JP-2026515053-A - 角膜クロスリンキング治療薬伝達装置
Abstract
角膜クロスリンキング処置を補助するために設計された装置。装置は、上面と下面を有する本体部を含み、後者には均一な圧力の伝達のために角膜の上皮層に配置される凹部が設けられている。装置は、下面に配置された複数の50ミクロンの高さの上皮スパイクを含み、装置の上面に圧力が加えられたときに角膜上皮層に微細な穴を形成することを目的としている。これらの微細な穴を形成することにより、装置は、角膜クロスリンキング処置における、リボフラビンのような治療薬の浸透を向上させる。装置は、シリコーン製であり、コンタクトレンズのような形状であって、眼科分野におけるマイクロニードル技術の革新的な応用を表し、従来の眼への薬剤伝達方法に伴う主要な制限事項に対処するものである。 【選択図】図4A
Inventors
- ロバノフ,マーク
Assignees
- ロバノフ,マーク
Dates
- Publication Date
- 20260513
- Application Date
- 20240503
- Priority Date
- 20230503
Claims (20)
- 角膜クロスリンキングを補助するための装置であって、 上面及び下面を有する本体部であって、前記下面は、角膜の上皮層に適合して配置されて前記装置の使用時に前記上皮層の各所に圧力を均一に分散させるように構成された凹部を含む、本体部と、 複数の上皮スパイクであって、上皮スパイクのそれぞれは、略50ミクロンの高さを有し、前記複数の上皮スパイクは、前記本体部の前記下面に配置され、前記複数の上皮スパイクは、前記本体部の前記上面に圧力が加えられたときに前記角膜の前記上皮層に複数の微細な穴を形成するように構成された、上皮スパイクと、 を有する装置。
- 請求項1に記載の装置であって、 前記複数の上皮スパイクは、前記凹部に配置されている、装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の装置であって、 前記本体部は、シリコーン、ラテックス、又はゴムの1つ以上を含むエラストマーにより形成されている、装置。
- 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の装置であって、 前記複数の上皮スパイクは、シリコーンにより形成されている、装置。
- 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の装置であって、 前記複数の上皮スパイクは、前記本体部の前記下面の各所に均等に分布されている、装置。
- 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の装置であって、 伝達システムを更に有し、 前記伝達システムは、前記複数のスパイクによって形成された前記複数の微細な穴を通じてリボフラビン及び酸素の1つ以上を角膜実質に伝達するように構成された、装置。
- 請求項6に記載の装置であって、 前記伝達システムは、前記本体部に統合されている、装置。
- 請求項6又は請求項7に記載の装置であって、 前記伝達システムは、前記複数の上皮スパイクに基づいてリボフラビン及び酸素の前記角膜実質への伝達の量及び速度を制御するように構成された、装置。
- 請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の装置であって、 前記伝達システムは、固形マイクロニードルとして構成された前記複数の上皮スパイクを含む、装置。
- 請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の装置であって、 前記伝達システムは、中空マイクロニードルとして構成された前記複数の上皮スパイクを含む、装置。
- 請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の装置であって、 前記伝達システムは、溶解性マイクロニードルとして構成された前記複数の上皮スパイクを含む、装置。
- 請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の装置であって、 前記本体部及び前記複数の上皮スパイクは、単一の材料片から成形された、装置。
- 角膜クロスリンキングを補助するための装置であって、 上面及び下面を有する本体部であって、前記下面は、角膜の上皮層に適合して配置されるように構成された凹部を含む、本体部と、 複数の上皮スパイクであって、上皮スパイクのそれぞれは、略50ミクロンの高さを有し、前記上皮スパイクのそれぞれは、前記本体部の前記下面にパターンに配置されて複数の上皮スパイクがパターンを形成するようになっていて、前記複数の上皮スパイクは、前記本体部の前記上面に圧力が加えられたときに前記角膜の前記上皮層に複数の微細な穴を形成するように構成された、上皮スパイクと、 を有する装置。
- 請求項13に記載の装置であって、 前記パターンは、前記角膜の屈折を変化させるように構成された、装置。
- 請求項13又は請求項14に記載の装置であって、 前記パターンは、円形、中心部が空いた円形、三日月形又は柱形の1つである、装置。
- 請求項13乃至請求項15の何れか1項に記載の装置であって、 前記パターンは、前記角膜の形状における不具合と関連している、装置。
- 請求項13乃至請求項16の何れか1項に記載の装置であって、 前記複数の上皮スパイクは、前記凹部に配置されている、装置。
- 請求項13乃至請求項17の何れか1項に記載の装置であって、 前記本体部は、シリコーン、ラテックス、又はゴムの1つ以上を含むエラストマーにより形成されている、装置。
- 請求項13乃至請求項18の何れか1項に記載の装置であって、 前記複数の上皮スパイクは、シリコーンにより形成されている、装置。
- 請求項13乃至請求項19の何れか1項に記載の装置であって、 前記複数の上皮スパイクは、中空マイクロニードルとして構成された、装置。
Description
(関連出願) 本出願は、2023年5月3日に出願された米国仮出願第63/463,738号、及び、2023年9月15日に出願された米国仮出願第63/538,641号の優先権を主張する。これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。 本開示は、角膜の治療状況に関し、より具体的には、角膜クロスリンキングのための装置及び方法に関する。 円錐角膜は、目の疾患であり、角膜が円錐状に膨らむような角膜構造の薄化及び/又は弱化が現れる可能性がある。多くの患者において、この疾患は、視界不良、複視、近視、不正乱視、及び光過敏が現れ、他の有り得る生活の質の低下が現れる可能性がある。この状況は初期においてはメガネ又はソフトコンタクトレンズによって矯正できるが、状況が進行し続けると特殊なレンズが必要となり、少数の人々には、角膜移植が必要となるような角膜の永続的な損傷及び傷痕が生じる可能性がある。これらのリスクを考慮し、角膜コラーゲンクロスリンキングのような矯正処置が、角膜を強化するため、及び潜在的には病気の更なる進行を遅延させ或いは停止させるため、利用可能である。同様に、クロスリンキングは、PRK又は乱視緩和切開(astigmatic-relaxing incision)等の眼科治療により得られた角膜組織の望ましい再形成を保持するために行われ得る。 一般に、角膜クロスリンキングは、リボフラビン又は他の適切な溶液のような、例えば紫外光の照射によって光活性化される、クロスリンキング溶液の眼への適用を含んでいる。活性化された溶液は、角膜の実質層におけるコラーゲン鎖が交わる新たな結合を形成させ、角膜の機械的な強度を大幅に回復させる。加えて、角膜のコラーゲン層に存在する酸素が、クロスリンキング反応における役割を果たすことが知られている。例えば、米国特許第8,574,277号、第9,644,089号、第9,907,698号、及び第10,010,449号を参照されたい。これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。加えて、米国特許公開第2014/249,509号及び第2013/178,821号を参照されたい。これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。加えて、ヒルらによる「Optimization of Oxygen Dynamics,UV-A Delivery, and Drug Formulation for Accelerated Epi-On Corneal Crosslinking」,Current eye research,45(4),450-458,2020年を参照されたい。その全体が参照により本明細書に組み込まれる。 角膜コラーゲンクロスリンキングのための処置は、有益である一方、酸素、及びリボフラビンのようなクロスリンキング溶液の角膜実質(corneal stroma)への効果的な伝達の観点から一連の課題を提起する。「エピ・オン」(epi-on)処置では、角膜上皮が無傷で保持され、上皮層が脂溶性の障壁として機能するので、リボフラビンによる角膜の充分な浸潤の確保が、実質的な障壁となる。この無傷の上皮はまた、処置の際の角膜実質への酸素の到達を制限し、酸素の利用可能性に大きく依存するクロスリンキングプロセスを損なう可能性がある。反対に、「エピ・オフ」(epi-off)処置は、角膜上皮の除去を含み、リボフラビンの浸透、及び酸素の到達を向上させる。しかし、この手法は、それ自体の問題を引き起こし、それは角膜上皮の後処置の治療の必要性に起因する回復期間の増加を含み、治療の過程から生じる追加の問題もあり得る。こうした課題は、関連する困難を軽減しつつ、角膜クロスリンキング処置の効果を高めることができる革新的な解決法の必要性を浮き彫りにする。 本開示の実施形態によれば、角膜クロスリンキング処置における治療薬(therapeutics)の伝達を補助する装置が開示される。1つ以上の実施形態は、角膜コラーゲンクロスリンキング処置の分野における、特に「エピ・オフ」及び「エピ・オン」法の両方における、従来技術の課題に対処する。エピ・オフ処置は、広く適用される方法であるが、激しい痛み、不快感、視力障害、内皮及び眼内構造への潜在的な損傷、及び角膜感染のリスクの増加といった深刻な問題を伴う。更に、これらの処置は、概ね7~10日の回復期間が必要であり、角膜の傷痕及び感染のような潜在的な課題によって特徴付けられる。これらの課題は、患者にとって耐え難く、苦痛で、潜在的なリスクを伴う過程となっている。 従来の試みが、これらの課題を軽減するための「エピ・オン」処置の進歩のために図られてきており、より早い回復及びより良い患者体験の達成が目的とされていた。しかし、エピ・オン処置における無傷な上皮は、無傷な上皮の脂溶性の障壁を通じて角膜実質に入る水溶性リボフラビンの効果的な浸透に対する大きな困難を引き起こし、これは角膜実質こそがクロスリンキングを介して強化される必要があるので処置の成功には重要である。上皮透過性の増加又はイオントフォレーシスのような、種々の手法が試みられてきたが、完全に効果的であることが示されたものは無かった。結果として、エピ・オン処置は、エピ・オフ処置と比較したときに角膜拡張進行を阻止することにおいて効果が少ないとみられている。 そこで、本明細書にて提案される開示の種々の実施形態は、角膜クロスリンキングのための治療薬の伝達を補助するための新規な装置を伴ってこれらの課題に対処する。1つ以上の実施形態において、この装置は、複数の上皮スパイクを伴う本体部を備え、角膜の上皮層において複数の微細な穴を形成するように設計されている。これにより、無傷な上皮の脂溶性の障壁を回避し、角膜実質へのリボフラビンの浸透及び飽和の改善を実現する。このような実施形態において、このリボフラビンの浸透性の増加は、エピ・オン処置の有効性を向上させる一方、エピ・オフ処置にみられる結果に匹敵し、且つ上皮における物理的な影響を最小化することによってエピ・オフ処置に見られた回復期間を減少させ或いは潜在的に取り除くことになる。 微細な穴の特徴に加え、この新規な装置は、他のクロスリンキング装置と併用されることが想定されている。例えば、種々の実施形態は、上皮の上のリボフラビンの濃度を一定且つ安定的に維持するため、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2022/0117783号に記載されたクロスリンキング装置と併用されることが想定されている。この組み合わせは、リボフラビンを角膜表面に断続的に滴下する従来及び現状の方法を超える改善をもたらすはずである。これはまた、長くなった吸収時間に伴う過度な角膜の脱水及び薄化の問題に対処する。これらの革新は、エピ・オン処置を劇的に変えることを目的とし、角膜コラーゲンクロスリンキングの分野における現状の選択肢に対する、より効果的且つ患者に優しい代替手段を提供する。 1つ以上の実施形態において、装置は、上面及び下面を有する本体部を含む。種々の実施形態において、下面は、角膜の上皮層に適合して配置される(conformally placed)ように構成された凹部を含み、これは装置の使用時に上皮層の各所に(across the epithelial layer)圧力を均一に分散させるためである。1つ以上の実施形態において、装置は、複数の上皮スパイクを含み、上皮スパイクのそれぞれは、略50ミクロンの高さを有し、複数の上皮スパイクは、本体部の下面に配置され、複数の上皮スパイクは、本体部の上面に圧力が加えられたときに角膜の上皮層に複数の微細な穴を形成するように構成されている。通常の角膜上皮は、平均50ミクロンの厚さである。そのため、スパイクは、上皮細胞層を貫通し、一方で下層の実質組織に穴を開けたり損傷したりしないように設計されている。いくつかの実施形態では、装置は、複数のスパイクによって形成された複数の微細な穴を通じてリボフラビン及び酸素の1つ以上を角膜実質に伝達するように構成された伝達システムを更に有している。 上記の概要は、図示された実施形態のそれぞれ又は本開示のあらゆる実施態様を説明することを意図していない。 本出願に含まれる図面は、明細書に組み込まれ、その一部を構成する。これらは、本開示の実施形態を示し、且つ、説明と共に、本開示の原理を説明する。図面は、特定の実施形態を示すのみであり、開示を限定するものではない。 図1は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置の斜視図を示す。図2は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置の断面図を示す。図3は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置の拡大部分断面図を示す。図4Aは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置の使用の段階を示す。図4Bは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置の使用の段階を示す。図5は、眼と、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置と、の断面図を示す。図6は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングの方法を示す。図7Aは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングの際に角膜の形状を変化させるように構成されたスパイクのパターンを示す。図7Bは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングの際に角膜の形状を変化させるように構成されたスパイクのパターンを示す。図7Cは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングの際に角膜の形状を変化させるように構成されたスパイクのパターンを示す。図7Dは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングの際に角膜の形状を変化させるように構成されたスパイクのパターンを示す。図7Eは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングの際に角膜の形状を変化させるように構成されたスパイクのパターンを示す。図8Aは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置の斜視図を示す。図8Bは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、図8Aの装置の断面図を示す。図9は、眼と、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置と、の断面図を示す。図10Aは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、クロスリンキング装置の斜視図を示す。図10Bは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、クロスリンキング装置の断面平面図を示す。図10Cは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、使用時のクロスリンキング装置の斜視図を示す。図10Dは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、使用時のクロスリンキング装置の断面図を示す。図10Eは、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助する装置と組み合わせたクロスリンキング装置の使用時の断面図を示す。図11は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、クロスリンキング装置と組み合わせた装置を用いる角膜クロスリンキングの方法を示す。 本開示の実施形態は種々の変形及び代替の形態に変更可能であるが、その詳細は、図面に例示する方法によって示されていて、詳細に説明される。しかしながら、説明された実施形態に本開示を限定する意図は無いことが理解されるべきである。むしろ、本開示の精神及び範囲に含まれるすべての変更、同等物及び代替策を包含することが意図されている。 図1~3及び図5を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態に係る、角膜クロスリンキングを補助するように設計された装置100の斜視図及び断面図が示される。装置100は、本体部104を備え、いくつかの実施形態では、レンズ状の形状を呈し、上面108と下面110を有する。下面110には、角膜の曲率に適合するように特に設計された凹部112が設けられている。本体104の