JP-7855227-B2 - 射出成形用金型及び樹脂成形品
Inventors
- 小瀧 大蔵
Assignees
- 株式会社 ダイサン
Dates
- Publication Date
- 20260508
- Application Date
- 20220623
Claims (5)
- コア型とキャビティ型とを有し、前記コア型と前記キャビティ型とを重ね合わせ、前記コア型と前記キャビティ型との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を注入することによって樹脂成形品を成形する射出成形用金型であって、 前記キャビティ型に形成され、前記キャビティへ溶融樹脂を注入するピンゲートを備え、 前記コア型において、前記ピンゲートに対向する部分には、球面に沿う凹状の窪みである湯溜まりが形成され、 前記ピンゲートの開口径は、前記湯溜まりの位置における前記キャビティの最大厚さより大きい、 射出成形用金型。
- 前記湯溜まりの底面には、前記キャビティ内に溶融樹脂を充填する際に前記キャビティ内の残留ガスを前記射出成形用金型の外部に排出する残留ガス排出部を備える、 請求項1に記載の射出成形用金型。
- 前記湯溜まりの内径は前記ピンゲートの開口径より広い、 請求項1に記載の射出成形用金型。
- 一方の表面側に突出した凸部と、前記凸部の周囲に形成された平面部と、を備え、 前記凸部の他方の表面にゲート痕を有し、 前記ゲート痕の直径は、前記ゲート痕の位置における前記凸部を形成する樹脂の厚さより大きく、 前記平面部の表面と前記凸部の突出する表面とは鈍角を形成している、 樹脂成形品。
- 前記凸部において、前記ゲート痕と対向する表面に残留ガス排出部痕を有する、 請求項4に記載の樹脂成形品。
Description
本発明は、射出成形用金型及び樹脂成形品に関する。 従来、樹脂成形品を成形する技術として、射出成形技術が知られている。射出成形技術は、樹脂素材を溶融し、金属ブロックに溶融樹脂流路等を設ける加工を施した射出成形用金型(以下、単に「金型」とも称する。)の内部に形成されている成形空間(以下、「キャビティ」とも称する。)に溶融樹脂を射出して充填し、冷却・固化した後、金型を構成している分離可能な金型部材を分離して成形空間を開き(以下、「型開き」とも称する。)、成形品を取り出すことによって樹脂成形品を成形する技術である。 例えば、特許文献1には、射出成形用金型として、溶融樹脂のキャビティへの入口であるピンゲートが形成された射出成形用金型が開示されている。 特開2010-208239号公報 本実施形態に係る射出成形用金型を示す断面図である。(A)は本実施形態に係る射出成形品の一例を示す断面図であり、(B)は別の一例を示す断面図であり、(C)は更に別の一例を示す断面図である。比較例に係る射出成形品を示す断面図である。本実施形態に係る射出成形用金型に樹脂を射出している状態を示す断面図である。 以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分及び類似の部分には、同一の符号又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚さの比率等は現実のものとは異なる。よって、具体的な厚さや平面寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。 <射出成形用金型> 図1に示すように、本実施形態に係る射出成形用金型10は、キャビティ型12とコア型14とを有する。なお、図1には、射出成形用金型10の一部のみが示されている。 本発明において、射出成形用金型は、金型内部の成形空間であるキャビティに溶融樹脂を充填し、冷却、固化した後に成形品をキャビティから取り出せるように、金型が主として二つの部品に分割されている。この金型部品の内、射出成形機の溶融樹脂注入ノズルに接続され、キャビティ内への溶融樹脂の吐出口であるゲートが設けられている方の金型部品を「キャビティ型」と称す。一方で、二つに分割された金型部品の内、「キャビティ型」に対置される方の金型部品を「コア型」と称す。 本実施形態に係る射出成形用金型10では、キャビティ型12とコア型14とを重ね合わせ、キャビティ型12とコア型14との間に形成されるキャビティ13(成形空間部)に溶融樹脂を注入することによって、樹脂成形品が成形される。また、射出成形用金型10は、ピンゲート16と、残留ガス排出部18と、を有する。 なお、本発明において、「残留ガス」とは、キャビティ内に溶融樹脂を充填する過程において、キャビティ内に存在するガスを意味し、最初から存在する空気と溶融樹脂の注入が開始された段階で加わるスプルーやランナーから押し出されてくる空気や樹脂の揮発成分などより成る。 (キャビティ) 本実施形態に係るキャビティ13は、湯溜まり13Aと、平面空間部13Bとを備えている。湯溜まり13Aは、樹脂成形品30の凸部30Aを成形する(図2参照)部分である。また、湯溜まり13Aは、コア型14においてピンゲート16に対向する部分に形成された、球面に沿う凹状の窪み(ディンプル)である。本発明では、湯溜まりが沿う球面の径は特に限定されるものではないが、本実施形態では、湯溜まり13Aが沿う球面の径は、半径で5mm程度とされている。 また、本発明では、湯溜まりの深さも特に限定されるものではないが、本実施形態では、湯溜まり13Aの深さH1は、0.7mm程度とされている。また、深さH1は、コア型14において平面空間部13Bを形成する面から垂直方向の深さであって、湯溜まり13Aの中心部(底)の深さ、かつ、最深の深さである。 本実施形態に係る平面空間部13Bは、樹脂成形品30の凸部30Aの周辺に、平面部30Bを成形する(図2参照)部分である。本発明では、平面空間部の厚さは特に限定されるものではないが、本実施形態では、平面空間部13Bの厚さH2は、0.2mm程度とされている。厚さH2は、平面空間部13Bを形成する面に垂直な方向の厚さであり、キャビティ型12の表面とコア型14の表面との距離である。 湯溜まり13Aが形成された部分におけるキャビティ13の最大厚さは、厚さH3である。厚さH3は、キャビティ13のピンゲート16の位置における厚さであり、また、深さH1と深さH2との和である(H3=H1+H2)。 (ゲート) 本実施形態では、ピンゲート16は、キャビティ13の湯溜まり13Aに向けて溶融樹脂を注入する。ピンゲート16は、キャビティ13へ注入する溶融樹脂が流動するスプルー16Aと、ゲートランド16Bと、を備えている。ゲートランド16Bは、ピンゲート16の先端、すなわちキャビティ13側の端部に設けられ、キャビティ13側に向かって縮径するテーパ状の部分である。ゲートランド16Bの先端、すなわちキャビティ13側の端部はゲート開口部16Cと称され、ゲート開口部16Cの開口径φ1は、湯溜まり13Aの位置におけるキャビティ13の最大厚さH3より大きい(φ1>H3)。 (残留ガス排出部) 本実施形態では、残留ガス排出部18は、ガス抜き孔18Aと栓部材18Bを含んで構成されている。残留ガス排出部18は、コア型14において、キャビティ型12のピンゲート16に対向する位置に形成され、キャビティ13内の残留ガスを排出する。 なお、本発明においては、残留ガス排出部を形成する場所は、これに限定されない。例えば、残留ガス排出部は、コア型の別の位置に設けることもできるし、キャビティ型に設けることもできる。また、残留ガス排出部はパーティング面に形成してもよい。更に、本発明では、残留ガス排出部の設置は選択肢の一つであり、必須ではない。 (ガス抜き孔) 本実施形態に係るガス抜き孔18Aは、金型外部から湯溜まり13Aの中心部(最深部)に達する。換言すると、ガス抜き孔18Aは、湯溜まり13Aの中心部に開口する。 ただし、本発明では、ガス抜き孔の開口位置は、湯溜まりの中心部に限定されず、例えば、湯溜まりの中心部と外縁部(平面空間部との境界)との間の任意の位置に配置できる。本実施形態に係るガス抜き孔18Aは、湯溜まり13Aの中心部から中心部近辺に残留する残留ガスを排出するように設けられている。残留ガスは、具体的には、湯溜まり13Aの中心部近辺に残留する空気や、樹脂揮発成分等の気体、或いはこれらの混合気体である。 本実施形態では、樹脂成形品30(図2参照)に対向するガス抜き孔18Aの開口部の形状は、2.0mm程度の径を有する円形状である。なお、本発明では、開口部の寸法、形状を適宜変更できる。本発明に係るガス抜き孔の形状は、例えば、多角形状、楕円形状等、任意の幾何学形状に設定できる。このため、樹脂成形品に形成される残留ガス排出部痕の形状も、ガス抜き孔の形状に応じて変化する。 (栓部材) 本実施形態に係る栓部材18Bは、ガス抜き孔18Aに着脱自在に差し込まれた状態で設けられる。栓部材18Bは、ガス抜き孔18Aの内周に密着する円柱材である。栓部材18Bは、軸部と、軸部より拡径された頭部(鍔部)と、を有する。頭部は、図示を省略するが、コア型14に対してネジ等により脱着自在に固定出来るようになっている。栓部材18Bの円柱材の軸部の外径は、ガス抜き孔18Aの内径に略等しい。なお、本発明では、栓部材の形状は、円柱状に限定されず、ガス抜き孔の形状に応じて、角柱状等、他の形状であってもよい。 本実施形態に係る栓部材18Bをガス抜き孔18Aから取り外すことによって、非成形時、栓部材18B及びガス抜き孔18Aを掃除し易い。 (ガス流路) 本実施形態に係る栓部材18Bの円柱材の外周面には、溶融樹脂が通過できず且つ残留ガスが通過できる開口径を有するガス流路20が形成される。ガス流路20は、残留ガスは通過できるが、溶融樹脂は通過困難な、キャビティ13内から金型外部に通じる細いガス流路である。 本実施形態に係るガス流路20の開口径は、100分の2mm程度である。なお、本発明では、ガス流路の開口径は、これに限らない。例えば、金型設計時に、成形に用いられる樹脂材料の種類、溶融樹脂の温度、注入圧力等の成形条件、ガス流路の長さ・屈曲性等の要素を考慮して、それぞれの要素に適切な開口径を任意に定めることができる。 図1中に例示されたガス流路20は、栓部材18Bの外面とガス抜き孔18Aの内面を密着させた状態で、ガス抜き孔18Aの内面と、栓部材18Bの軸部の外面との間に形成される。ガス流路20は、栓部材18Bの外周面に、栓部材18Bの軸方向に沿って形成された隙間18B1によって形成されている。 本実施形態に係る隙間18B1は、栓部材18Bの外周面を、栓部材18Bの軸方向に平行な平面で切り欠いて形成している。なお、本発明では、ガス流路となる隙間は、栓部材の外周面に、栓部材の軸方向に沿う溝を形成して構成してもよい。また、ガス流路となる隙間の本数は任意であり、途中で合流或いは分岐することも任意であり、更に、隙間の断面寸法も、キャビティに接する部分において溶融樹脂が通過できず且つ残留ガスが通過できる開口径を有している限り、その他の下流部分は任意に大きくしてよい。 <樹脂成形品> 本実施形態に係る射出成形用金型10を用いることによって、図2(A)に示す樹脂成形品30(以下、単に成形品30とも称する。)を成形できる。成形品30は、凸部30Aと、凸部30Aの周囲に形成された平面部30Bと、を備えている。 凸部30Aは、射出成形用金型10における湯溜まり13Aに充填された樹脂によって形成された肉厚部である。また、平面部30Bは、射出成形用金型10における平面空間部13Bに充填された樹脂によって形成された薄肉部である。 なお、本発明において、「薄肉」とは、キャビティの厚さが薄いことに起因して溶融樹脂の流動抵抗が高く、それに伴って溶融樹脂の高い射出圧力を要するため、成形機への負荷の増大、溶融樹脂の流速増大、それに伴う成形品への歪み等が発生し易い肉厚を意味し、特定の厚さ以下の肉厚であることを意味しない。 本実施形態に係る成形品30における凸部30Aの位置には、ゲート痕32及び残留ガス排出部痕34が形成されている。ゲート痕32は、成形品30の成形時にキャビティ型12と接する側の面に形成され、ピンゲート16(ゲートランド16B)の開口部形状に対応する形状を有する痕跡である。一方、残留ガス排出部痕34は、成形品30の成形時にコア型14と接する側の面に形成され、残留ガス排出部18のキャビティ側端部形状に対応した形状を有する痕跡である。 ゲート痕32の直径φ1Aは、ゲートランド16Bの開口径φ1(図1参照)と略等しい直径であり、ゲート痕32が形成された位置における樹脂の厚さ(肉厚)H3Aより大きい。また、この厚さH3Aは、湯溜まり13Aの位置におけるキャビティ13の最大厚さH3(図1参照)と略等しい厚さである。 図2(A)に示した例において、ゲート痕32は、ゲート痕32の周囲の部分と略面一に形成されている。一方、図2(B)に示した例において、ゲート痕32は、ゲート痕32の周囲の部分から凹んで形成されている。また、図2(C)に示した例において、ゲート痕32は、ゲート痕32の周囲の部分から盛り上がって形成されている。 これらの例に示したように、本発明において、ゲート痕は、周囲の部分と略面一でもよいし、凹んでいてもよいし、盛り上がっていてもよい。そして、これらの各場合において、ゲート痕は必ずしも裸眼による視認や蝕知できる痕跡である必要はない。ゲート痕32は、例えば光学顕微鏡で100倍程度以上に拡大し