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JP-2026515071-A - N型導電性ポリマーを含んでなるインクを得るためのワンステップ法

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Abstract

本発明は、n型導電性ポリマーを含んでなるインクを製造する方法であって、 a)触媒または触媒前駆体を準備する工程と、 b)上記触媒前駆体を酸化促進剤によって酸化して上記触媒を得る工程と、 c)上記触媒の存在下で極性非プロトン性溶媒を含んでなる溶媒系にモノマーを添加して反応溶液を得る工程と、 d)上記モノマーを上記反応溶液中で重合させてn型導電性ポリマーを含んでなるインクを得る工程と、 を含んでなり、 上記触媒が少なくとも1つのキラル中心を含んでなる少なくとも1つの分岐側鎖を含んでなるキノンである、方法に関する。

Inventors

  • シモーネ、ファビアーノ
  • ヤン、チー-ユアン
  • マルク-アントワン、シュテッケル
  • ホアン、チュン-ター
  • リー、チーファン

Assignees

  • ウエストラ、マテリアルズ、アクチボラグ

Dates

Publication Date
20260513
Application Date
20240517
Priority Date
20230517

Claims (15)

  1. n型導電性ポリマーを含んでなるインクを製造する方法であって、 a)触媒または触媒前駆体を準備する工程と、 b)前記触媒前駆体を酸化促進剤によって酸化して前記触媒を得る工程と、 c)前記触媒の存在下で極性非プロトン性溶媒を含んでなる溶媒系にモノマーを添加して反応溶液を得る工程と、 d)前記モノマーを前記反応溶液中で重合させてn型導電性ポリマーを含んでなるインクを得る工程と、 を含んでなり、 前記触媒が少なくとも1つのキラル中心を含んでなる少なくとも1つの分岐側鎖を含んでなるキノンである、方法。
  2. 前記少なくとも1つの分岐側鎖が飽和分岐側鎖である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記触媒がビタミンEである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ビタミンEは、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記極性非プロトン性溶媒がDMSOであり、前記酸化促進剤が臭化水素(HBr)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記酸化促進剤がカチオンおよびアニオンを含んでなるイオン液体であり、ならびに前記方法が、 a’)前記反応溶液を電気分解する工程 をさらに含んでなり、 工程a’)は工程a)と同時にまたはその後に行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程a’)は、ニッケルカソードおよびカーボンアノードを使用して、4~6Vの範囲内の電圧で10~60分の範囲内の期間行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記イオン液体中の前記カチオンは、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム(EMIM)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム(BMIM)、1-アリル-3-メチルイミダゾリウム(AMIM)、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム(HMIM)、ブチルメチルピロリジニウム(BMP)、プロピルメチルピロリジニウム(PMP)、トリエチルスルホニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記アニオンは、塩化物(Cl - )、臭化物(Br - )、ヨウ化物(I - )、酢酸(OAc)、テトラフルオロホウ酸(BF 4 - )、ヘキサフルオロリン酸(PF 6 - )、ビストリフルオロメタンスルホンイミド(TFSI)、トリフルオロメタンスルホン酸(OTf)、ジシアナミド(DCA)、硫酸水素(HSO 4 - )、エチル硫酸(ESO 4 - )、チオシアン酸(SCN)、トシル酸(OTs)、メシル酸(OMs)、テトラクロロアルミン酸(AlCl 4 - )、ジエチルリン酸(DEP)、ジメチルリン酸(DMP)、乳酸(La)、L-アラニン陰イオン(APP)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記極性非プロトン性溶媒がジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、またはそれらの組み合わせである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記酸化促進剤と前記触媒との比が0.1~100、好ましくは0.25~5、より好ましくは1~3の範囲内である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記工程b)が20℃~150℃の温度で行われる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記モノマーが3,7-ジヒドロベンゾ[1,2-b:4,5-b]ジフラン-2,6-ジオン(HBFDO)であり、前記n型導電性ポリマーがポリ(ベンゾジフランジオン)(PBFDO)である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記方法が、 c)前記触媒を抽出により除去して、前記触媒をリサイクルする工程 をさらに含んでなる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載の方法によって製造された、n型導電性ポリマーを含んでなるインク。

Description

本発明は、n型導電性ポリマーを含んでなるインクの製造方法、およびそのような方法により得られるn型導電性ポリマーを含んでなるインクに関する。 導電性ポリマー(CP)は、柔軟性、低コストの溶液処理性、および電気化学的酸化還元活性を含む多機能特性により、幅広い注目を集めている。これらの特性により、CPはエレクトロニクス分野、特にフレキシブルエレクトロニクス、ウェアラブルテクノロジー、フレキシブルディスプレイなどの幅広い応用可能性に適している。CPの中でも、PEDOT:PSSは、その優れた電気光学特性および高い導電性により、最も研究されている物質の1つとなっている。二次ドーピングにより1000S cm-1を超える導電率を実現できる。 概して、PEDOTは化学酸化または電気化学プロセスを使用した重合によって調製できる。化学酸化プロセスによるPEDOTの調製により、より高い収率が得られ、特別な設定を必要としない。PEDOTは導電性が高いものの、水に不溶性であるため加工が困難である。しかしながら、この問題は、電荷バランスによりPEDOTのドーパントおよび安定剤として作用するポリスチレンスルホン酸(PSS)などの高分子電解質を使用することで解決できる。PEDOT:PSSは良好な透明性、低密度、低熱伝導率、高い熱安定性、良好な適合性、柔軟性、および低い生産コストを有する。フレキシブルエレクトロニクス、有機太陽電池、スーパーキャパシタ、電気化学トランジスタ、および発光ダイオードにおいて多様な用途がある。ただし、これらの用途の多くで優れた性能を実現するには、ホール輸送(p型)材料および電子輸送(n型)材料の両方を使用するデバイスが必要である。 近年、高性能n型導電性ポリマーの開発は大きく進歩したが、一部のn型導電性ポリマーの合成プロセスでは収率が低く、よってコスト効率が低下する。さらに、n型導電性ポリマーの合成には有毒な溶媒の使用が必要であり、これは環境および作業者の健康に有害である。 中国特許第115651448号明細書では、優れた導電性で知られるn型導電性ポリマーであるポリベンゾジフランジオン(PBFDO)の合成について説明している。しかしながら、中国特許第115651448号明細書に開示された合成経路では、約2週間の透析後処理が必要であり、重合工程では化石資源由来のリサイクル不可能な触媒が使用される。 したがって、特に再生可能且つ環境に優しい触媒を含む、n型導電性ポリマーを含んでなるインクを製造するための改良された方法を開発する必要がある。 上記を考慮し、本発明は従来技術の問題を解決することを目的とする。この目的のため、本発明は、n型導電性ポリマーを含んでなるインクを製造する方法であって、 a)触媒または触媒前駆体を準備する工程と、 b)上記触媒前駆体を酸化促進剤によって酸化して上記触媒を得る工程と、 c)上記触媒の存在下で極性非プロトン性溶媒を含んでなる溶媒系にモノマーを添加して反応溶液を得る工程と、 d)上記モノマーを上記反応溶液中で重合させてn型導電性ポリマーを含んでなるインクを得る工程と、 を含んでなる、方法に関する。 上記触媒は、少なくとも1つの分岐側鎖と、少なくとも1つの分岐側鎖上に配置された少なくとも1つのキラル中心とを含んでなるキノンである。上記触媒前駆体はキノン前駆体、すなわちキノン構造を形成できる種である。上記側鎖は3~100個の炭素原子を含んでなり得る。上記側鎖は、少なくとも1つの官能基、例えばヒドロキシル基をさらに含んでなり得る。さらに、上記側鎖は分岐中心をさらに含んでなり得る。本発明に係る触媒は、少なくとも1つのキラル中心を含んでなる少なくとも1つの分岐側鎖がそのような結晶化を防ぐため、重合反応中に結晶化しないことが実証されている。上記触媒は結晶化しないため、透析工程は除外される。 工程a)で触媒が準備される場合、工程b)は実際には省略されることに留意されたい。工程b)は、存在する場合、工程c)の前または同時に行うことができる。 「酸化促進剤」という用語は、酸化を誘導することができる種または方法を指す。 したがって、本発明の方法の利点の1つは、本発明による触媒は、少なくとも1つのキラル中心を含んでなる少なくとも1つの分岐側鎖が存在するため結晶化しないため、触媒を除去するための透析工程が除外されることである。 上記異モノマーは、骨格としての中心対称性ベンゼン環、活性水素、およびベンジル位における少なくとも1つの電子吸引基を有する。上記電子吸引基としては、カルボニル、カルボキシル、アミド、アルコキシアシル、または同種のものが挙げられる。 さらに、上記モノマーは、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの環、好ましくは5員環と縮合した中心対称性ベンゼン環を有する複素環部分の形態であってもよい。上記モノマーは、活性水素およびベンジル位における少なくとも1つの電子吸引基をさらに含んでなる。特に、上記モノマーは、3,7-ジヒドロベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジフラン-2,6-ジオン(HBFDO)、5,7-ジヒドロピロロ[2,3-f]インドール-2,6(1H,3H)-ジオン、または3,7-ジヒドロベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェン-2,6-ジオンであってもよい。 特に、上記モノマーは3,7-ジヒドロベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジフラン-2,6-ジオン(HBFDO)である。このような実施形態では、n型導電性ポリマーはポリベンゾジフランジオン(PBFDO)である。 特定の実施形態によれば、上記触媒前駆体はビタミンEであってもよい。当技術分野で周知であるように、ビタミンEは、以下に示すように、4つのトコフェロールおよび4つのトコトリエノールを含む8つの脂溶性化合物のグループである。 本発明の方法によれば、ビタミンEという用語は上記の種の少なくとも1つを意味することに留意されたい。換言すれば、上記の各種は、反応溶液中に純粋な形態で存在してもよいし、または上記の種のうちの少なくとも2つが任意の組み合わせで存在してもよい。したがって、ビタミンEは、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。 ビタミンE(トコフェロールおよびトコトリエノールの総称)は、高い酸化還元活性を有する天然物である。ビタミンEは光合成を行う植物で合成され、植物から大量に抽出することができる。全てのビタミンE分子は分岐した長い炭化水素側鎖を有し、室温では結晶化しない天然の油状物質である。本発明の方法によれば、ビタミンEを触媒前駆体として使用して、透析および溶媒除去などの後処理を必要とせずに、ワンステップ(1工程)またはワンポットでn型導電性ポリマーを含んでなるインクを合成することができる。上記で特定される従来技術文献に報告されている3工程の方法と比較すると、本発明の方法は大幅な簡素化を実現している。 驚くべきことに、ビタミンE自体には触媒作用はないが、ビタミンEの酸化型には触媒作用があることが判明した。酸化促進剤の存在下では、ビタミンEはベンゾキノン誘導体を形成する。前述のように、上記モノマーを添加する前にビタミンEの酸化を行ってもよい。あるいは、ビタミンEの酸化は工程c)中にインサイチュ(in-situ)で生じてもよい。上記触媒、例えば、酸化ビタミンEが上記モノマーと接触すると、重合反応が開始される。したがって、本発明の方法は、当技術分野で公知の方法と比較して、n型導電性ポリマーを含んでなるインクを製造するための簡略化されたコスト効率の高い方法であるという利点を提供する。ビタミンEを触媒前駆体として使用する大きな利点は、入手しやすさ、価格の安さ、および毒性がないことである。 本発明に係る触媒の少なくとも1つの分岐側鎖は、飽和分岐側鎖であってもよい。 特に重合に使用される場合、触媒は開始剤と称される場合もあることに留意されたい。 特定の実施形態では、上記極性非プロトン性溶媒はDMSOであり、酸化促進剤は臭化水素(HBr)である。HBrは揮発性があり、インクを印刷したときにフィルムの形成に影響しない。DMSOは工業用グレードのDMSOであってもよく、すなわち、水を含んでなり得る。 あるいは、上記酸化促進剤は、カチオンおよびアニオンを含んでなるイオン液体である。このような実施形態では、上記方法は、 a’)上記反応溶液を電気分解する工程 をさらに含んでなり、 工程a’)は工程c)と同時にまたはその後に行われる。このような実施形態では、酸化は電気化学的酸化である。 特に、工程a’)は、ニッケルカソードおよびカーボンアノードを使用して、4~6Vの範囲内の電圧で10~60分の範囲内の期間行うことができる。 上記イオン液体中のカチオンは、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム(EMIM)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム(BMIM)、1-アリル-3-メチルイミダゾリウム(AMIM)、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム(HMIM)、ブチルメチルピロリジニウム(BMP)、プロピルメチルピロリジニウム(PMP)、トリエチルスルホニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。上記カチオンの構造を以下に示す。 本発明によれば、上記アニオンは、塩化物(Cl-)、臭化物(Br-)、ヨウ化物(I-)、酢酸(OAc)、テトラフルオロホウ酸(BF4 -)、ヘキサフルオロリン酸(PF6 -)、ビストリフルオロメタンスルホンイミド(TFSI)、トリフルオロメタンスルホン酸(OTf)、ジシアナミド(DCA)、硫酸水素(HSO4 -)、エチル硫酸(ESO4 -)、チオシアン酸(SCN)、トシル酸(OTs)、メシル酸(OMs)、テトラクロロアルミン酸(AlCl4 -)、ジエチルリン酸(DEP)、ジメチルリン酸(DMP)、乳酸(La)、L-アラニン陰イオン(APP)、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。上記アニオンの構造を以下に示す。 上述のように、本発明の方法による溶媒系は極性非プロトン性溶媒を含んでなる。上記極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、またはそれらの組み合わせであり得る。 工程b)における上記酸化促進剤および上記ビタミンEの比率は、0.1~100、好ましくは0.25~5、さらに好ましくは1~3の範囲内である。 重合反応、すなわち本発明の方法の工程d)は、5℃~200℃、好ましくは18℃~180℃の温度で起こり得る。 重合反応、すなわち本発明の方法の工程d)は、10分間~72時間の時間で行うことができる。例えば、工程d)を100℃で行った場合、反応溶液の色の変化および粘度の観察によって示されるように、反応は1時間後に完了した。一方、工程d)を室温で行った場合、約72時間後に色の変化が観察された。工程d)の開始時の反応溶液の温度は25℃であり、その後100℃に達するまで上昇させることができる。あるいは、工程d)の開始時の反応溶液の温度は100℃であり、工程d)全体を通じてその温度に維持されてもよい。 本発明による方法の工程a)~d)は、周囲条件下、すなわち20℃~25℃の温度の空気中で行われ得る。好ましくは、少なくとも工程d)は不活性雰囲気下、すなわち窒素またはアルゴン下で行われる。 本発明に係る方法のコスト効率をさらに向上させるために、本発明に係る方法は、 e)抽出により上記触媒を除去して、上記触媒をリサイクルする