐の壁に組み込まれた屈曲接合部を備える医療用インプラントを提供することが知られている(US2019/0070008A1)。壁の周縁に加えられる力により圧縮が生じ、その結果として、骨の空洞内に嵌合させるために円錐の幅が縮小される。しかしながら、十分な圧縮を達成するためには、残存する骨が耐え得る力よりも大きな力を要する場合が多い。これは、欠損が大きい骨において特に問題となる。そうした骨では、力に耐え得る健全な骨組織がさらに少ないためである。換言すれば、そのような骨は、著しく弱体化しており、圧縮されたインプラントの力に耐え得る能力が損なわれている。これにより、既に損傷している骨の残存部分をさらに損傷し、ひいては患者に深刻な合併症を引き起こすリスクが生じる。 したがって、より小さい圧縮力でより嵌合性を高めるために、圧縮性に優れた改良された医療用インプラントが求められている。よって、本発明の目的は、このような医療用インプラントを提供することである。 本発明による解決手段は、独立請求項に記載された特徴に存する。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。 本発明によれば、特に人工関節用の医療用インプラントであって、スリーブの下部から上部まで貫通するチャネルを囲む壁を備えるスリーブ状であるインプラントが提供される。当該医療用インプラントでは、該壁は、周方向に配置された複数の壁セグメントから構成され、隣接する壁セグメントは、隣接縁において圧縮可能な接合部によって接続されており、該圧縮可能な接合部は、該壁の隣接する壁セグメント間の離間距離を短縮するように構成され、さらに、隣接する壁セグメントのそれぞれの間の間隙にまたがる板ばねを備えることで、隣接する壁セグメントの間に弾性ばね接続を形成するように構成される。これにより、壁の周長が減少し、その結果、チャネルの圧縮が生じる。 本発明の核となる態様は、スリーブの壁を複数の壁セグメントに分割し、隣接する壁セグメント間に分離間隙を有し、隣接する壁セグメントの隣接縁間の間隙にまたがっている板ばねと組み合わせることにある。したがって、スリーブの周長は、壁セグメントの周方向の長さと間隙の離間距離との合計によって規定される。板ばねは、隣接する壁セグメント間に弾性ばね接続を形成し、スリーブの周縁に圧縮力が掛かると、板ばねの反発力に抗して、隣接する壁セグメント同士が互いに近づくようにする。換言すれば、板ばねは、離間距離の短縮に対抗する力を提供するように構成されている。これにより、板ばねによって規定される弾性的な方法において分離間隙の幅を縮小することができ、結果として、スリーブの周長が減少する。その結果、スリーブ全体の直径(幅)が縮小され、スリーブ全体が弾性的に圧縮されるため、より小さい空洞に嵌め込むことが可能となる。 実施例として、医療用インプラントが脛骨コーン(tibial cone)である典型的な寸法の場合、1つの板ばねを備える圧縮可能な接合部によって、周長を約3mm縮小することができる。壁が4つの(又は6つの壁)セグメントに分割され、それに対応する数の圧縮可能な接合部が設けられている場合、周縁の縮小は、12mm(又は18mm)に達する。従って、医療用インプラントの周長、ひいては幅/直径をかなり減少することができ、より小さい骨内の小さな空洞にも適合させることが可能となる。 圧縮可能な接合部(圧縮接合部とも称される)のこの圧縮効果を達成するために必要な力は、板ばねの特性、及びその隣接する壁セグメントの隣接縁への取り付け方によって決定され、特に板ばねの有効長及び幅、並びにそれに使用される材料の弾性特性によって決定される。したがって、圧縮可能な接合部の特性は、主に壁セグメントの特性から独立している。これにより、従来技術に係る圧縮可能なコーンインプラントにおいて可能であったように、圧縮可能な接合部の適合やパラメータの選択に関してより高い自由度が得られる。これによって得られる独立性は、例えば、壁セグメント及び/又は板ばねに使用される材料の選択の自由度を高めるために活用できる。しかしながら、たとえ板ばねの材料及び/又はその厚さが壁セグメントの材料によって規定される場合であっても、板ばねの有効長及び/又は幅など、関連寸法を調整することにより、圧縮性をかなり広範囲にわたって選択できる。 この独立性のもう一つの重要な利点は、インプラントの寸法決定とその弾性とを切り離して行うことが可能になったことである。これにより、例えば、より小型のインプラントでも、より弾性の高い圧縮可能な接合部を備えることができる。これは、特に、骨に大きな欠損があるために健全な骨の質量が少なく、荷重支持能力が低下している場合に医療用インプラントを適用する際に有利である。従来、先行技術で知られているように、壁自体が圧縮性を得るための曲げ継手として使用される場合、より小型のインプラントを提供すると、必要な圧縮力が増加することが多い(同じ形状、材料でも、小さい部品は大きい部品より弾性が低いため)。このような望ましくない圧縮力の増加は、骨及び患者の健康にリスクをもたらす可能性がある。公知の医療用インプラントのこの重大な欠点は、本発明によって克服することができる。 圧縮可能な接合部に関連するパラメータは、壁セグメント自体ではなく、板ばねを形成する要素及びそのフレクシャベアリングのパラメータであり、接合部の特性(例えば、その剛性)の調整は、壁(セグメント)の特性とはほぼ独立して行うことができる。しかし、厚さや材料が壁セグメントによって決定される場合でも、特に板ばねの長さ及び/又は幅を調整することにより、壁セグメントの構成に悪影響を与えることなく圧縮性を選択できる。 好ましくは、板ばねは、それぞれ隣接する壁セグメントの少なくとも一方に接続され、好ましくはフレクシャベアリングによって接続されている。これにより、二重の効果が得られる。すなわち、板ばねは、壁セグメントのそれぞれに堅固に固定され、さらに、この固定により、板ばねは、片持ち梁のように作用する。これにより、圧縮力が加わった際の板ばねの弾性挙動が適切に決定される。その結果、これにより形成されるフレクシャベアリングも、板ばねに加えて弾性にも寄与する。さらに、フレクシャベアリングにより滑らかな移行が確保される。また、このような固定により、例えば、外科医がスリーブを拡張した場合でも、確実に板ばねがそれぞれの縁から外れることがないようにする。これにより、医療用インプラントは、移植前の取り扱いがよりし易くなる。好ましくは、フレクシャベアリングは板ばねの少なくとも一方の端部に取り付けられる。さらに好ましくは、板ばねは両端がそれぞれの壁セグメントに接続される。これにより、前述の効果が向上し、板ばねの非対称な固定に起因し得る欠点が回避される。 有利には、板ばねは、それぞれの隣接する壁縁間の間隙内に配置される。それにより、圧縮可能な接合部に突出部が不要となり、周囲の組織及び骨組織への刺激を最小限に抑えることができるという利点を実現できる。 有利には、板ばねの両側には、圧縮スリットを形成する自由空間が設けられている。圧縮スリットは、例えばクロスバーレバーとして形成された板ばねが、隣接する壁セグメントに近接して、すなわちそれぞれの壁セグメントの隣接する縁に近接して移動できるように、自由空間を提供する。これにより、壁セグメントに当接する板ばねによって妨げられることなく圧縮を達成できる。圧縮スリットは好ましくは片側が開いており、例えばある圧縮スリットは、インプラントの上部に向かって開いていて、板ばねの反対側にある別のスリットは、インプラントの下部に向かって開いている。これにより、一種のかみ合いスリットが形成され、圧縮可能な接合部の移動量を増加させることができる。さらに好ましくは、板ばねの両側にある圧縮スリットは、互いに対向するように配向される。好ましくは、圧縮スリットはV字型である。圧縮スリットの所定の(平均)幅に対して、このようなV字型形状は、圧縮可能な接合部によって達成され得る移動量を増加させることができる。 圧縮スリットは、隣接する縁及び/又はクロスバーに設けられた舌片によって覆われていることが好ましい。このような舌片がない場合、スリーブの内部から圧縮スリットを介して外部に直接視線を通す管路が形成される可能性があり、体内人工装具(人工関節)、特にそのステムを固定するためにスリーブの内部に塗布される骨セメントが流出してスリーブの外部に達する可能性がある。流出した骨セメントが外部の多孔質構造の孔を詰まらせ、その結果、骨が当該多孔質構造内に成長するのを妨げる危険性があるため、そのような流出は一般的には望ましくない。当該舌片をカバーとして設けることにより、そのような直接的な管路はもはや存在しなくなり、骨セメントが無制限に流出することを回避する。舌片は、有利には、封止間隙(sealing gap)を形成するように構成される。このような封止間隙により、内部から外部への骨セメントの流出を効果的に回避できる。このために、医療用インプラントの非圧縮状態において、封止間隙は、好ましくは、0.5mm以下の幅、さらに好ましくは0.4mm以下の幅を有する。これにより、骨セメントの流出に対して十分な封止効果が得られる。 好ましくは、板ばねは、隣接する壁セグメントの隣接縁の少なくとも一方と一体成形される。これにより、板ばねの強固な固定と効率的な製造が可能になる。さらに、板ばねが隣接する縁の両方と一体成形されている場合、板ばねを介して2つの隣接する壁セグメント間の物理的な連続性を実現できる。これにより、部品が連続しているため分離したり紛失したりすることがなくなり、医療用インプラントの製造及び取り扱いが容易になり、医療用インプラントの長期的な一体性にもさらに有益である。圧縮可能な連結部が当該板ばねによって構成されることによって独立性が得られるため、一体化物の特性により板ばねの厚さ及び材料が壁セグメントの厚さと材料によって固定されているとしても、板ばね及びそのフレクシャベアリングの寸法、特に長さ及び/又は幅を調整することによって、圧縮性を広く選択することができる。これは、より高い負荷に耐え、緩みや部品の紛失の危険性を回避するための独自の利点である。さらに、より好ましい実施形態では、医療用インプラントは、その壁セグメント及び板ばねを含めて一体化物として成形される。これにより、医療器具全体が一体となり、製造及び取り扱いが容易になる。特定の接続要素が不要なため、突起のない滑らかな表面が得られ、周囲の骨や生体組織に対する刺激を低減できる。更なる利点は、個別の部品が欠落することがなく、また、誤った部品、或いは不適合な部品が組み合わされることがなくなり、それにより患者に対する安全性がさらに向上することである。 好ましい実施形態では、板ば